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「しょっぱいドライブ」大道珠貴著
2003年芥川賞受賞作。
この話は、何と言っていいかとても難しい。
恋とか友情とか、人間関係にはいろいろあるけれども、
この話は、それでもやっぱり恋なのでしょうか。
もちろん全く非現実的ではなく、
あまりふだん目にしないだけで、ありそうなことではあるとはいえ。
という何とも歯に物が挟まったような感想になってしまう。
それに、主人公の女性はきっと幸せなのだと思う。
一般的には幸せには遠いように見えるかもしれないが、
こんな幸せもあるのだろうと思わせてくれる。
いろんな人のいろんな幸せがあっていいと思う。
誰が決めるわけでもなく、自分がどういう思いでどういう生き方をするか。
それでいいんじゃないだろうか。
短編が3つ収録されているのだが、どれもそんな話。
一見不幸そうで、でもきっと不器用に幸せを求め、
不器用なりに近づこうとしている人たち。
著者はしっかり、そんな人たちを暖かく見つめ、ていねいに描いている。
そんな著者の筆致には感服するものの、
読んでいてちょっぴりつらい。
・・・切ないけど甘くない。
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