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20日の参院予算委員会で、野党の質問に答えた安倍首相が、自衛隊と他国との訓練について説明する中で自衛隊について「我が軍」と述べた。菅官房長官も、その首相発言について記者会見で「自衛隊も軍隊のひとつ。問題ない」と述べた。
たしか、今までの政府の公式見解では、憲法9条が「陸海空軍その他の戦力を保持しない」と定めていることから「通常の概念で考えられる軍隊と異なる」としていたはずではないだろうか。
 
16日の参院予算委員会で三原順子議員が質問で「八紘一宇」を肯定的に持ち出し「日本が建国以来大切にしてきた価値観」と発言するなど、衆議院の行き過ぎをチェックし再考する「良識の府」であるはずの参議院でも暴走が続いている。
 
 
そんな中で、20日に、集団的自衛権行使容認の閣議決定の具体化である安保法制の大枠について協議していた自民・公明の与党が合意した。そのことに関して「毎日新聞」の25日付「特集ワイド」が「新安保法制、元防衛官僚が指摘 『戦死者必ず出る』」と題して大きくとりあげている。
 
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リードは「戦後70年、一度も海外で武力を行使しなかった日本の姿ががらりと変わる。20日に自民、公明両党が合意した新たな安全保障法制(安保法制)の枠組みのことだ。集団的自衛権の行使はおろか、自衛隊の海外活動が一気に広がる。私たちはことの重大さをどれほど理解しているだろう。安保法制の『先』にある現実を識者とともに考えた」。

「事実上の戦闘参加 荒唐無稽な『隊員の安全確保』」との中見出しでは、与党合意の2日後の22日、防衛大学校卒業式での安倍首相の訓示の「不戦の誓いを現実のものとするためには、私たちもまた先人たちにならい、決然と行動しなければなりません」との言葉を紹介し、その「行動」の柱が、わずか7回の与党協議で大枠が決まった安保法制の改定であるとする。
 
「何がどうなるのか。」と大まかに内容を整理。
主なポイントとして、
(1)集団的自衛権を行使し、米軍防護や重要航路の機雷除去
(2)日本防衛につながる活動をする他国軍の防衛(グレーゾーン事態)
(3)恒久法を制定し、国連決議などに基づき国際紛争に対処する他国軍の後方支援
(4)「日本周辺」という地理的制約を外し、重要事態の際は世界中で他国軍を支援
(5)国連平和維持活動(PKO)での「駆け付け警護」やPKO以外の有志国活動での治安維持任務など
(6)武器使用権限の拡大
(7)人質になった邦人を自衛隊が武器を使って救出−−を可能にする、
7つ。
 
そのために「自衛隊法」や「PKO協力法」、「周辺事態法」などの改正を今国会で成し遂げたい安倍首相は、冒頭の訓示で続けて「行動を起こせば批判にさらされます。過去においても、日本が戦争に巻き込まれるといった、ただ不安をあおろうとする無責任な言説が繰り返されてきました。しかしそうした批判が荒唐無稽なものであったことは、この70年の歴史が証明しています」と述べている。
 
イメージ 6それに対して旧防衛庁官房長で、2004〜09年には内閣官房副長官補として第1次政権時の安倍首相を支えた 柳沢協二氏は「いや違う。安保法制で語られていることこそが荒唐無稽なんです」と真っ向から反論する。
 
その理由して、自公の合意文書には、すべての法制の大前提として「自衛隊員の安全確保のための必要な措置」が明記されているが、「法改正で、隊員に与えられる任務の危険性は格段に高くなる。間違いなく戦死者が出ますよ。矛盾も極まれりで、これが荒唐無稽でなくて何でしょうか」と柳沢氏。
 
軍事ジャーナリストの田岡俊次氏が、さらに具体的な解説し、上記の7つのポイントのうち、自衛隊のイメージ 8海外活動の拡大で可能になる(5)の「治安維持」を例に、「それには、重要施設の警護や検問所を設置しての検査、街路巡視、家宅捜索などが含まれます。どれも戦闘に至る可能性が高い。狙撃されたり、検問所に攻撃や自爆テロが仕掛けられたりする。現に米軍はイラクで『勝利宣言』までに139人、その後の治安維持の過程で4352人の死者を出しているんです」とする。
 
陸自は04〜06年にイラクに派遣された当時は復興支援に活動を限定、宿営地にこもっていたが、その状態ですら、武装勢力のロケット弾などが20発以上撃ち込まれ、危険な場面もあったという。
 
柳沢氏も、「これまでの海外派遣で自衛隊員に犠牲が出なかったのは、戦場から離れた『非戦闘地域』に活動を限り、住民に銃を向ける必要がない任務だったから。今度の安保法制の内容は次元が異なります。武器使用権限が拡大されますが、自衛隊の任務もそれだけ過酷なものに変容するのです」と述べる。
 
(3)の「他国軍への後方支援」についても、安倍首相は2月の衆院代表質問の答弁で、他国軍への補給物資の輸送中に戦闘が始まった場合「ただちに活動を中断する。反撃して支援を継続することはない」と断言したが、田岡氏は「それは無理です」と一蹴する。
輸送部隊がゲリラなどの攻撃を受けた際、トラックの車列がUターンしようとすれば逆に狙われやすい。応戦して突破するしかない場合もある。攻撃されて撤退すれば、前線の他国軍は物資切れで崩壊しかねない。
 
(2)の「グレーゾーン事態」で言えば過去、日本防衛にも役立つはずの北朝鮮情報の収集をしていた米国の艦艇や電子偵察機が北朝鮮に拿捕(だほ)・撃墜された事件が起きているが、安保法制に従えば、こうした場合にも日本は米軍を防護しなければならないことになるという。
 
田岡氏は「仮に戦死者が出たら……」という記者の問いに「仮に、じゃない。必ずそうなります」とする。
 
 
イメージ 709〜11年の民主党政権時代に防衛相を務めた北沢俊美参院議員は、「自民党は『与党協議だから、オープンにする必要はない』と言う。外交・防衛問題に与党も野党もない、と言っていたのは彼らだよ。野党はおろか、国民不在でこんなことを決めていいのか」と憤る。
 
北沢氏は、終戦時は7歳、生まれ育った長野で戦争で肉親を失った家族の嘆き、苦労を見聞きしており、「戦後70年、自衛隊は一人の戦死者も出さず他国の人も殺さなかった。この重み、今こそかみ締めなければ」として「でも安保法制に従えば犠牲者が出る。これが日本の現実になる。そのリスクを冒す意味は一体何なのか。国会で何度も問うんだが安倍首相はきちんと答えない。これじゃ改正法案の審議になってもまともな答弁は期待できない。結局、与党は『数の力』で押し切るつもりなのだろう」と危惧する。
 
記者が、九段の靖国神社を歩いたところ、旧軍資料を展示する「遊就館」の売店では、自衛隊のハイテク装備や戦車、航空ショーを紹介するDVDに若者が群がっていたという。
 
柳沢さんの「この国は今、戦後初の現実に直面しようとしているのです。政権は戦死者を美化するでしょうが、危地に赴く隊員も、命令を下す指揮官も、安保法制の『非現実』的な想定を納得できるか。そもそも戦後70年の実績を放棄して、日本をそんな国にしてよいのか。根本の議論が欠けたままなんです」と対比するように、冒頭の首相訓示の一節「昨日までの平和は、明日からの平和を保障するものではない」を紹介し、「安保法制の『先』を考えれば、実にもっとも、である。」と結んでいる。
 
 
 
 
なお、この記事にも出ている、元内閣官報長官補の柳沢脇二氏は、21日付「朝日」では、「自衛隊のリスク 確実に拡大」と題して、http://buzz.news.yahoo.co.jp/article/772e1d0f31dd9d723f0bd6e104944145a164ec34/
 
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23日付「東京」でも「危険増す自衛隊員責任は」と題して、インタビューに答えている。
 
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これまで自衛隊は、創設以来、1人も相手を殺すことなく、1人の自衛隊員も殺されることがなかった。
 
しかし、20日に自民、公明両党が合意したな安全保障法制(安保法制)の骨格によれば、自衛隊が「いつでもどこでも、地球の裏側でも、戦闘地域でも」自衛隊が海外に出て行くことが時の政府の判断によって可能となり、いよいよ自衛隊が「殺し・殺される」危険性が高まってきたといえる。
 
安倍首相や政府関係者は、国会での野党の上記のような質問に対して「絶対にそんなことはありません」と述べ、「再び戦争をする国になることは断じてありえない」「切れ目のない安保法制を整備ことで日本が戦争に巻き込まれる恐れは一層なくなっていく」などと繰り返している。
 
イメージ 4原発についても、長い間「原発は安全」と政府や電力会社の「安全神話」に騙され、「津波が来ても大丈夫」と言っていた。2006年に当時の安倍首相(第一次内閣)は、「全電源喪失は起こらない」とも答弁している。
 
しかし、3・11福島第一原発で未曾有の大惨事が起こり、事故から間もなく4年が経過しているが避難者は、今なお12万人余りに上る。
 
「東京新聞」の調査では「原発関連死」は、昨年3月の調査から一年間で184人増え、総数は少なくとも12322人にのぼるという。
 
 
 
政府や官僚、関連企業は、いつも自分たちの施策をすすめるために都合のいいことしか言わない。あとで、それが誤りであったと歴史が証明しても、何ら責任をとろうとしない。
そんな政府の言うことが信用できるのだろうか。
 
安保法制という国の根幹にかかわる問題であり、自衛隊員や国民の生命がかかわる大問題である。その大転換が今必要なのか、それによって本当に平和と安全が守れるのか。
 
戦後70年の節目に、まさに、政治も問われるが、国民もまさに問われる事となる。
 
 
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閉じる コメント(8)

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紛争地で自衛隊員が死傷した時、日本の国内世論が沸騰し、自衛隊により過酷な任務を負わせ戦闘に発展することを危惧します。
また、そのような事態を奇禍として、一気に憲法改正・自衛隊の国軍化、核武装の世論が高まるのではないか?
そして、安倍総理はそこまで計算して、今回の集団的自衛権解釈変更をしたのではないか?
メデイアが再び戦前と同様、政府の報道機関に堕してきているのではないか?
疑えばキリがないです。全て杞憂であれば幸いです。

2015/3/26(木) 午前 4:27 [ 悪人正機 ] 返信する

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転載させてくださいね。

2015/3/26(木) 午前 7:36 [ あさり ] 返信する

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転載させてください。
いつもお世話になります。

2015/3/26(木) 午前 8:24 [ できごと・つぶやき ] 返信する

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> 悪人正機さん

田中角栄総理の決断で、日中国交回復が実現されたとき、「尖閣列島棚上げ合意」がなされました。
それを石原慎太郎さんらが騒ぎ出し、民主党の野田総理が、一方的に線引きしました。
それに対し、中国側からの抗議行動が続きました。
それからの、日本側の沸騰ぶりの凄まじさったらない。

自衛隊員が一人でも死亡したとき、日本の世論が一気に暴走するのは、目に見える。
絶対に安倍晋三君の目論見を許してはならない。

2015/3/26(木) 午前 9:12 [ - ] 返信する

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悪人正機さま
安倍政権がすすめる安保法制の議論に対して、巷では、これまでにない批判や危惧する声が上がっている気がします。
問題はメディアです。首相が自衛隊を「我が軍」と言ったり、議員が「八紘一宇」を賛美したりしても、“お利口”に黙っているのは、本当に情けないです。

2015/3/27(金) 午前 0:58 [ TABIBITO ] 返信する

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あさりさま
ありがとうございます。

2015/3/27(金) 午前 0:59 [ TABIBITO ] 返信する

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できごと・つぶやきさま
ありがとうございます。

2015/3/27(金) 午前 1:04 [ TABIBITO ] 返信する

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仲村あきらさま
自衛隊は、創設以来一人も殺すことなく、殺されることもありませんでした。しかし、海外派兵された自衛隊員の自殺は少なくありません。
戦争とはそういうものなのだと知らせることが大事だと思いま。

2015/3/27(金) 午前 1:13 [ TABIBITO ] 返信する

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