TABIBITO

自然に 素朴に 明日をみつめて

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最終章 マスメディアはどうあるべきか
 
中島「アンデルセン童話の「裸の王様」の話があるが、メディアというものは、「王様は裸だ」と言うのが役割がある」として、「NHKの前の会長が『政府が右と言ったんだから左というわけにはいかない』と政府広報のような局の位置づけがされたことがあったが、メディアはその逆であり、政府が『右だ』と言っているときに、『左の可能性がある』と言う、『王様は裸なんじゃないか』と言うのがメディアの健全な姿勢であることを、何度も確認していくことが重要」
 
堤氏「若い人たちが『テレビ、新聞は嘘ばかりだからネットがあればいいや』と言う人が多いが、それは逆。スピードや視聴率を追いかけてしまうことはあるが、テレビや新聞では、インターネットにはない深堀りした報道をしたり、いろいろな角度から見たり、現場にいって当事者の声を聴いたり、そうしたメディアの役割はこれからますます大きくなる」
 
人間が一番「自由」になるのは「問いかけているとき」である。番組をつくるとすぐ答えを出したくなるが、そうではなく「答えがない」「問うべきことがある」というように視聴者に投げかける、そういう番組がこれから重要になってくるのではないか。
 
インターネットとは違う役割が、テレビや新聞にはある。自発的な欲望に応えてくれるインターネットと同じように作り方をテレビがしたら終わり。
 
伊集院氏は「自分は極端なことを言うけど」と前置きして次のように語った。
「民報は、視聴率競争があり、スポンサーの意向があるから、自分の局は、どう偏っているかをきちんと表示する。このニュース番組は、このスポンサーの下でやってるのでこのジャンルにさいては否定的なことはいいませんと例文表示する。で、NHKはつまらなくていい。過度におもしろくしようと考えるのはやめる。」
 
最後に、次の朗読で番組を結んだ。
「未来へ、或いは過去へ、思考が自由な時代、人が個人個人異なりながら、孤独ではない時代へ──真実が存在し、なされたことがなされなかったことに改変できない時代へ向けて。
 画一の時代から、孤独の時代から、ビックブラザーの時代から、二重思考の時代から、ごきげんよう」(『1984年』)

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なお、ウィンストンのその後。
 
日記を書いていたことが、当局に行為を見つかり、恋人のジュリアンとともに“思想犯”として収監される。
そして“矯正”することを名目に「101号室」で拷問にかけられ思考をコントロールされ洗脳される。精神が破壊され、党への忠誠心を植え付けられ、最後は恋人手のジュリアンを裏切ることで「更生」したと見なされ釈放される。
ウィンストンは、「2+2=5」と考えられるようになり、「二重思考」が完成した──ビッグ・ブラザーを敬愛するように作り替えられたことで。

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NHKEテレ「100 de 名著」のプロデューサーの秋満吉彦氏は「100deメディア論の企画自体は2年前から温めてきました。理由は、自らが属するメディア業界の信頼が足元から揺らいでいると感じられたから。そして、今こそ私たちは自分たちの仕事自体を謙虚に問わなければならないと思ったからです。ぜひ一人でも多くの方にご覧いただけたらと思います」とツイッターに書いている。

 
「メディア論」について、非常に掘り下げた番組だったと思う。製作した人たちの意気込みが伝わってくる感じがする。
 
今の、メディアの役割をもう一度考える上で大きな一石を投じた番組だったといえよう。
今回だけでなく、せび続編を期待したい。

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