TABIBITO

自然に 素朴に 明日をみつめて

過去の投稿日別表示

[ リスト | 詳細 ]

全1ページ

[1]

11日夜放送のフジテレビ「Mr.サンデー拡大スペシャル」の中で「世界で熱狂なぜ?“世界一貧しい大統領 日本人への感動の言葉」と題して、ウルグアイのホセ・ムヒカ前大統領を再びとりあげた。

 
イメージ 1
 
 
ムヒカ前大統領は、大統領時代、収入のおよそ8割を寄付し、質素な農場で暮らしていたことから「世界で一番貧しい大統領」と呼ばれた。
 
老若男女、国民の誰からも“ぺぺ”と呼ばれて慕われ、愛されてきたムヒカ前大統領。
今年、5年間の任期を終え、圧倒的な国民に惜しまれながらその座を退いたニュースは世界各国で報じられたが、その後も世界中から注目されているという。
今年8月、ブラジル・
リオデジャネイロの大学で1万人もの学生の前で講演した。「ムヒカ!ムヒカ!」の熱狂的なコールが鳴り止まなかった。世界で最も注目される政治家の1人と言っていい。

 
イメージ 2
 
 
ムヒカ前大統領は、今も、田舎の農場の小さな家に奥さんと愛犬「マニュエラ」とともに住んで、のんびり農業や養鶏をして質素に暮らしているという。そして愛車は古い1987年製のビートルも変わりがない。
 
 
今年3月のMr.サンデーでは「世界一貧しい大統領のスピーチ」と題してムヒカ前大統領の生涯と、その生活ぶり、そして国連での感動的なスピーチなどが紹介された。

 
イメージ 3
 
 
現代の消費社会を痛烈に批判し「私たちは発展するために生まれてきたわけではありません。幸せになるために地球にやってき来たのです。」と訴えたスピーチは動画になり絵本になり、その後も世界でひろがっている。
 
今回は、その第二弾で、ウルグアイにある元大統領宅を訪問しムヒカ前大統領にインタビューを行った。
2ヶ月に及ぶ交渉の末、テレビ局のインタビューに応じるとの返事がきたという。
事前の約束では20分の予定だったが、インタビューは1時間20分にもおよんだ。
 
その中には、ムヒカ前大統領と日本との関わり、日本人へのメッセージも込められた。
インタビューの中で、ムヒカ元大統領は幼少期からの「日系人から受けた恩」や偶然見かけた「日本人サッカー少年」など、日本に関するエピソードを語った。
世界一貧しい大統領の、清貧の原点は日本人だったというのだ
 
ムヒカ大統領は7歳のときに父親をな亡くしたという。母親は少ない父の年金すら15年ももらえず、苦しんでいた。そこで花を栽培して生計をたてていたという。
 
イメージ 4
 
 
実は家の近所に10軒か15軒ぐらいの日本人家族がいた。
花の栽培のきっかけはその日本人家族だったのだ。幼いムヒカ大統領も育て方を教わり家計を助けた。農民の思考で狭い土地に多くのものを耕していた。
 
「50年前の私たちは富を平等に分配することによって世界をより良くできると考えていたんだ。でも、今になって気付いたのは、人間の文化そのものを変えないと何も変わらないということだ」
 
 
「私はみんな豊かさというものを勘違いしていると思うんだよ。大統領は王家のような生活”“皇帝のような生活をしなければと思い込んでいるようでね。だが、私はそうは思わないんだ。多数の人と同じ生活をしなければいけないんだ。国民の生活レベルが上がれば自分もちょっとだけ上げる。少数派じゃいけないんだ。」
大統領時代から、その生活ぶりはまさに一般庶民の生活そのものだった。
 
──国を治める者の生活はその国の平均でなければならない──日本の国のすべての政治家たちにも聞いてもらいたい。
 
 


イメージ 9「人間の幸せとは何か。」
再び国連のスピーチが紹介された。
 
「貧乏とは少ししか持っていないことではなく、限りなく多くを必要としもっともっとと欲しがることである」「貧乏とは無限の欲がある人のこと」
 
「ハイパー消費社会を続けるためには、商品の寿命を縮めてできるだけ多く売らなければなりません。10万時間持つ電球を作れるのに、1000時間しか持たない電球しか売ってはいけない社会なのです。長持ちする電球は作ってはいけないのです。もっと働くため、もっと売るためにの使い捨て社会なのです。」

 
イメージ 5
 
 
「私たちは発展するために生まれてきたわけではありません。幸せになるために地球にやってき来たのです。」
 
 
 

 
そして、3月の取材の際は、日本を絶賛したムヒカ前大統領だったが、今回は違っていて、今の日本の状況について一言、「日本人は魂を失った。」──と重い言葉で指摘した。 

ムヒカ前大統領は大のネクタイ嫌いで有名だ。今年3月1日に行われたウルグアイ新大統領就任式でも、前大統領はノーネクタイで出席した。
「我々も英国紳士のような服装をしなければならない。それが世界中に強制されたものだからです。」「日本人ですら信用を得るために着物を放棄しなければならなかった。みんなネクタイを締めて変装しなければならなくなった。欧米の価値観一色に塗りつぶされてしまった世界。」
 
「ペリー提督がまだ扉を閉ざしていたころの日本を訪れた時の話さ。時の日本は『西洋人は泥棒』って思っていた時代だね。あれは間違いではなかったけど、賢い政策で対応したとは思うよ。西洋にある進んだ技術に対抗できないことを認め、彼らに勝る技術をつくろうと頑張ったんだ。
そしてそれを成し遂げてしまった…。でもそのとき日本人は魂を失った。」

 
イメージ 8
 
 
「人間は必要なものを得るために頑張らなきゃいけないときもある。けれど必要以上のモノはいらない。幸せな人生を送るには重荷を背負ってはならないと思うんだ。」
「長旅を始めるときと同じさ。長い旅に出るときに、50kgのリュックを背負っていたら、たとえ、いろんなモノが入っていても歩くことはできない。100年前150年前の日本人は私と同意見だったと思うよ。今の日本人は賛成じゃないかもしれないけどね。」
 
多くのモノを持たず、それ以上を望まなかったかつての日本人。
「足るを知る」を美徳とした文化は大きな変貌を遂げてしまった。

 
イメージ 12
 
 

「今の日本についてどうお考えでしょうか?」と聞くと、次のように答えた。
 
「産業社会に振り回されていると思うよ。すごい進歩を遂げた国だとは思う。けど、本当に日本人が幸せなのかは疑問なんだ。西洋の悪いところをマネして、日本の性質を忘れてしまったんだと思う。日本文化の根源をね。」
耳が痛い。
 
「幸せとは物を買うことと勘違いしているからだよ。幸せは人間のように命あるものからしかもらえないんだ。物は幸せにしてくれない。幸せにしてくれるのは生き物なんだ。」
「私はシンプルなんだよ。無駄遣いしたりいろんな物を買い込むのが好きじゃないんだ。その方が時間が残ると思うから。もっと自由だからだよ。」
「なぜ、自由か…?あまり消費しないことで大量に購入した物の支払いに追われ必至に仕事をする必要がないからさ。根本的な問題は君が何かを買うときお金で買っているわけではないということさ。そのお金を得るために使った『時間』で買っているんだよ。請求書やクレジットカードローンなどを支払うために働く必要があるのならそれは自由ではないんだ。」

私たちは、いつの間にか、ほんとうの幸せとは何か、人間が生きる目的とは何か、を見失ってしまったようだ。
 
イメージ 7
 
 
  幸せに暮らすため
  自由でいるため
  みんなが物を欲しがらない暮らし……
 
「その世界は実現可能だと思いますか?」
 
「とても難しいね…」と言いながら、ムヒカ前大統領は、インタビュアーに向かってこう言った。
「君が日本を変えることはできない。でも自分の考え方を変えることはできるんだよ。世の中に惑わされずに自分をコントロールすることはできる。君のように若い人は。恋するための時間が必要なんだ。子どもができたら、子どもと過ごす時間が必要だし、友達がいたら友達と過ごす時間が必要なんだ。」

 
イメージ 11
 
 
「働いて、働いて、働いて、職場との往復を続けていたら、いつの間にか老人になって、唯一できたことは請求書を支払うこと。若さを奪われてはいけないよ。ちょっとずつ使いなさい。そう、まるで素晴らしいものを味わうように…。生きることにまっしぐらに。」
 
慈愛に満ちた優しい眼差しでそう語った。
 

ムヒカ前大統領の口から溢れるのは、幼いときから生きるために必死に戦い積み重ねてきた自らの体験で導き出した信念だ。
 
今は、農業学校を建て、花の栽培などを教えている。
「そこに学校をつくるのは一つの夢だったと思いますがこの先の夢・目標はありますでしょうか?」との質問に対しては次のように語った。

「私がいなくなったときに他の人の運命を変えるような若い子たちが残るように貢献したいんだ。本当のリーダーとは多くの事柄を成し遂げる人ではなく自分をはるかに越えるような人材を残す人だと思うから。」
 
「本当のリーダーとは自分を越える人材を残すことだ。」



 
最後に「日本の子どもたちへのメッセージ」を寄せた。
 
 「日本にいる子どもたちよ。
君たちは今
人生で最も幸せな時間にいる。
経済的に価値のある人材となるための勉強ばかりして
早く大人になろうと急がないで。
遊んで、遊んで、子どもでいる幸せを
味わっておくれ。」

 
イメージ 6
 
 
ムヒカ前大統領は、今でも世界から取材や講演などで引っぱりだこだ。ユーゴスラビア出身の巨匠映画監督エミール・クストリッツア氏が監督でムヒカ大統領の生涯に迫ったドキュメンタリー映画を作製中だという。
 
今年80歳になる元大統領の言葉は、現代社会のかかえる根本的な矛盾をえぐり、物質文明と大量消費社会にまみれた私たち日本人の心に突き刺さるようだ。
 
私たち一人ひとりが、ムヒカ前大統領の言葉に眼を覚ますべきであろう。
「私一人が日本を変える」ことはできないかもしれないが、まず「私が変わること」はできる。

──「モノを買い請求書を払うため」ではなく、「人生を味わって生きるために」世の中に惑わさ
れずに自分をコントロールすること。
──そして、人が人として持っている、思いやりや愛、命の大切さなどを基本にして、自然と調和して生きる道にシフトしていくこと。
 
そんな生き方をする人が増えれば、日本もいずれ変わるかもしれない。

 
イメージ 10
          ムヒカ前大統領の愛犬「マニュエラ」
 
 
 
 

開く コメント(49)

全1ページ

[1]


.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事