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自然に 素朴に 明日をみつめて

日記

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ここのところ、埼玉の方に足を向けることが何度かあった。
 
 
まず、もう2週間前になるが、久しぶりに見沼自然公園に行った。 
河津桜が咲いているというので、足をはこんでみたのである。
 
 
この日は、空が曇っていて底冷えがする寒い日だった。
 
埼玉県の中心部である、さいたま市(旧大宮市・旧浦和エリア)から川口市にかけて広大な田園地帯が広がる。これが通称「見沼たんぼ」とよばれる。この見沼たんぽには、いくつもの公園があり、「見沼自然公園」もそのひとつである。
 
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公園入口にあるサンシュユの大木。
 
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公園の中は、まだ冬の景色といったところだろうか。
 
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池を泳ぐカモたちも、なんとなく寒そうだった。
 
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しかし、少し中に入ると、満開の河津桜がところどころで咲いていて春の訪れを感じる。
 
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近くには梅並木もあった。
 
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見沼代用水東縁には、桜並木が続く。3月末から4月初めて華やかな姿を見せるため、まるでそれに備えるかのように静かに息を潜めているようだった。
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公園の芝生の中に、見沼代用水発明の父、創始者といわれている井澤弥惣兵衛(生年不詳〜1738,年)の像があった。井澤氏は、「農業土木技術の達人」と言われていたらしい。
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昔、現在のさいたま市の東側の土地は、荒地や沼地が広がり、田に水を引くために、今から390年程前、芝川をせき止めるための土手(八丁)が作られ、広いため井(見沼ため井)ができていた。290年ほど前になると、幕府は、米を作るために八丁zづつみを切り開き、見沼ため井を田に変える計画を立てた。しかし、ため井がなくなると用水にこまる村が多くなるため、幕府の役人、井澤弥惣兵衛は、ため井の代わりの用水を引く計画を立てた。これが『見沼代用水』の始まりだった。
見沼代用水は、今の行田市で利根川から取水し、八丁づつみまで60キロメートルも流れる長い用水だ。弥惣兵衛は、この長い見沼代用水を引く工事を、多くの村人の協力によって、わずか5ヶ月で完成させたという。
こうして見沼代用水がつくられ、有数の水田地帯が生まれたのである。
 
自然公園の出口付近に、猫がいた。この公園の"看板猫"なのだろうか。
 
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そのあと、川口市石神の新町にある「女郎仏」を訪ねた。
 
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この女郎仏の由来については諸説あるようだが、だいたい次のような話が伝わっているようだ。
寛政2年3月、ちょうど春の季節に、暴風雨が過ぎ去った翌日の朝、山林の中程から女性の鳴き声が聞こえてきた。嵐のあと村役人が見回りをしていると、道端に18、9くらいの気品のある女性が病気で苦しんでいる。事情を聞くが、話もできる状態でもなく、所持品もないので、どこの誰ともわからない。
そのまま放っておくこともできないので、庚申塚(現在の境内)に仮小屋をつくり、そこへ運んで看病したものの、そ野甲斐もなく5日後に亡くなってしまった。身元もわからないため、近所の人々を雇って、庚申塚に手厚く葬った。
仏があまりにも美しく可憐であったので、もしや女郎ではないかとの噂がたち、いつしか「女郎仏」として祀られるようになったという。
この仏は婦人病に効くと噂され、6日を命日と定めて、遠方からも参詣人が多く来るようになったという。
 
それにしても、境内の中の「女郎仏の由来」の紙が破けてズレ落ちそうなの気になった。
 
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この界隈では他にも、女性の行き倒れの話で、「見沼の竜」の言い伝えもある。
 
千住に使いに出ていた馬子がその帰り、ちょうど西新井宿に差し掛かると、美しい女性が足を引きずっている。日も暮れそうで、同情した馬子は、行き先も同じ方角というので、その女性を馬にのせてあげた。見沼代用水に差し掛かると、女性はここで結構という。お礼にと馬子に桐箱を渡し、持っている限りは幸福だが、中を開けると不幸になると言い残し、闇に消えた。馬子は自分の手にはあまると思い、主人にその箱を渡す。その家は大層栄えたが、ある時、我慢できず主は箱を開けてしまうと、そこにはウロコがあるのみだった。そこから、この家と周囲には不幸が続き、桐箱を丁重に祀って、ようやく不幸は止んだという。この女性は、ウロコがあったため竜の化身ではとされた。
このウロコの入った桐箱を祀った場所は、赤山街道を西に進んだ場所にあり、「女郎仏」と点と線が結びつくので因果があるのではないかとも言われている。
 
 
 
さて、帰りに、普通だったら喫茶店に寄るところだったが、この日は、「道の駅川口・あんぎよう」に立ち寄った。
 
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暖かいものを食べたいと思いで立ち食いそばを食べよと思ったのである。ここは、よく植木や花を買いに来るのだが、ここの一角にある「立ち食いうどん・そばのお店『ローズハウス』」のそばは結構おいしいのである。
 
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今回はきつねうどんに生卵をつけてみた。
 
 
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身体が暖まった。
 
 
見沼自然公園、桜満開の時期にぜひ、また訪れたい。
 
 
 
 
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東京の川にかもめが?

先日、仕事でよく通る川を車で渡ったときだった。
夕方の陽射しが、水面にきらきらと光っていてきれいだったので、橋を渡って、土手沿いに下りて車を止め、写真を撮った。
 
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そして、車に戻ろうと思ったら、川沿いにある手摺りに、珍しい鳥がいる。
なんと、かもめが一列に行儀好く並んでいたのだ。
 
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「かもめの水兵さん」という歌があるが、その出だしの「かもめの水兵さん 並んだ水兵さん 白い帽子 白いシャツ 白い服……」という詩があるが、まさにこれがその情景かと思った。
 
 
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私が写真を撮ろうと近くに寄っても逃げないし、すぐ下では、犬を散歩させているおじさんがいるのに平気でいる。ただ、一匹が警戒してか飛び立つと、それに倣っていっせいにバサバサとみんながまとまって飛んでいく。
 
海ではよく見るかもめだが、川で、こんなにたくさん見るのは初めてである。
 
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しばらく前に雑誌で読んだことがあるが、かもめに餌を空中高く投げるとそれを飛びながら取る「フライングキャッチ」がおもしろくて餌をあげる人が多くなり、そのため、陸地のある川の方にまで来るようになったということを言っていた。
 
かもめは渡り鳥なので、どこでも自分で餌を取らなければならない。人間が餌をくれるところはいいが、そうでない場所ではどうなるのか。餌を取ることを忘れてしまったら生きていけないし、子育てもできず、子孫を残せなくなる恐れもある。
 
熊が人里にあわられることもそうだが、すぐ目の前で自然に生きる動物を見るということは、自然が壊れ、自然と人間の距離のバランスが壊れているといえるかもしれない。
 
次は、どこへと行くのかわからないが、かもめたちよ、がんばってほしい。
 
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先日、新宿御苑に少しだけ立ち寄って、駆け足で、寒桜や梅の花を見てきた。
 
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寒桜や梅が満開である。
 
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今頃になぜ、というのもあるが、一番の目的は、寒桜の大樹の花の蜜を吸いに来るある鳥である。
 
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満開の寒桜の中からチッチ…チチッ…鳴きながら木から木へと移るウグイス色の小さな身体。
 
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そのすばやい動きがなんともかわいらしい。
 
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今年も、お目にかかれた。メジロである。
 
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ずっと見ていても飽きない。
 
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陽射しは暖かく、もう春はそこに来ている。
 
 
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なかなかアップできずにいたが、2月に小田急線の梅が丘駅を降りて、梅の花を見て、前から行きたかった喫茶店を訪ねた。
 
 
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梅ヶ丘駅から徒歩5分ほどの羽根木公園は、梅林で有名で、650本の梅が植えられている。
 
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私が行ったときは「第40回せたがや梅まつり」(3月5日まで)が開催されていて、平日であるにもかかわらず、けっこう人が出ていた。
 
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梅の花はほぼ満開だった。
 
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公園のあちらこちらで年配の方たちが、梅の花の絵を描いていた。思わず見とれてしまうような美しい絵もあった。
 
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次は喫茶店だ。
 
まず、梅が丘駅を降りて、羽根木公園に行く前に、純喫茶「車」に入った。
 
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朝、まだ開店したばかりだったようで、オーナーが店内から外にオートバイを出したりしていた。それでも、カウンターの前にオートバイがあった。
 
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「ハムトーストセット」を注文。シンプルだが、なかなか味わい深いハムトーストだった。
 
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常連のお客さんらしき人とマスターで、バイクや車の話で花を咲かせていた。
 
 
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大きな鏡の前には、人形のぬいぐるみ、写真や絵画、そして蝶の標本と、いろいろなものが並んでいる。
 
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初台にも「車」と同名のお店があり、そちらはお兄さんが営んでいるということだ。
 
梅が丘駅前では、「せたがや梅まつり」の垂れ幕が掲げられ、陶器や昔のおもちゃなどを並べて売られていた。
 
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そして、羽根木公園で梅を見て、街をぶらぶらした後は、今度は、梅が丘駅から2つ目の下北沢駅で降りて、5分のところにある「トロワ・シャンブル」(CAFE TROIS CHAMBRES)に入った。
 
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お店は2階だが、1階からの階段の上り口に、味のある看板が。
 
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1980年創業で、今年37年になるというこのお店は、レトロ感があふれている。
 
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「チーズトーストセット」を注文。普通のチーズトーストと違って、焼かれたパンがふっくらと膨らんで、チーズが香ばしくとてもおいしい。カウンター席だったので、コーヒーも目の前でていねいに淹れるのを見ているので、味わい深い。
 
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写真が暗くなってしまって何がなんだかわからないが、本棚には、珍しい書物も並んでいる。
 
 
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帰りに、下北沢南口の商店街を歩いた。けっこう活気があり、おもしろいお店もたくさんあり、こんな建物も。
 
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この下北沢もそうだが、小田急線沿線には、訪れてみたい喫茶店がたくさんあり、これからも足を運びたい。
 
 
 
Coffee
東京都世田谷区梅ヶ丘1-24-4
03-3426-1735
 
■トロワ・シャンブル(CAFE TROIS CHAMBRES)
東京都世田谷区代沢5-36-14湯浅ビル2
03-3419-6943
 

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東日本大震災と福島第一原発事故から11日6年目になる。
 
6日にNHKのニュースで、岩手・宮城・福島の被災者などを対象に行ったアンケートで、6割近くの人が「心身への影響が続いている」と答えたという結果を報じていた。このアンケートは、岩手・宮城・福島の3県の被災者や原発事故の避難者合わせて5000人を対象に、去年11月から先月にかけて行ったもので、全体の3割近くに当たる1437人から回答を得た。

アンケートでは、「震災による心身への影響が続いているか」尋ねたところ、「そう思う」が29%、「ややそう思う」が32%と合わせて61%に達した。
 
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その症状として、「気分が沈みがち」がもっとも多く32%、次いで、「よく眠れない」が31%、「薬が必要になった」が30%などとなっている。このことは、行政やボランティアによる一人一人の見守りなど、被災者や避難者支援のさらなる強化が必要であることを示している。
 
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もう一つ。避難者に対するいじめも深刻だ。
2月25日付「朝日」には、朝日新聞社と福島大学の今井照(あきら)教授(自治体政策)が今年1〜2月、原発事故で避難した住民に対し、共同調査を行った結果が掲載されているが、避難先でいじめや差別を受けたり、被害を見聞きしたりしたことがあると答えた人は62%にものぼったという。
「自分や家族が被害に遭った」が33人(18%)、「周囲で見聞きしたことがある」が81人(44%)だった。
 
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自由記述では、「お金があるのになんで働くの?と言われた。私には働く権利もないのかと悲しくなった」(35歳女性)、「まとめ買いをしたら『ああ、避難者』と言われた」(59歳男性)、「娘が転校した小学校で同級生に『キモイ』『福島に帰れ』と言われ、笑わなくなった」(43歳女性)などがあった。
 
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さらに、今日の「毎日」夕刊の「特集ワイド」には、「根深い『原発避難者いじめ』 横浜中1男子に続き群馬、新潟、千葉、埼玉、東京…」と題した、心が痛む記事が掲載されている。
 
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リードは「『いじめはいつの時代にも、大人の世界にもある』と耳にする。その言葉に続くのは『だから、いじめはなくならない』。ならば、東京電力福島第1原発事故で福島県から避難している子どもたちが暴言などで傷付けられても仕方がないことなのか? 『避難者いじめ』の深層を探った」と書き、サブタイトルには「『氷山の一角』…大人たちの意識反映 異質なものを排除する社会 はびこる弱者切り捨ての論理」とある。
 
ここのところ「避難者いじめ」が次々と明らかになり、昨年11月、横浜市の中学1年の男子生徒の問題を機に表面化した。小学2〜5年の時に「賠償金があるだろう」などと言い掛かりをつけられて金銭を要求され、ばい菌と呼ばれた。
 
「避難者いじめ」の報告がこれまでも多数あったが注目されてこなかったが、男子生徒が勇気を出して手記を公表したことで、避難者に対するいじめがようやく社会の目に留まり、この手記に反響が広がり、群馬、新潟、千葉、埼玉などでも同様の事例が明らかになっていった。
 
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2月27日にも、東日本大震災の被災者を支援する「東京災害支援ネット」事務局長を務める山川幸生弁護士らが記者会見し、東京都千代田区の小学校で2011〜15年、3人の児童が深刻ないじめを受けていたと公表した。
 
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ある男児は「放射能を浴びて汚い」と言われ名前の後に「菌」を付けられた。別の児童は「避難民のくせに」と言われ、クラスで帽子がなくなった時に「金がないから取ったんだろう」と疑われた。階段から突き落とされたこともあった。もう1人の女児は連日「放射能バンバン」と言われ、通学できなくなった。
 
文部科学省の調べでは、福島県から全国に避難している児童・生徒は約7800人(昨年5月現在)。事態を重く見た文科省は昨年末、全国の教育委員会に実態把握と放射線教育の充実などを求めた。
この動きに対し、「『生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!』福島原発訴訟」の弁護団事務局長として被災者と向き合う馬奈木厳太郎弁護士は「『放射線への誤解』だけを原因と捉えるだけでは本質を見誤る」と指摘。「『放射能で汚れている』『賠償金をもらっている』という中傷は、大人から子どもに伝わっている。被害児童、生徒に誠実に対応しない学校や教師の姿勢は論外ですが、大人たちの考え方、社会のあり方が変わらなければ、いじめはなくなりません」と厳しい表情で話す。
 
大人社会でも被災者への嫌がらせは後を絶たない。千葉県に避難している中年女性は、震災から約1年たった頃、土ぼこりで汚れていた車に指でなぞったような文字で「被災車」と書かれ、しばらくしたらまた書かれた。「福島県のナンバーを見てやった」と分かりナンバーを変えた。この女性は「賠償金をいくらもらってんの」と周囲の人から無遠慮に聞かれたこともある。
 
「自主避難者の私には賠償金なんてありません。子どもを抱え、食いつなぐだけで精いっぱいなのに……。福島に残った父の死に目にも会えませんでした。危篤だと連絡を受けた時、新幹線代と宿泊費が工面できなかったんです」
 
山下祐介・首都大学東京准教授(社会学)は「自主避難者には賠償がほとんどないことを知らない人が多い。賠償金への理解も足りない」と嘆く。賠償はいわば失われた日常生活の代償で、しかも全てを金銭で償えるわけではないのに、得をしたかのように考える人が少なくない。
 
山下氏が今、新たないじめの原因になっているのではないかと懸念するのは、国が進める性急な「帰還政策」だとする。避難指示の解除に伴い、強制避難が自主避難に切り替われば、賠償もいずれ打ち切られ、強制避難者でさえ支援がなくなる。
山下さんは「廃炉もままならない現状では帰るに帰れません。『今はまだ避難を続けたい』という声を無視し、復興の名の下に帰還を促す動きが強まれば『まだ避難しているのか』『早く帰れ』といった声が高まる恐れがある」と話す。
 
自主避難者に対する住宅の無料提供は、今月末で打ち切られる。そのため、多くの避難者が新たに発生する家賃負担への不安を抱えている。すでに、民間賃貸住宅に入居する避難者に対し「4月以降、家賃を払えなくなるのでは」と不動産業者から継続入居を断られたり、収入を確認されたりするケースが増えているという。
また、政府内では「支援が自立を妨げている」という声も上がっているという。
 
同センターの瀬戸大作事務局長は「住宅支援の打ち切りは、国を挙げて避難者を『いないこと』にしたがっているようにしか見えない。避難者を排除しようとする社会の有りようも、子どもたちのいじめにつながっているのでは」と指摘する。
 
前述の馬奈木氏は、避難者いじめの背景に、日本人特有の「自分たちと違う者を排除する」というあしき伝統があるのではないかとし、「それは沖縄差別や人種や国籍による差別、ヘイトスピーチにも通じるもので、決して許されるものではありません」と述べ、「避難生活がまだ続いているのに原発の再稼働は着々と進んでいる。だが、事故が再び起きないという保証はない。いじめる側の人たちには、誰もが同じ立場になり得るという想像力が欠如しています」と指摘する。
 
山下氏は、日本が2000年代以降に「競争」をはき違え、弱者を敗者とみなし、自己責任を強調するようになった影響を指摘し、「生活保護バッシングはその典型です。でも社会は『お互い様』で回っている。弱者切り捨てでは成り立ちません」と述べていてる。
 
記事は最後に「日常生活を一瞬で奪われた人への共感すらできない社会では、子どもたちを幸せにすることはできない」と結んでいる。
 
 
 
 
この「毎日」記事に関連するが、「大人のいじめ」ということでは、今日のNHKニュースで「“原発避難いじめ” 大人も半数近くに」という報道がされていた。
 
NHKが早稲田大学などと協力して、福島県からの避難者に行った「原発避難いじめ」アンケート調査によると、いじめを受けていた子どもたちと同じく、大人たちも「賠償金」などを理由として避難先で嫌がらせや精神的苦痛を受けていて、その数は全体の半数近くに上ることが分かったという。
 
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アンケートに回答した741人のうち、「子どもがいじめられた」と回答したのは54人。

さらに、半数近い334人が、大人も避難先などで嫌がらせや精神的苦痛を感じたことがあると答えていた。
 
その内容について複数回答で尋ねたところ、賠償金に関するものが最も多く274件、避難者であることを理由としたものが197件、さらに、放射能を理由としたものが127件だった。
 
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具体的には「避難者であることを理由に団地の行事に参加させてもらえなかった」や「自動車に傷をつけられた」、さらに、「転職先で賠償金をもらっているから資格や給与をあげる必要はないと言われた」など、福島県から避難した人たちに対する嫌がらせや偏見が、子どもだけでなく大人たちにも広がっている実態が浮かび上がっている。
 

アンケートを実施した早稲田大学人間科学学術院の辻内琢也教授は「賠償金が生活環境やふるさとを奪われた人たちに対する償いであるということが忘れ去られてしまっている。多くの人たちが原発事故の被害が今でも続いていることを知ることが大切だ」と話している。
 
 
 
避難生活を余儀なくされている人たちに何らの責任もないのに、なぜパッシングやいじめを受けなければならないのか。
 
私は、以前、福島から県外に避難しているお母さんのお話しを伺う機会があったがそのときに、次のように仰っていた。
 
「事故の直後、私たちは、政府や県からもどこからも正確な情報を知らされず、原発が爆発して放射性物質が撒き散らされ、その後も高い放射線の存在があったにもかかわらず、子どもたちを屋外に出してしまいました。あとで、そんな重大事態となっていたなんて知る由もなかったんです。多くの親たちは『なんであのとき、子どもを外に出してしまったのか』と後悔し、今も自分を責め続けているのです。それが、今では、政府や県が『帰還ありき』の宣伝をする中で、避難先で暮らす人たちが『なんで福島へ帰らないのか』と言われたり、『いつまでいるのか』とパッシングを受ける例もあるのです。」
 
その方も、やはり、車に何度もイタズラをされたという。
 
すでに前に述べられているように、国や福島県は「自主避難者の帰還を促すため」として、約12400世帯いる福島県からの自主避難者に対して、公営住宅などの無償提供を打ち切ることを決めている。4月からの行き先がまだ決まっていない人たちもいるという。
 
原発事故によって被災者は、ふるさとに住むことができなくなり、ごく普通に暮らす権利を奪われただけにとどまらずに、加害者である国や東京電力などが主導する「帰還政策」によって追い立てられ、苦しめられているのである。これこそ「帰還政策」ならぬ「棄民政策」ではないのか。
 
五輪競技場建設、築地市場の豊洲移転整備、外環道建設、リニアカー建設……そういうところには、湯水のように何兆円、何千億円、何億円もの税金をつぎ込む、さらには国有地を森本学園に8億円も値引きしたかと思えず、さらに加計学園に36億円で譲渡したとの疑惑まで浮上している。ところが、避難者に対する支援は「早く打ち切れ」というのは許せない。
 
おまけに、賠償の一部を電気料金に上乗せして国民に負担させようというのだから、二重に逆立ちしている。
 
こういう、国や自治体の逆立ちした考え方の構造が「いじめ」を生む原因のひとつだと思う。
 
 
政府は「原発再稼動」や「原発輸出」にばかり熱意を燃やしている場合ではない。隣の台湾では、福島の事故を教訓にして「原発ゼロ」にか舵を切った。しかし、当事者の日本は、思考能力がないのか、原発マフィアに骨の髄までしゃぶられてでもいるのか、いまだに、原発推進の姿勢を変えない。世界から見てもはずかしい。
 
そんなことの前に、原発事故をしっかり反省し、原発事故の被害に遭った被災者の方たちのために、親身な対策を講じることに全力をあげるべきである。
 
もう6年、されど6年──6年がたっても、原発の被害に遭った方々、避難している方々の辛い思いに寄り添い、それに応えて何ができるかを考えるのが政治のやるべきことである。
 
 
 
 
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