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喜界島の夜は早い、宿の早い夕食を食べて、少しビールを飲んだらもうする事がない。
部屋でゴロゴロするのにも飽きて、島でひとつのコンビニに出かけた。
ビールを買うつもりだったけど、コンビニの隣に「サバニ」というライブハウスを見つけてしまいました。
もう、入るしかない。
カウンターの隅に座ってビールを飲んでいたら、ウエイターの若い青年が話しかけてきた。
ここのステージでライブをしている青年だった。
今日のライブは終わったけれど、明日もあるから来てくださいと誘ってくれた。
自分がカメラマンだと話すと、ライブの撮影をしてくれないかともお願いされたのです。
次の日の夜は早々に、ビールとライブを楽しみにサバニに行ったのだった。
彼らは「ドキドキ」という兄弟二人のバンド。
仕事を忘れてここまで来たつもりが、また撮影している自分に笑ってしまう。
彼らが歌った歌に「特攻花」という歌があった。
大戦中、ここの飛行場は知覧などの特攻基地から沖縄に向けて発進した戦闘機が最後の給油と整備に立ち寄る飛行場だったらしい。
喜界島の娘達は最後の出撃をする彼らに島の飛行場の脇に生えている「天人菊」(特攻花)を、パイロット達に贈って出撃を見送った。特攻するパイロットにとって、日本の土を踏める最後の島がここ喜界島だったのだ。その天人菊も戦闘機パイロットがこの島に持ってきたらしい。そして、その花は喜界島空港周辺しか咲いていない。いつの日からかその花を地元の人たちは「特攻花」と呼んでいた。
そんな物語を歌った歌だった。
知らなかった、、。
さらに、サバニには特攻花という仲田千穂さんの写真集もあって、同じ写真を生業ちする者として見入ってしまっていました。
ビールの量もすすみ、メーテルがあがった頃、店のオーナーの栄さんがやってきて、一冊しか残っていなかったその写真集を撮影のお礼に譲ってくれたのです。
次の日は朝から土砂降りの雨。
しかし、どうしても行きたい場所があった。
特攻花の咲いている、飛行場脇。
はじめはあまりに慎ましやかに咲いているので気がつかなかったけれど、ちゃんと空港の脇に咲いている特攻花を見つけた時は感激しました。
時折激しい雨にうたれながらも、一年中花を咲かせている。
しばらく眺めながら、60年ほど前の日本の姿に思いを馳せる、こころあたたまる時間を経験できました。
もう、2.3時間後にはこの島を去ります。
この旅が、何だかこの花に会いにきたような旅に思えてきたのです。
(サバニでのライブ写真は許可を取っていないのでアップしませんでした。)
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