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ガラにも無く、自分なりにバイクのインプレッションをしていこうかなと思う。
まずは排気量110のホンダ、スーパーカブからだ。フューエルインジェクションと排気量110ccの新型エ
ンジンを始動させると、面倒だったチョークなども引かずに冬季であっても始動は勿論一発、エンジンが
途切れてしまうことはない。トコトコと正確に鼓動する単気筒エンジン、4速ミッションをコツンとシフ
トして1速に入れて加速させてシフトしていくと、カブ90と比較にはならないほどのシフトフィールで、
ガチャコンガチャコンと入るのではなく、大型バイクのようにコツンコツンと正確にギアが入っていくよ
うな、そんな感じだ。驚くのはその加速で、KSR110の2サイクル車と加速勝負をしても遜色は無いほどイ
ンジェクションの効果は表われ、坂道を高いギアで走行してもキャブみたいにゴボ付く事が無く、きれい
に加速をしてゆく。トップスピードは100km/hちょっと越えたあたりだが、これは間違いなくギアレシ
オの設定でココでストップしているのでレシオを変更したら軽く120キロはいける感じだ。スリッピーな
車1台分の道幅のワインディングを走り、次々と表われるコーナーリングをクリアしていくのだが、もう
これはカブであってカブではない。非常にバイクらしいコーナーリングができるのだ。それは何かと言う
と旧型カブに乗った事があるライダーは真っ先にフロントに違和感を覚えなかっただろうか。旧式はフロ
ントが独特なサスペンションを採用していて、フロントブレーキを掛けるとタイヤが前方にせり出して行
くような感覚になる。なぜこのシステムを採用していたのかは定かではないが、推測するにオイルシール
は非常にダメージを受けやすいものなので業務用として使用される事が殆どのカブは、耐久性を追求して
このシステムを採用していたのではないかと思う。このため、旧式ではフロントブレーキを掛けて意図的
に加重を掛けた状態から一次旋回に持っていく走行は非常に行いずらかったが、この110になってからは
フロントブレーキを積極的に使用して曲がる事が出き、正しく「普通のバイクの動き」になったので、例
え大型バイクから乗り換えようが違和感は皆無である。話は少し横道に逸れるが、このフロントブレーキ
を積極的に使うブレーキング、普段は意識することはせずに操作を行っていると思うが、理屈的に説明す
るとフロントフォークはキャスター角が付いており、当然垂直ではなく前方に伸びている。イメージとし
てはフロントフォークが思いっきり前方に長く伸びていて更に車高がメチャクチャ高いアメリカンタイプ
のようなバイクをイメージして欲しい。無加重でそのまま旋回するのと、ブレーキによってサスペンショ
ンが縮められた状態で曲がるのとどちらが小旋回することが出来るのだろうか。同じバンク角度ならサス
ペンションが縮む事によりタイヤは前方から車体側まで近づく事になり、結果ホイールベースまでも変わ
ると同時に重心もブレーキングによって変わる事になる。このことからジムカーナのように連続で転回を
繰り返す走行の時はスピードを落とすだけでないブレーキングを実践している場合が殆どだ。話は再びカ
ブ110に戻すと、この方法を取れると言うのは乗りやすさと共にスマートにコーナーを駆け抜ける非常に
重要なファクターだと思います。また、タイヤは純正の自転車みたいなタイヤだが、細いので雨天時は排
水性も良く安定した走行が可能。レッグガードも相まって雨天後の水溜りなども気にせずに突っ込んでい
けるし、前方を走行する車の水飛沫などもガードしてくれる、これはカブが生んだ一つの意匠とも言える
装備だ。
これだけ走りに対して活発なバイクだと、純正のタイヤは思いのほか早くに減り始める。走り方にもよる
が、ロックなどを意図的にしないて普通に乗っていると概ね3000キロを迎える頃には目視でリアタイヤの
センターが減った事が気になりだすと思う。そして5000キロ走行した時にはほぼセンターは溝が無くなる
程にまで減る。対してフロントタイヤは全く減っているのが分からないので、最初はリアだけ交換、その
交換したタイヤが無くなる頃にはフロントも減ってきているので交換と言う2回に一度のサイクルとな
る。がしかし、1本あたりリアタイヤで3500円程度、それが持たせようと思ったら5000キロ持つんだから
素晴らしい。そして特筆は何と言っても燃費である。田舎の片側二車線バイパスを車と同じ速度の70k
m/h程度で流したり、ゴーストップの多い街中を走行した平均燃費は概ね50キロ代。エコ運転に徹して4
0キロで走行したらカタログスペックを大幅に超えたなんて話がある程なので、驚異的とも言える燃料消
費率である。その他、維持費に関しても税金は1500円程度(市町村によって違う)で、四輪で任意保険に
加入している場合は月々の保険料プラス500円程度でファミリーバイク特約が利用できるので非常に維持
しやすいバイクとも言える。また、フェリーなどを利用したときには110でも原付は原付扱いなので非常
に安い。時間的制約が無く、一般道を使いながらゆっくり日本一周するんだったらタイヤはどこでも入手
可能、タフな車体にトラブルが出ても自転車屋レベルの所で部品が注文できたりするので最適なバイクじ
ゃなかろうか。さすがに日本一周などはしないけど、通勤で使うユーザーもコレは期待を裏切らないどこ
ろか、通勤などでの使途の他、なかなかビッグバイクでは味わえない「性能をほぼ全て引き出す楽しさ」
は一度経験してしまうと思いのほか楽しく、ハマってしまうかもしれない。最後に忠告が一つだけある。
俺はこのバイクに乗り出してから今までのバイクに対する価値観そのものが変わってしまったと言う事
実。大袈裟かもしれないが、タイヤも安く、維持費も安い、おまけにこの走り、タフな車体、最後に優秀
な低燃費性能を経験してしまうと「ちょっとそこらへんをビッグバイクを流すか♪」なんて言う普通の行
為が無駄に思えてしまう事が多くなったりもした。要は、あまりに全てのバランスが良いので「ケチ臭く
なる」のは要注意。正直この性能でこのプライスはバーゲンプライスだと言い切れる程のバイク。これは
しばらく手放せそうにない。
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