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今となっては古さも感じるLC4エンジン。排気量は625cc、サスペンションは前後ホワイトパワー
のフルアジャスタブルで武装されている。足付きが悪いが130キロと軽量なので極端に怖い事はな
い。考えても見れば原付の125ccスクーターでさえ120キロ位あるんだから、130キロの車両に600
ccエンジンはある意味暴力的なマシンだと言える。キャブレターは京浜のFCRが入っている。エ
ンジンを掛けるとビックリするようなピッキングの良さで吹け上がるレーシーさ。各部を見ても処
理が実に美しく、ペダル一つ見ても造形美すら感じる所はさすが外車と言う所か。ギアを入れると
精密時計の様に「カチ」っと入り、クラッチをつないでいくとトコトコと発進していくが、正にハ
イコンプエンジンと言う感じでとてもエンジン左側にあるキックでエンジンを掛ける自信は無い。
加重を後方に掛けたままアクセルを開けるといとも簡単にリフトしていく車体、ちょっと上がるの
ではなく、やり方によってはそのままマクレてしまうほどに力強くリフトしていく。パワーでリフ
トしていくのではなく、明らかに軽いからフロントが上がると言う感じだ。コーナーリングはフロ
ントも全くクセの無いハンドリングで、メチャクチャ軽いけどフロントから抜けそうになるような
怖さもなく、接地感もあると言うのはサスペンションの出来がとにかく良いから。625は言わば街
中を軽く流すツーリングマシンに近い設定だけど、ミニサーキットに持ち込んでも充分その性能は
発揮できるが、バンク角だけは完全なレーサーと比較して極端に少なく、ステップはどうしても摺
ってしまう。ストリートタイヤでのアタックだが、これを仮にモタードスリックと呼ばれるタイヤ
に替えると更にバンク角は深くなるのだが、このステップが邪魔をして無意味なものとなるはず
だ。オフロードでのジャンプについてはエンジンの重量があるのでモロにフロントから落ちようと
するので極端に後方へと腰を引いてコントロールが必要。この点、450ccがメインとなっている
モタードレーサーは神経質にならずにジャンプセクションへと突っ込んでいけるので、625が最も
苦手とする部分だろうか。スリッパークラッチは装備されていないけど、バックトルクがあるお陰
でキックダウンで簡単にリアは流れ始めるが、非常にコントローラブル。流れている途中もフロン
トは常に左右にハンドルを切って舵角を調整しているので、これも性能の高いサスペンションのお
陰で安定していると思われる。距離は1万キロ走行、その内半分はコースでの激しい使用だったが
クラッチやエンジン、車体には異常なし。現在は某有名チューナーの手によってエンジンのチュー
ニングを経て全く違うバイクに仕上がっているのだが、普段は町乗り、たまにコースでの走行など
は本当に楽しいバイクだと思うけど、これで他県へ行くようなツーリングには全く向かない事だけ
は間違いない。シートは路面からの状況を適格に伝える為に硬くなっており、航続距離はエンジン
を回さなくても100キロ程でレスに切り替わる。それでもチマチマと曲がりくねった荒れた道では
最高の走りをするし、買ってからカスタマイズの必要性が無い程に完璧なバイクです。
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