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ふと思い出す20年とちょっと前。当時も、メキシコに端を発した中南米の重債務問題が深刻な問題だった。今より、もっと重苦しい雰囲気で、金融関係者の間では、まるで明日世界がつぶれるかのような意見ばかりだった。
アメリカでのG7が始まる前に、米財務長官のブレイディ氏が、新債務戦略(いわゆるブレィディ提案)を発表した。主な内容は、債務の削減、世界の国々が持っている民間保有の中南米の民間債券の先進国政府への付け替えだったように思うが、これで中南米の負担が軽くなって経済再生ができるかどうか、誰も検討はつかなかった。
あれから20年たって、今はどうか。ブラジルはかつてない繁栄を続けている。メキシコも、一時の窮乏ほどでなく、当時に比べたら、よほど豊かだろう。アルゼンチン、ペルーなどもそうではないか。
今のEUの問題は、債務残高の全EUに占めるGDP(国内総生産)比は、100%もないのだから、日本の200%に比べれば、よほど安全に見える。
危ないと騒いでいるのは、それでひと儲けしようとしているファンドの連中ではないのか。
とはいえ、ブレイディ提案のころは、アメリカの中庭と言われる中南米の経済問題だから、アメリカも必死だし、日本や欧州さえも、これを支えようと言う気持ちが強かった。
EUの問題は、アメリカはまずEUに任せようという意識が強いが、EU各国の思惑が食い違い、なかなかまとまらない。皆、自分のところが犠牲になるのがいやだという気持ちが強そうだ。とくに、ドイツの姿勢には疑問が多い。本来なら、同じユーロ圏国家であり、経済も一番いいドイツがリーダーシップを発揮しなければいけないが、その気配すらない。
とはいえ、だからと言って、悲観的になる必要はまったくない。数字やEU圏全体の問題としてとらえれば、中南米危機の時より状況は悪くない。あまりに悲観的な報道ばかり続けるのは、考えものだ。マスコミにとって、危ない、危ないと言っている方が楽なのは分かるけれども・・・。
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