|
野田首相が、2日に行った内閣改造ー財務省の影響を受けた首相が、財務省の勝事務次官に相談して、要所に財務省の都合のいい人事を行ったという推測がもっぱらである。
財務省に、安住という超軽量級人物を配したのは、前財務相として財務省の方針に賛成の野田氏自身が、事実上の財務相を兼務するつもりであり、それだからこそ、財務相は増税反対の人物では困るという解説もあった。当初は同じ増税派の岡田氏を登用するつもりだったが、小沢グループの反発が強くて挙党一致にならないとの建前を言う岡田氏の固辞から、安住と言う軽佻浮薄な人間を財務大臣に持っていったとも言われる。なんであれ、これで安住氏は、野田氏に大感謝、言うなりとなろう。
ただ、増税路線のためだけに財務省が野田首相に知恵をつけたのだろうか。実は、もっと深い意味があると思うのだ。
小沢氏や鳩山氏らは、民主党の方針転換となる増税路線に大反対だが、消費税に引き上げについては、 政府・与党が6月30日の社会保障改革検討本部(本部長・菅直人首相)で発表した「税と社会保障(社会保障と税)の一体改革案」の中で「2010年代半ばまでに段階的に消費税率を10%まで引き上げる」と発表している。既定路線が崩れることもあるが、たとえ政権が変わっても、自民党ももともと増税派が多いから、2010年代半ばの消費税率引き上げは、何ら変わることはあるまい。財務省は、内閣改造に手を突っ込むほどの無理はしなくていいはずだ。
それでは、財務省は何を狙っているのか。それは、
消費税の特定財源化を阻止して、一般財源を死守する
ということだ。つまり、消費税を社会保障に使うと限定するのではなく、何にでも使えるようにするーということだ。
大蔵省としては、予算の配分権をいつまでも握っておきたいというのが、まず第一だ。本来、特定財源などというのは、大蔵省の権限外にあるから、許し難い制度なのである。次には、間もなく、国と地方の借金が1000兆円になるというのに、新たに増える財源が他省の自由になるのを、手をこまねいていていいのかという理由もある。いずれも、財務省の論理ではあるが・・・。
この点から、再び、内閣改造について見てみよう。
まず、厚労相の小宮山氏。大臣歴もなく、NHKで人が書いた原稿を読むだけだった昔タイプの控えめなアナウンサー出身の方が、首相、財務省に対して伍して頑張れると思いますか。しかも、安住氏同様に野田首相に大臣にしてもらったという恩義もある。
次に、古川経済財政・国家戦略相は、財務省出身である。多少、財務省に反対する姿勢を示したこともあるが、基本的には、財務省と大きく変わるスタンスを取ることはない。
それから、事務の内閣官房副長官には、国交省から竹歳氏がなった。これは、道路財源などを大幅に一般財源化され、道路建設事業に対する多額の資金源を大幅に失った国交省に対して、消費税を特定財源化されなければ、国交省に回せるがぞと財務省がささやいて、財務省の味方につけようと言う戦術でないだろうか。
また、事務次官会議が鳩山内閣で廃止になる前は、事務次官会議で調整のつかなかった案件は、閣議に上げなかった。財務省は、竹歳氏を味方につけることで事務次官会議の復活までを目論んでいると見るのは、うがちすぎだろうか。
|