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書庫総論

金融商品取引法は有価証券の取引とデリバティブ取引に適用されます。

ある証書や権利が有価証券でなければ、その取引に金融商品取引法は適用されませんので、有価証券概念は重要です。証券取引法上の有価証券の定義は、政令で指定しない限り拡がらないため、詐欺的な取引に適用できないと批判されてきました。そこで、金融商品取引法では、集団投資スキーム持分(2条2項5号6号)を有価証券とし、ある程度包括的に詐欺的な取引に対応できるようにしました。

「ある程度包括的に」と書いたのは、いくつも限定や例外があるからです。まず、集団投資スキーム持分は、2条2項のみなし有価証券(証書に表示されないタイプの権利)についての規定であり、2条1項の有価証券は、依然として政令指定主義をとっています。証券または証書であって1項有価証券に指定されていないものについては、集団投資スキーム持分の定義に該当しても有価証券とされないように思われます。

しかし、この点は、よく考えてみると分からないのです。以前から議論の的になっていた債券のうち、学校債は有価証券に指定されましたが、病院債は指定されていません。すると病院債は集団投資スキーム持分と見ることはできないのでしょうか。

これについては、まず、病院債が1項有価証券に指定されていない以上、証券又は証書に表示されるべき権利とは言えないのではないかとも考えられます。そう考えると、1項有価証券に指定されていない権利については、2項5号を適用する余地があるように思われます。つぎに、病院債が証券又は証書に表示されるべき権利に当たるとしても、2項は証券又は証書に表示されるべき権利以外の権利であってと規定しているため、表示されるべき権利であっても2項5号を適用する余地があるのではないかという疑問が生じます。以上のことは、1項と2項との関係について一般的に言えることです。もっとも、病院債についていえば、貸付債権が集団投資スキーム持分に当たるかというもう一つの問題があります。
くろぬま
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