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書庫金融商品取引業

10月8日は、平均株価が急落して大変な状況でした。その日の3時から始まったある会合の冒頭で、平均株価の終値が伝えられ、2つの意味でびっくりしました。株価は企業の将来業績の予測によって決まるので、株価が下落することが直ちに実体経済に影響を与えるものではありません(株価が下落するから景気が悪くなるのではなく、(これから)景気が悪くなるから株価が下落するのです)。しかし、株価の下落が、株式を担保とする金融や金融機関の体力に影響することは間違いなく、また、米国の景気後退を予測して下落してる部分もあるようであり、心配です。

さて、不招請勧誘とは、勧誘を要請しない者に対する電話・訪問などの方法による勧誘をいい、その禁止は、すでに平成17年改正金融先物取引法で導入されていました。ただし、この導入については、外国為替証拠金取引を念頭に置いたものであるのに、金融先物取引一般に適用がある形で規定が置かれたため、一部で批判があったところです。

金融商品取引法では、金融商品取引業者等またはその役職員の禁止行為を定める38条3号において、投資者保護のため「特に必要なものとして政令で定めるもの」に限って不招請勧誘を禁止することとされました。政令では金利・通貨等の店頭デリバティブ取引を指定しています(施行令16条の4第1項)。不招請勧誘の禁止規定を設けるのは、適合性原則の遵守をおよそ期待できないような場合に投資者保護の観点から機動的に対処するためであり、それを適用する対象は、レバレッジが高いなどの商品性、執拗な勧誘や利用者の被害という実態を考慮して決定したと説明されています。

たしかに、行政による悪質業者の取締りという観点からみると、適合性原則違反や禁止行為違反を捉えて摘発していたのでは処分が後追いになるおそれがあるのに対し、不招請勧誘の禁止という形でルールを設定すると、顧客を勧誘したことだけを捉えて行政処分が可能となり、悪質業者の取締りに効果的であると指摘されており、この指摘はもっともなように思われます。しかし、ハイリスク・ハイリターンの商品であれば適合性原則の遵守を期待できないとは、一般的には言えないはずです。わが国では、不招請勧誘の禁止は、このように適合性の原則との関係で論じられているのですが、諸外国では静謐な生活(プライバシー)の保護の一環と捉えるところが多いのです 。プライバシーの保護が理由ならば、不招請勧誘が禁止されるべきものは金融商品に限られないはずです。これに対しては、金融商品は値動きが激しいのでクーリング・オフ制度になじまないので、クーリング・オフの対象から除外する代わりに、勧誘段階で規制を厳しくするという議論も成り立ちうるという指摘もされています 。

被害が表面化してから対象取引を政令指定する点については、投資者保護が被害の後追いになるとの批判があります。その反面、不招請勧誘の禁止は営業活動に大きな支障を生じさせるので、金融商品が政令指定されないよう、業界全体として、自主規制を通じて健全な販売・勧誘活動を行おうとするインセンティブが与えられるという見方もあります。

ここでは引用を省きましたが、大体学界で指摘されていることを書いてみました。
くろぬま
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