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書庫金融商品取引業

金融商品取引業者の書面交付義務などが免除される見返りとして、特定投資家に対してどのような特典を与えることができるかについて、法は規定していません。この点を少し考えてみましょう。

まず、各種の書面交付や説明義務が免除されるため、特定投資家に係る勧誘費用が節約されることから、その見返りとして、特定投資家と一般投資家との間に手数料体系に差を設けることは、正当化されるでしょう。また、アナリストレポート等の無償提供など、一般投資家に対しては与えられない付加的なサービスを特定投資家に対して与えることも許容されると思います。

一定の商品について特定投資家に限定して販売することが認められるでしょうか。その商品が適格機関投資家向け勧誘により私募発行されたものであれば、そもそも、適格機関投資家に対してのみ販売することが求められますし、プロ向け市場の有価証券も特定投資家に取引させるために発行されるものです。このような適格機関投資家向け商品や特定投資家向商品以外の一定の商品を特定投資家に限定して販売することも、当該商品の仕組みが複雑でリスクが高いため、特定投資家以外の投資家には一般的に適していないと認められる場合には、正当化されると考えます。

これに対して、一般投資家も適合性を有する商品を、特定投資家に優先的に販売することは許されるでしょうか。どの商品を誰に販売するかは金融商品取引業者の自由であって、法令に違反しないかぎり許されると考えれば、特定投資家への優先販売は、それが特別利益の提供に当たらないかぎり許されるでしょう。しかし、特定投資家制度の趣旨から考えると、特別の保護の要否を知識・経験・財産の状況・投資目的を基準として判断するという考え方とは無関係の基準で、特定投資家と一般投資家とを差別的に扱うことは、金融商品取引業者の誠実義務(36条)違反に該当するとみるべきではないでしょうか。
くろぬま
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