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EUとUSは以上の通りであるとして、日本ではどうなっているのかが気になります。
以下に、私が報告用に作ったメモを載せます。写真はソフィアのアレクサンドル・ネフスキー寺院。オスマントルコに征服されていたブルガリアがロシアに解放されたことを記念して造られた寺院。その後の歴史を凝縮しているようなたたずまいでした。
修正があります(赤字部分)。調べたつもりだったのですが、見落としていました。7月11日に「店頭デリバティブ取引等の規制に関する内閣府令」http://www.fsa.go.jp/news/24/syouken/20120711-1/03.pdfが交付されていました。11月1日より施行されます。
1.清算集中義務の対象
G20の合意に対応するために、日本では2010年に店頭デリバティブ取引の清算集中のための制度が構築された。しかし、2010年改正法はまだ施行されておらず、対象取引は具体的に特定されていない。
改正法の枠組みでは、対象取引は内閣府令、すなわち金融庁が指定することになっており、2010年の改正段階では、清算集中の対象取引として、金利スワップまたはCDSであって、取引規模の大きい金融機関同士の取引が想定されていた。その後、金融庁で開催された研究会における議論を経て、金利スワップについては、円建て金利スワップのうち、プレーンバニラ型で変動金利の対象指標をLIBORとするものを、CDSについては、CDSの指数銘柄であるiTraxx Japanを対象とする方向が決定されている。その通り実現しています(内閣府令2条1項・2項、金融庁告示60号)。
清算義務の対象となるのは、取引規模の大きい金融機関同士の取引が予定されている。金融機関とエンド・ユーザーとの取引は除外される予定である。これも予定通りでした(内閣府令2条3項1号)。
2.取引所への集中
G20の合意は、すべての標準化されたデリバティブ契約は取引所で取引されるか、電子取引基盤で取引され、かつ、そこでは清算集中が行われるべきであるとするものであった。
日本では、現在、電子取引基盤での取引を可能とするための金商法の2012年改正案が国会に上程されている。電子取引基盤を利用できる取引対象は、内閣府令、すなわち金融庁が決定する。G20の合意では電子取引基盤で取引されたデリバティブについては、清算集中が行われなければならないから、清算集中の対象となる取引についてのみ、電子取引基盤で取引を行えることとし、現段階では、円金利スワップのプレーンバニラ型が想定されている。
3.清算機関の認可と監督
日本では金融商品の清算業務は、市場インフラとして免許制の下に置かれている。金融商品取引清算機関の健全性規制は、免許付与の際の清算機関の業務方法書の審査、および業務方法書によって業務が行われているかどうかの監督によって行う。証券取引の清算機関である日本証券クリアリング機構の業務方法書により大雑把に述べると、清算参加者が債務不履行を起こした場合、第1に当該参加者の取引証拠金、第2に当該参加者が預託した清算基金、第3に当該参加者が取引所に預託している信認金があれば当該金認金、第4に不履行参加者以外の参加者に特別清算料の支払いを求め、支払いが得られないときは当該参加者を不履行参加者と扱ってその預託金等を充て、それでも損失を填補できないときは清算機関が負担する。
清算機関の認可について、日本法に特徴的なことは、日本法においては、店頭デリバティブ取引の清算は、国内清算機関、国内清算機関と外国清算機関の連携による方式、外国清算機関のいずれかによってされなければならないとされていることである。そして、清算要件が日本での企業の破綻要件と密接に関連している取引、具体的にはCDS取引のうち日本企業の破綻(クレジット・イベントの発生)を要件とするiTraxx Japanについては、国内清算機関において清算することを義務付けることとしている。その理由としては、CDSについては、実務慣行としてISDAがクレジット・イベントの認定を行っているが、その認定が国内の破産法制と整合的でない場合がありうるため、国内清算機関が契約当事者として必要な主張をすることができるようにするためであると説明されている。
4.店頭デリバティブ取引の報告義務
店頭デリバティブ取引の報告義務に関する法制は2010年改正で整えられた。
日本では、清算集中の対象となる店頭デリバティブ取引については、取引情報を保存し、規制当局に対して報告する義務が清算機関に課される。清算集中の対象とならない店頭デリバティブ取引については、第1次的には、情報保存および報告義務は金融機関(証券会社を含む)に課せられるが、金融機関は、取引情報蓄積機関を用いて情報の保存・報告を行う場合には、自らの保存・報告義務を免れるという選択制を採用した。
金融機関が情報の保存・報告義務を負う対象はすべての店頭デリバティブ取引ではなく、内閣府令、すなわち金融庁によって定められる。金利スワップおよびCDSであって清算集中の対象とならない取引が
取引情報の報告は、第1次的には規制当局がモニタリングを行うためにされるが、第2次的には、市場の透明性を高めるために行われる。そこで、情報の報告を受けた規制当局は、必要な事項を公表するという規定が置かれている。公表情報の内容は
5.取引情報蓄積機関の監督
取引情報蓄積機関については、国内取引情報蓄積機関については申請に基づく指定制度がとられた。これに対して外国取引情報蓄積機関については、申請を必要としない指定制度がとられた。そして、国内取引情報蓄積機関については、規制当局による監督権限を定めたが、外国取引情報蓄積機関に対する監督権限は定められなかった。国際協調に期待したものである。指定が取り消されると、金融機関は自ら取引情報を保存・報告するか、他の取引情報蓄積機関を探してその者に取引情報を報告しなければならなくなる。
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金融商品取引業



