|
日本取引所の金融商品取引法研究会で、2回にわたり、平成27年改正法の内容を報告しています。WGの資料、報告、逐条解説本、商事法務の記事等を見ながら、ああでもない、こうでもないと考えることは楽しいです。
今回の改正で特例業務の届出者の欠格事由が定められましたが、欠格事由に該当していた場合に、届出者は何の違反に問われるのでしょうか。届出の違反(無届営業)なのか、金融商品取引業の無登録営業なのか。私は、特例業務は本来は登録が必要だが、届出をすれば登録なしにすることができるので、欠格事由に該当すると届出の効果(登録なしに業を行えるという効果)が発生せず、無登録営業になると報告しました。また、今回の改正で届出者に対して行政処分をすることができるようになりましたが、欠格事由に該当していた届出者は無登録業者となるので、そのような者に行政処分を下すことはできないのではないかとの疑問を呈しました。
前者の点について某先生が発言され、金商法63条1項は一定の業務については登録を要しないとし、第2項で当該業務を行うには届出を要求するという構造をとっている、だから欠格事由に該当する場合は、あくまでも届出違反(2項の違反)に過ぎず、無登録営業にならないのではないかと指摘されました。たしかに、私は届出をすれば登録は要らないと勘違いしており、自分の誤りを棚に上げると、こういう指摘を受けるのは研究会の醍醐味だと思います。
さて、次回の研究会の準備をしながら考えてみると、金商法63条7項は一定の事由に該当する者は特例業務を行ってはならないという形で欠格事由を定めています。7項違反に対する直接の罰則はありません。そうすると、欠格事由に該当するのにそれを隠して届出をした場合には、虚偽の届出として無届と同じ罰則が適用されるのですが、それに当たらない場合には、届け出てもその業務をすることができない者に届出義務の違反があるとは言えないように思えてきました。欠格事由に該当する場合は、届出の有無に係らず、することができない行為をしたのだから(登録すればできる)、やはり無登録営業に当たるように思い直しました。
また、後者の問題については、(私の解釈では)欠格事由に該当する者は無登録営業となるものの、行政処分は届出者(届出をした者)に対してかかってくるので、欠格事由に該当する者が届出をしておれば、届出者として行政処分の対象になるのではないでしょうか。立案担当者の解説にもこれに沿う部分があります。つまり、欠格事由該当者は無登録営業と届出者に対する行政処分の両方の対象になることになります。
やや不自然な結論ですが、この考えを研究会にかけてみて、また意見を伺おうと思っています。
|
金融商品取引業


