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相場操縦の禁止に関する159条1項は、仮装取引と馴合取引を禁止しています。

このうち、馴合取引の定義は法文上はっきりしているのですが、仮装取引は、権利の移転を目的としない仮装の取引としか述べていませんので、何がこれに当たるかが議論の対象となりえます。

大証の株券オプション取引相場操縦事件に関して、最決平成19・7・12日は、ある者が特定の銘柄のオプションを一定数量付与し、これと同時期に、同一銘柄のオプションを同数量取得する自己両建て取引は、仮装の有価証券オプション取引に当たるとしました。

この事件では同一の市場で買建てと売建てをする行為が問題となっているので、仮装取引に当たるとする結論は妥当なのですが(とはいっても、その点がこの事件の一つの争点で、最近、評釈を書きました。金融・商事判例に掲載の予定です)、異なる市場で買い注文と売り注文を出す行為や、市場で買い、店頭で売る行為は、仮装取引に当たるでしょうか。

平成10年の証券取引法改正は、異なる市場間、あるいは市場の内外での相場操縦行為に対応できるように規定を整えました。したがって、適用することは可能です。最高裁の「自己両建て取引」の定義も、市場の内外を区別していないように読めます。そうすると、2つの取引を「同時期に」行うのであれば、当たるといえそうです。

私は仮装取引・馴合取引の悪性は、権利を移転しないこと自体にあるのではなく、虚偽の取引高を作出する点にあると考えてきました。そうすると、異なる市場の注文同士または市場の注文と市場外の注文とは付け合わされる可能性がないので、虚偽の取引高を作出するものではないとも言えそうです。最高裁も、同一銘柄のオプションと言っているので、同一銘柄のオプションは同じ市場にしかないと考えれば、仮装取引は同一市場でしか成立しないと考えることも可能です。

最高裁決定はこのような問題を直接扱うものではなく、自分の考えもまとまっていないので、上記の判例評釈では、この点には触れませんでした。

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