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金商法の域外適用には、いろいろと難しい問題があるのですが、今日は、外国会社に対するディスクロージャーの適用の話を書きます。

平成4年改正証取法は、いわゆる外形基準を採用し、株主500名以上、資本金5億円以上の株式会社に継続開示義務を負わせました。これにより、非上場会社も条件を満たせば有価証券報告書等を提出しなければなりません。外形基準のモデルとなったアメリカ法では、証券保有者500名以上、アメリカ国内の資産1000万ドル超の会社に開示義務を課しています。どこが違うかというと、日本法は「株式会社」のみを対象としているのに対し、アメリカは会社の形式を問うていない点です。外国法に準拠する外国の会社であっても、アメリカ国内に資産があれば、法を執行できると考えているのでしょう。私は、日本でも、国内で活動を行っており、証券保有者が一定数以上いる外国会社にディスクロージャーを課すべきだと思っています。しかし、これに従わない会社がいるときに、違反に対する罰則をどう適用するのかがという問題が残ります。一般に、証取法(金商法)は日本国内にしか適用できないと考えられているからです(適用の地理的限界)。これに対し、アメリカでは、国内市場に影響のある行為であれば、行為者がどこにいようと法を適用するという考え方が一般的です。投資家保護のためにはアメリカ法の方が筋が通っていますね。

平成17年の改正で入った親会社の開示は、上場会社の親会社に開示義務を直接に課しました。こちらは外国会社にも適用されます。したがって、外国企業が日本の上場企業を買収したが、被買収会社が上場を維持しているときは、当該外国企業は日本法に従い、日本語でディスクロージャーをしなければなりません(将来、英語でも良くなりますが、いろいろと条件が付いています)。「外国会社にも法を執行すると金融庁は覚悟を決めたんだ、やるなー」と思っていましたが、内閣府令をよく読むと、その外国親会社が本国で上場していて、当該会社に係る情報を日本から閲覧できる場合には、開示義務の対象外とされています。そして、この場合の開示情報は日本語でなくてもよいといのが、金融庁の説明です。結局、アメリカのEDGARなどで会社情報を入手できる場合には、日本法による開示は行われないのです。域外適用を避けるための現実的な解決だと思いますが、肩透かしを喰らったような感じもしますね。

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