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大分間が空いてしまいました。
「ブログを更新している暇があったら原稿を出せ」と言われそうな筋がいくつもあり、また、ちょっと無気力状態に陥っていたのですが、週末なので気を取り直して書くことにします。もっとも、今日の話は以前にジュリストに書いたものとほぼ同じです。
最後に残ったのは、「外国証券売出し」に該当し、かつ、外国証券情報の提供・公表が求められる場合です。想定されるのは、外国株式(形容矛盾ですが)や外国社債でしょう。これらについては、金融商品取引業者等は、内閣府令で定める「外国証券情報」を、売付けの時までに、相手方に対し提供し、又は公表しなければなりません(27条の32の2第1項)。外国証券情報の提供・公表は、発行開示を免除する要件としてではなく、金融商品取引業者等の義務として定められています。遵守の実効性を上げるためだと思われます。この義務は、金融商品取引業者等の説明義務や適合性の原則に沿った勧誘を行う義務を排除するものではありませんので、外国証券情報の提供だけでは説明義務等を満たさない場合があり得ます。外国証券情報の内容は、内閣府令で定めていますが、たとえば外国株式(海外発行株券)の発行者情報としては、記載事項として「事業の内容」や「経理の概要」といった概括的な事項が挙げられており(「証券情報等の提供又は公表に関する内閣府令」別表)、どの程度の詳しさで記載がされるのかは、分かりません。
外国証券売出しを行った金融商品取引業者等は、投資者から請求があった場合又は投資判断に影響を及ぼす重要事実が発生した場合には、当該投資者に外国証券情報を提供し又は公表しなければなりません(27条の32の2第2項)。これは、外国証券売出しを行った業者に、継続開示に対応するような継続的な情報の提供・公表義務を課すものです。発行者に代わって業者に継続開示義務を負わせるものであり、これまでの金融商品取引法になかった、画期的な義務付けだと思います。
勧誘を行った業者が、①情報を提供せずに有価証券を取得させた場合、②勧誘の際に提供・公表した情報に虚偽等があった場合、③請求に応じて公表した情報に虚偽等があった場合に有価証券の取得者に対して負う損害賠償責任について、16条・17条に倣った特則が設けられました(27条の34の2)。立案担当者は、これを厳格責任を定めるものではないと説明していますが、16条に相当する①(27条の32の2第1項)の責任は、16条と同様、厳格責任を定めたものと解すべきではないでしょうか。②③の責任は、業者が「相当な注意」を払えば免れますが、「相当な注意」の水準は、業者がデュー・ディリジェンス(引受審査)を行っていないことを前提に判断されるべきでしょう。
以上で「売出しの定義」シリーズはお終いです。
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2010年12月11日
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