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フォーラムでの講義で興味深かった点をつまみ食い的に取り上げていきます。あくまでドイツ法を英語で聞いた耳学問であり、そのようなものとして受け止めてください。
案の条、ドイツの報告者からは、ステークホルダーの利益の尊重やガバナンス・コードの話が、アメリカの報告者からはCSR(がアメリカにおいては重要でないこと)の話が出てきた。まず、ドイツの会社法の先生が、ドイツの公開会社の目的は企業価値の最大化であって、それは株主利益の最大化とは異なると言い切ったのには驚いた。ドイツでは、会社法にコーポレートガバナンスコードの遵守または不遵守の場合の説明義務が規定されており、また、取締役の報酬制度については、企業の持続的発展(company's sustainable development)を目的とするものでなければならないと規定されている。この、企業の持続的発展は、sustainableという語が当てられているが、最近の議論ではなく、「企業それ自体」(Unternehmen an Sich)という概念に由来しているのだ。
ガバナンスコード本体には、取締役会(Management Board)メンバーの解任違約金の制限(報酬2年分が上限)、監査役会(Supervisory Board)メンバーの年齢制限や就任期間に上限を設けるべきことが勧告されている。後者は世代間のダイバーシティの観点から設けられたという。また、共同決定法が適用される会社では、監査役会の「少なくとも30%は女性から構成され、少なくとも30%は男性から構成されるべきである」。これも、もちろんダイバーシティの観点からの規定なのだが、形式的には男女平等のルールとなっていておもしろい。
このようにドイツのガバナンスコードは、会社法の目的からは説明できない規定が含まれていて、「進んでいる」。日本の研究会で、ドイツのガバナンスコードの遵守率が低いという話を聞いたことがあるが、内容が全然違うので比較にならないだろう。
ゲーテ大学で日本法を専攻している大学院生がいて、面会を求めてきた。日本のガバナンスコードを勉強しているという。5年前に会った日本法研究者の彼も駆けつけてくれた
2日目の午前は欧州中央銀行に行き、銀行監督の話を聞いた。5年前も訪問したのだが、そのときは街中にあった。今はちょっとはずれ(低開発地域)にある市場跡に高層ビルを建てている(写真)。
欧州中央銀行は重要な銀行(ドイツには20行)の監督を行い、他は各国の中央銀行と協力して監督する。担当者は、我々はSupervisorであって、Regulatorではないという。たしかに、ドイツには規制当局としてBaFinがある。Superviseの内容を聞いていると、これは健全性規制だということが分かった。もっとも、銀行免許は中央銀行が出すらしい。
3日目の午後、フォーラムが終わった後、日本からの3名の学生とHeidelbergに遊びに行った。ここには、学生の頃、ヨーロッパ一周旅行のごく初期に訪れたことがある(Frankfurt起点だったので)。城跡から見るネッカー川の眺めは相変わらず美しかった(写真)。
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2016年10月06日
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