藻遊の一句

気の向くままに、自由に俳句を綴ります。

伊豆

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雨あがり

 
雨あがり 伊豆の小駅に 木々もゆる
 
 (あめあがり いずのこえきに きぎもゆる)
 
 
小さな駅に着くと、すっかり雨は やんでいた。
人のいない静かなホームにたたずめば、草木の香りが微かに漂った。
都会の喧騒から離れた伊豆にあったのは、緩やかな時間だった。
≪伊豆≫
 
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水仙や

 
水仙や 百体地蔵に 願をかけ
 
 (すいせんや ひゃくたいじぞうに がんをかけ)
 
 
霧の中の小道を歩いていると、突如、目の前に沢山の地蔵の姿が現れた。
よく見ると、一体一体、違う顔をしている。
地蔵に結ばれた赤い前掛けには、いろいろな願いごとが書きこまれていた。
遠方から願いをかけに来る人達が大勢いるようだ。
足もとに咲いている水仙の花も、そんな姿を優しく見守っているのだろう。
≪伊豆≫
 
 
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ロープウェイ

 
ロープウェイ 眼下の蜜柑 雨に濡れ
 
 (ロープウェイ がんかのみかん あめにぬれ)
 
 
伊豆のかつらぎ山の山頂と麓を結ぶロープウェイに乗った。
幾つもの尾根を見下ろしながら、空中を進む。
あいにくの雨で、遙か彼方にあるはずの富士山や駿河湾は臨めない。
しかし、眼下の急な斜面にひろがる 手入れの行き届いた畑には、 黄色い粒のような蜜柑が 懸命に頑張っているように実っていて、上空から応援したい気持ちになった。
 
≪伊豆≫
 
 
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河津桜

 
河津桜 霧に包まれ ひそと咲く
 
 (かわづざくら きりにつつまれ ひそとさく)
 
 
列島各地で本格的な桜の季節が来た。
先月、伊豆の山でちょうど開花したばかりの桜と出逢ったときのことを思い出した。
深い霧の中から ふと目の前に現れた河津桜は、人知れず控えめに花開いたようで、華やかさとは違う美しさを秘めていた。
≪伊豆≫
 
 
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