自衛隊違憲の解釈は間違っている
自衛隊違憲の判決が昭和四十八年九月七日札幌地方裁判所の福島重雄裁判
長によって下されたのである。それは当然の判決であるのである。福島重雄氏が
青年法律家協会の有力なメンバーであるから、それが反日本的感情によって
偏向判決を下したのだという風に愛国陣営の論客の多くは判決に対する反論を
書いているのであるけれども、わたしは必ずしもそうは思わないのである。
公平な目で見て、現行の日本国憲法を行文通りその意味を受取って行く
ならば、現行憲法が生きていると軽率に考える限り現在の自衛隊の存在
は「違憲」であるというふうに解釈する方が正しいのである。
(併し現行憲法は大日本帝国憲法に照らして違憲であるのに、マッカーサー元帥
が占領軍総司令官の原子兵器の圧力によって、横車を縦に通して強行した改正
であるからマッカーサーの占領軍政が終了すると共に、それは極めて自然
に消滅してしまっているのであるから、今更、ありもしない消滅済の日本国憲法
に照らして自衛隊は「違憲」であるという判決が赤色判事によって下されたから
とて、それを問題にするほどのことはないのである)
福島重雄裁判長は現行憲法を有効に存在すると誤って考えて、憲法通りに判決
を下したのであるから、この裁判に対して否定的反論を下すならば、福島裁判長
に鉾先を向けるよりも、この判決が出て来た根元になっているところの占領憲法
そのものが違憲であって無効であるという根元を衝くべきなのである。
それなのに日本の政府は何をしているのであるか、マッカーサー占領憲法を
有効であるという自己の「間違いの判断」をいまだに棄てようとせず、その間違い
憲法が生きているという誤判断の下に、「国に自衛権があるのは当然だ」と
馬鹿の一つ覚えのような根拠を楯に、上級裁判所に控訴したというから、
わたしは情けなくて涙がこぼれるのである
谷口 雅春著 (私の日本憲法)より