障害犬バロンの闘病介護記録と収集したニュース写真

障害を持つ犬の介護、参考に成ればと思い、障害犬バロンの15年の闘病介護記録を、写真と動画で残しています。

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     墓は本当にいらないのか 世情を映す「墓問題」

週刊朝日 2017年9月1日号より

 
 年々増える墓じまい。合同納骨堂や樹木葬、散骨などさまざまな弔い方も行なわれている。

  骨壺を自宅に保管する人も少なくない。高齢者の生活問題や葬送問題を研究する第一生命経済研究所の主席研究員・小谷みどりさんは、

 「こんな多死時代なのに墓石が売れないのは、多くの人が家に置いているからです」

  と指摘する。火葬後に受け取った骨壺は、その時点から取り扱いは遺族に任される。家に置いていても法律には抵触しない。

「墓がないから」という経済的な理由でそのままにしている人は多く、孤独死した人の家の片付けをすると押し入れから骨壺がいくつも出てきたという話は、少なくない。

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  NPO「終の棲家なき遺骨を救う会」は、提携する南春寺(東京都新宿区)の永代供養墓に3万円(納骨袋入りの場合は5万円)で合祀するサービスを提供している。

遺骨を郵送で送る「送骨」を利用しても、骨壺郵送代プラス3万円で済む。

  会によれば、毎月平均150件、多い月で500件の問い合わせがあり、生活保護を受けている人からの連絡もあるという。

 「母親の遺骨を10年以上置いている人や、50年以上前の遺骨がご自宅から見つかることもあります。行き場のない遺骨に悩んでいる人は多いのです」

  NPO「みんなの寺」も、岩手県内の墓に5万円で合祀する「みんなの墓」を紹介する。永代供養をする寺の敷地には、個別墓もあり、そこに1年間納骨をしてから、永代供養墓に合祀する。

これは、トラブル回避のためで、気が変わったとしても、1年以内であれば、遺骨は取り戻せる。

本心では共同は避けて個人の墓に入りたいという人には、執行猶予つきの、こういったサービスを利用するのもよいだろう。

  日本エンディングサポート協会理事長の佐々木悦子さんに聞くと、墓問題に悩む人の多くが団塊の世代で、彼らは先祖代々の墓を継続するか、閉めるべきかの葛藤に苦しんでいる。

できることなら維持したい。が、妻や子どもに「あんな地方まで、お参りに行っていられない」と言われ、ようやく決心する。
  小谷さんは言う。

「お墓は世の中の変化を示しているのです」

  墓の問題は、空き家問題と一緒だ。都市化や高齢化が進めば空き家が増える。空き墓も増える。閉じる墓に消える墓。人が減り、寺も減る。

 「お墓を建てたが、誰も入らずに撤去するケースもあり、お墓を負担に感じている人もいて、この問題は加速するでしょう」(前出の「終の棲家なき遺骨を救う会」担当者)

  一方で、眺望のいい墓を求めて「ここに入って、死んだ後もいい景色を見ながら、のんびりしよう」という思いで探す夫婦もいるという。

 「東京郊外に建てたお墓に親が眠っている。それを支えにしている方もいらっしゃるのです」

  関西在住の男性(57)は4月末に墓じまいをし、新たに別の場所に墓を建てた。車椅子の母親(84)の願いをかなえるためで、「これまで実家の墓とあわせて2カ所を行き来するのが大変だったが、

同じ敷地内に2基を建てたことで負担が減った。信心深い彼女の願いに報えた」と言うが、計700万円ほどかかった。

  墓に対する意識は、家と似ている。持つか、持たぬか。一軒家かマンションか。誰かと一緒にいたいのか、一人がいいのか。

 ただ、家は売れるが、墓は売れない。閉じるだけだ。

 「いいお墓探し! お墓の引越しドットコム」を運営する全国石製品協同組合の担当者は言う。

 「石屋だからかもしれませんが、できる限り、平面墓地を勧めます。

昨年インターネット調査をしましたが、墓を建てた人の7割が平面墓地にして後悔していないと言っています。

お墓を持っていることは、使用権があり、財産だと我々は考えているのです」

  流行に惑わされず、自分が満足するものを選びたい。

  市民葬儀相談センター成城店(東京都世田谷区)に足を運んだ。仏壇や仏具などが並び、ショールームも兼ねた店だ。

もとは郵便局があった。近くに高級志向の食材店などがあり、富裕層が多く暮らすエリア。この店舗の相談内容の4割が樹木葬で、2割が墓じまいだという。担当者は言う。

「継承者がいない、子どもに迷惑をかけたくない、そういう声が多い。樹木葬の相談で、35万円×3人分で、約100万円かかる場合もあり、説明するんです。『そのぐらいあれば、お墓が買えますよ』と。

でも、『これでいいんだよ』とおっしゃる。『これがいい』じゃなくて、『これでいい』と」
 『寺院消滅─失われる「地方」と「宗教」』や『無葬社会』の著者で正覚寺(京都府)副住職の顔も持つ鵜飼秀徳さんはこう話してくれた。

 「年に1〜2回の墓参りを通して、ほどよい心の距離で、死者との思い出を昇華させていく。墓は残された人のためにあるもの。

心の拠り所なんです。私は、墓はあるべきと思っています。ここ数年のイメージ本位の埋葬のあり方、急激な変化への危惧を覚えます」

  墓は遺骨を収納するだけでなく、死者と向き合える場所でもある。骨壺から遺骨を出してパウダー状にし、袋にも入れず合同墓に入れてしまえば、もう後へは引けない。

日本には、「骨身にしみる」「粉骨砕身」など骨にまつわることわざも多く、骨には魂が宿ると考えられ、執着もしてきた。

そんな大切な「骨」だからこそ、十分に死後の行き先を考えておこう。さて、墓をどうするか。

※週刊朝日  2017年9月1日号


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