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今朝起きてカーテンを開けると、外はミルク色の霧に包まれていた。 「ひるぜんリザーブ」は川沿いにあることもあって、朝霧がよく発生する。 朝霧に包まれた「ひるぜんリザーブ」 霧のもたらす水分が植物や動物にとってどれほど重要な働きをしているのかを実感したのは、ナミビアの砂漠を旅した時だ。 ナミブ沙漠のような雨がほとんど降らず、日中45度を越えるような過酷な環境の中で、どうしてあんなにも多様な生き物が生息できるのかと疑問に思っていたが、ソソスフレイのロッジで迎えた朝、海からの風によってもたらされた湿気が濃い朝霧となってあたり一面に立ち込めているのを見て、即座に疑問が解けた。 「ひるぜんリザーブ」の植栽を始めた頃は、幼樹や花苗を植えた直後はしばらくの間、両の手に水をいっぱい入れたバケツを持って、広い草原を何度も往き来していたのだが、ほどなく朝霧や夜露に気が付いて、以後は余程のことがなければ水遣りをしないようになった。 あれだけの水分を人の手で与えることなど不可能に近い。 自然とはなんと素晴らしいことをやってくれるのかと思う。 今朝の朝霧はやがて跡形もなく消えて秋晴れとなり、上蒜山がくっきりとその姿を現して、中腹の色づき始めた樹木もきれいに見えた。 紅葉が進み始めた上蒜山 さて、本題の「ひるぜんリザーブ」の紅葉の続きに入ろう。 カエデの仲間で今多少なりとも紅葉が進んでいるものは、イタヤカエデとウリハダカエデだ。 イタヤカエデは、学名を Acer mono と言い、北海道から九州までの各地の山地に自生するカエデ科カエデ属の落葉高木で、4〜5月に葉が開く前に本年枝の枝先に散房花序を出し、径5〜7mmの黄緑色の小花を咲かせる。 イタヤカエデの黄葉 ウリハダカエデは、学名を Acer rufinerve と言い、本州、四国、九州(屋久島まで)の各地の山地に自生するカエデ科カエデ属の落葉高木で、5月ごろに葉と同時に総状花序を長くたらし、径8〜10mmの薄緑色の花を咲かせる。 ウリハダカエデの花(5月8日撮影)
ウリハダカエデの紅葉
同じカエデの中でも、イロハモミジや、ハウチワカエデ、ウリハダカエデなどは紅葉し、イタヤカエデやヒトツバカエデなどは黄葉する。 紅葉の色は、植物の種によって決まっていて、赤くなるもの、黄色くなるもの、褐色になるものがあるが、どうしてこのような色の違いができるのだろうか。 緑色をした葉の内部には、葉緑体と呼ばれる粒子があり、この中に緑色の色素のクロロフィルと、黄色の色素のカロチノイドが含まれていて、秋になり気温が低下してくると、葉の活性が低下しクロロフィルが分解され栄養素として根や葉に転流されるようになる。 クロロフィルの含有量はカロチノイドに比べ約8倍もあるので、夏の間は葉は緑色に見える。 黄葉する葉は、秋になってクロロフィルが分解され緑色が消えることで、それまで隠れていたカロチノイドの黄色が目立ってきて、黄葉となる。 さらに冬が近づくと葉を落とすために、葉と枝の間に離層(コルク層)が発達してきて、葉でつくられた糖分が転流されなくなるため、葉に残るようになる。 紅葉する葉では、この糖分から赤色の色素のアントシアンが生成されるので赤色が増して紅葉となる。 褐色になる葉の場合は、アントシアンと同様の過程で、タンニン系物質が生成され、褐葉となる。 またカキやサクラの紅葉では、赤と黄と緑がまだらになって紅葉するが、これは、葉の中にクロロフィル、カロチノイド、アントシアンなどの色素がさまざまな割合で混ざっているために起きる。 ヤマガキは、学名を Diospyros kaki と言い、本州・四国・九州の山地に自生するカキノキ科カキノキ属の落葉高木である。 皮革質の艶のある厚い葉が緑の斑を残しながら紅葉してゆくのを見ているのは楽しい。 紅葉し始めたヤマガキの葉 独特の美しい紅葉を見せるヤマガキの落ち葉 花色や花の大きさにも変化があって、花も素敵なのだが、その紅葉がまた素晴らしい。 赤と言っても強烈でまるで赤いペンキを垂らしたように真っ赤に染まる。 それも一様にではなく部分的に紅葉してゆくので、紅葉の進んでゆく過程が見ていて楽しい。 きれいな球形の自然樹形になったヤマザクラ 紅葉の始まったヤマザクラ 赤いペンキを垂らしたような紅葉 一方仲間のウワミズザクラ(学名: Prunus grayana)は、黄色からオレンジ色へと綺麗に紅葉してゆき、特に光を浴びたときには素晴らしい輝きを見せるので、「ひるぜんリザーブ」の紅葉を語るときにははずせない樹だ。 ウワミズザクラの紅葉 「ひるぜんリザーブ」の素敵な仲間、「イタヤカエデ」「ウリハダカエデ」「ヤマガキ」「ヤマザクラ」「ウワミズザクラ」そして庭続きの山、「上蒜山」。
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2009年10月16日
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