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「ひるぜんリザーブ」の蝶たちの第二弾は、この庭園で毎年羽化していると思われる「ミヤマカラスアゲハ」を取り上げた。 ミヤマカラスアゲハは、山地性の蝶でキハダやカラスザンショウを食餌木とする大型の蝶で、蝶の人気コンテストでは常にトップにランキングされるという美しい蝶だ。 「ひるぜんリザーブ」には、ミカン科のキハダの高木が数本あり、夏には頻繁にキハダの梢をこの蝶が舞っているのを見ることができる。 早春に出現するが、羽化した直後は動きも緩慢なので、撮影する側にとっては好都合な時期である。 夏が近づくと動きも活発になってきて、あちこちで吸水や吸蜜している姿を見ることができる。 ある日、近くの静かな山間の道路を車で走っていると、道路脇の湧き水で吸水している群れを見つけた。 急いで車を停めそっと近づいて眺めていたが、薄暗い光の中でメタリックなブルーの翅が妖しく光を放ち、その美しさにしばしシャッターを切るのも忘れて眺め入ってしまった。 しばらくすると一斉に舞い上がって緩やかな飛翔を始めたが、翅が空中で虹彩を放ち一瞬にして幽玄の世界へと誘われた。 南米のモルフォチョウなども美しいが、静かな深山の薄明かりの中で見たこの光景は、私をすっかりミヤマカラスアゲハの虜にした。 お盆のころ、「ひるぜんリザーブ」には、無数のキツネノカミソリとオオウバユリが咲く。 ミヤマカラスアゲハはキツネノカミソリの花が好きらしく、この時期は盛んに花の上を飛び回って吸蜜する。 昨年の夏に一羽のミヤマカラスアゲハがキツネノカミソリの群落の上を舞うところを追いかけたことがある。 この頃になると、吸蜜中も常に翅を小刻みに動かしているが、後で写真を見ると、翅をしなやかにたわませながら動かしていることや、前後の翅の動きが異なっていることなどがわかって、興味深かった。 それでは、「ひるぜんリザーブ」の蝶たちシリーズ第二弾「ミヤマカラスアゲハ」編をスライドショーでゆっくりとご覧下さい。 *画面の上にマウスを置くと画面左下隅に現われるボタンでスライドの「停止/作動」の切り替えができます。 ゆっくりご覧になりたい場合は画面を停止させてお楽しみ下さい。
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2009年07月11日
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毎年5月半ばころから「ひるぜんリザーブ」の草地を白い蝶があちこちではらはらとゆるやかに飛び始める。 この蝶はウスバシロチョウというアゲハチョウの仲間で学名をパルナシウス (Parnassius glacialis) という蝶で、ギフチョウやウスイロヒョウモンモドキとならんでひるぜん高原の生物相を特徴づけている希少種である。 ウスバシロチョウの仲間は、約150万年前に始まった氷河期を生き延びてきた蝶で、この間の氷河の消長に合わせて、それぞれの集団が移動して孤立化あるいは再集合を繰り返した結果、地域ごとに独自の紋様や大きさを持った多様なウスバシロチョウが生まれた。 種類は約35種にのぼりさらに亜種も多い。 現在は北欧から、中近東の山岳地帯、ヒマラヤ、中央アジア高原など、ユ−ラシア大陸の、冷涼な地域に広く薄く分布していて、日本では北海道、本州、四国の高山、冷涼地に生息している。 北方系の蝶で、西南日本では分布が限られている。 体長は約5センチくらいで、胴体には細かい黒い毛が生えている。 他の蝶に比べて鱗粉が少ないため、翅が透けて見える。 幼虫の食草は、ムラサキケマン、ヤマエンゴサクなどなので、私の森の草地で多数孵化するようだ。 成虫は見ているとガマズミ、クロモジ、ウツギなどさまざまな花で吸蜜している。 「生きた化石」とも呼ばれるウスバシロチョウは、5月半ばころから出現し7月はじめころまでのおよそニヶ月くらいで姿を消す。 手でも捕まえられそうなほどゆるやかでどこか頼りなげな飛翔を見ていると、その体のどこに氷河期を生き抜いてきた強靭な生命力が隠されているのかと思う。 大切に守ってゆきたい蝶の一つである。 それでは、「ひるぜんリザーブ」に舞う蝶の第一弾「ウスバシロチョウ」をスライドショーでご覧下さい。 *画面の上にマウスを置くと画面左下隅に現われるボタンでスライドの「停止/作動」の切り替えができます。 ゆっくりご覧になりたい場合は画面を停止させてお楽しみ下さい。
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