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朝露のまだ残っている時間帯に「ひるぜんリザーブ」の草原にでると、青色のツユクサと赤紫色のムラサキツユクサの花に逢える。 米国原産のムラサキツユクサは、ツユクサ科ムラサキツユクサ属の多年草で、学名を Tradescantia obiensis と言い、耐寒性もあり、日陰でも育つので、全国的に野生化するほど丈夫な草本である。 花色は赤紫のほか、白色や桃色もある。 一日花なので、朝咲いて午後にはしぼんでしまうが、花茎の先端にたくさんのつぼみをつけるので、一見同じ花が長く咲いているように見える。 一方のツユクサは、日本全土に分布しているツユクサ科ツユクサ属の一年草で、学名を Commelina communis と言い、畑や道端に自生している。 都会地の庭の片隅にもどこからか種が飛んできて、花を咲かせていることが多いので、おなじみの花だと思う。 ツユクサは6〜9月ころ、ムラサキツユクサは6〜8月ころに咲くので、夏場は同時にその花を見ることができる。 ツユクサは、二枚の貝殻状の包葉が開くと中からそっと花を覗かせる。 花びらをちょっと摘むと青い色が指先に付く。 青花という別称はこの花がかつて染料として使われたことからきている。 ともにユニークな形の花なので、じっくり観察すると面白い花たちだ。 ツユクサの花は、 花弁やオシベ、メシベの位置関係がユニークで、花の形が ミッキーマウスのように見える。 アメリカ生まれのムラサキツユクサは、 おむすび形の花弁がきれいに三枚組み合わさって、 どこかの家紋のようにも見える。 「ひるぜんリザーブ」の素敵な仲間 「ツユクサ」と「ムラサキツユクサ」。
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「ひるぜんリザーブ」の草原のあちこちにゲンノショウコが花を開いている。 ゲンノショウコは、学名を Geranium thunbergii と言い、フウロソウ科フウロソウ属の多年草で、北海道から九州の山野に自生している。 昔から下痢止めの薬効が速やかに現れることから「現の証拠」といわれるようになったという話は、良く知られているところだ。 フウロソウの仲間なので、フウロソウに似た美しい花をつける。 花色は白、紅紫色とあるが、花被片に入る筋模様やオシベの濃紺の葯、5本に分かれるメシベの形、それに先端が細く尖ったガク片の意匠も素敵だ。 ゲンノショウコは、タンニンがもっとも多く含まれるようになる「土用の丑」の日ころに全草を採取して陰干しし、必要なときにこれを煎じて服用すると下痢や便通に効果があると言うが、私はまだ試したことはない。 私にはこの美しい花は、いまのところ胃腸より目に優しく作用しているようだ。 「ひるぜんリザーブ」の素敵な仲間 「ゲンノショウコ」。
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「ひるぜんリザーブ」にはいろいろな動物たちが棲みついていたり遊びにやってくる。 ホンドギツネやタヌキ、ノウサギ、イタチ、ヒメネズミ、モグラ、ヘビ、カエルなどなどで、警戒心の強いホンドギツネ以外は、頻繁に姿を見せる。 カチカチ山の物語の主人公たちであるタヌキとウサギもその仲間である。 晩秋から初春にかけては、草刈の頻度が少ないので、春先には草丈もかなり伸びていて、その年初の草刈は結構大変な作業になるのだが、そのときにいく筋かの獣(けもの)道が見つかる。 その多くはタヌキとノウサギの通り道で、覚えておくと彼らがよく行動する夕方などに彼らの姿を簡単に見つけることができる。 警戒心の薄いタヌキの場合は日中でも平気で草地を通り抜けたり、クワの実やカキの実が落ちるころは人が近くにいても平気で食事に励む。 タヌキはクワの実が大好物で、6月後半になって熟した実がいっぱい地面に落ちるころには、真っ昼間から庭先に現れて夢中になって食べる。 そのときの姿をお見せしよう。 ハンモックのそばまでやってきて クワの実を夢中で食べていて、私がどんどん近づいていっても気が付かない さすがに5メートルくらいまで近づくとようやき気が付いて名残惜しそうに去っていったが、 このころのタヌキは栄養が足りていて、毛艶もよいし良く見るとかわいい顔をしている。 一方のノウサギは、夕刻現れて、草を食むことが多いが、あるとき私が草刈をしたあと、まとめて山にしておいたら、朝早く現れて、草の山をむしゃむしゃ食べていた。 彼らも草原の草を一本一本齧るより、新鮮な草の山から食べる方を好むのだ。 そのときの映像を次にお見せしよう。 ノウサギは音に敏感ですぐにこちらに気が付いて ゆっくりとカラマツの並木の方へ移動して こちらもちょっと名残惜しげにこちらを見ていた。 このノウサギの目もかわいくて、この後「ひるぜんリザーブ」のピーターラビットと名づけた。 ところでカチカチ山のお話では、悪いタヌキがお婆さんを騙して殺し、その後お婆さんに化けて、お婆さんの肉をタヌキ汁にしてお爺さんに食べさせたので、老夫婦と仲の良かったウサギがお爺さんに代わって、これもかなり残酷な方法でタヌキを殺してお婆さんの敵(かたき)を討つのだが、「ひるぜんリザーブ」のタヌキとノウサギたちは、ともに気が優しくて、とてもそんなお話の主人公たちにはなれそうもない。 私たち地域に暮らす人間は、地域の生き物たちたがいつまでも暮らして行けるような環境を残して行かねばならない。 自分たちの暮らしを守るためにも。 「ひるぜんリザーブ」の素敵な仲間 「タヌキ」と「ノウサギ」
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「ひるぜんリザーブ」でこの時期にがぜん元気になってくるのが、キキョウとクロコスミアである。 ともにやさしい花の姿とは違って、極めて強健かつ繁殖力も旺盛でよく殖える。 年々花数が増えてゆく元気なキキョウ キキョウは、当初種まきをして苗作りをしたが、ほぼ100%発芽して100鉢くらいの苗をつくってフロントガーデンに定植した。 毎年株が大きくなって花数も増え続けているが、昨年秋に採種したのをそのまま草地につくった小さな花壇に直播しておいたら、今年もう立派な花を咲かせた。 昨年の秋に播種したキキョウがもうこんな立派な花をつけた。 クロコスミアの方はというと、数年まえに数株もらってきて植えておいたら当時あった広い花壇を覆い尽くさんばかりに殖えて、他の草花を圧倒してしまっていたが、「ひるぜんリザーブ」プロジェクトによる全面改修時に、シラカバやウワミズザクラ等の樹木の根締めとして、20箇所あまりに分散して移植した。 こちらは放って置くとどんどん広がってゆくので、草刈のときに適当な面積になるよう刈り込んでいる。 もうすぐ樹木の株元をオレンジに彩るようになるクロコスミア エコガーデニングでは、植物が定植後に活着してしまえば、後は水も肥料も人工的には与えないが、植栽されている植物のほとんどが自生種なので、みんな元気に生育している。 ただ「ひるぜんリザーブ」は庭でもあるので、アメニティも大切な要素である。 したがって植物をまったく野放しにしているわけではない。 また生態園として機能するためにも特定の植物だけが優占することは望ましくないので、過剰に殖えすぎるものは適宜植栽面積をコントロールしている。 可能な限り多様な地域自生生物(動植物)が生息できる環境づくり、それが「ひるぜんリザーブ」プロジェクトの目指しているものなのだ。 「ひるぜんリザーブ」の素敵な仲間 「キキョウ」と「クロコスミア」。
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「ひるぜんリザーブ」のムクゲが咲いたので、近くによって眺めていると、アカタテハが吸蜜にやってきた。 ひとつの花へとまると、次々と口吻を差し込む位置を変えながら、蜜を吸っている。 おしまいには、花粉で顔の周りを真っ白にしてしてしまった。 こうして蝶は花から栄養をもらい、花は蝶に受粉の手助けをしてもらうのだ。 「ひるぜんリザーブ」の素敵な仲間 「ムクゲ」と「アカタテハ」
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