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「ひるぜんリザーブ」の周縁部でクズの花が咲いている。 クズは、学名を Pueraria lobata と言い、マメ科クズ属のつる性多年草で、北海道から九州までの荒地などに繁茂し、8〜9月に穂状の花序を立ち上げ赤紫色の花が下部から上部へと咲きあがる。 「秋の七草」にも数えられているクズの赤紫色の花は、マメ科特有の蝶形花で美しく、またその長いも状の根(葛根)は古くは飛鳥時代あたりから利用されてきた。 葛根をすりつぶして精製したものが良質のデンプンである葛粉だが、良い葛粉の精製には冷たくきれいな水と乾いた空気が必要なので、生産地は限られ、全国的によく知られているのは奈良県の吉野葛である。 この葛根を干したものは発汗・鎮痛作用のある生薬として知られ、古典落語の「葛根湯医者」でどんな病にも効く薬として登場する「葛根湯」もこの葛根を原料としている。 またクズの長く丈夫なつるは、つる細工の材料としても使われ、煮てから発酵させて後得られる繊維からは、かつては葛布がつくられていた。 最近ではクズの花のエキスが肥満防止効果があるという研究結果も発表されているようだ。 このようにクズは極めて有用な植物なのだが、これが敷地の中に繁茂しているとなるとまったく事情が異なってくる。 放っておけば草地と言わず、林と言わず全てを覆い隠さんばかりに繁茂して、駆除しようとしても根は深く土中に潜っているので完全駆除はほぼ不可能である。 「ひるぜんリザーブ」では、頻繁な草刈で根に栄養を溜め込ませないようにして繁茂を防ぎ、花は敷地外で楽しむことにしている。 クワの木の樹冠を覆い隠したクズ
下から咲きあがる花。下部の花は既に枯れ落ち、上部のツボミはこれから開いてゆく。
赤紫色の花は美しい。 完全に開花すると旗弁の黄色が鮮やかになる。 クズ(葛)は同じマメ科のフジ(藤)とともに、花が美しく愛すべき植物なのだが、茂りすぎると一転やっかいものとなって、心理的「葛藤」を生む植物なのである。 「ひるぜんリザーブ」の素敵な仲間、「クズ」。
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