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全国にゴマンとあるという城館を、徒然なるままに紹介する探訪記。ときどき浮気して古墳も紹介。在住地の福島県の城館と古墳が中心。

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『前方後円墳』

岩波書店の新たなシリーズの一冊。考古学と文献史学の方法で、前方後円墳にアプローチする。本書の特徴の1つは、外国人研究者の論考が含まれることだが、その内容は、日本で一般的に受け入れられている認識とは、やや噛み合わないように感じた。下垣仁志氏と松木武彦氏の論考は、現在の両氏の見解が簡潔にまとめられており、有益だった。

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昨日・今日と連休だったのだが、ここのところ少し疲れていたので、城や古墳には出かけなかった。近所の書店でふと目にとまった新書を購入し、読書をして過ごした。古代豪族や王権の研究者である著者のエッセンスが凝縮されるとともに、平易に紹介されていた。

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関晃氏によって提唱された「畿内政権」論を批判的に継承し、古墳の出現から律令国家の成立までを、政治史の立場で段階的に位置付けた内容。それを私なりにまとめると、以下の4段階に整理できる、と思う。第1段階は、中央ばかりでなく地方の豪族も一定の役割を政権内で担っていた5世紀前半頃まで、第2段階は、主に雄略朝の改革によって大王への権力集中が進む5世紀後半から6世紀初頭頃、第3段階は、雄略没後に中央が混乱する一方で有明海周辺の首長連合が力を増し、それに危機感を抱いた中央の豪族層が合議制をとるようになる6世紀前半以降、第4段階は、大陸や半島の情勢を背景に、権力の集中が求められるようになり、大化改新や壬申の乱などを経て天皇権力が専制化する7世紀後半以降、となる。著者の理解に従えば、「畿内政権」は第3段階に形成されたことになる。非常にスケールの大きな議論で、刺激的な内容でもある。5世紀前半までとそれ以降とで、古墳時代が大きく2分できるのではないか、と妄想してしまった。

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福島県矢吹町の大和久館や同じく郡山市の曲師館という具合に、馬出のある城に立て続けに行ったので、馬出研究の最新情報が知りたくなって通販で購入した。

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馬出をテーマとしたシンポジウムの報告は6本収録されている。その内容は十分に理解できたわけではないが、ある種の閉塞感のような感覚を覚えてしまった。

今日仕事から帰ると、『福島史学研究』第97号が届いていた。5本の論文、各1本の研究ノートと史料紹介、そして新刊の紹介が2本という構成。そのうちの3本が中世の論文で、うち2本が城館を対象とした内容。

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そのうちのまた1本が「白河城攻めの軍事拠点」という拙文。天正5年(1577)の白河城攻めに際して、蘆名盛氏と白川義親が白河市の大山館と東堂山館を軍事拠点として取り立てたという内容。個別研究ではあるが、こうした積み重ねの先に、新たな城館研究の地平が開けると思う。

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同文献掲載の大山館縄張図。

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同じく東堂山館縄張図。

近いうちに図書館などに配架されると思うので、ご興味のある方はご参照を。

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『大化改新を考える』

7世紀は、律令制の時代への移行期であり、古墳造りが終息する時代でもある。その7世紀史の大きなエポックである大化改新を、吉村武彦氏が解説した岩波新書の一冊。昨年刊行されたときから気になっていたのだが、最近ようやく購入し読了。

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主な目次は以下のとおり。

プロローグ 神々の大化改新
一 『日本書紀』が描く「大化改新」とは
二 「諸国」を統べる新政権 京・畿内と「評制」
三 社会習俗の「文明開化」
エピローグ 大化改新後と民衆

これまでの大化改新研究は、政治史や制度史に偏っていたとし、民衆や習俗・信仰などといった面から社会の深層の変化に迫ろうとする。プロローグのタイトルからうかがえるように、あるいは安丸良夫『神々の明治維新』(岩波新書 1979年)を意識しているのだろうか。本ブログの関心に引き付ければ、古墳が造られなくなる背景に、当時の人々の意識の変化は当然想定できるし、習俗・信仰といった面からのアプローチは重要であろうと思う。ただ、全体的に慎重な叙述であり、堅実ではあるが少し物足りなくも感じた。

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