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原発問題で、最近、衛星放送系の番組や、YouTube、Ustreamなどでよく見かける後藤政志さん。
東芝で原子炉格納容器を設計していたという経歴の持ち主。
地上波の、民放やNHKに出てるお抱えコメンテーターとは、一線を画す解説。
あやふやな考えでものを言わず、必ず論拠を示す。
福島で起こっていることは物理学であるから、これはある意味、当然のこと。
※ ※ ※
3号炉から「黒い煙」がたびたび出ている。
大本営発表(政府、保安院、東電、マスコミ)によると
「詳しくはわからないが、建屋内の機器が燃えているか、それらの出すオイルが燃えているのではないか」
という、あまりに漠然としたもの。
後藤さんの見解(23日放送のBSかCSの番組内。生放送か当日収録のもよう)は、
「格納容器と、その上の蓋の間に、ガスケット(シリコンゴムのパッキン)が入っている。耐熱限界としては、200度は大丈夫だが、300度を超えると厳しい。政府の情報が少ないから断定はできないが、これが燃えている可能性が高いのではないかと思っているし、だとしたら、恐れていたことが起こっている」
この方は格納容器の専門家であるから、ご自分がもっとも詳しい分野(格納容器周辺)で問題を帰結させているフシもあるかもしれないが、少なくとも、今、メディアで出ている解説の中では、最も論理的。
ただ、そうすると、ちょくちょく400度を超えているという1号炉から黒煙が出ない(=ガスケットが燃えていない)のはなぜだろうという疑問もわいてくる。たまに400度を超えるくらいならガスケットは燃えないのか?
ガスケットが燃えているという仮説は、「3号炉の放射線が強いために、配電作業などが遅れている」というマスコミの記事とも一致する。
3号炉に近い一部区域では、人が近づけないほど高濃度の放射線が出ているという報道もある。
ガスケットが燃えれば、密閉性は失われ、炉内の放射線および放射性物質を閉じこめることが難しくなる。クルマのオイル漏れと一緒ですな。
そのように考えると、疑問点もあるが、的を射た見解のようにも思う。
この後藤さんの仮説が正しいのかどうかは、今のところわからない。
現段階では推論にすぎない。
ただ、
「よくわかんないけど、建屋内のなにかが燃えてんじゃないの?」
などと、漠然と大ざっぱに言われるのと、
「ここにこういうものがあって、こういう状態になると燃える。ゆえに放射性物質が漏れ出していると考えられる」
と論理的に言われるのと、どちらに対して真剣に聞く耳を持つだろうか。
多くは後者ではないのか。
常に危険を煽るとか、常に大本営発表を鵜呑みにするのではなく。
過剰に不安になったり、鈍感になったりするのではなく。
必要なのは論拠。
ただ、いろいろな情報を総合すると、個人的には悲観的にならざるを得ない。
半年か1年か、西の方へ移住することも、少し考えてみたりしている(まだ具体的ではないが)。
自分はもう中年だが、外部被曝ならまだしも、内部被曝が長期化するというのは(数値にもよるが)ちょっと不気味である。
空気や水や食べものを、普通に摂れる場所へ。
漠然と、そんなことを思う。
※などということを書いていたら、「3号炉が損傷の可能性」という情報が飛び込んできた。
後藤さんの推論どおりなのか、他の部分(圧力抑制室など)が損傷しているのかわからないが。
いずれにせよ、問題は長期化するであろう。
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