日々是雑感

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信じられない事故

 昨日の読売新聞に、私にはちょっと信じられない事故が掲載されていました。
林業試験場の女性室長、閉じ込められ熱中症で死亡
3月22日12時7分配信 読売新聞
 
 22日午前0時15分頃、鳥取市河原町の鳥取県林業試験場敷地内にあるコンテナ型木材乾燥機(高さ2・22メートル、幅5・20メートル、奥行き2・25メートル)内で、同試験場木材利用研究室長の大平智恵子さん(45)(同市若葉台南)が倒れて死亡しているのを、捜していた姉(49)が見つけた。 死因は熱中症。鳥取県警智頭署は、大平さんが乾燥機内の杉材を検査中、何らかの原因で出入り口ドアが閉まり、閉じこめられたとみている。

 発表によると、乾燥機はアルミ製で窓はなく、ドアが閉まると密閉される構造。内部の温度は55度、湿度は71%に設定されていた。ドアは内側からも非常ボタンで解錠できる仕組みだが、故障していたらしい。

 大平さんは、21日午後2時30分頃、杉材の状態を確かめに行くと言って、自宅を出た。死亡推定時刻は同7時頃。試験場の事務所には携帯電話が入ったバッグが残されており、閉じこめられた後、外部と連絡がとれなかったらしい。

 同試験場によると、木材乾燥機は1995年に同試験場に導入された。大平さんは木材の品質向上の研究を担当していた。大原明伸場長は「頼りにしていた研究者を失い、非常に残念。再発防止策を考えたい」と話していた。  
 記事中の写真を見ると、貨物列車のコンテナのような乾燥機です。
 まず、普通の感覚の持ち主ならば、「もし、ここに閉じ込められたらどうしよう?」ということくらいは一度は考えるはず。私などはサウナに入るのにも一瞬躊躇するほどです。
 実際、私の管理する施設にも巨大な金庫室がありますが、内線電話もありますが、携帯電話を持って行きますし、入室するときには「金庫室に入って、○分くらいで戻ります」ということを周囲に伝えるなどは、当たり前のこと。
 これは、以前に勤めていた自然体験施設で、飲料水を取水している川の点検に行くときも同じようなことをしたり、2人1組で行ったりしていたほどです。

 不思議でならないのは「何らかの原因で閉まった扉」で、強風などで閉まった程度で、出られなくなる設計構造。
 こういう内部に人が閉じ込められかねない構造の場合は、この乾燥機にも内部に非常開放ボタンがあったほどですからそういう事態も想定していたのでしょうが、まずは閉まってからのバックアップ装置である非常ボタンの設置よりも、そもそもが何かの原因で閉まった程度ではロックされないという構造にすべきでしょう。

 故障の放置というのも驚きます。定期点検はしていなかったのでしょうか?
 ただ、落とし穴があって、おそらくは「定期点検」はしていたとは思うのですが、それは視点が「きちんと乾燥するかどうか」という、設置目的の機能保持だけの点検しか、していなかったのではないかと思います。
 その目的ばかりに目が行くと、普通は考えつかないような「内部に入り込んだ場合の非常ボタン」の存在を、知ってはいても忘れてしまうという、心理的な盲点に陥りやすいのですね。

 こういう、何かの目的だけに注意力が集中してしまうと、その他の別の種類の重要な視点での確認がおろそかになってしまうということは、しばしば重大事故の要因になります。

 先日、群馬県の無届老人入所施設で10名が亡くなるという事故がありました。
無届けでも「頼るしかない」 老人施設火災で墨田区が会見
3月21日23時17分配信 産経新聞

 6人の入所を斡旋(あっせん)した東京都墨田区は21日、会見を開き、当初からたまゆらを届け出が不要なケア付き高齢者住宅だと認識し、群馬県への問い合わせをしていなかったことを明らかにした。

【中略】

 墨田区は昨年12月と今年1月に職員にたまゆらを訪問させたが、問題点はないとしていた。

 防火施設に関しても「当然、施設が設置していると思った」と述べ、チェックしていなかったことを認めた。

【後略】
 この他にも、TVでどこかの行政の福祉担当者が、「施設の現地確認はした。しかし、確認の内容が『入所者が快適に過ごせるか』というような視点でもって進められるために、防災体制がどうか?という視点では見ていなかった」という旨のコメントをしているのを聞きました。
 それは、無理もありません。
 しかし、それではやはり、専門馬鹿というそしりは免れますまい。
 全てのことを何でもかんでも把握して意見すべし、とは言いませんが、入所者の快適さには、安全の裏付けという視点はあっても良いのではないでしょうか。

何かの目的意識を強く持ってそれに接している時。人間にとって、その他の重要なものを見落とす危険な時でもある

のです。

 車を運転中に左折しようと待っていると、対向車が停車や徐行をして道を譲ってくれたとき。「あ、譲ってくれた。悪いから早く行かなきゃ」という焦りが出た瞬間、その右折先を歩く歩行者が見えないという危険がある…というのも、「焦り」というのも加わっていますが、同じことですね。

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閉じる コメント(2)

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恐いですね〜
日常の中の危険。。。

どうすればいいのでしょうかね〜

2009/3/24(火) 午前 9:31 kuu

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シャーロックホームズの中にも、家の中に煙を入れて火事だと思わせて、用心深く賢い女性が慌てて貴重品の隠し場所に向かってしまう、というくだりがあります。
何かをするとき、主観的になりつつも客観性をどこかで持ちながらというようなことをしないといけませんね。

2009/3/24(火) 午後 8:48 [ 泉ヶ岳 ]

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