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5月12日の毎日新聞の記事です。 <暴力団>UFOキャッチャー「全部空くじ」激怒、脅した容疑/組幹部ら逮捕 5月12日18時35分配信 毎日新聞 福岡県警は11日、ゲーム機「UFOキャッチャー」のくじ入りカプセル約180個すべてが空くじだったことに腹を立て、ゲーム機の所有者を脅したとして、同県大牟田市船津町、指定暴力団九州誠道会幹部、梅木一馬容疑者(43)ら3人を暴力行為等処罰法違反容疑で逮捕した。県警によると、店主は参考人聴取に「何回かに1回は当たりを入れてある」と話しているという。 梅木容疑者は同会の実質的ナンバー2という。他に逮捕されたのは、同県うきは市吉井町千年、同会系組幹部、藤田秀憲(30)と、弟で自称同市吉井町富永、同、藤田光雄(27)の2容疑者。いずれも「知りません」と否認している。 容疑は、3人は今年1月6日夜、県筑後地区のカラオケ店で、UFOキャッチャーのカプセル内のくじがすべて空くじだったため立腹。ゲーム機を所有する男性(61)に対し、殺害された指定暴力団道仁会会長(当時)の名前を挙げ「やったのはおれや。この落とし前どうするとか」などと脅したとされる。 県警によると、3人はゲーム機で数個のカプセルを取ったが、中のくじがすべて空くじだったため、カラオケ店主に迫って、ゲーム機内に残っていた約180個のカプセルを1個当たり、正規のゲーム料金の100円で買い取り、その場でくじを開封。しかし、当たりが一つもなかったことから激怒し、店主を通して所有者を呼び出したという。3容疑者はカプセル代約1万8000円を店主に支払っている。暴力団員、しかも大幹部がくじ入りカプセルを必死にやっているのは何だか滑稽ですな。 「あー、クソ、また取れなかった。おい、この財布のサツ、みんな100円にして来い」なんて舎弟に命じて頑張ったのに、いくつ取ってもスカばかり。ついに頭に来て…なんて状況を思い浮かべてしまいます。 いかついヤクザが180個のカプセルを必死で全部空けて、全部がハズレと知った瞬間茫然自失となっている姿を思い浮かべると、やはり滑稽です。 しかし、実際のところは、どうなんでしょう? このテの店のクジはどうせそういうスカだけだと知っていて、それで最初から恐喝で金をせしめようとか、おしぼりだの絵画だの植木を高い金出して置けというような要求をするつもりだったのかもしれません。 暴力団はどうでも良いのですが、それにしても、このカラオケ店の店主や所有者もかなり悪辣ですな。180個全てハズレだけとは。 思い出しますのは、今は無き近所の駄菓子屋。 小学校低学年のころは、私も駄菓子屋通いをした経験があり、店先にぶら下がっているゴムの大きなワニやら恐竜やらが当たるくじ引きなんてものを夢中でやったものでした。 しかし、何回もクジを引いても、末等の小さなクモとかコウモリとか、どうでも良いものばかり。 おそらくは「あぁ、我が来た道を、息子よお前もか」と見かねたのであろう両親が、「あれは大きくてみんなが欲しがるものの当たりは抜いていて無いんだよ」というせっかくの貴重な体験からの忠告をするも聴かず、わずかなおこづかいをもらうたびに、やったものでした。 あるとき、しばしこづかいがもらえなかったので行けなかった期間の後、その駄菓子屋に行ってみると、くだんのくじ引きが、残り数枚になっていて、しかも私が今思えばなんでそんなもん欲しかったんだろう、1等の大きなゴムのワニとか、そういう大物も残っています。 幼い頭で必死に計算します。「くじは残り数枚だけ。ってことは、これ全部買えば、あれ全部ボクのもの」。 そして、なけなしのもらったばかりのおこづかいの大部分をつぎ込んで、「おばちゃん、これ、全部引く」と言って引いたのに…おこづかい出して全部買ったのに…なぜか1等だの「大物」はもらえませんでした。 1等など、最初から入って無かったんです。 そのときの、幼い私の悲しいやら、「なぜだろう?」という思いやら、何やらおばさんが取り繕った言い訳(もう、忘れた)を聴かされて納得できないもののそれは変だよと文句1つ言えない自分が情けないやら、もらったばかりのおこづかいの多くを使いはたして明日からはまた文無し・しかも小さな手にはありったけの残りくじで当てた「小物」のゴム人形がたくさん持たされて立っている気持ち。想像できますでしょうか? きっと、この暴力団員たちも同じ思いをしたのかもしれません(笑)。180個のカプセル。 帰り道、おこづかいをもらったとたんにウキウキと、しかしすぐに出かけると母に「駄菓子屋に行くんでしょ?無駄遣いはダメよ」と怒られてしまうので、何気に時間を空けてソっと出てくる工作までしたのに、家に大量の「小物」を持って行っては怒られるに決まっているな…と幼心に考えます。「これ…どうしよう。」と、ちょっと離れていた駄菓子屋から自宅までの距離が、いつもよりも随分短かったような気がします。 途中、捨てる勇気も無く、悩みながら何度も自宅の前を通り過ぎてどうするか考える時間を稼いで、結局は、庭のどこかに隠しておいて家には手ぶらで入り、後で機会を見て部屋に入れ込んだか何かしたのだと思います。 そして、小さなおもちゃ箱の中の多くを占めるようになった、全然欲しくもない大量のゴム人形を見るたびに、あのときの駄菓子屋での複雑な気持ちがよみがえり、おもちゃ箱のふたを急いで閉めて見ないようにしたものでした。 駄菓子屋も、地域の子供たちの楽しみの場であったと同時に、今思えば、そういう社会の厳しさも教える場だったような気がします。 なぜなら、私はそれ以来、そういう射幸心をあおられるようなパチンコとか競馬とかそういう賭けごとには近寄らず、欲もかかず、また、周りのアドバイスを素直に聞いたり、うまい話は疑ってかかるとか、大人相手でもおかしいことはおかしいと言うとか、そういう子供時代を過ごして今に至りました。 結果的にはそういう体験は、良かったと思いますが、卑劣な駄菓子屋が最初から心を鬼にしてそんな教育的配慮をしていたとも思えず、単にいたいけな子供の心を踏みにじりわずかなこづかいを巻き上げるトンデモないババアだったのだと思いますと、同じ手法を何と大人相手にやっている店長や所有者には何だか憎しみを覚え、本当の理由はどうあれ、暴力団が脅しつけたというのは長年のカタキが取れたような気がしないでもない。 おそらくは、この妙に詳しく前後の状況を記事に書いた記者も、私と同じ幼児体験があるに違いない(笑)。
これが、最初からでも途中からでも恐喝目当てでなかったら、同じ経験をした検察官や裁判官だったら、おそらく情状酌量があるのでは!? |
【思い出のもの】
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