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マングース問題

 報道記事を読んで、かなり久々に衝撃を受けました。
 かねてからこのブログでも紹介させていただいていた「鹿児島のマングース」問題で、なんと数年前どころか30年も前からいたという報道がありました。

 7月10日の南日本新聞の記事です。
「30年前にマングース捕獲」 喜入住民はく製保管
(2009 07/10 06:30)

 鹿児島市喜入地区でマングースの生息が確認された問題で、約30年前に地区内で捕獲されたとされるマングースのはく製を地元住民が保管していることが9日分かった。捕獲は奄美大島にハブ対策で移入されたのとほぼ同じ時期。奄美では個体数が急増しており、専門家は「相当数が喜入だけでなく、広範囲に定着している可能性が高い」と指摘している。
 捕獲した喜入瀬々串町の商業、浜崎清人さん(62)によると、マングースは1979年冬、当時の鹿児島市と喜入町の境に近い、自宅周辺の畑に仕掛けたタヌキ駆除用のわなにかかっていた。同年にわなを仕掛けるのに必要な免許を取ったという。はく製にして保管し、83年以降は譲り渡した地区内の知人が保管している。
 はく製にしたマングースは体長約40センチ。舩越公威鹿児島国際大学教授(ほ乳類学)が8日に現物を確認し、耳の形状や先細りの尾などの特徴からマングースと断定した。
 奄美大島では79年、ハブ対策でマングース約30匹が放たれ、2000年には1万匹を超えたとされる。国の特別天然記念物のアマミノクロウサギなど固有種が捕食に遭う被害が相次いでいる。 
 実際に捕獲された方はまだお若く、また剥製にしていた以上はそのときの状況をよく覚えていらっしゃると思われ、さらにこの方がウソをついてもそれほど得することは無いことから、これは間違いない事実と推定できます。

 30年前からつい先日捕獲されるまで、脈々とその棲息が続いていたのであれば、もうこれは、発見が遅れただけで、鹿児島のこの地域にもマングースは棲息すると断定せざるを得ません。
 しかし、「30年前」と「つい先日」、たまたまそれぞれの時期に別々に放たれたのであれば、これはまだ少数しかいないかもしれないという一縷の望みがあるかと思っていたところ…地元・鹿児島テレビ放送の7月9日付の報道によれば、この南日本新聞の記事のものとは別に、「20年前」に捕獲された剥製もあることがわかりました。
 捕獲した年代も、年齢も、剥製の様子もまるで違うので、別物です。
約20年前のマングース、県も調査へ
 8日スーパーニュースでお伝えしましたおよそ20年前に当時の喜入町で捕獲されたマングースの剥製ですが、県も調査に乗り出すことになりました。

 これは1990年ごろ現在の鹿児島市喜入中名町で捕獲された動物のはく製で、平川動物公園への取材でマングースだと確認されています。
 このマングースのはく製について県では、まずは、捕獲した65歳の男性から聞き取り調査を行うなど情報収集にあたり、マングース生息の実態解明につなげていくということです。
 一方、マングースが本土で発見されたことで、九州全体に拡大するおそれがあるとして、日本哺(ほ)乳類学会では知事や国の関係機関に対し、早期根絶の要望書を提出することにしているということです。 
 
 これは、大変なことです。30年前、20年前、数年前、今回と、ずっといるということがほぼ間違いないのですから…。
 マングースの遺伝子調査や剥製からそういう情報が得られるかわからないのですが、剥製のものと、先日捕獲された2頭それぞれが親子などの関係があるか否かなどまで確認をしていただきたいところです。

 先日の記事では、この立て続けに捕獲されたマングースの由来をいろいろ考えてみましたが、もし30年前からずっと定着してきたものだとすれば、やはり奄美大島などに導入されたとき、何らかの形でこの鹿児島の地域などにも放たれたと考えるのが自然でしょう。
 まだまだマングースがめずらしく、どんな性質か?影響があるか?などわからない時期だったことでしょうから、関係者や、そのマングース導入話を聞いた人が、興味本位か増殖させてひと儲けしようとして、雌雄つがいを入手してそれが逃げたか逃がしたか、そんなところかもしれません。

 さて一方で。
 「おたまじゃくしの大量落下事件」というのが最近、紙面をにぎわしました。1か所にオタマジャクシや小魚などが大量に落ちているという事件です。1つの説として、「サギなどが食べたものの飛行中にはきだしたのではないか?」とされますが、初夏ごろに第一報があってからは全国から報告が寄せられるということが続きました。
 事件そのものではなく、このような報道後の反応の理由はいつもそうですが、「大きく報道されたことで、普段何気なく思っていたものに記者らも人々も反応するようになる」ことがあります。別に理由はわからないまでも気にも留めなかったことに目を向けるようになったり、それを報道機関などに通報するようになったり。そして、そういう理由でさらに報道が増えると、今度は自作自演のねつ造で目立とうという輩も出たりします。

 このマングースの問題においても、先日の報道では30年前から剥製にされていて、数年前から目撃情報があったようですが、今回、現地でご活躍中の方のブログに写真が掲載されたことで、初めて行政もこのように動き出したわけですし、報道もされるようになったわけです。

 このことから反省すべき・注意すべきは、そういう目撃情報を得られやすい環境を行政は整え、何かあれば通報をお願いしてそれがあればすぐに確認に動くという態勢づくりですね。
 少数の行政や生物関係の研究機関の人々の調査では情報収集に限度があるので、趣味で山野草を見ている人や、野鳥を観察している方、私のように動物なども追っているような人間などを登録ボランティアにして、何か興味深いことがあればなんでも知らせて欲しいというような形だと、費用もかからずに情報を得られるでしょう。
 こういったことは、経験上、意外にも日常で観察している人、生活している人にとっては報告すべき価値のものかわからない何気ないものが重大なことということがしばしばあります。また一方で、中途半端な知識や見識を持ち自信がある人にとっては最初から重大な発見を見ようとしないということも経験上知っていますので、そういったことに注意する必要があります。
 それと、そういう反応が広がったときのねつ造というのもありえるという想定をも持ち、情報を整理整頓することですね。

 このマングース問題は、よくよく調査研究と対策をしていただくとしても、全国の自治体などでそういう移入種があった場合の早期の把握と対応ができる態勢づくりをお願いしたいものですし、私たちのような自然を観察するものも、何かあれば積極的にお知らせするということが重要と、今回の発端が「ブログ」ということもあり、つくづく感じました。

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