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こういう話も、聴き飽きました。 正直、コメントする気もなぜか怒る気力すら湧きません。 今日・7月23日の河北新報の記事です。 無残ハクサンシャクナゲ 宮城蔵王登山道、過度な伐採 宮城蔵王の登山コースで最も人気の高い南蔵王縦走コース(刈田峠―不忘山登山口)で、過度ともみられる「刈り払い」が行われていたことが分かった。登山道沿いの伐採現場は広範囲に及び、20種ほどの高山植物も切り倒されていた。現地は国定公園内で、山岳関係者からは「適切さを欠いていたのではないか」とコースを管理する宮城県や地元自治体に対し疑念の声が上がっている。 刈り払いが行われたのは、宮城県蔵王町に位置する刈田峠の登山口から芝草平の手前までの約2.5キロ。例年、7月は高山帯が最も輝く季節で、南蔵王縦走コースもハクサンシャクナゲやウラジロヨウラクなどの樹花、ゴゼンタチバナ、ミヤマハンショウヅルなどの草花が鮮やかに彩る。 それが幅2メートル以上にわたる刈り払いで、花が付いたままのハクサンシャクナゲなども伐採され、登山道沿いには高山植物も無造作に放置されている。 現地を見た前宮城県山岳連盟会長の清野誠一さん(85)=仙台市宮城野区=は、安全な登山のためにササなどの下草刈りは必要としながらも「明らかに限度を超えている」と訴える。 冬場の登山コースの目印となる「赤布」を付けた木も切られ、「山屋には山屋のしきたりがある。それを踏みにじるようなことをしてはいけない」と清野さん。行政の対応に不信感も募らせる。 作業を業者に指示した蔵王町の担当者は「一部の登山者から植物が繁茂して歩きにくいと苦情が寄せられた。業者には、刈り払いは必要最小限にとどめてほしいと伝えたのだが…」と釈明。県も「配慮に欠けていた」(観光課)と不手際を認めている。 国立公園、国定公園の「自然公園指導員」を務める小野正之さん(61)=若林区=は「公園を管理する県は芝草平の植生復元事業を進める一方、過度な伐採を容認している。図らずも縦割り行政のちぐはぐさが露呈された」と指摘している。 2009年07月23日木曜日河北新報は針小棒大にする、公平に見ても信頼にできない報道機関ですから、この記事も果たしてどこまで大きな被害を及ぼしているのか疑わしく読んだのですが、いちおうは県の担当側も不手際を認めた(認めさせられた?)以上は、それなりに落ち度はあるということでしょう。 以前、泉ヶ岳の兎平と呼ばれる辺りが広範囲で地元・泉区役所によって違法に伐採されたことなどを何度か紹介しましたし、ウィキペディアにある「泉ヶ岳」の項目にもありますが、3年ほど前に、類似事例があったばかりなのに、なぜこうも同じようなことを繰り返してしまうのか? 当時、泉区役所を指揮監督する責任者の仙台市長の定例記者会見では、 (15)泉ケ岳兎平の立木無断伐採についての所見を伺う 詳しい報告を私も聞きました。この件については報道機関の皆さんに幹の太さ何センチ以上が何本と明確に御説明すべきだったと思います。本数を計測する一定の基準はあったそうですが、その説明が不足していたと認識しています。申し訳ありませんでした。 現場主義できちんと現地に行けば良かったのではと思いますが、いずれにせよ説明不足だったことは認めたいと思います。ただ伐採には悪意はなく、実際に熊が出て危険だったので行いました。仙台市の市長さんは、以前、地下鉄建設にかかるケヤキ伐採の議論の際に、「ケヤキの精と話し合った」という発言をされたほど、少しは自然というものをご存じの方かと思っていたのですが、それでもこういう認識です。 違法とか範囲がどうだったか?という問題ももちろんですが、まず「熊が出て危険だから」という発想で必要以上に伐採することが問題だったし、それらを地元地権者などをも十分協議しない・そうしないような人物がそういう行政を担当しているのが問題なわけです。 担当者個人の責任というよりも、組織としての問題であり、また、これは宮城県でも監督上、問題の当事者だったわけですから、まだこの泉ヶ岳の事件から3年しか経っていないのに、こうも同じような話が出るというのは、もう行政では自然管理というものに限界があるとしか言いようがない。 担当者が問題意識を持たず、ありそうな事例やあってはならない事例を記録や引き継ぎをせず、3〜5年程度おきに新しい担当者が人事異動により交代して、全くゼロからやりなおし、という繰り返しで、失態も繰り返し。 それにしても、この蔵王の伐採も、登山者が「一部の登山者から植物が繁茂して歩きにくいと苦情が寄せられた。」とあるが、まず、
と言いたい。本当は苦情など無く通常の登山道整備の行きすぎをそう言いつくろっているのでなければ。 幸いにもそういう非常識な人間は「一部」ということらしいが、逆に、そういう「一部」だけれども、非常識な人間の非常識だけれども声の大きな苦情には、面倒なので良く考えもせずに対応するという、トラブルを避けたがる行政や役人らしいこれまた腰ぬけ対応。 そういうその場限りの対応が、こうも問題を大きくしてしまう。 もし、行政の言い訳のとおり、業者にはそういう範囲を明確に指示していたのであれば、現場作業の指示を伝達できなかった落ち度はあっても、業者の問題と言えるかもしれない。 しかし、こういう作業でその参入業者を選ぶのは、直接特定業者を選んで発注する(随意契約・特命)か、複数の業者を選定してその中での入札で決定(指名競争入札)するかだろうが、そういう業者を選んだのは、やはり行政側の責任。そういう業務を会社内部で正しく指揮系統ができない業者を選んだ責任もあるし、あまりに安かろう悪かろうの過度の競争入札で買いたたくから、質の高く無い作業員やその日初めて作業をするようなアルバイトしか集めることができない。もし、山に長く携わっているような作業員ならば、広範囲で伐採しろと言われてもそれは問題ではないか?という意見を法律上からは別として、環境保全やその山での在り方などの意見を伝えて伐採していたかもしれない。 いずれにしても、「勝手に伐採した業者」だけの問題では決してなく、少なくとも行政のこれまでの態勢や発注形態など、様々な要素からこういう結果に至ったということは、間違いない。 それぞれの担当者や業者を責めるというのではなく、いい加減、こういう同じような行政体質上のミスで取り返しのつかないような愚かなことは無くなるよう、こういう問題に携わる担当者は、肝に銘じて引き継いでいく姿勢ではないかと思う。
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