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原因というか要因というべきか誘因というべきか。 地味な視点かもしれませんが、このような国土の広いとは言えない日本で、縦横無人に道路が通り、自動車保有台数が多く、それを使うことが前提のインフラ整備等の国でもあり、そして近年、シカやイノシシのような大型哺乳類が増加している・人里に多く出没して農業被害額が増加しているという事実を聞くたびに、私はそのような動物と自動車との交通事故を、新たな時代の交通事故として危機感を持っています。 高速道路ではその速度の速さから重大な結果を招くでしょうし、市街地近郊の場合は多重事故や歩行者を巻き込む事故になるかもしれません。 私がこう思うのは、以前、北海道に初めてツーリングに出かけた際、夜間にも早朝にもエゾシカがすぐ路肩にいて、バイクや自動車の走行音に慣れており驚き逃げるというようなことが無かったのを見て以降です。もし衝突されたならば自動車でもかなりの衝撃がドライバーに加わりますが、バイクではライダーにとっては致命的になるでしょう。衝突に至らないまでも、もし急に飛び出た場合には、自動車は他車を巻き込むかもしれませんし、バイクの場合は自損事故になる可能性もあり、身近な危険を感じたからでもあります。 【2005年10月8日午前5時59分 知床半島で撮影。道路端から10mほど先】 また、熊やイノシシの場合は体重も重くなりますから、こうなると幸か不幸か、事故に遭っても小型動物よりは死にづらく、そのために「手負い」となった場合は間接的な事故を拡大させる可能性も十分にあります。 そのようなことから、これまで何度か動物と自動車などの交通事故の記事を紹介していますが、今日もまた、実に残念な事故が起きてしまいました。 12月20日の毎日新聞の記事です。 イノシシ:バイク便の男性が衝突し転倒、車にひかれ死亡 20日午前5時10分ごろ、広島県尾道市因島重井町の瀬戸内しまなみ海道(西瀬戸自動車道)上り線で、大阪市旭区中宮4、バイク便運転手、入江伸幸さん(35)のオートバイが、路上に横たわっていたイノシシに衝突し、転倒。後ろから来た東広島市の会社員男性(28)運転の軽乗用車にひかれ、入江さんはまもなく死亡が確認された。県警高速隊が詳しい死因を調べている。 同隊によると、現場は因島北インターチェンジの南約1キロ。事故と同時刻ごろ、現場付近でイノシシをはねたと、愛媛県東温市の会社員男性(35)が申し出ていた。入江さんは愛媛県内の配達先から、大阪に戻る途中。事故で、因島北IC−因島南IC間は一時、上下線とも通行止めになった。 瀬戸内しまなみ海道では、イノシシと車の衝突事故が頻発している。【北浦静香】むろん、運転者が前方を十分に注意するというのは基本ではあると思いますが、Yahoo!ピンポイント天気を見ますと、12月20日の広島県尾道の日の出時間は午前7時9分ということで、事故時間の午前5時では高速道路上の照明があるといえども暗かったでしょう。しかもこの日、尾道では午前3時ころは晴れでしたが午前6時の段階では小雨と記録されていますので、バイクにとってはただでさえ良くない条件下であったことがわかります。 イノシシをはねた男性がそれを通報するということは立派(当たり前)ですが、では、はねたイノシシを路上に残したまま、回避措置は何か取ったのだろうか?ということが不明です。 路上、まして高速道路上に何かしらの大きな重量物を放置しておけば、二次被害が発生するのはドライバーとしては常識なわけですが、発煙筒や三角停止板の設置など、後続車に何か注意を促すことはしたのかどうか。 以前紹介した事故では、路上に残されたままのシカの死がいを回避しようとしたのが原因の事故というものがありましたが、撤去は難しくとも、このような事故が発生した場合は、自身の安全を確保しながら後続車に事故を知らせる行動もすべきでしょう。 私の経験上、三角停止板を常備していないような車もしばしば見かけるのですが、発煙筒は車検時には点検項目のはずですから、どのドライバーでもできる回避手段なのです。 交通事故を起こした場合の基本的な対応は講習などで受ける機会が多くなってきましたが、今後は動物との事故注意や回避方法、事故発生時の初期対応なども少し、免許取得時や更新時の講習の際や、普段からマスコミなどは広く呼びかけるようにすべきではないかと思います。 と、同時に、野生動物による農作物被害はどこかピンと来ない人でも、交通事故でしたら少しは身近でしょう。 その点では、やはりある程度の頭数管理(駆除)や、そのための頭数調査というものの必要性というのがお分かりいただけるのではないでしょうか? また、行政や道路管理者などにあっては、高速道路のような高速移動をする道路上での動物進入防止には、これまでどおり全力で工夫していただければ、と思います。
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