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世間では「モンスターペアレンツ」として、ここ数年の間に浸透してきた「教師・学校側への常軌を逸した苦情や要求をする親」ですが、全国的に多かれ少なかれ問題を抱えているようで、顧問弁護士のような法律の専門家をアドバイザーに入れるというような対処を始めたり、検討しているというような話を聞きます。 ところが昨日、全国でおそらく初めてではないか?という、教師個人が両親を相手取り、損害賠償請求の民事訴訟を提訴したという記事が報じられました。 1月18日の毎日新聞の記事です。 <慰謝料>教諭が保護者提訴 「苦情で不眠症に」 埼玉 毎日新聞 1月18日(火)11時34分配信 担任する女子児童の親からの度重なる苦情で不眠症に陥ったとして、埼玉県行田市立小学校の女性教諭が女児の両親に対し、慰謝料500万円を求めて、さいたま地裁熊谷支部に提訴していたことが分かった。両親は「いわれのない訴え」と反論している。 訴状などによると、教諭は10年4月から女児の学級を担任し、6月に女児同士のもめごとがあったため仲裁をした。その際、女児の母親から「相手が悪いのに娘に謝らせようとした」と電話で抗議され、7月中旬までに連絡帳にも「先生が自分の感情で不公平なことをして子どもを傷つけています」などと8度書かれたという。親は文部科学省や市教委にも苦情を申し立て、女児の背中に触っただけで警察に暴行容疑で届けたこともあった。 その結果、教諭は不眠症となり「教員生活の継続に重大な支障を生じさせられた」と主張している。 教諭は9月に提訴し、小学校は10月、市教委に「モンスターペアレンツに学校や教師が負けないようにし、教諭が教員を代表して訴訟を行っていると受け止めている」との校長名の文書を提出した。 女児の母親は「学校は何の対策も取ってくれず、モンスターペアレンツに仕立てられてしまった」と反論している。また「裁判はいわれのない訴えで、和解する気はない」と話している。【藤沢美由紀、清水隆明】今後裁判により事実関係が明らかになっていくでしょうから、どちらの過失がどれくらいあるのか、続報を待ちたいところです。 しかし私の感覚としては一般的に、連絡帳に8度もそのような感情的な文言を書き、別報道によれば学校が呼びかけた話合いには一切応じず文科省や教育委員会に直接苦情を申し立てたり、「触った」ことを警察に被害届を出すというのは、事実であれば十分に「モンスターペアレンツ」と呼んで良い行為ではないかと思います。 学校ばかりではなく、医師や看護師に対しても同じように理不尽なことを強要する「モンスターペイシェント」なんてものもありますし、民間企業の「お客様相談室」のような部門でも一部の会社ではもはや東京などで社員を募集してもなり手が無く、就職が少ない地方都市や海外で募集しているとも聴きます。先だっては、110番や119番に信じられないような通報が全国で多数、寄せられているという実態も報じられていました。 私は「お客様は神様」なんてこれっぽっちも思っていなく、客も従業員もどちらが上とか下ではなく、対等な関係だと思っています。何かをしてもらえば対価を払うのは当然ですし、対価を受け取ればそれなりの対応をするのは当然です。教師や医師だけではなく民間企業の社員も公務員も、その人個人の奴隷でも召使いでも無く、一人の人間です。客は嫌なら他の店に行くなりすればいいわけですから、私としては従業員などの側も客を選んでもいいんじゃないの?とさえ時に思います。 むろん、純粋に客に親切にしたくて、あるいは感じの良い店や応対も販売戦略として、あるいは単にマナーとして、客に丁寧親切にしてくれる店があってもそれは良いし、「自分の仕事の価値をわかる人間だけ頭を下げて頼みに来い」というマンガに出てくる職人の店なんかがあっても良いでしょう。結果、繁盛するか転職を余議なくされるかはその店や店員側の選択です。 さて、私がこういう記事を見て真っ先に思ったのは、猟友会や有害鳥獣駆除にかかる行政らに理不尽なクレームを入れるような個人・団体についてです。 以前からこのブログでは繰り返し触れていますが、あれも十分に「モンスター」と言えるでしょう。英語やウィットに弱いので、うまい命名はできませんが。 少し前にも書きましたが、特に行政としてはその職務執行に十分な根拠や説明責任を伴い、市民などからの意見には真摯に耳を傾けそれに応えるのが公僕としては当然の義務ですが、一方で公僕というのはその人や団体だけのためにあるのではなく、公けのために働くべき存在であります。個人の小さな声にも耳を傾けるのは重要でも、それだけに多くの労力や時間をかけることは、それ以外の大多数への背信という見方もできるわけで、時間を区切って、取るに足らないものまで真剣に相手をするというのは、この行財政改革の中、いい加減にすべきです。 ですので、行政も猟友会も、そのような個人・団体には、遠慮なく、慰謝料や損害賠償を求める民事訴訟や、嫌がらせで不眠症などになったと言う場合は暴行や傷害での刑事告訴を行ってもらいたいものだと思います。 その意味では、今回の訴訟はモデルケースになるでしょう。 さらに言えば、一部の団体や個人のブログなどでは、有害鳥獣駆除を行ったり、熊について気に入らない放送をした報道機関などに「抗議」を呼びかけているものもたまに目にしますが、これは私は以前から、威力業務妨害や脅迫・強要とか、その教唆に当たるのではないかと思っています。
法律によらずとも、少なくとも多くの会員を擁するような団体やグループなどが、その意見を集約して1つの意見として申し入れるのではなく、会員や賛同者などに個別に苦情や意見を伝えるように呼びかける ― 私は「煽動する」と言うべきと思いますが ― ような行為は、まっとうな態度とは到底言えません。1人が10回も電話をかけて長時間苦情を言えば法的な罪に問えそうですが、10人が1回ずつの電話でそれぞれ長時間苦情を言うのは違法ではありませんが、法のすき間を縫うようなある意味もっと卑劣な態度・活動です。 もしもそんな個人や団体があった場合は、よくよくその主張や活動は疑ってかかるべきではないかと私は思います。 |
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