日々是雑感

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 1ヶ月ほど前、富山県内で母グマの大量補殺の影響で冬眠できなくなったと思われる子グマらしき動物の目撃が相次いでいるという記事を紹介しましたが、2月19日の北日本放送の報道によると、富山県魚津市で豚舎に出没した子グマが射殺されるという事件が発生したということです。
2011 年 02 月 19 日 16:00 現在  
魚津市の養豚場にクマ  

 19日午前、魚津市の養豚場でクマが目撃され、このクマは射殺されました。警察では住民に注意を呼びかけています。 

 魚津警察署によりますと19日午前10時20分ごろ、魚津市鉢の養豚場で、29歳の従業員の男性が、豚舎の中に子グマ1頭がいるのを見つけて警察に連絡しました。 

 警察が魚津市役所に連絡し、子グマは市の有害鳥獣捕獲隊によって射殺されました。 

 子グマは体長が80センチ、重さ20キロほどのメスで、飼育されている豚に被害はなかったということです。 

 警察では付近の住民に注意を呼びかけています。  
 食糧不足による体重の軽さを考えても、体長から、せいぜい1〜2歳くらいでしょうか。そのくらいであれば、本来はまだ母グマとともに行動しているような年齢ですし、体長のわりに軽めの熊です。
 これまでの状況から勝手に推測すると、母グマとはぐれたか、あるいは母グマのみ補殺されるかなどした子グマが、豚そのものを食べに来たというよりも、豚用の飼料のにおいにでも誘われたか越冬できそうな場所を求めてやって来たものだとも考えられます。

 この報道だけでは情報が足りなさ過ぎるので何とも言えませんが、これだけを見る限りでは、射殺の緊急性があったかどうかとも感じられる余地があります。
 とは言っても、現場がそう判断したのでしょうし反証できるほどの材料もありません(支持できる材料もありません)し、追い払っても飢え死にするとか、他に出没するようになるだけで抜本解決は困難な状況であります。
 別に「子熊がかわいい・かわいそうだから」というわけではありませんが、里に出ることを覚えたであろう成獣を殺処分するのはやむを得なくとも、子熊まで殺処分をしたり結果的にでもそうなっては、頭数管理なんてままならないでしょう。既に絶滅したトキの復帰に莫大な予算をかけるくらいならば、こういう熊を保護し、野生復帰させるための施設を作る方がよほど支持を得られてたやすいことだと思うのですが、まあそこは様々な事情があるのでしょう。つまり、熊ではお金に結びつかないわけですな。

 体長80cmで重さが20kgというと小型・子熊なわけですが、人間の幼児ならばどうということは無いくらいですが、どの本で読んだか忘れてしまって見つけられないのですが、子熊を育てたことのある方の話を聞く限りでは、2〜3歳くらいになると、犬くらいに小さくとも相当に力は強く、爪も鋭くなってきているため、人間の大人でも持て余す場合が出てくるということです。人や犬の大きさを考えて、「無害」とも一概には言えません。特に、子供が遭遇してしまった場合は、思いがけないケガにつながりかねないこともあり得るでしょう。

 それにしても先だっても書いたのですが、母熊を補殺することでその1〜2頭の熊までも生き残りが難しくなるということは、1頭の補殺が3頭の補殺と同じようなインパクトを持ちかねない場合があるということが心配です。
 また、昨年秋はいわゆるドングリ類の不作で人里への大量出没と補殺件数の増加傾向が全国であったわけですが、補殺を免れた個体でも、栄養状態が不十分であった場合、出産が無事果たせるかという点でも危惧されます。
 以前も紹介しました環境省が公表している「H22年度におけるクマ類の捕獲数(許可捕獲数)について[速報値]」を見ますと、例えば、平成18年が多く、翌年が少なくなって、そして平成22年が増加しており、これを「ドングリの豊凶による出没の増減」と見ることもできますが、同時に、平成18年に凶作で大量補殺されたことと同時に子熊の死亡、出産がうまくいかないなどして数を大きく減らしたものが、ちょうどドングリ類の豊凶と重なるように数年かかって回復しているとも考えられます。
 木々としてはそういう豊凶は自らの拡大戦略としてのものと考えられていますが、食糧不足に加えて人為的な補殺が過度になってしまうと、ある時点で一気に熊が絶滅に向かうということにもなりかねませんね。

 母熊を一頭撃てば、頭数管理計画上、「駆除・補殺は1頭」かもしれませんが、もし、そこに未熟な子熊が2頭一緒に行動していた場合は、それを殺さずとも結果として死に至る可能性が高いわけですから、本当は「駆除・補殺は3頭」というようにカウントというか認識をしませんと、大きな誤差が出そうなものですが。

【追記 2011.02.21】
 2月20日の中日新聞に、もう少しだけ状況が書かれていました。
魚津の養豚場にクマ出没、射殺 体長70センチ
2011年2月20日

 十九日午前十時二十分ごろ、富山県魚津市鉢の養豚場の豚舎に入り込んだクマ一頭を、男性従業員(29)が発見、市有害鳥獣捕獲隊が豚舎からクマを追い出して射殺した。豚舎の豚五十六頭に被害はなかった。

 捕獲隊によると、クマは体長七〇センチ、二歳ぐらいの雌。豚舎の中を歩き回り、豚の餌を食べていたとみられる。

 養豚場の関係者は「びっくりしたが、豚や豚舎に被害がなくて良かった」と話した。

【中略】

 今年一月初めにも同市大海寺野で子グマが目撃されている。捕獲隊員は「親グマが射殺されて残った子グマが冬眠できずにいる。冬眠から目覚めるのは四月ごろだが、暖かくなると、冬眠していないクマが早く動きだす」と話し、注意を呼び掛けている。
 体長が先の報道より10cm縮んでいます。。。またかいな。

 しかし、メスだったというのがまた、ダメージが大きいですね。2歳のメス熊ということですから、あと2〜3年ほどもすれば出産可能なところだったわけですから、この個体と、この個体が将来産むはずであった何頭かがこの射殺で失われたとも言えます。
 射殺の是非はわかりませんが、それは間違いなく言えるわけで、逆に言えば動物を保護するのであればメスを優先的に保護し、絶滅に追い込みたいならメスを優先に補殺することが、それぞれ効率的というわけですね。

 人身被害の恐れというよりも、豚に驚くか興味があって近づいて、爪で豚の身体に傷を負わせるという被害の恐れという感じだったのでしょう。あとで書きますが、侵入されたことそのものでも結構なダメージになりかねません。
 しかし、いくらなんでもこの程度の熊では、養豚場関係者の危惧されるような豚舎への影響を生じさせるほどの力は無いと思いますよ?どれだけもろい豚舎なんですか。「三匹の子ブタ」のワラで作った小屋じゃあるまいし。

 豚は汚い・臭い、貪欲でなりふり構わないたくましさ…というイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、実は非常にデリケートな生き物で、豚舎は衛生管理に細心の注意を払って運営されている場所です。
 農水省のホームページに掲載されている「家畜の生産段階における衛生管理ガイドラインについて」の豚の項目を見ると、非常に細かくガイドラインが設定されています。中身をご覧いただかなくとも、その分量をご覧になられるだけで、いかに注意を要するか、お分かりになるかな?と。
 私は学生時代に農学(稲作)を専攻していましたが、畜産系の実習も少しあったのですが、豚舎に入るには牛舎より比較にならないくらい念入りに消毒し、驚かせないように事前に注意されるなど、事前の注意も厳しかったことを覚えています。豚は非常に臆病でストレスにも弱く、ちょっとしたことで食べ物を食べなくなったり、死んでしまったりします。
 この辺のことは、(社)中央畜産会さんが発行されている「畜産ZOO鑑」の豚の項にわかりやすく書かれています。
 要するに、豚舎はともかく、豚は子熊が乱入したというだけで結構なダメージを受けかねないということです。熊には害は無くても豚には害が生じる菌やウィルスなどがまき散らされては大変ですし、熊に驚いて豚がストレスを感じたりしても大変です。侵入されたことそのものが風評被害などにつながるかもしれません。

 外に追い出してしまえばそれまでですし、再度やってくることも侵入防止策を構築すれば防止できそうですが、それでも射殺せずに逃がせば再度人家近くをさまようことは十分にありえそうです。
 何が言いたいかと言えば、少なくとも「かわいそうな、無抵抗な子熊が、何もしていないのに・何の理由も無く射殺された」とは言い切れない背景もあるかもしれないと、この情報不足の記事からでも、推測できることはできるということです。そうでないかもしれないですし、何とも言えませんけれどね。
 まあ、すぐに脊髄反射的に地元役場や猟友会などに感情的なクレームだけは入れてほしくは無いですね。どういう状況だったか、知りたいとは思いますが。

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泉ヶ岳
泉ヶ岳
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