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今日は日曜洋画劇場で「AVP」が放送されていますので、ふと、また生物学的に見てこのプレデターはどんな生命体か?ということを考えました。
1.彼らの概観から考える「彼らの住む星」
彼らは直立二足歩行をしており、ほとんど人間と同じような姿です。これは単純なようで実は非常に大切なポイントです。つまり、彼らの進化をしてきた星は、おそろしく地球と似通った環境であり、進化の歴史も相当に似ていると思われます。
この仮説を裏付けるのは、あの「マスク」です。マスクを取っても地球上である程度は活動できる様子であることから、地球上の大気でも何とか呼吸ができる肺呼吸であることもわかります。しかし、「プレデター2」では刑事にマスクを外されてしまい、後で屋上で酸素吸入器のようなものを顔に当てて呼吸をしていました。また、このマスクを外す時になにやら接続ホースから気体が吹き出ることから、あのマスクは呼吸用のマスクも兼ねていると思われます。つまり、彼らの星は地球と大気の成分が似ているのでしょうけれども、おそらくはその構成比率が違うだけだと思われます。酸素濃度がもっと高いとか、逆に地球では少ない窒素や二酸化炭素の割合が高いのかもしれません。そういえば血液が蛍光色で赤くないので、酸素は必要ないのかもしれないですね。
地球で言えば、恐竜が絶滅せず、哺乳類が躍進しなければ、あのような爬虫類が人間になったような生命体になったという説もあるようですが、そのようなものかもしれません。
彼らの身体的特徴の1つは、その強靭な体力と腕力です。しかし、あの程度の力は、地球上に棲む生物でも十分に出しうる腕力で、驚くべきものではありません。熊やゴリラはもっと力があります。
むしろ注目すべきはかなり身軽に地球上を飛び跳ねている点です。このことから考えられる可能性は、彼らの星は、地球よりも重力が強いということです。彼らの筋力と、人間と似通った姿の進化ということを考えるとあまり差が大きいとも思えませんので、彼らの筋力の強さと同時に体重の重さを考えても、せいぜい2〜3倍くらいの重力かもしれません。単純に言って、星の体積が大きい、もしくは直径が大きく広い星、または自転が速い星なのかもしれません。
もう1つの身体的特徴は、人体が発する体温など、赤外線しか見えないという点です。
赤外線しか見えない(温度を察知する)というのは、これは捕食性生物の特徴であると思えます。ヘビの中にも鼻先でネズミなどの体温を察知し、夜でも正確にその位置を把握するという能力がありますが、プレデターらも同じように、暗闇の中で体温を持った生命体を食べるために、その捕獲効率をあげるためにそうした進化をたどったのではないでしょうか。
劇中では「狩りに便利な視覚」と思いがちですが、スポーツハンティングのためというよりは、そもそも彼らは単純に食べるためだけにその視覚を手に入れたものと考えるのが自然です。
その延長で考えると、彼らの星では食物連鎖の下位に位置する生物に、体温を発する鳥類や哺乳類のような生命体がいるという仮説も考えられます。
また、もう一方で考えられるのは、彼らの星は常に猛烈な風が吹き荒れ砂ぼこりが舞い上がり続けているか、霧が深いなど、人間のような視力では相互の位置確認もできないくらいの環境であるという可能性があります。それと、後で触れますが、彼らは地中に穴を掘って巣を作るのにも適した爪を持っているので、暗い地中生活の中で相互確認をするため、あのような視力を得たのかもしれません。
当初は彼らの星には太陽が無く常に夜という可能性も考えましたが、「暑い夏にやって来る」という描かれ方をしていましたので、彼らは暑い気温を好む=暑い星であることがうかがえます。
暑いという以上、少なくとも彼らの星は火山活動が非常に激しい星なのか、あるいは太陽の活動が近いか太陽が複数存在することが考えられます。二酸化炭素が濃くて温室効果が高い星かもしれません。とすれば、冒頭で書いた「マスク」が二酸化炭素を供給するためのものという推測に一致します。
とにかく進化の結果が人間と似ていることから、地球と同じような環境が考えられ、その観点からは太陽の存在は疑いようはなさそうです。
彼らは、本編においては「暑い夏だけに来る」という言い伝えで描かれていますが、これだけを考えれば、彼らはやはり爬虫類型で、変温動物という可能性が考えられます。おそらく彼らの星は、常に気温が40度前後以上に保たれた非常に暑い星なのではないでしょうか。
しかし、「AVP」においては南極で元気で走り回っていますので、これはちょっと、それまでの描かれ方と矛盾しています。もしかしたら、カモフラージュができる装置のように、自分の身体の周りを暖かく保つ装置をまとっているのかもしれません。
また、彼らは劇中では非常に長い寿命を得ていることが描かれてもいますが、これも一部の爬虫類の特徴と思えます。
2.口の形状から
エイリアンと同じように、人間のような口の他にもう1つ、頬に当たる部分に外アゴがあります。しかも、かなり発達していることから、何か重要な役割を担っているものと思われます。
しかし、食べ物を食べるには、あの形は非常に不便です。他の生物を襲うためにしても、咀嚼するにしても、いずれにも不向きな形状です。
となると考えられるのは、1つは「威嚇用」です。実際に、劇中も強敵と対峙したときや怒ったときにだけあの外アゴは大きく開かれます。この場合、さらに考えられるのは、プレデターの世界では同じ生息領域に、食物連鎖上、同位置かやや上位に位置する強敵の生命体が存在し、それらに対抗するためのものと考えられます。
もう1つの役割の可能性として考えられるのは、劇中に出ているのはいずれも「オス」に見えるのですが、もし「メス」がいるとすれば、メスへのアピール用かもしれません。孔雀のように、拡げて立派な外アゴのオスが、メスと生殖して子孫を残せるのかもしれません。
さて、そのアゴにつく歯ですが、劇中で見える部分は全て鋭く、肉食であることを示しています。
爪も同様に鋭く、これは他の生物を襲って肉を引き裂くなどの際に向いている形です。また、鋭い爪は肉を食べるためのほか、地中に穴を掘るためにも便利です。このことから、プレデターは地中に穴を掘って住んでいる可能性も考えられます。暗闇で生活するために、赤外線しか見えない目が必要だったと言えるのです。
3.彼らの知能と文明
さて、私が最大の謎だと思っているのは、「彼らはなぜ文明を得られたか?」です。
彼らは劇中では仲間とコミュニケーションを図るのに、言葉を使っていません。ジェスチャーばかりが見えます。テレパシーのようなものか、人間の耳に聞こえない音域の音で会話しているのかもしれません。
人の耳にも聴こえる声を発するのは、怒りまたは威嚇用に発するうなり声か、人間の発した声をテープのように繰り返す程度です。しかし、「怒り」を感じた時に発する音ということは、通常もあのような音域を出す声帯を持っているということです。もしテレパシーのような能力があれば、そのような音域を発する必要は無いはず。つまり、人間のように声を出して意思の疎通をする能力はあると思います。それにも関わらず、会話の場面は描かれていません。
しかし一方で人間の発した声を、場面にあったマネ(応用)の仕方をしているところから、人間の言葉を瞬時に理解し、それを会得していくほどの知能はあると思います。また、各種の高度な道具を用いて恒星間航行をする宇宙船を繰り出しているところからも、知能は感じられます。
しかし、最も基本である人間やエイリアンを狩る際の行動を見ていると、目を見張るような高度な連携や知能を裏付けるような狩りは見られません。「AVP2」では、エイリアン駆除の専門プレデターである「クリーナー」というプレデターが出てきましたが、その専門家でさえ工夫も何も無く、非常に拙い方法でどんどんエイリアンを増殖させてしまっていました。むしろ、ライオンやオオオカミの連携による狩りの方が高度な動きとさえ感じます。
そのように、仲間とのコミュニケーション手段が無い(描かれていない)ことと、高度な知能を裏付ける動きが見られないこと、そして致命的なのは手足の長い爪です。あの、穴を掘ったり素手で敵を引き裂くには便利そうな爪も、精密な動きをするには邪魔にしかならないです。細かな精密機械を組み立てるほどの器用さは得られそうに無いと考えます。実際、彼らは自分の身体を治療したり、道具を使ったりしていますが、非常に不器用な様子です。
しかしファンの方は「そんなことを言っても、実際に宇宙船に乗って、高度なテクノロジーを身にまとっているじゃないか」と指摘されそうですね。その答えは、私は「高度な道具は、彼らが作ったのではないのではないか?」ということで解決できそうです。
彼らは劇中ではいつも人間やエイリアン相手に戦ってばかりいますが、あれは「趣味」なのでしょうか?それとも「仕事」でしょうか?
人間の狩猟文化で考えれば、1つは「余暇を利用したレジャー」なのですが、もう1つは、狩った獲物を食したり、毛皮を剥ぐなどして他の者に販売する「なりわい」が狩猟の目的です。
劇中で見ていると、スポーツハンティングの要素も見られますが、根本にはどうも狩猟は彼らには大事な文化のようです。しきたりやマナーもあるようですのでそれがうかがえます。
そう考えると、彼らは獲物の頭骨を集めて、1つはその頭骨を見せながらその戦いの模様を他の生命体に面白おかしく伝えて対価を得ている「なりわい」か、あるいはその頭骨を販売して対価を得ていることが考えられます。
これらを総合的に考えると、彼らの身につけている高度な道具のいずれも、彼ら以外の存在が作ったものではないと思われます。道具を作り出せなくとも、使うことは可能です。私たちでも、携帯電話を作ることはできなくとも、使うことはできます。
だからこそ、いまいちしっくりくる道具ではなく、不器用にぎこちなく使用しているのでしょう。自分らで作っていたら、もう少し使いやすいものを作ることでしょう。
彼らの文化がどのようなものかわかりませんが、狩猟における考え方やマナーが地球とも同じようなものですし、「成人の儀式」なんてものがあることから、文化もそれほど理解しがたいものとは思えません。というか、どちらかと言えば、その点に関しては地球の原始社会に近い発想です。複雑な社会ではなく、個体数のそれほど多くない、村社会をイメージしてしまいます。
道具に関して不思議なのは、あの右手の甲につけられている、伸び縮みする2本のナイフ状のものです。世界中の歴史を見ても、剣を腕に固定する方法はほとんど見られません。使用しないときに不便であり、危険であるからです。
そもそも刀とは手首と握りの加減で効率的に引き裂くことができるものなわけで、固定しているとうまく微妙な切りつけが困難です。
また、あのような構造では、歩いている時に転んだりすれば自分や仲間を切りつけてしまいます。
力が強い彼らなのですから、腕に固定せずに握っても落とすことなど考えにくいです。握っていれば、例え転んだときも離してしまえば、ケガの恐れもありません。
このことから、やはり手先は不器用、またはやはり爪が長いために何かを握るのが困難な身体構造であるという可能性が裏付けられます。
やはり、別種族の、科学力があり手先が器用な種族と交易しているか、奴隷にして作らせていることがしっくり来る社会構造ですね。
・・・と、どうでもいいことを考えていたら、また映画本編は見逃してしまいました(笑)。
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