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年度末に向けて、管理する設備の更新や修理、契約の見直しなどでブログ更新もままならず、こんなブログでもせっかく訪問してくださっている皆様にはご無礼をかけており、すみませんです。。。 さて、時間の合間を見て最近ようやく読んだ本で今日紹介いたしますのは、「シャトゥーン ヒグマの森」(増田俊也 宝島社)です。 冬の北海道を舞台に、シャトゥーン(「穴持たずの熊」の意味)が、山小屋を襲って次々に研究者らを食らうという小説です。 テンポが良く、著者もそれなりにヒグマの生態や歴史を勉強した様子が文章から感じ、娯楽作品としては面白いです。 人間が、有効な銃を持たなければヒグマにとっていかに無力か?ということを思い出させてくれます。銃を持ってもなお、その持つ人の技量ではヒグマにはかなわないわけですから。 しかし、以前紹介した吉村昭さんの「羆嵐」のように、登場人物それぞれに感情移入をしたり、人間心理に共感したり、ということはまったくありませんでした。 登場人物は多いのですが、魅力に乏しく、殺害されてもそれが「実感」しないんですね。殺害されたことを生き残った人々が嘆いても、共感しにくいです。単に字面で「1人が襲われて残酷な殺され方をした描写」という、そう説明されているというふうにしか感じません。 ひと言で言えば、「羆嵐」は文学作品、この「シャトゥーン ヒグマの森」は娯楽作品で、内容としては羆嵐よりかなり「うすっぺらい」感じは否めません。「羆嵐」は何度も読み返す名作ですが、こちらは一度読めばもう一度手に取ることは無い本ですね。 「頑なな研究者らが命を賭して守ろうとしたもの」への考え方がこの作品の1つの大きなテーマだと思うのですが、どうも掘り下げが浅いような気がします。 とは言いましても、古い「動物パニックもの」というわけでもないので、楽しめる作品ではないかと思います。ただし、残酷な描写が嫌いな人にはおすすめはできないかもしれませんね。
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2010年03月31日
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