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久々に書籍紹介シリーズです。 今は無くなった大陸書房から昭和48年に出された「動物の四次元」(橋本僐吉 著)です。著者のお名前は環境依存文字なので文字化けするかもしれません。にんべん「イ」に「善」で、「ぜんきち」さんかな? 著者略歴によれば、新聞カメラマンを務め、その後動物カメラマンになり、諸外国で撮影活動をされているということです。 この本は、そんな活動の中で見聞されたことの数々を書かれたものです。 写真の本の帯のように、昭和48年らしい、まだまだ諸外国が遠く未知な時代な時代、良く言えばセンセーショナルな、悪く言えば大げさ・過剰な書きぶりが目立つ本です。私が子供のころに読んだ、ネッシーとか、ツチノコとか、雪男とか、そういうものを紹介している本に文体が似た印象を持ちます。 私は海外の動物事情には熊など一部を除きあまり興味が無いのですが、この本の中にも国内の動物に関する話がいくつか紹介されています。 「奥吉野に怪獣を追う」という章は国内で得られた不思議な話で、奥吉野地方でかつて猟師であった神坂さんという方が昭和15年に経験したという話を紹介したものです。 山里近くに「得体の知れない黒い山のような化物だ」「神秘な奥吉野の幽谷から現れた太古からの原始怪獣だ」と目撃者がおびえる、怪獣が現れたと大騒ぎになったというのです。 そこで神坂さんは、愛犬の「那智丸」を従えてその怪獣を仕留めようと奥吉野の山中に分け入ります。 そして目撃された話を聴きながら追跡をし、ついに山中で何と身の丈が2m70cmもあろうかという巨大なツキノワグマと遭遇したのです。 神坂さんは冷静に猟銃をかまえ、そして撃つ!手ごたえあり!巨大熊は茂みにどっと倒れます。 倒れた熊に不用意に近づくのは危険です。まずは猟犬・那智丸が、警戒しながら様子を見に巨熊が倒れた茂みに飛び込みます。しかし、勇んで茂みに飛び込んでいったその瞬間、勇猛なはずの那智丸は茂みの中でいったい何を見たのか、悲鳴に近い声をあげて跳び下がってきたのです。 神坂さんがその茂みの中にそっと近づき、見たものは…想像を絶する恐ろしいもので、一目散に山を駆け下りました。 しかし、話はそれだけで終わらなかったのです。 「怪獣」の目撃者を連れて再びその現場に戻ったときにはさらに信じられないひと言を、目撃者から告げられます。 …というお話しの細部はこれからご覧になられる方もいらっしゃるので、書きませんでした。 やや、というよりも私にはほとんど信じられない内容です。
昭和15年のお話し、そしてその後しばらくして著者が聴かれた話ですから、幾分にも誇張・脚色がされているのではないかという印象を持ちますが、奥吉野の山中が未開で、もしかしたらどんな野生動物がいるか、まだかすかに妖怪なども信じられていたような神秘の時代らしい、好奇心がそそられる逸話です。 |
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2010年05月29日
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