日々是雑感

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 先に、日本熊森協会さんが富山県で行った「ヘリコプターによる、ドングリ置き」を報じたテレビ朝日の姿勢をまず批判しました。

 このドングリ置きについて伝えるJ-CASTニュースは読者が直接コメントができるので、Yahoo!での配信J-CASTニュースのホームページに、それぞれ閲覧者の方がコメントを書かれています。
 私が見た限りでは、圧倒的にドングリ置きや日本熊森協会さんの姿勢に対して批判的あるいは懐疑的な感想が書かれているようです。

 ただ、公平に言って、思い込みなどで間違った批判をしているコメントも複数見受けられます。ドングリ置きなどに対して批判的な私でも、そういう姿勢は批判します。なぜなら、形としては「良く確認もしないまま・検証もしないまま行う」という点で、両者同じだと考えるからです。

 もう1つ目立つのは、単なる特定個人や団体への人格などに触れる誹謗中傷。そう発したくなる気持ちもわからないではないですが、実際に発するのは論外です。
 ところが、そういうパターンのものも少なくないのです。

 何かを批判する際に、単に感情的で激しい文言を並べたり、あるいはわずかな確認さえしなかったり、論拠を示さずに行ってしまうと、その対象者やそこに近い人をかたくなにしてしまいます。何より、第三者の方がそんな批判に接したとき、ある程度論拠を明示した批判までもが同一視され最初から聞き入れられなくなってしまう恐れが出てしまうことや、「こんな稚拙な批判をするような人が悪く言う行為(組織・人)ならば、逆に良いものに違いない」などと先入観を持たせ、「あちら側」に追いやりかねないことです。
 つまり、批判的な立場にある私から見ても、正直、非常に迷惑と思う種類の批判です。まあ、私もそんな程度の低いレベルだろ、と思われる方もいらっしゃるでしょうが。

 それはさておき。

 前回、あまりにテレビ朝日が無様で、その後は日本熊森協会の会長さんのコメントに疑問を感じたものですから、今回の「ヘリコプターでのドングリ置き」そのものについて触れていませんでした。

 私は今回、まず「なぜ、ヘリ?」と思いました。
 もしも私がヘリコプターを使う計画を考えたとき、パッと思いつくメリットは、今回置いた場所は「原生林」ということ(おかしいな?)ですから、「人が分け入って、植物の芽や根。土壌を傷めたりしないようにしよう」という点と、「人手がかからず、金さえ出せば楽に・手っ取り早くできるし、マスコミ受けもするから」ということくらいしか考えつきませんが、協会さんはどんなお考えだったんでしょう?

 デメリットとして思いつくのはたくさんあります。

 まず、「お金」です。
 11月26日の読売新聞に掲載されていたこの「事件」の記事の写真を見ると、ヘリコプターに白字で「JA6502」と型番が書いてあるのが見えますので、物資輸送ではポピュラーな「アエロスパシアル AS350B エキュレイユ」という機種を使っているようです。
 この機種のチャーター料金目安は、アークEFI航空情報センターさんのHPにある参考飛行料金は、運行時間単位当たり415,380円(税込)ということです。1分当たり6,923円です。
 この費用、日本熊森協会さんの場合は、会員さんからの会費などといった「みんなのお金」からの支出になるんでしょうね。お金に託してくださった会員さんたちの思いを使うほど、きっとこのヘリは今回、重要・不可欠なものだったのでしょう。

 次に「環境負荷」です。
 本田航空(株)さんのHPの、この機種の紹介には、航続時間は3時間で、燃料搭載量が530ℓとあります。
 かなり乱暴な推測ですが、530ℓのジェット燃料(JET A−1)を3時間で消費するということは、1時間当たり176ℓを消費する計算になります。むろん、これは当日の気象条件や飛行形態で大きく変動するわけですので、本当に目安です。
 平成12年9月に環境庁温室効果ガス排出量算定方法検討会が作成した「温室効果ガス排出量算定方法に関する検討結果」の「燃料報告書」の66ページを見ると、ジェット燃料1ℓ当たり、二酸化炭素が2.4kgとされていますので、1つの目安になるでしょう。
 仮に1時間で全ての作業(飛行)を終え、ジェット燃料176ℓを消費したのならば、422kgの二酸化炭素を排出したという推定ができます。(むろん、排出されるのはこのほかにも、森を荒らす酸性雨の原因となる窒素酸化物や、一酸化炭素など、様々なガスが発生すると思いますが、ちょっとその排出量の資料は見つけられませんでした。)
 熊は犬と同等以上に嗅覚に優れていますから、ジェット燃料が燃焼した場所からかなりの広範囲は、さぞかし熊にとって臭かったことでしょう。

 林野庁のHPによれば、人間1人が呼吸で1年間に排出する二酸化炭素量が320kgで、その吸収に80年の杉の木23本が1年かかるとありますので、今回のヘリコプターで排出された二酸化炭素量の推定値422kgは30本が1年かけて吸収する量という計算になります。
 これらを多いと見るか少ないと見るかは価値観ですが、環境を人一倍声高に主張する方々ともあろうものが、こういうご自身が負荷をかけることについては気になさらないのでしょうか?見解はどうなのでしょうか?というのが私の感想です。

 次は「音=騒音」です。ヘリポート近くでは、ヘリコプターの騒音問題というのは身近な住環境問題として存在します。
 この音というのはどのくらいなものか少し探してみたところ、機種は違うかもしれませんが1つの参考となる記述を拝見できました。久留米大学病院さんのHPのドクターヘリに関する記述で、そこにはこうあります。
ドクターヘリの特徴  

【前略】

 また、ヘリの離着陸の際には騒音や強風が伴います。騒音では90デシベル以上の音が発生し、これは救急車のサイレンを近くで聞く程度の音量です。強風はヘリから半径20m以内では風速約20mの強風を伴います、そのためグランドのような場所では砂塵が発生します。

【後略】
(むろん、ドクターヘリの重要性はコンセンサスが得られていますので、ここでは音や風という点だけ参考になさってください。)

 今回のドングリ置きでは置く場所に着陸するわけではないにせよ、ヘリコプターから10〜20mくらい下につり下げたバケットを地面に下ろすわけですから、同程度の影響が置いた周辺にあったことでしょう。
 90デジベルという音は、「大声」とか「犬の鳴き声」という具体例が出されますが、別の見方をすれば、例えば農作物を有害鳥獣から防除するための空砲のような音を出す「爆音機」というものがありますが、香川県爆音機対策ガイドラインでは、
(4) 直近の住居等の敷地境界線において、65デシベルを超えないこと。
とあります。これは環境省の「騒音に係る環境基準」に近い数字であり、65デジベル程度までが人がある程度我慢できる範囲なのでしょう。
 農地の広さや爆音機の設置場所にもよりますが、農地の境付近では65デジベルで農作物を守りなさいと言っているとも言えるわけです。60デジベルですと普通の会話やチャイム、70デジベルで騒々しい街頭や掃除機の音ということですから、65デジベルくらいでも動物を追い払うのに一定の効果は期待できるのでしょう。
 
 なのに、90デジベル以上のヘリコプターの音。
 人間以上に音に特に鋭敏で、熊除け鈴などがあればすぐに気づくという熊にとって、体感的にもどれほどの騒音だったでしょう?

 これらのことは逆に、日本熊森協会さんが率先して主張されそうなトコロだと思いますね。もし環境省が熊の調査か何かでヘリコプターを使ったならば、「かわいそうに、どんなにかクマは驚いて震え上がったことでしょう」などとおっしゃりそうな印象…。

 そして、「風=強風」です。
 久留米大学病院さんの記述によればヘリコプターが起こす風は「風速約20m」とのことです。これは、ビューフォート風力階級では風力階級が8(17.2-20.7m/S)。地表物の状態(陸上)の説明には、「小枝が折れる。風に向かっては歩けない。」という分類になります。「風の強さと吹き方」の分類では、「15以上20m/S未満」の区分でも、「強い風」「高速道路の自動車」「風に向って歩けない。転倒する人もでる。」「小枝が折れる」…という説明がされています。

 協会さんが検証を重ねて熊が食べる場所だと選定した熊の絶好のポイントに、せっかく良かれと思って、会員の会費や寄付金が原資の活動費用を数十万円もかけてヘリコプターを使ってドングリを置いたのに、原生林の木々の小枝は折れるわ、ヘリコプターの騒音で熊はおびえて遠くへ逃げ去るわ、さらに置いたばかりのドングリがヘリコプターの風で飛び散っているわ…という惨状になってやいないかどうか、余計なお世話ですがとても心配です

【追記 2010.12.2】
 既に修正しましたが、元の本文の前半で、Yahoo!ニュースでのコメントを引用し、「そのコメント内容は日本熊森協会さんのHPを少し確認すれば書かない・間違ったものだ」とし、少しの確認もしないままの批判の危うさの例としました。

 しかし昨日、メールでT様より、「そのコメントが投稿された時点では、協会さんのHPにその事情の掲載は無かったと思う」という大変ご丁寧なご指摘をいただきました。
 T様も私もその詳細な時間の事実確認はしきれませんが、T様のお知らせ内容には高い信頼性を感じましたし、前半部の信頼性にもつながりかねないご指摘でしたので、該当部分を削除いたしました。ご了承ください。
 T様、どうもありがとうございました。

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