日々是雑感

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【施設管理・住宅設備・危機管理】

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幼いころから、「防犯」のような、危機管理のための方法を考えるのが好きという、変わった子供でした。
今、たまたま施設管理を仕事にしている期間中なのですが、それが随分役立っています。
ここでは、私の防犯や防災などについて、ご紹介します。

私がこれまで得た教訓は、「人間は、便利な(補助)道具によってかえってダメになる場合もある」ということです。人にも寄りますが…。これをすれば、便利だ、というのが、よく考えれば「余計なお世話」になるということが、あります。
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自転車のライト

 昨日までの話とはガラリと変わって。

 最近、すっかり日暮れが早くなってきたので、今までついていた「自動車の自分の存在をアビールするだけ」のLEDライトでは心もとないことが多くなってきました。

 私は当然、車道左側を走っているのですが、自動車のドライバーでヘタなのかイカレているのか巻き込みを見ないで左折していく馬鹿が結構多く、さらに自転車でも右と左の区別もつかない霊長類とは思えない馬鹿がしかも無灯火なんかで平気で逆送してきたりするので、これはなおのこと、自己防衛のためには明るいライトが必要だと強く思いました。

 さらに、なぜかこのたった半年で、しかもそんなに長い通勤路ではないのに、やたらと事故やらトラブルを起こしている自動車に遭うことも多く、しかもどいつもこいつも三角停止板すら持ってなく、そんなときには後続車に知らせてあげるのにも良かろう、と、テールランプも欲しくなりました。

 と、いうことで、いろいろと悩んだあげくに購入したライトは、台湾のメーカー、DOSUN(ドーサン)というところの、「M1+」というタイプです。「M1」というものの改良版のようですね。なんだか漫才王者決定戦みたいな名前だ。

 このライトの特徴や説明は、「インターネットランプショップ アカリセンターさんに詳しく掲載されています。
 でも、ゴメンなさい、Amazonで見たのが最安値だと思ったので、ここから購入。

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 それにしても、海外製品のこういうパックって、どこから開けるのか分からず、いつもハサミで切り刻んで開けている。
 周りが全部圧着しているようで開け方がわからないのだが、どうやって開けるのだろう?(←単に不器用なだけか?)

 ううむ、使用電池が単3電池が4本というのは知っていたので当然といえば当然なのだが、あらためて見るとやはりデカい。

 イメージ 2

 私はデザインよりも実用第一なので、大きいけれども取り付けや運転には当然全く支障が無いわけですから、それで明るければ文句はありません。

 イメージ 3

 さっそく取りつけて見る。
 もともと自転車そのものも台湾のメーカーのもののためか、付属していたステーでピッタリの直径。簡単に取り付けができました。
 ステーだけを残して本体を外すのは簡単なので、盗難防止のために駐輪後は取り外すのがよろしいでしょう。

 イメージ 4

 正面から見たデザイン。
 いくら明るいライトでも、対向車や人がまぶしければ、それはあまりに自分勝手が過ぎると言えます。
 私がこのライトを選んだのは、明るさと、そんな対向車がまぶしくないように配慮されているのが気にいったためです。

 イメージ 5

 さっそく点灯してみる。

 上記の製品紹介のHPで、明るいとは聞いていたけれど、確かに今までつけていたホームセンターでも売っているようなライトとは比べ物にならない。実際に走ってみても、数m先の路面がわかるので、ちょっとした道路の陥没・段差や小石などが落ちていても回避することもできる。
 これは便利♪
 しかし正直、勝手に期待を膨らませていたので、もっと明るいことを期待していた。
 自宅で点灯させたときは、もっと明るかったように思ったが、考えてみれば内装が白い部屋と、アスファルトでは反射が違うから当然か。

 で、欠点が。
 1つは、明るさを求めたためか発熱しやすいようで、それを逃がすために、本体はプラスチックなのだが、上部に一部、放熱のための金属板がある。

 イメージ 6

 これが、ライトのスイッチのすぐそばにあるので、私がグローブを装着しているからいいのだが、目的地まで長時間点灯させて走り、目的地についてライトを消そうとした瞬間、ジュ〜ってことになりかねないかも。

 そして、そのスイッチじたいも固い。
 走行中にはもともとそういうことはしないものだし、走行中に操作する必要性も少ないと思うが、これほど固くては走っている最中に操作しようとは思えない。…案外、あえて安全のためにそれを狙っているのかも!?知れません。

 全体的には満足。
 今まで取り付けていたLEDライトは、フレームのどこかに取り付けて、自動車からの巻き込み防止のために前方に向けて点滅させることにしよう。

 で、次はテールライト。
 合わせてAmazonで、適当に探していたところ、大きなものが見つかる。
 キャットアイというメーカーの、TL-LD1100というもの。
 従来型の倍の明るさというウリ。なんじゃ、そりゃ!?
 あんまり明るすぎるのも、却って危ないということもあると思うが。

 まあ、事故救助時の危険呼びかけ用を想定だから、いいか。
 なるべく、路面に向けるような角度で設置することにしよう。

 ライトとあわせてAmazonで購入。

イメージ 7

 うーん、これもデカイなあ。
 取り付けは当然、フレームではなくサドル下だな。

 で、日本製品(?)の場合は、こういう簡素なパッケージで、プラスチック部分を留めているホチキスの針を外せばすぐに開けることができる。こういうのはいいなあ。
 海外のが開けづらいのは店頭で中身だけ持っていかれないようにする盗難防止!?と一瞬思ったが、それならば丸ごと持っていけばいいからな…。いや、中身だけ持って出られれば、警備員に取り押さえられても「これは元々俺のだ」と言い張られるからかな?
 まあ、どうでも良い。

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 …デカイ。
 試しに点灯させたところ、うわっ!まぶしい!!なにすんじゃい!!!

イメージ 9

 写真右下の赤いのは、従来からついているもの。
 写真でみると、点灯面積の違いくらいしか区別できませんが…。別物です。

 ライトのM1+と違い、目線の高さにあって直視したときは、目を傷めそうなくらいです。
 これは、普段用にするならば、少し下に向けてつけるのを意識した方が良さそう。

 こちらの欠点は、電池交換の際、これが単3電池2本ががスッポリと本体に入り込んでしまうために、交換するときには電池を取り出すのが結構手間がかかる。
 逆さにして叩けば出てきても良さそうだが、何だか保護シートでくるんで入れるようになっているので、電池ケース内部にフィットして、出てこない。

 いずれのライトも「重い」という評価がされていたりしていますが、1gでも軽さを求めるようなプロならいざしらず、この私の巨体では、このライトが重いと言っては、「その前に軽くすべきものがあるじゃろが」というツッコミをされそうです。
 実際、普通に走る分にはまったく重くありません。

 と、まあ、ライトに関しては万全かな。
 いくらライトを取り付けようとも、最終的には自転車を運転する自分と、周囲の人間の注意力が大前提で、ライトはそれを喚起・サポートするだけのアイテムに過ぎないでしょうけれど。

緊急時の連携

 先日、岐阜県高山市の北アルプス奥穂高岳で、心肺停止状態の男性の救助に向かった県の防災ヘリが墜落し、乗員が死亡した事故について、高地での救助活動未経験の操縦士を現場に送った「体制」への疑問と、緊急時だからこそ冷静に考える必要性を書きました

 このことについて、1週間ほど過ぎて、続報が入ってきました。
 9月19日の毎日新聞の記事です。
<ヘリ墜落>岐阜県防災ヘリ事故 出動に県警が中止を要請
9月19日11時11分配信 毎日新聞

 北アルプスの岐阜県防災ヘリコプターの墜落事故で、岐阜県警幹部は19日、県防災航空隊のヘリ出動について、県警航空隊が中止を要請していたことを明らかにした。標高3000メートル級の山岳地帯での救助経験がないことを懸念したためで、県防災ヘリが離陸した後も救助活動の中止を求めていたという。

 11日午後1時34分に岐阜県高山市の消防本部から北アルプスの急病者の救助要請を受けた県防災航空センターは「県警と協議する」と答えた。だが県警ヘリは出動せず、午後2時9分に県防災ヘリ「若鮎(わかあゆ)2」が出動。3時20分過ぎ、奥穂高岳の岩場「ロバの耳」付近で墜落し、搭乗員3人が死亡した。

 県警幹部によると、出動前に県側は県警航空隊に、県警の操縦士1人を若鮎2に搭乗させるよう求めた。これに対し県警側は、現場が切り立った岩壁で救助が難しいため、山岳地帯の救助経験が豊富な県警ヘリが出動すると答えたという。

 だが県警航空隊の隊長と副隊長は名古屋市での会議で不在。電話連絡を受けた隊長らは県側に出動を待つように要請した。しかし若鮎2は急病者を一刻も早く助けるために、県の操縦士1人の操縦で離陸した。県警航空隊は離陸後も県防災課に出動中止を求めたが、県側から明確な返答はなかったという。

 県によると、山岳救助のヘリ出動は県と県警がその都度協議し、どちらが出動するかを決めたマニュアルや規定はないという。

 県防災ヘリ出動の経緯について岐阜県の横井篤副知事は19日、「職員の記憶がはっきりしない部分があり、確認している。連休中に確認作業を進めたい」と述べた。【三上剛輝、山田尚弘】
 関連してもう1つ重要なことが書かれている記事も。
 9月20日付の時事通信の記事です。
難所操縦、県警隊長に集中=山岳救助体制にも問題か−防災ヘリ墜落事故・岐阜
9月20日2時34分配信 時事通信

 岐阜県の北アルプス奥穂高岳(3190メートル)で、県防災ヘリが救助活動中に墜落し、3人が死亡した事故で、難度の高い3000メートル級山岳地帯への出動はこれまで大半が県警ヘリで、操縦は航空隊長が一手に担っていたことが19日、複数の県警関係者への取材で分かった。
 操縦士は県警に4人、県には死亡した操縦士を含め2人いた。しかし、県警は航空隊長以外は難度の低い山岳での操縦に当たっており、県も救急搬送や水難事故の救助活動が中心だった。代替要員や後継者の育成面など県警、県双方の山岳救助体制の在り方が問われそうだ。 
 これらを総合すると、まずわかるのは岐阜県は北アルプスという山岳地域を抱える県でありながら、難度の高いところでのヘリコプター操縦は航空隊長1人しか経験が無く、しかも、事故当日はどれほど大事な会議なのか知りませんが、その隊長と、それを補佐すべき副隊長がそろって名古屋市まで会議に出かけたという危機管理体制の欠如です。

 今回、岐阜県側の対応に落ち度があるのならば、岐阜県警のこれらの体制にも落ち度があると言わざるを得ないと思います。
 特に、会議なんて通常、1人が出席すれば済む話。もし同時並行で分科会などがあり個別案件の会議のために複数が必要ならば、別の隊員が出れば良い。隊長と副隊長が揃って遠隔地に出かける必要は無いのですから。

 先にも書いたとおり、心肺停止になったときには適切な蘇生術を施さなければ、数分で死んでしまいます。
 申し訳ないのですが、県側が行こうが待って県警が行こうが、この数分で到着することはできず、要救助者が死亡するという結果は変わらなかったと思います。

 むろん、岐阜県側や亡くなられた操縦士が、それをわかっていても一刻も早く・少しでも救助の可能性をと現場に向かいたかった気持ちがあったのはわかります。

 しかし、一方で、その岐阜県警を「待つ」時間は、名古屋市に出張中の航空隊長を県警ヘリが迎えに行ってそれが戻って来て「そこから」となると、ある程度かかるもの。
 この時間の長さは、要救助者の生命を救うにはもはや手遅れ・関係の無い時間であれど、世間、特に要救助者の仲間や遺族から「もっと早く行けなかったのか?」「早ければ助かったかもしれない」「当日は晴天で、未経験者でも支障は無かったのではないか?」などなどと(的外れにも)責められるには十分な時間とも言えます。

 こういう過剰要求を言い出す人については、先日、「厳しい要求が崩壊を招く」という記事で触れたとおりです。

 もしかしたら、県警の出動中止を振り切ったのは、そんな「事後」を恐れて…という要因は無かったのか?という点も含めて、きちんと捜査をして欲しいものです。
 そして、もしそういう行政への「過剰な要求(を恐れた)」が背景に少しでもあるのならば、それも公表し、今後はそういう愚かしい要求は、そろそろきちんと・毅然と対応しなければなりませんし、常識の範囲を超えた場所での救助活動は自己責任が大前提ということを広く定着させなければ、今後も無理な要求を恐れての事故が、こういう目に見えやすい事故だけではなく、行政や警察などの業務全般で発生する要素になりかねないかもしれません。

 と同時に、先にも書いたとおり、現にある現場での危機管理体制は、最大限、改善して体制を整えておくのは担当機関の責務でもあります。
 こういう浮世離れしていると言えば浮世離れしているレジャーは、その参加者である登山者の自己責任・自己完結が大原則だとは思いますが、同時に、矛盾しているようなことを言いますが、日本の美しい山岳風景を、ある程度は安全で身近なものでもあって欲しいとも思います。
 しかし、そういったことを今後整備・充実していくのは、地方公共団体である以上、県民や国民の支持が必要でなければなりません。私たちが、そういう行政らの体制を望むのか・望まないのか、ということです。

 今回の事故は、個人の責に帰するべきよりは、組織のあり方や、高齢者の山岳趣味のあり方など、いろいろと考えるべき問題や要素を含んでいるのではないでしょうか。

山岳警備隊

 先日も少し触れましたとおり、山ですばらしい経験を得ると、「その感動を他の人にも味わっていただきたい」とか、「そのすばらしいものを与えてくれた山や自然に感謝し、恩返ししたい」という気持ちになります。
 ですので、自分が趣味で山歩きをしているときでも、危険個所を直したり、歩けなくなった人の救助をしたり、山野草の盗掘やゴミ捨てに警告したり…ということをするという人も、私を含めて全国に相当数いらっしゃいます。

 昨今、明らかに無謀な登山をする未熟者が、山で遭難事故を起こすことがたまに報道されます。この夏あった悲劇・トムラウシ山の事故などは、ツアー会社や参加者など関係者に落ち度があります。(もっとも、そういう異常な言動をするのは登山者ばかりではありませんけれど。)

 しかし、これは山岳救助隊の人に限らず、街の消防士や警察官、医師や看護師もそうですが、いかにそういう本人に重大な落ち度があろうと、例え自殺したがっている人であっても、それを助けるのが職務であり、それに自分の命をかけているのです。山岳救助・山岳遭難だけが特別なものではありません。
 古くは玄倉川水難事故がその典型でしょうか。

 私の知人にも山岳警備隊の隊員や、消防署で特別救助隊に属する人がいますが、彼らは他人ではなく自分の厳しいです。一般的なビジネスでもそうかもしれませんが、「99点は無い。100点しか無い」という信条です。実際の救助活動の際、要救助者を最善・最速の方法で救助して処置することに、そのときできる100点の活動を目指し、それが欠けることや、自分自身の命をかけるといっても自分の命も守りつつ達成することを当然とします。

 それは、部外者がそれを求めるのはあまりに過酷で冷たく、卑しいように思いますが、そうではなく、彼らの誇りと使命感が自らをそう律しているのです。それは、人の命と山を愛するがゆえでもあるわけです。
 私はそんな彼らを、自分の想像を絶する山岳技術や体力のほか、高潔な精神に心から敬意を表しています。

 9月11日の時事通信社の記事です。
山岳救助の防災ヘリ墜落=搭乗者3人死亡、尾部が岩に接触−北ア奥穂高山岳・岐阜
9月11日22時8分配信 時事通信

 11日午後3時20分ごろ、岐阜県高山市の北アルプス奥穂高岳で、遭難者救助で空中静止(ホバリング)中だったとみられる県防災ヘリコプター「若鮎II号」が墜落、炎上した。搭乗していた県防災センター職員3人の遺体が見つかり、県警が詳しい状況を調べている。運輸安全委員会は、事故原因究明のため、調査官3人を現地に派遣した。
 県によると、搭乗者は県防災航空隊の操縦士朝倉仁さん(57)=岐阜県各務原市東山=、整備士三好秀穂さん(47)=同市鵜沼川崎町=、副隊長後藤敦さん(34)=同県笠松町=。遺体は墜落現場から約150メートル離れた場所で、県警ヘリに収容された。遭難した宮城県山元町の冨沢薫さん(64)も死亡が確認された。一緒に登山していた9人は無事だった。
 県警や県によると、墜落現場は高山市奥飛騨温泉郷神坂のジャンダルム(3163メートル)と呼ばれる稜線(りょうせん)付近で、通称「ロバの耳」と呼ばれる岩場。
 国土交通省によると、ヘリはベル412EP型。ワイヤを下ろし、高山署員ら2人が救助のため地上に降りた直後、テールローター(尾部回転翼)が岩場に接触したらしい。機体本体はテールローターと分離し、約400メートル下の谷に墜落した。
 朝倉さんは航空自衛隊を経て1997年から県職員。飛行時間は合計5740時間に上る。若鮎II号は10〜11日、定期点検で運航を休止しており、同日午後1時40分に運航再開の許可が下りた後の初フライトだった。 
 別の記事などを見ると、登山中の男性が心肺停止になったとの消防出動要請を受けて離陸したということですから、この場合は登山者の装備や準備不足といった重大な落ち度は特に無さそうです。
 しかし、本州では富士山に次いでの標高であるこの奥穂高岳に、どれほどの準備や装備、経験や体力があろうとも、64歳という年齢の方が挑むのは疑問です。
 もう1つは、一緒にいた仲間が多数あったということですが、この遭難した男性が心肺停止に至るまでの間、救助要請の通報のほかに応急手当や人工呼吸、心臓マッサージなどの処置はしていたかどうか?ということはまだ伝わっていません。心肺停止になれば数分で命を落とすわけですから、いかに救助ヘリを要請しようとも、周囲の仲間がそれまでの間に最善の応急処置を行わなければ、命を守ることはできません。この辺も気になります。

 そして、この「心肺停止」という連絡での救助が、今回の事故の1つの遠因にもなったということも考えられます。
 当初このニュースを聴いたとき、悪天候による大量遭難のための緊急救助出動で、その天候によっての事故と思ったのですが、同時に、「なぜ、防災ヘリだったのだろう?」という思いがありました。
 消防・救急活動において整備するのが防災ヘリで、登山者の遭難という場合は山岳警備隊が都道府県警察によって組織されており、岐阜県警もその組織体制は有名なわけですから、防災ヘリが出てもおかしくはありませんが、よりその管轄地域を熟知して専門の訓練をしている山岳警備隊の方は何をしていたのだろうか?と思いました。
 しかし、悪天候というわけでもなく、既に心肺停止になった状態の患者だけを収容するだけの業務であれば、防災ヘリの出動でも大丈夫だろう、という判断があったのかもしれません。

 そう思っていたところに、9月13日の毎日新聞に、こんな記事が。
岐阜・高山の防災ヘリ墜落:3000メートル超、救助経験なし 県警は出動せず
 ◇奥穂高遭難
 岐阜県高山市の北アルプス奥穂高岳(3190メートル)で県防災ヘリコプター「若鮎2号」が墜落し、搭乗員3人が死亡した事故で、同機は3000メートルを超える山岳地帯での救助経験がなかったことを12日、県防災課が明らかにした。97年の同機導入と同時に県庁入りした操縦士の朝倉仁さん(57)は同機専従で、同様に経験がなかったという。

 県防災課の鈴木金治・防災対策監によると、遭難の119番があると県防災航空センターに連絡が入り、センターは岐阜県警察航空隊と調整、県防災ヘリと県警ヘリのいずれが出動するか決める。だが現場が険しい山岳地帯の場合、これまで県防災ヘリが現場で救助にあたったことはなかったという。

 若鮎2号も導入以来、北アルプスのふもとのヘリポートまで救助に向かったことはあるが、3000メートル以上でホバリングして遭難者を引き上げた経験はなかった。

 だが今回は両者が協議し、県警ヘリは出動しなかった。鈴木・防災対策監は「警察航空隊からセンターに『警察に直接通報がなければ出動できない』と説明があったと聞いている」とした上で「一刻を争う事態だったので出動した」と説明した。県警幹部は「事実関係を確認したい」としている。【山田尚弘】
 操縦されていた方は北アルプス山中での救助や捜索などの経験が皆無だったということが報じられています。これは、非常に驚きました。
 通常、街中を飛行するヘリコプターは数百m程度の高度ですが、今回の現場はケタ違いの高度で、しかも天候の急変しやすい山岳地域。そこに未経験の操縦士を派遣したというのが、厳しい言い方かもしれませんが、事故の1つの要因なのは明らかだと思います。
 里山ハイキングをしていた人が北アルプスに登山しに行ったようなものです。

 もちろん、一刻を争う事態という緊急性はわかりますし、人命を救いたいという思いがあるのは痛いほどにわかりますが、既に心肺停止状態の人で周囲が応急手当をしていないとかしても蘇生しないならば、現場に数分で到着できない限りは後は1時間遅れようともあまり結果には関係ないわけです。

 昨日、私は「傍観者効果」について書きましたが、夏の季節になると「溺れた子供を助けようとして、水死」というニュースを聴きます。
 むろん、溺れた人を助けたいという人間らしい気持は非常に尊いものですし、私も自分の甥や姪がそうなったら飛び込むかもしれませんが、何も考えずに飛び込むのは、自分はもちろん、その大切な命も結果として救えなくなってしまいかねません。そういうときこそ、周囲を見て、浮輪になるようなものを探して投げるという他の方法も一瞬で考えなければなりませんし、それ以前に、溺れないように注意するとか、溺れたときの救助方法を学んでおくとか、そういう事前の準備も十分に考えておくべきでしょう。

 今回の事故の場合、通報時の天候は悪く無く、急に深い霧が発生して見通しが悪くなったということですから、天候が良いならば大丈夫だろう、という油断が無かったか、その辺の原因究明と再発防止に努めていただきたいものです。

 こういう事故や山岳遭難が聞かれると、それが特別なものと思いますが、もっと身近な、日々、街の安全のために命がけの活動をされている消防、警察、医療関係者、自衛官…の方々に、あらためて敬意と感謝の念を持ちます。

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傍観者効果

 先ほど、自転車で帰宅する最中。

 先日、軽トラックが横転した事故現場付近で、今度は片側3車線の左側レーンにハザードを出して停まっていた乗用車が。「路肩に寄せて停止している」のではなく、走行中にそのまま停止した感じで、完全に1レーンをふさいでいます。

 遠目には「なんと迷惑な駐停車」と思ったのですが、少し近づくと、乗用車後方に中年女性が立っているのが見えます。
 誰かを待っているような?
 左レーンを走ってきた車はそれを避けようと中央レーンに入るなどして行きますが、少し渋滞発生させ気味。女性は、近づいてきた後続車に「中央レーンに行ってください」というようなジェスチャーをしています。ははあ、故障車か。

 自転車を停めて事情を聴くと、「突然エンジンが止まって」とのこと。機械関係にも弱い私は何がどう悪いのかわかりませんが、ライトは点くしハザードの点滅もするので、バッテリーではない?エンジンは確かにかかりません。
 ちょっと臭いような。
 
 危ないので三角表示板を出すようにお話しすると、持っていないとのこと。
 えぇ!?この前の事故を起こした軽トラックのおじさんもそうだったけど、車に普通、積んでおきませんかね??今回はまだハザードが点滅できているからいいけど、バッテリーが原因で点滅しなかったら、後続車まで危険じゃないですか。
 それほどの交通量でもないし、街路灯もあるし、ハザードも点滅するので、発煙筒はいらないだろう、と判断。取りあえずは呼んだという自動車会社さんが来るまで、車の後ろに私の自転車をさらにおいて、LEDの尾灯の点滅をさせて、後続車に少しでも注意を向けることに。

 既に知り合いの自動車会社に電話して、こちらに向かっているということから、原因はどうあれ、とにかくもう少し路肩に寄せるよう後ろを押すのでハンドルとブレーキ操作をするようお話しし、車を動かしました。

 ドライバーさんはなおも後続車の誘導をしようとするのですが、かえってハザードやらが身体の陰になって見えづらくなるし、気づかれずに追突してきたら危ないので、歩道へ誘導。

 と、時間がそれほど置かずに自動車会社さんがいらしたので、あとはお任せ。

*******************************************

 それにしても、前回の横転事故もそうでしたが、今回も結構多くの人や自動車が通り過ぎて行っているのに、誰も声もかけず、手伝おうともしないものなんですね。
 自分の身に何かあっても、やはり他人は頼れないものだと改めて思いました。

 こういう心理状態を、以前にもどこかで書いたのですが、「傍観者効果」と言います。
 「これだけ人がいるのだから、自分がしなくとも大丈夫だろう」と考えてしまう心理ですね。

 私のように、施設の危機管理を担当している者にとって、施設職員がこういう心理状態になるのをまず恐れます。火事や事件が発生したときに誰も何もしない…。人がいなくて被害が拡大したというならともかく、人がいて被害が拡大してはこれは問題でしょう。

 ですので、施設で防災計画を立てる時は、実際に必要な役割の数を揃えただけではダメで、非日常の世界を体感させるような訓練(地震体験車の体験とか、火災の映像を見せるとか)とか、正しい基本的な対処方法の教育や指導のほか、結果的に間違っているかもしれなくとも、各自そのとき最善と思った行動ができるよう、責任感と同時に安心感を与えることが必要です。

 この責任感はともかく「安心感」というのは、例えば施設の管理監督者が、その各自の行動について、最終的に責任を負うという覚悟でもあります。
 例えば、小さなボヤが出たとき。それに消火器を使うのか?消防署に通報するのか?迷います。迷わないよう・最善の行動が直ちにできるように常日頃から教育指導するのは「訓練」で、事前に行っておくべきことですが、実際にその判断と行動をして、後で「消火剤で商品が汚れた」とか、もしも消防署から「こんなので呼ぶな」「既に電話されているのを繰り返しかけて寄こすな」と怒られようとも、行動したことに対して叱責することは絶対にしてはいけないことで、それに責任や損害が発生した場合は、その職員の上司だけが責任を負う必要があります。そういう安心感が無ければ、職員は恐ろしくて何もしなくなってしまいかねません。

 これは応急手当なども一緒で、心臓や呼吸が停止したときは、最初の数分でその人の命やその後の健康が大きく左右される重大な事態です。
 このとき、周囲が少しでも躊躇しては、そのたった数分はすぐに過ぎてしまいます。
 救急車を呼んだところで、どんなに早くとも数分では来ません。では、どうするか?
 その倒れた人のそばにいる、「自分が」なんとかするしか無いんです。救急車を手配しつつ、うろ覚えの方法でもいいので人工呼吸をしたり、心臓マッサージを試みるのです。
 そんな場合、よくよくのことでない限りは、その行為をした結果の責任は、法的に問われません。むろん、何もしなくとも保護責任者でもない限りは、責任を問われることはありませんがね。

 なので、私はこの「傍観者効果」の呪縛からは日常の生活でも解かれていて、ある程度の日常の延長にある非日常では、余計なお世話かもしれませんし、今回のこの故障車への対応方法が最善の対処方法だったかどうかはわかりませんが、取りあえず最善と思う行動はするようにしています。

 それにしても、トランクの片隅に、三角停止板くらいは積んでいて欲しいものですね。こういうのは、事前の準備ですから、ぜひとも各人で行って欲しいものです。
 それと同様、「やればいい」わけではありませんので、応急手当の方法ですとか、事故のときの対処方法の基本とか、そういうことも、三角表示板を準備するがごとく、心構えとして準備しておくべきでしょう。
 よく聴く格言に、「勝って兜の緒を締めよ」というものがあります。徳川家康が関ヶ原の戦いに勝利した際に口にしたのが始まりという説を聴いたことがあります。
 意味は、「戦いに勝利したと思っても、油断してはならない。さらに用心をして備えよ」というところでしょうか。

 昨日、山間地の温泉に停めた車に残された食べ物に熊が引きつけられたという記事を紹介しました。最後の方は熊とは直接関係なくなってしまい、書庫を「ツキノワグマ」にするか否か迷いましたが。

 しかし、そこで書いたとおり、人間、何か目的を達成しようとする瞬間などは、油断が生じてしまい、普段は注意していることさえもおろそかになりがちということは、昨日も書いた吉田兼好の徒然草の「高名の木登り」や、冒頭の格言のように、古くから言われている戒めですね。

 と、そんな昨日の記事に丁度良い新聞記事を見つけましたので、ご紹介します。
 京都新聞の8月19日付の記事です。
トイレ近くで事故集中 
名神桂川PA 1〜7月  
 
 京都市南区久世の名神高速道路桂川パーキングエリア(PA)で事故が相次いでいる。京都府警が初めて調査した結果、1〜7月に計58件発生し、トイレと売店近くの駐車スペースに集中していた。夏場で利用者が増えるため、府警は発生場所を示した看板をPA内に立て、注意を呼び掛けている。 

 府警高速道路交通警察隊によると、物損事故が計52件、人身事故は計6件だった。上りでの事故が6割余りの36件で、このうち25件がトイレと売店近くで起きていた。 

 物損事故で最も多いのは「駐車時の衝突」で40件だった。ドライバーがバックで駐車する際に安全確認を怠り、駐車中の車に衝突するケースが目立った。一方、人身事故はいずれも軽傷で、発進直後などにドライバーや歩行者の安全確認が不十分だったのが原因という。 

 同隊の福本徹副隊長は「PAに入って緊張感が解けたり、早くトイレに行きたいと集中力が切れ、安全確認が十分でないドライバーが多いのでは」と注意を呼び掛けている。  
 まさに、この人間心理によるものと言えそうな事故・記事です。
 府警がさっそく注意を呼び掛ける看板を設置したというのは良い対応なのですが、しかし、それはPAに来る以前に既にドライバーや乗員がそういうことをわずかでもいいので認識していなければ、昨日も書きましたとおり、万全とは言えません。
 看板を見る前にはねられたり、見ても意味がつかめないということになり、看板の意味が発揮できないかもしれません。

 ですので、こういうどこでも共通する人間心理というのは、広く呼び掛けて、誰しもの心に漠然とでも良いので認識させること。
 そして、そういう事故が起きやすいところでは、目立つようにその事故防止の注意を呼び掛ける対策を行うこと。
 そういうことが大事になると思います。

 事故現場では、事故を起こした瞬間に外に飛び出てしまい、そこで後続車にはねられるというような事故も聴きます。

 私は今は自転車通勤をしていますが、スーパー前の道路に乗り付けた路上駐車車両の右そばを追い抜こうとした瞬間に、しばしば、私の接近を見ずに運転席のドアを開ける馬鹿に遭遇します。
 こちらは、もう目的地に着いたばかりの人間はそういうことをしでかす恐れがあると先刻承知なので、扉が急に開かないかどうかは、かなり用心して路上駐車車両に近づきます。

 それにしても「高名の木登り」は、まさに木登り上手の言葉ですし、それを認めて残した吉田兼好も大したものだと思います。

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