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今日、スズメバチの話題というか、TV局の愚かしさを書いたところですが、その直後、長野市で行われたマラソン大会で、キイロスズメバチに襲われ、30人以上の参加者が負傷したということです。 学ぶべきことがいくつかありますので、少し見てみましょう。 10月3日の朝日新聞の記事です。 マラソン大会でスズメバチ襲撃 33人刺される 長野 2010年10月3日13時45分 3日午前10時20分ごろ、長野市郊外の飯綱高原で開催されていた「第24回NAGANO飯綱高原健康マラソン大会」(長野市など主催)の大会本部から「参加者がハチに刺された」と119番通報があった。同本部などによると、参加者の小学生18人、大人15人の計33人がスズメバチに頭などを刺され、長野市内の病院に運ばれた。いずれも軽傷と見られるという。 消防や主催者によると、ハチに刺されたのは午前10時15分スタートの3キロコースに出場した参加者やスタッフ。スタート地点から300〜400メートル先の路上で、廃屋から出てきたハチに頭などを刺されたという。大会はその場で中止になった。 大会は、6キロや10キロなどの4コースがあり、3キロコースには小学生以上の465人がエントリーしていた。大会本部は、会場設営のため1日にコースを巡回したが、その際は異変はなかったという。徳武正男・大会事務局長は「チェックできずに申し訳ない。今後は十分に安全を確認したい」と話した。FNNやTBSなどでは、テレビ朝日の各HPでは、現場の状況の映像が少し見ることができます。 ここで学ぶべきことは、「巣が廃屋の壁の中にあった(ために気づきにくかったこと)」で、この廃屋の増加とスズメバチは以前書いたとおりですが、空き家は管理が行き届かないがために、スズメバチの巣が放置されてしまい、また他人もそれに気づかず・対処できないままになってしまいます。 ですので、通学路の見回りやこのような市街地イベントの場合は(むろん、秋の遠足などで郊外や里山に行く場合もですが)、そのような巣が作られ、そして発見されづらい場所こそ詳しく観察すべきということですね。 頭を刺されたということですが、これも定石というか、黒色を狙ったのだと思われます。 幸いというべきか、人数が多いために攻撃対象が分散し、1人が刺される数が減り、大事に至らなかったことが考えられますね。また、小中学生が多いようですが、若いだけに、これまで刺された経験も無さそうですから、それがアナフィラキシーショックの発症が無かったものとも考えられます。 蜂の種類も、小型であるキイロスズメバチだったために、オオスズメバチなど大型種に比べれば毒液も少なく毒針も短かったために、大事に至らなかったという反面、都市部への適応が早く近年定着してきているがために起きた事故とも言えます。 スタート地点(おそらくは本部もある?)から比較的近い場所だけに、大会関係者への連絡やそこからの救援も早かったと思われますが、そうだとしたらそれも幸いに働いたかもしれませんね。 襲ってきた原因ですが、これは全く推測しかできません。 推測の入口は、スタート地点から3〜4百mと比較的近いということ。 1つは、このようなスポーツ競技でありがちな、開催を告知する花火を撃ち上げなかったかな?ということです。あれは結構な広範囲に音と空気振動を加えます。たいてい、スタート地点=本部で撃ち上げるでしょう。 もう1つは、同じく、スターターの火薬鉄砲のようなものの空砲音。 そういった要素があったならなおのこと、それらが無くとも、数十人のランナーが走りだして、まだスタート地点からそれほど離れていませんから、差がつかず、一団の集団としてランナー群がひと塊になって現場付近に差し掛かったとき、その震動で、ただでさえ秋になり、勢力が最大になり、そしてオオスズメバチなどの襲撃に警戒心が強くなっているキイロスズメバチが攻撃に入った…というところでしょうか。 もし、そうであるならば、マラソンという競技の大会であるがゆえに起きたと言えるかもしれませんが、推測の積み重ねですから、1つの可能性としてそうとも考えられるという程度です。 しかし、少なくとも現場付近で他にこれまで刺されたという方はいるとは確認できていません(大会関係者もみまわり時に気づかなかった)から、前日にでも誰かが巣にイタズラでもしていなければ、やはり大きな震動や刺激などをこの大会が与えてしまったということが考えやすいストーリーではありますね。 今回の事故が事前に防止できなかったのは、別に関係者の落ち度はそれほど無いように思います。
しかし、今後は、このような事例があったわけですから、マラソンコース内に空き家が無いかどうか確認を強化し、そしてそこに蜂の出入りは無いか?ということは、マラソン大会関係者の責務になるでしょう。 |
【スズメバチ】
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私が興味を持っているスズメバチについて書いています。
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昨年はミツバチの大量死・原因不明の失そうが話題になり、今年になってからは養蜂箱の盗難や熊の食害などの話題をよく聴きます。 私はミツバチはよくわからず、もっぱら関心はスズメバチなわけですが、九州に住んでいる知人が昨年の初秋、オオスズメバチを追いかけて巣を発見し食べるために「スズメバチ追い」をしていて巣のありかを発見し、翌週の休みの日にまたじっくり収穫しようと思って日を置いて再度来てみると、その巣が壊滅していた、という話を聞きました。巣のある場所周辺で、オオスズメバチが大量に死んで、死がいが落ちて、生きている個体が皆無だったということです。 知人とは別の誰かが「巣は危険だから」と、知人が再度そこに来るまでの間に殺虫剤を噴霧して駆除したものでは?と思うのですが、まず人の行かない場所だったらしく、それもちょっと考えづらいなあ、ということで、私に話してくれました。 何らかの病気のわりには一斉に・急激に巣の近くで死んでいるというのは気になりますし、巣が掘られた痕も無かったというので動物や他の人のしわざとも思えず・・・。 他の種類のスズメバチならば、オオスズメバチに襲われて成虫を全滅させ幼虫を運び出されたと考えられますが、オオスズメバチがえさ場での個体同士の争いではなく、他の巣のオオスズメバチを巣ごと襲って全滅させるという話は聞いたこともありません。 農地などからも離れていたようですのですし、スズメバチ以外の死がいには気づかなかったということですから、農薬の拡散とも考えづらい。 巣を掘りだして中身を見たり、死んだ成虫を解剖するなりできていれば何か手がかりになったかもしれないのですが、その方は気持ち悪いので巣を掘らずに帰ったとのことで、巣がどうなっていたかはわかりませんでした。実に惜しいことです。 私のスズメバチの師匠にご意見をうかがったところ、 1、キノコ採りの人が偶然通りかかり、驚いて持ち歩いていた殺虫剤で駆除した。
という可能性も考えられるということでした。2、死んでいるのはすべてオス個体で、飛来した雄蜂が働き蜂によって殺された現場だった。 3、タンパク質不足の他のオオスズメバチの巣より、集団攻撃を受けてやられた。 雄蜂が新女王蜂の旅立ちに合わせて待ち構えて、交尾に至ろうとするのを、働き蜂が迎撃するというのは知っていましたが、師匠によればその攻防はすさまじい戦闘になることもしばしばあるらしく、飛来した雄蜂が大量死していることもある、とか。 実際のところはいったい何が起きたのか、巣を調べたり死んだ個体を見なければもうわからないことですが、この秋に同じようなことが見当たらなければいいな…と、理由・原因がわからないだけに、ちょっと不気味に思ったお話しでした。
いろいろなお仕事、趣味の世界で、それまで見られなかったささいな変化も、横断して見て見ると意外に共通点があったり、大きな何かの変化の予兆ということもありますので、そういう情報は「つまらないこと」と思わず、発信していただければ、と思いますね。 |
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10月19日付の南日本新聞の記事です。 ハチの巣の駆除依頼続々 温暖化影響で長引く/鹿児島市
スズメバチの巣は、大雨や強風にも十分に耐えうる構造であることは以前書いたとおりで、私は個人的に台風の多寡はスズメバチの巣の多寡にそれほど影響を与えないと考えていますが、それはともかく、今年はどうも全国的にスズメバチの巣の駆除件数は多い傾向ではあるようです。(2009 10/19 10:36) 鹿児島市内のハチの巣駆除依頼が、ピークの7〜9月を過ぎても続いている。10年ほど前から駆除を行う本名町の自営業野村功策さん(50)は「今年は台風が少ないので巣も多く残っている。しばらくは作業が続きそうだ」と予想する。 12日にも直径約30センチのスズメバチの巣を撤去した野村さん。今年は10月上旬までに30件の駆除依頼があり、昨年の25件を超えた。「温暖化のため、越冬して生き残る女王バチが増えているのが原因ではないか」とし、「特にこの時期は冬支度のため、餌探しで神経質になっているので危ない」と話す。 今年、市に寄せられているハチ駆除の相談件数は9月末までに430件。2004年以降で最も多かった昨年同期の約6割にとどまるが、市環境衛生課によると空き家の増加で巣の発見が遅れ、巨大化するケースが増えている。一方、山を切り開いて宅地造成が進んだ結果、これまで被害がなかった地域からも相談が来るようになったという。 市は緊急時を除き民間施設の駆除は行わない。「風通しの悪い屋根裏などは巣が作られやすい。スズメバチは刺されると命の危険もあるので、見つけても近づかないで」と注意を呼びかけている。 これは、記事にもありますし昨日の記事でも少し触れましたが、暖冬であったために積雪なども少なく、越冬に成功した新女王蜂が多く残ったからと、夏以降も雨がそれほど多くなく、食料となる昆虫類も豊富だったことが関係しているのではないかと思います。 地中や木のうろなどに好んで巣を作るオオスズメバチは、住宅地の軒先に巣を作ることが多いキイロスズメバチなどを襲って食料にするという天敵ですが、キイロスズメバチはそのように都市に適応しているのに対して、オオスズメバチは都市化への適応が鈍く、結果、天敵のいないキイロスズメバチが勢力を拡大しているというわけです。 さらに、キイロスズメバチらは人間の出す生ごみ、ジュースの飲み残しなどを目ざとく見つけて食料にし、「ガーデニング」で管理された庭木にはキイロスズメバチが狩るのにはちょうど良い大きさの虫や、蜜を付ける花が豊富にあります。 一方、オオスズメバチの場合は大きな身体ゆえに飛行・旋回が苦手なため、比較的大きく動きの鈍い昆虫を専門に狩ります。セミとか、大型のバッタなどですね。しかし、それらのような大型昆虫は、都市部ではほとんどいません。 温暖化の影響が人為的要素か否かは意見が分かれるところですが、都市部にキイロスズメバチのようなスズメバチが増加している一因には、人間は間違いなく関係しています。
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まずは、10月18日付の下野新聞の記事から。 増える空き家 相次ぐ苦情 県内自治体、権限なく対応苦慮 (10月18日 05:00) 「木が伸び放題」「虫がわく」。県内で空き家が増え、近隣住民が住環境の悪化に悩んでいる。自治体には相次いで苦情が寄せられるが、「市には権限がなく、所有者にお願いするしかない」(宇都宮市)という。総務省調査によると、県内の空き家率は昨年15%に上り、前回03年調査から1・5ポイント増えた。全国の13%を上回る本県の空き家率。今後、ますます増えるとみられ、本格的な対策が求められそうだ。 「木が大きくなってどうにもならない。葉が落ちてうちの雨どいが詰まってしまう」。宇都宮市内の住宅団地に住む主婦(66)は、うっそうと茂った隣の庭木をにらみつけた。 隣家は10年以上前から、誰も住んでいない。主婦は「うちは隣の庭から泥棒に入られたこともある。所有者とは連絡がとれない」と嘆いた。 昨年度、同市には空き家に関する苦情、相談が約150件寄せられた。市は所有者に適正な管理を求める文書を出しているが、市には指導監督の権限がなく、「あくまでもお願い」(同市生活安心課)。登記簿上の所有者に手紙を出しても「なしのつぶて」といった場合があるほか、逆に「何で市にそんな権限があるのか」と怒られることもある。 県にも空き家対策の専門の課はないという。県地域振興課の担当者は「空き家は防犯上、景観上の問題など今までなかった課題」と説明。同課が昨年11月に開設した空き家情報を紹介するサイトは、大量退職した世代を首都圏から呼び込む施策で、純粋な空き家対策とは性格が違う。 空き家問題に詳しい島根大の作野広和准教授によると、空き家は一人暮らしのお年寄りが亡くなったり、施設に入ったりして増えており、空き家の発生を個人レベルで止めることは難しいという。 作野准教授は「空き家を他人に売ったり、レストランに利用したりと流動化させるべきで、(行政などが)窓口を作る意味はある。家の情報だけでなく、住環境や地域の慣習を教えるなど、上手にマッチングさせることが必要だ」と話している。こういう話は、今後ますます増加していきます。 なぜなら、人口が減っているということは、その分、住宅が不要になるからです。 マンションや住宅地を購入するというのは、およそその必要があり、そしてそれらが購入していけるという絞り込まれた同じ年齢層ばかりが購入するわけですから、そういうところが世代交代がうまくいかなければ、同じ時期に高齢化団地になるわけです。 そうなった場合、隣近所に手伝ってもらおうとしてもそこも高齢者だけの世帯であったりして、住んでいても管理が行き届かないということも絶対に出て来ます。 人間の住居というのは極めて高断熱・高気密ですから、当然、虫にとっても住みやすいわけです。 例えば、スズメバチが住宅で巣作りをしようとした場合、軒先とか天井裏多いのですが、人の気配がなく、そして途中で気づかれて駆除されないこの空き家というのは、スズメバチにとってすばらしい営巣場所になるわけです。また、静かに外敵も少ない新女王蜂に越冬場所になり、外気温などからの影響も少ないでしょうから越冬に成功する女王蜂が多く残り、そして巣作りができる空き家は団地・住宅地全体にあるとなれば、人間の過疎化が進み、スズメバチの隆盛が訪れるような気がします。 少なくとも、野山よりは刺傷事故は都市部は少ないはずですが、こういう空き家が増加していけば、やがて山間部並みの被害例がでるのではないかな?と思います。 餌となる昆虫も、人が放棄したガーデニング・園芸植物が豊富にあるでしょうから、これも不自由はしないことでしょうね。 空き家と言っても所有者はあるわけですから、例えそこにスズメバチの巣があるとわかっても、勝手に敷地内に進入して駆除することはできません。ですから、気づくのは遅れる・気づくころは一大勢力で目につくようになってから。そして慌てて駆除しようにも、所有者もすぐにはわからない…など、そういったトラブルが地味ですが増えることでしょう。 人の住んでいない住居は固定資産税2倍払い、となど方法を取らなければ、自治体業務を大変でしょうが、スズメバチ事故は増えるかもしれません。
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以前書いた記事で、私が使ったことがある殺虫剤の中では、イカリ消毒「スーパースズメバチジェット」が一番効果を体感したのでオススメと書き、どうもそれはピレスロイド系薬剤成分のうち「プラレトリン」が関係しているのか、名のあるスズメバチ用殺虫剤にはいずれもこの成分が使われているという記事を書きました。 と、先日、施設管理用の物品を買いにホームセンターに行くと、ん?スーパースズメバチジェットに何かシールが貼ってあります。 新処方 メトフルトリン POWER UP!! 秒殺ノックダウン+蒸散殺虫 スズメバチを巣ごと徹底駆除とあります。 缶を手に取り、内容成分を確認すると、有効成分 メトフルトリン、d-T80-フタルスリンとあり、イカリ消毒さんのHPで商品を確認すると、 強力噴射のスズメバチ用殺虫剤。従来品がパワーアップ!秒速ノックダウン+蒸散殺虫のダブル効果でスズメバチを巣ごと徹底駆除。 特長 ・危険なスズメバチを速く倒す新殺虫成分メトフルトリン配合。 ・強力ノズルにより薬剤が大量に噴射し、遠くまで届きます。 ・メトフルトリンが巣の中で蒸散し、巣の隅々まで行きわたります。とあります。 えぇ!?プラレトリンはどうしたの!? 成分を全面的に変えて、新しくなったようです。 このメトフルトリンは、数年前に住友化学(株)さんで開発された、比較的新しいピレスロイド系薬剤成分で、蚊に対して極めて優れたノックダウン効果と致死効果を示すともに、既存剤に較べ高い常温蒸散活性を有している。また人畜に対する安全性も高い。とされています。 そして、このメトフルトリンの開発した住友化学(株)の子会社である住友化学園芸さんは、スズメバチ用としては「キルノック スズメバチ用」には、やはりプラレトリンが使われており、それが最も有効であるとこの住友化学(株)さんが判断したからというご回答をいただいたのは、先日書いたとおりです。 そこで、「従来のプラレトリンから、新たにメトフルトリンやフタルスリンにしたのはどうしてでしょうか?」ということをイカリ消毒(株)さんに質問させていただいたところ、さっそくご丁寧なお返事をいただけましたが、 「d・d-T80-プラレトリン」1成分から「メトフルトリン、d-T80-フタルスリン」の2成分へ処方変更致しました経緯等詳細につきましては、社外秘となっておりますので情報提供することは適いませんが、スズメバチの駆除や巣の処理に対し速効性を含めて今までよりも効力を挙げた処方となっています。
というものでした。「社外秘」は、当然と言えば当然ですね。 まあ、このメトフルトリンの特長は蒸散作用にもあるようですから、空気の層を構成するスズメバチの巣の中で、わずかな入口から噴霧しても、巣の中に広がって浸透していくという特性があるのであれば、それはそれで、一定の効果は期待できそうです。 しかし、実際に私が使用して試したわけではありませんので、一応は、今の「新 スーパースズメバチジェット」に関しては、一番のオススメかどうかはわかりませんので、これからスズメバチの巣を駆除しようとされている方には、この「新 スーパースズメバチジェット」は、私はわからないので、オススメすることも・否定することもできません。 いずれ、こちらの製品と、プラレトリンのものとを実際にスズメバチを使って比較実験をしてみたいとは思っていますが、今年は11月まで忙しいため、その余裕が無いので、来年になりそうです。 まあ、専門家が実験や研究を重ねた結果、有効成分の変更となったと思うのが普通でしょうから(後は、成分による自社製品の差別化を図るため?)、一定の効果は十分にあるとは思いますが…。
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