日々是雑感

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【ツキノワグマ・ヒグマ】

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私の興味のあるツキノワグマやヒグマについて、記載しています。
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 相変わらず、日本各地、特に東北や北海道で熊の出没が記事になっています。

 これはいわゆる「団塊の世代」の皆さんが山に入っていくことが多くなったなど、人間側の変化もあるとは思いますが、それだけではなく、それまで見られなかった街中にも出没したというニュースを度々聴くことは、実に気になるところです。

 今日の苫小牧民報社の記事では、支笏湖小学校近くに出没したという記事がありました。
支笏湖小学校裏にヒグマ 児童が目撃
(2010年6/21)

 支笏湖小学校の体育館裏にヒグマがいるのを、19日午前9時30分ごろ、児童が目撃した。

 学校などによると、体長約2メートル。茂みの中を動く1頭を、児童4人が見つけた。北東側の山の方に行ったという。

 連絡を受けた千歳市は、市クマ防除隊に出動を要請し、ハンターが目撃した場所周辺を調べたが、ササが生い茂っているため、痕跡などは確認できなかった。

 市は、現場近くに注意看板を設置するとともに、地域住民に出没を知らせるチラシを配布した。支笏湖小は、温泉街から離れており、観光客はほとんど訪れない。
 いつものように、googleマップで支笏湖小学校の航空写真を見るまでもなく、私もこの地を訪れたことがありますが、山林のふもとにある学校で、記事にもササが生い茂っていると書かれているくらいですから、熊の出没じたいはそれほど驚くべきものではありません。

 19日は土曜日でしたから、学校もおそらくは休みで、いつもよりも静かな朝であったことが、出没の一因かもしれません。何かを目的に、というよりも、偶発的な出没と考えられそうです。
 学校に近い場所とは言え、別に何か問題がある行動とは思えませんから、「市クマ駆除隊」がいきなり駆除という対応はしないとは思いますが、しばらくの間は、警戒が必要ではありますね。

 熊が特にその性質が高ぶり、人にとって危険になるのは、「子連れであった場合」「飢餓の場合」「食べ物など占有物を横取りしそうになった場合」などのほか、「手負いになった場合」があります。
 「くくり罠」による錯誤捕獲や中途半端な捕獲をしようとして失敗してしまった場合、結果として「手負い」にし、本人だけではなく、周囲の人にまで危険に巻き込んでしまいます。ですから狩猟というのは重大な責任と義務、それを果たせる高い技術を有していなければならず、その上で慎重かつ確実にしなければならないわけで、それができない人間は狩猟なんてすべきではないと私は思います。

 6月21日の北海道新聞の記事です。
手負いクマ逃走 足寄・ラワンブキ自生地近く(06/21 13:01、06/21 14:45 更新)

【足寄】21日午前6時ごろ、十勝管内足寄町上螺湾の狩猟業高島博則さん(63)が、自宅近くに現れたヒグマにライフルで発砲。肩に命中したが、クマは付近の沢に逃げた。地元ハンター数人が周辺を捜索している。 

 本別署によると、クマは体長2メートルを超す大型のオス。現場は町の中心部の東約30キロの酪農地帯で民家が数軒あり、一帯は収穫時期を迎えているラワンブキの自生地。約4キロ北に国道がある。 
 確実な計測ではないにせよ、「狩猟業」でヒグマを仕留めようとする人物の目撃ですから、一定の精度はあると思いますが、ヒグマでも2mを超す体長とは、確かに大きめの個体ですね。「オス」としているところからも、経験と当日の観察の結果を裏付けます。
 やはりgoogleマップで足寄町上螺湾を見ると、山間部の中にある地域で、やはり早朝に熊が出没してもおかしくない場所です。
 しかし、自宅近くに現れたとは言え、ライフルで発砲し、しかも逃がすというのは、記事は短いので何とも言い切れない部分ばかりですが、「手負いにして、逃がした」という点では結果責任が重大ということは言えます。
 諸条件から確実に仕留めることができないならば中途半端な攻撃はすべきではなく、被弾状況によりますが、もし、この熊が今回のダメージによって人を襲うようになった場合、この人はどう責任を取るのだろうか?そうならないためにも、この熊の探索と始末をする責任と義務がこの人物には課せられたということになります。

 最後に、熊の生息頭数の話題です。

 しばしば、熊の生息頭数は駆除や保護を考える上で話題になることですが、しかし行動範囲が広く、他の生物よりは危険の伴う熊の正確な生息頭数の把握というのは難しく、それゆえに保護と駆除の議論に決着がつきづらいということにもなっています。
 写真家の宮崎学氏もおっしゃっていますが、一定範囲で相当数の自動撮影装置を設置し、個体識別などをしていけば、かなり精度の高い生息頭数というのはできそうなものですが、そのためには経費が膨大になるためか、なぜかそういう調査をしているというのは私は聴いたことがありません。

 今日の毎日新聞の記事です。
ヒグマ:1歳以上の雌、知床に推定150頭生息 「世界有数の密度」−−財団調査

 世界自然遺産・知床に生息するヒグマの雌(1歳以上)は推定で150頭に上ることが、野生生物の調査研究を行う知床財団の調査で分かった。科学的データに基づき知床のヒグマの推定生息数が示されたのは初めてで、知床が世界有数のヒグマの生息地であることが裏付けられた形だ。

 環境省などでつくる知床世界自然遺産地域科学委員会の「ヒグマ保護管理方針検討会議」(座長=松田裕之・横浜国立大環境情報研究院教授)の初会合が20日、北海道羅臼町であり、同財団のメンバーが報告した。

 同財団が85〜09年に死んだと確認したヒグマの雌(395頭)や、同財団が追跡調査している12〜13頭の90〜09年の出生数などから、知床(約1000平方キロ)での生息数を試算した。

 松田座長は推定生息数について、「世界でも有数の密度。これをどう維持していくかが課題」と語った。同会議は今後、素案を作り、2年かけて地元との合意形成を図った上で、3年後をめどに保護管理方針をまとめる予定。【本間浩昭】
 具体的にどのようなデータをもとに、どのような試算をした結果、その生息頭数に至ったのかわかりませんし、記事にはメスの数しか触れられていませんが、「世界有数」という根拠はなんなんでしょう?その他の地域での生息頭数がハッキリしない以上、そういう、何だかうさん臭い宣伝文句にしかならないような言い方はすべきかどうか、私は少し疑問です。
 世界有数と言うと、何だか肯定的なイメージに考えがちですが、その「世界有数」の棲息密度・生息頭数を育てていけるだけの自然環境が知床にあるかどうかはまた別問題であり、生息頭数がわかったことはとても大切で貴重なデータではあっても、それは第一歩・基本であり、始まりに過ぎません。

 だいたい、その知床は世界自然遺産になったためもあって、愚かな観光客が少なからずやって来ることになり、その結果、行動に変化が見られる個体も出ているわけです。
 生息頭数を調査し「世界有数」と言うのも結構なことですが、馬鹿な人間がしでかす行動でもって、その代償にその世界有数とやらの熊が大挙して押し寄せるなど、とんでもないことにならなければいいのですが。

 知床の、新たに策定するという保護管理計画に注目ですね。
 知床という地域特有という部分がそのまま他の地域に当てはまるとは思えませんが、全国でも参考にするべき部分も大いに出てくると思います。

 今日の北海道新聞の記事です。
知床ヒグマ保護管理計画 3年後めどに策定 環境省(06/21 08:21)

【羅臼】環境省は20日、世界自然遺産・知床にすむヒグマの管理計画を話し合うヒグマ保護管理方針検討会を根室管内羅臼町で初めて開き、ヒグマの保護と地域住民とのあつれき解消のため、保護管理計画を3年後をめどに策定する方針を示した。 

 知床半島のヒグマは成獣だけで約250〜300頭が生息するとみられている。民家の物置や番屋を荒らしたり、観光客を威嚇したりと事故につながりかねない事態も多い。このため、ヒグマとの共存に向け、区域ごとに人とクマ双方の行動を一定程度制限するなどの管理計画を作る。年度内に大まかな方針案をまとめ、2011年度は地元関係者と意見交換を行う予定。 

【後略】
 生息頭数の調査にしても、保護管理計画の策定にしても、知床は熊への調査・共存への模索という点では日本最先端といってよい恵まれた状況にあると思いますが、それは世界自然遺産に登録されておりヒグマの存在そのものも財産となっていることや、その豊かな環境の中で研究したいという研究者が集まるためであると感じます。つまり、その他の地域では、知床のようなある意味、特異なくらい恵まれた状況で無い限りは、そのような調査や計画というのはなかなか確立されづらいということの裏返しにも思えます。重大な事故でもない限り、「そんなもの、費用をかけて(税金で)どうして調査なんてしなければならないのか?」といったように理解も得られにくいでしょう。しかし、人身被害・農業被害の損失は大きくなっているわけですから、その防止のための費用と思えば、あるいは生物の保護・共存という点でも、精度の高い生息頭数の調査と、それを裏付けした保護管理計画の確立などは、行って損は無いと思うのですけれどね。

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被害者の思い

 以前より、春の山菜取りや秋のキノコ採りは熊との接触に注意ということを報道された記事を紹介しつつ書いていますが、6月18日の朝日新聞に、4年前に福島県内で山菜取り中に熊に襲われた方の思いが紹介されていました。
熊との距離冷静に
2010年06月18日

●出没相次ぐ県内体験者は/心と時間のゆとり、大切

 県内でツキノワグマの出没が相次いでいる。5月30日には、喜多方市の山林で熊に襲われたとみられる男性(70)の遺体が見つかり、今月4日と15日には、福島市内で土蔵や空き家床下のミツバチの巣が荒らされた。生活圏が近づいている熊と人の距離をどう保つか。4年前、熊に襲われ重傷を負った郡山市大槻町の会社員岡崎一雄さん(64)に話を聞いた。(小寺陽一郎) 

 真っ赤な口の中、とげのように硬い毛、顔に吹きかかる獣臭の息――

 岡崎さんは2006年4月29日、山菜採りの山中でツキノワグマに襲われ、顔や額、右ひじなどに約2カ月の重傷を負った。

 午前5時前、友人と2人で同市熱海町の山に入り直後に二手に分かれた。最初はタラの芽を探したが中腹からは足元のワラビに夢中になった。「早くたくさん採りたい」。この日は自宅でみそを造る予定も控えていた。

 十数分間、腰をかがめていると、遠くで「キャッキャッ」という赤ん坊のような声。かまわず山頂を目指すと今度は頭上で「ウーウー」とうなり声がした。

 顔を上げると、40センチの距離に子連れ熊の口があった。「えらいことになったな」。反射的に左のこぶしで殴ろうとした瞬間、右ひじをかまれていた。

 もみ合うように斜面を転がった。あぐらをかいた熊の股の間に自分の頭があるのに気付くと、今度はバリバリという音。のしかかるように鼻をかまれた。「もう好きにしろ」。抵抗をやめて目を閉じたが、間もなく熊はお尻を見せて山の奥に去っていった。

 午前5時20分ごろ、叫び声を聞いた友人が駆けつけ、病院に運ばれた。緊急手術をしたが、熊の持つ雑菌のため右ひじがひどく化膿(かのう)するなど、入院生活は60日間に及んだ。

 あれから4回目の春が過ぎた。岡崎さんは「熊は自分の家族を守ろうとしただけ。呼び鈴も鳴らさず土足で家に入ったおれの方が悪かったのかもしれない」と話す。気持ちの焦りから、視線が落ち、周囲が確認できない状況になっていた反省があるからだ。

 「熊を怒らせないようにするには互いの距離を保つことに尽きる。そのためには、周りを見る心のゆとり、時間のゆとりが大切。山に入る人には、私の話を自分のこととして聞いてほしい」 
 記事にはご本人のお写真とともにキャプションとして「熊にかまれた右ひじをさする岡崎一雄さん。テレビに熊の映像が流れると体が硬直するという=郡山市大槻町」とあります。身体の傷以上に心の傷は癒えにくいものです。

 この事故は、「早朝」「山菜のある場所」という、典型的とも言える山菜取り中の熊からの加害事故と言えます。子熊を守るための防衛攻撃というところでしょう。
 山菜取りをする方の、その夢中になって周りが見えなくなるという陥りやすい過ちと、そのために生じた重大な結果は、山菜採りをする全ての人はこの記事から学ぶべきことが多くあります。

 「熊(獣)から受けた傷は治りにくい」という話は聴いたことがある(一方で、熊やトラからの傷は悪化しにくいという全く反対の俗説もある)のですが、これは、鋭利な刃物と違い、皮膚や筋肉組織が切れるというよりも不定形な形にえぐられることや、記事にもあるように雑菌などが傷口に入り込むからでしょう。被害者の方の年齢的なものもあるのかもしれませんが。

 被害者の方が、ひどいケガと恐怖を味わったにも関わらず、熊に対して憎しみよりも、ご自身の不注意や熊との共存など、達観されているご意見が、この被害者の方の「ご自身の味わった苦痛と恐怖を他の方に降りかかって欲しくない」という思いや、「熊との共存」ということまで見据えて、こうインタビューに応じられたのでしょう。

 そのような方の貴重な意見や報道、そして行政らが発信する情報を自らの受け取りに行かず、自分のものにしようとせず、その結果、事故に遭うという方は、学習能力や想像力、自己管理ができていないと言わざるを得ないですね。
 事故例から学び、自分のものとし、そして回避するということは、被害者やご家族に対してもそのダメージが無駄なものではなかったという慰めにもなるのですが。
 ある程度、避けられることが可能な事故を避けられないというのは、被害に遭われる方の自己責任という面も否めません。

 こういう山岳上での事故は、ご自身だけではなく、ご家族も悲しみ・苦しみますし、関係者らにも多大な負担がかかります。もう山菜の時期は終わりかけていますが、秋のキノコ採り、そして来年の山菜取りの時期…と、そういう起きなくても良い事故は無くなって欲しいものです。

やはり出ましたか?

 昨日、北海道旭川市に近い東神楽町で、これまで目撃例の無かったにも関わらず、夜間にヒグマが徘徊したらしい記事を紹介し、再び出没する可能性を書いたのですが、一夜明けて今日、新たな形跡が発見されたようです。

 今日の北海道新聞の記事です。
住宅街 クマ出没 旭川 東神楽(06/17 10:26)

【旭川、東神楽】旭川市内や上川管内東神楽町の住宅街近くや水田地帯で、クマの出没が続いている。16日も足跡が見つかり、15日の目撃地点から約500メートル離れた旭川市西神楽小(児童91人)では保護者らが児童を車で送迎した。 

 目撃情報が旭川東署に寄せられたのは、14日夜から16日午後までに計4回。足跡は長さ25センチ、幅20センチ。体長は2メートルほどといい、3、4歳の同じクマが徘徊(はいかい)しているとみられる。<北海道新聞6月17日朝刊掲載> 
 今日発見された足跡が、昨晩以前は無かったもの=昨夜ついたものなのか、昨晩以前からあったものを今日発見しただけなのか、記事からはわかりません。
 また、その発見された場所や、「寄せられた目撃情報」が足跡などの形跡なのか、直接姿を目撃したのか、それも記事からはいまいちわかりません。

 少なくとも、昨日の記事が出た時点では、「情報連絡本部」を設置したらしいですので、当然、直ちに現場周辺を探索したはずでしょう。従ってそのときに今日の記事に出ている足跡を見つけることができなかったというのも考えづらいため、昨晩から今日にかけてつけられた足跡?と思う反面、そのわりには昨晩から今朝にかけて、夜間の警戒パトロールはしなかったのかな?という疑問もあります。もし私が関係者でしたら、現場周辺で自動撮影装置を設置するとか、車両の中からひと晩張り込むとか、警戒しますけれどね。

 もし、夜間だけ2夜連続で来ていた場合、疑問に思うのは、「昼間はどこで、どうしているのか?」ということですね。
 昨日も書いたとおり、この目撃された現場は、熊が棲息している山からは離れている場所です。昼間はひと目につかない山にいて、夜だけ2晩にわたって出没したとしたら、さすがに移動距離が長いですから、たとえ夜の早い町であっても、たった4件の情報だけではなく、もう少し目撃情報があっても良さそうなものですし、足跡など、残された痕跡も大量になると思うのです。

 そうなると考えられる可能性の1つは、「出没は14日夜から15日朝にかけての1回だけで、今日発見された痕跡は今日のものではなく、そのときついたものを遅れて発見しただけ」ということ。この場合は、まだ話が簡単で済みます。食糧となるものを絶ち、しばらくの間、警戒パトロールや呼びかけをすればよろしいでしょう。

 一方、もし、2晩にわたって出没しているならば、そのわりには記事などから伝えられている痕跡が、部分的過ぎます。
 これが、単に関係者が痕跡を見つける能力に欠けているためなのか否かわかりませんが、もし、十分に探してもどこから来たかわかるような痕跡が見つけられないという場合には、この街がどのような環境にあるかもわかりませんが、「意外に身近な静かな場所に隠れている」という可能性もありえます。
 とは言ってみたものの、いくら静かな町とは言え、人間が活動する範囲で熊がじっと夜を待ち、夜になってから出没をするというのは考えづらいです。もしも人間の活動する範囲でじっとしていられるような人を恐れない熊だとすれば、夜を待たずとも昼間からもっと活発に出没し、その結果もっと目撃情報があってもおかしくないはずです。しかし、夜のうちにしか痕跡がつけられないようだとすれば、「街中に出没はしているけれども、幸い、全く人を恐れないというわけではない」という推測が成り立ちます。
 と、同時に、情報連絡本部らの情報収集が甘いという疑いも、私は同時に持ってしまいます。昼間は少し離れた場所で過ごして、夜だけ2晩も市街地にやって来て、そして目撃情報は少ない、痕跡もこの程度、というのは少し不自然な気がするからです。

 記事からは情報不足なので、これくらいしか言えませんが、連続して来ているのか否か、その辺がもう少しはっきり知りたいところですね。
 いずれにしても、お住まいの方への情報提供や、危険防止のための対策をしっかりと頑張っていただければと思います。

熊の目撃、相次ぐ

 別に新聞記事に踊らされているつもりはないのですが、今日も熊出没の話題です。

 年初め早々、根室市の市街地で冬眠しない「穴持たず」の話題を紹介した際に、「帯広市でのヒグマの活動範囲が急速に伸びているという点」を心配しましたし、「北海道でも目撃が増加している」という記事を紹介しました。また、根室市では市街地に現れた熊を伝える記事で、「近年、市街地では例が無い」という紹介があったとおり、ここ数年、ヒグマもツキノワグマも、長年ほとんどしてこなかったような行動をし始めているという気配があり、それを私は臆病なまでに心配しています。

 そんな中、今日も北海道旭川市に近い町でやはりこれまでに目撃例の無い市街地にヒグマが出没したという記事が、今日の北海道新聞に報じられました。
目撃例ない住宅街近く クマ足跡20メートル 東神楽(06/16 14:10)
 
【東神楽】15日午前5時ごろ、東神楽町東1線3号、無職押野恒雄さん(70)宅の敷地でクマの足跡を近所の人が発見し、役場を通じ旭川東署に通報した。現場は住宅街「ひじり野地区」に近く町は同日、広報車や防災無線で注意を呼び掛けた。 

 同署などによると、足跡は長さ25センチ、幅20センチで3、4歳とみられる。押野さん宅の私道約20メートルにわたり足跡が約50カ所続いていた。道沿いの田んぼの泥がクマの足の底についていたらしく、路面にはその痕跡がはっきりと残った。 

 家畜類を含め被害報告はない。押野さんは「被害がなくて良かったが、近くに親グマがいると思うと恐ろしい」と話した。 

 現場から約600メートル離れたひじり野地区は、町人口の半数近い約4500人が暮らす。山間部から離れており、過去にクマの目撃情報などはない。 

 町は川野恵子町長を本部長とする情報連絡本部を設置し、当面の対策や緊急時の連絡体制を確認した。 

 同日発見された足跡とは別に、14日午後9時30分ごろ押野さん宅から500メートルほど離れた地点でのクマとみられる動物の目撃情報が旭川東署に寄せられており、「同じクマの可能性もある」(同署)と警戒を呼びかけている。(田口谷優子) 
 googleマップでこの住所地を見ると、田畑が多いものの、山にすぐ隣接するという場所ではなく、すぐ近くには住宅地もあり、よくこの場所まで目撃されることなく出没できたものです。むろん、この足跡の目撃が早朝5時ということで、前日夜には熊らしき動物が目撃されていたということですから、夜間に山間部から移動してきたために、目撃されなかったのでしょう。住宅地とは言え夜の早い、静かな町なのかもしれません。

 前日夜の目撃情報が警察らに寄せられたのがいつの時点かわかりませんが、その目撃情報が速やかに提供され、そして警察がその夜のうちに何らかの動きをしたということは伝えられていません。
 この足跡を発見されたのは今朝5時ということですから、この発見した方が起き出したころにはまだ近くに熊がいてもおかしくはなく、事故に遭っていたかもしれません。幸い何事も無かったので良かったものの、先日も書いたように、やはり目撃者らからの速やかな情報提供と、それが週末や夜間であろうとも情報が寄せられた場合に直ちに有効な方法でもって対応する体制・手順を整えておくというのは、今後どの自治体でも不可欠になります。

 ヒグマにしては比較的小さめな足跡ということから、確かに、まだ若い個体だと思います。
 これが、力の強い成獣から山を追いたてられたのか、好奇心から街中に出歩いてしまったのか、街が静かなので警戒をしなかったのか、そもそも人間を恐れもしない個体なのか、これだけではわかりません。

 言えることは、この熊は今回、特に何らかの危険は感じなかったであろうと思われることから、再びこの場所周辺や似た地域に出没する可能性がある(再び来ない理由は無い)ということです。もし、何かしらの食べ物、例えば畑作物や肥料、生ゴミ…などを得ていたならば、相当高い確率で再びやって来ると思います。
 地元や周辺の自治体には、そのような熊にとってのメリット=食べ物になりうるものを徹底的に調査・排除すること。ゴミも前日夜や早朝には出さない・ゴミ集積所を徹底的に清掃して臭いを消すといった住民自らの努力を呼びかけるとともに、早朝や夜間の外出はできれば控えるようにも呼びかけ、同時に早朝や夜間に重点をおいたパトロールを行うなど、対策をしていただきたいものです。

 また、今日は山形県でまた目撃情報が続いたという記事が、読売新聞に掲載されていました。
 頻繁に目撃される場所が、北海道、秋田や山形、福島、富山など、比較的ツキノワグマが多く残る地域であるということが、熊の個体数や棲息環境がどのようになっているゆえのことか、非常に気にかかります。
 今年は山の木の実が不作になるであろう予測がされていますので、夏の天候や秋の台風などによっては大変な秋になるかもしれません。
熊目撃相次ぐ

 15日午前10時頃、米沢市関の集落内にある「大白布橋」から約1・6キロの県道で、熊3頭を目撃したと、通行中の男性が米沢署に届け出た。発表によると、熊は体長約1・5メートルの成獣と体長約70センチの小熊2頭で、道路を横断し、山林へ移動していたという。

 また、同日午後3時頃、同市長手の上海上公民館から南約400メートルの市道で、体長約1メートルの熊が目撃されている。

 同日午後5時35分頃、真室川町新町のJR真室川駅から南東約200メートルの杉林で熊を目撃したと、近くを通り掛かった男性が新庄署に届け出た。

 さらに15日午後6時47分頃、天童市山口の「羽黒橋」から約50メートルの市道で、成獣とみられる体長約1メートルの熊を目撃したと車で通行した男性が通報した。天童署によると、現場は山林地帯で最も近い集落からは約200メートルという。

(2010年6月16日  読売新聞)
 地元の人にとってはツキノワグマの目撃は日常のことであり、騒ぎ立てるほどでもないという認識があるかもしれませんし、それも正しいという面はありますが、その地域に入る人はその土地の人だけではない以上、過剰に騒ぐことなく、しかししっかりとした情報提供と告知は必要でしょうし、そしてそれら発信された情報に接する努力や、得た情報をもとに自らの行動を決める判断力が、その地に入る人全ての義務と言えましょう。


【追記 2010.6.19】
 比較的熊の少ないと言われている広島県でも、目撃例が相次いだという報道が、今日の中国新聞に掲載されていました。
クマ目撃相次ぐ 広島県北 '10/6/19 
 
 4月以降、広島県北地方でツキノワグマとみられる動物の目撃情報が相次いでいる。

 庄原市での目撃は18日現在、14件(足跡・声確認各1件含む)。昨年同時期に比べ5件多い。市農林振興課は「中国横断道尾道松江線の工事の関係で島根県境にいたクマが南下している可能性もある」とみる。

 特に目撃の相次ぐ同市口和町の口北小は、クマと遭遇した際の対処法を学ぶ学習会を21日に初めて開く。

 安芸高田市は4月以降8件で、6月に6件と急増している。八千代町内が5件を占める。同市は有線放送などで注意呼び掛けを始めた。「クマを見ても決して近づかず、市に通報してほしい」と話している。

 三次市での目撃は今のところ計5件(5月3件、6月2件)。昨年の同時期より3件少ない。
 熊の生息頭数が少ないと思われる地域では、目撃件数や接触する例もその分、少ないかもしれませんが、同時に一般の人の山に入る際の熊への警戒や目撃した場合の対応方法、行政らの初動体制も確立されていなかったりすることも考えられ、件数は少なくとも重大な結果になるという懸念もありますね。
 その点で、対処方法を学ぶ学習会を開催するという対応は、環境教育にもつながり、とても好ましい対応だと思います。

 今年の春は、このような熊の目撃例が報道されることが多いように思います。件数も地域によりますが、昨年よりも微増か増加に転じているところもあり、それが春先の天候不順との関連もあるとは思いますが、今後の影響も心配ですね。

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 熊出没の記事を見ない日は無いというくらい、取りあげられるこのごろです。

 群馬県内での目撃が報じられました。
 6月13日の毎日新聞の記事です。
クマ:桐生で出没 市、警戒呼びかけ /群馬

 桐生市黒保根町でクマが出没し、ミツバチの巣箱が襲われるなどの被害が出ており、市は住民に警戒を求めている。市黒保根支所によると、梨木地区で9日、太田市の養蜂家が巣箱を壊されてクマの足跡が多数あるのを見つけて巣箱を撤去した。また、同町下田沢でも目撃情報があった。

 市は、町内無線放送で警戒を呼びかけているが「クマの行動範囲は意外に広い。外出の時は鈴やラジオの音をさせて被害を防いでほしい。これからはクマの好きな農作物の収穫期を迎えるので注意が必要」としている。【塚本英夫】
 ミツバチの蓄える蜜はツキノワグマにとっては簡単に見つけて手に入ることができる、高カロリーで甘い魅力的な食べ物です。
 以前にも書いたように、養蜂が静かなブームという風潮が昨今出て来て、なりわいとしてではなく趣味で始める方も多くなってきている傾向にありますので、特に冬眠明けの時期にこれに誘引されて人里に出てくるという心配が、今後ますます高くなっていくように思います。
 養蜂をする方におかれましては、単に飼育技術だけではなく、ミツバチを取り巻くそのような環境の側面も熟知して、周囲の人にも危険が及ばないように細心の注意を払っていただきたいものです。

 同じく6月13日の産経ニュースでは埼玉県での目撃情報が。
 別に目撃だけですので記事にするインパクトはありませんが、出没情報の共有という意味では意義があると思います。
県道にクマ2頭 飯能署が注意を呼びかけ
2010.6.13 14:45

  13日午前7時半ごろ、埼玉県飯能市南川の県道で、ハイキングに訪れていた東京都清瀬市の男性(43)がクマ2頭を発見し、飯能署に通報した。

 飯能署によると、男性は高校生の娘と一緒だったが、10メートルほど手前でクマに気付いて逃げ、2人にけがはなかった。男性によると、クマは体長160センチくらいだったという。

 飯能署はパトロールを強化するとともに、市の防災無線を通じて注意を呼びかけている。
 どのような対策をしていたのか?どのような遭遇だったかはこの記事からはわかりませんが、遭遇した際の対処1つで事故につながりかねませんので、熊出没情報の共有のほか、遭遇しないようにする基本的な方法や、もしも遭遇した場合の回避方法なども、山に入る人には基本的な知識として知っていていただきたいものです。
 石を投げつけたり、声を上げて威嚇しようとしたり、あるいは大慌てで後ろを見せて逃げると、熊を興奮させて攻撃をさせるキッカケにつながりかねません。

 続いて、山梨県では、イノシシ駆除中の方が熊に襲われて重傷を負ったという記事が掲載されました。
 6月13日の日刊スポーツの記事です。
クマに襲われ男性重傷

 13日午後1時50分ごろ、山梨県都留市の林で、都留市川茂の無職佐藤武夫さん(73)が倒れているのを通行人が発見、119番した。
 県警大月署によると、佐藤さんは「クマに襲われて肩をかまれた」と話しており、右手首骨折や肩をけがするなどして重傷。同署によると、佐藤さんは銃を持ってイノシシ駆除作業中、突然クマに襲われ、逃げる際に転倒、身動きができなくなっていた。(共同)

[2010年6月13日20時57分]
 通行人の方が発見してくださって、不幸中の幸いでした。
 ツキノワグマが人間を殺そうと、あるいは食べようと襲うということは今のところまずありえませんが、負傷した結果、出血やショックにより動けなくなり、結果的に襲われたことで死に至るということも十分ありえます。
 しかし、逆に言えば、通行人が通るような場所に熊が出没していた…ということかもしれませんし、その通行人の方が襲われていたかもしれないと思いますと、記事は情報が少ないので何とも言えませんが、熊の行動が気になります。

 この事故のケースでも言えるのかもしれませんが、以前紹介した北海道の例では、ヒグマに襲われたという事故例で、狩猟中と山菜取り中がほぼ同数という結果でした。
 狩猟中が多いというのは、むろんヒグマを狙って追跡して逆襲に遭うというケースもあるかと思いますが、相手がヒグマに限らず「動物に悟られないように気配を最大限消して山中を行動する」という点で意図せずに熊に遭遇してしまうからだと思います。

 その点で言えば、山の中で野鳥の撮影などに当たる人も、野鳥に気配を悟られないように静かに行動し、また、他の登山者などが通らない場所で撮影に臨むでしょうから、やはり、登山中などよりは熊との遭遇はしやすいかもしれません。
 注意が必要ですね。

 昨年の5月にも、青森県で熊の有害駆除中にハンターが熊に襲われて死亡してしまうという事故を紹介しましたが、有害鳥獣駆除は熊に限らず、イノシシ相手でも相当にリスクを伴うことであり、今のところ短期的対策にはこれしか対処方法は無いわけですから、行政らはこれらのハンターに一定程度の対価を払うなど、身分保障を完備すべきと思いますね。


【追記 2010.06.14】
 山梨県での事故について、地元紙で取りあげられました。
 今日の山梨日日新聞の記事です。
2010年06月14日(月) 
クマに襲われ男性重傷 都留 
有害動物の駆除作業中 
 
 13日午後1時50分ごろ、都留市小形山の山林で、同市川茂の無職佐藤武夫さん(73)が倒れているのを近くで農作業をしていた男性が見つけ、119番通報した。

 大月署によると、佐藤さんは「クマに襲われた」と話しており、右手首骨折や頭、肩をけがするなどの重傷。銃を持ってイノシシやサルの駆除作業中、突然クマに襲われたという。現場付近は民家や飲食店があり、大月署が周辺のパトロールを強化しているほか、市が防災無線で注意を呼び掛けている。

 現場は、高川山に向かう山道の入り口付近。見つけた男性によると、山中から助けを求める声が聞こえ、現場に駆け付けたところ、山道脇の側溝で、佐藤さんが顔を血だらけにして倒れていた。同署の調べによると、逃げる際に転倒し、身動きできなくなったという。ドクターヘリで神奈川県内の病院に運ばれ、手当てを受けた。

 現場近くでは、前日夕方にもクマの目撃情報があり、市が防災無線で注意を呼び掛けていた。

 佐藤さんが所属する地元猟友会によると、付近ではイノシシやサルが農作物を荒らす被害が相次ぎ、週末に駆除を10人程度で行っていた。13日は市内で射撃大会があったため、佐藤さん一人で見回りに来ていたという。

 近所に住む60代男性は「これまで、クマが住宅地近くに現れることはなかった。子どもたちに影響がないか心配」と話した。
 高川山には登山客も多く、東京からハイキングに来ていた女性(34)は「登山シーズンなのに怖い。注意して山に入りたい」と不安そうだった。
 現場近くの方が「これまで、住宅地近くに現れることはなかった。」と証言されていることから、果樹や養蜂箱、生ゴミなどの誘引物が無かったかどうかがまず問われますし、もし、そのようなものが一切無いままであれば、何かしらの行動の変化と見て警戒すべきですね。
 遭遇した状況がわからないので何とも言えませんが、もし、熊がいきなり被害者を襲ったというのであるとすれば、出没ということと合わせて、それがまず、心配です。被害者がイノシシではなく思いがけず熊に遭遇し、慌てたとか、住宅地近くで危険だと発砲して外したとか、そういう要素があれば、その点では心配は軽減しますが、そうでないという場合には、住宅地近くに出没し、突然人を襲ったということになるのであれば、今回の熊を特定し、処分をしなければならないかもしれません。

 それにしても、前日夕方に目撃情報があったということを、被害者がご存じだったのかどうか。

 今回紹介した記事はいずれも「防災無線」で放送をすることで注意を呼び掛けたようで、この事故を伝える記事にも「防災無線で注意を呼び掛けた」ということですが、もし、それが被害者らが聴こえていなかったというのであれば、広報の方法を抜本的に考えるべきでしょう。
 そもそも記事の最後に「東京からハイキングに来ていた女性」とあるように、「前日夕方の防災無線」なんてものの範囲外にあるであろう人にとっては、その広報手段だけでは追いつかないわけです。行政においては、その現場の利用形態なども考えて、観光地などである場合には現地に看板を設置するなど、防災無線を聴くことができない環境の人にも情報を得るような方法を取らなければならないということが、ここからわかります。

 このような事故や目撃は、人々が山に入る機会の多い週末にも起きるわけですが、その場合、警察はともかく、行政は休みであることがほとんどですから、至急の広報が困難な場合もあるわけです。昨今、熊の目撃という事例が多くなってきていますので、そういう地域では週末の緊急広報の体制なども確立しておくと安心ですね。

 一方で、もし被害者がこの防災無線の情報を聴こえていた上で襲われたというのであれば、もう少し臆病であれば回避できたかもしれないと思うと残念です。
 大人数で山に入れば襲われないとは限らず、場合によっては大人数が迫りくることで熊を興奮させるという見方が成り立ちますが、それでも複数人数で山に入ることにより、万一の事故の際には救助がスムーズに運ぶなど、メリットの方が大きいと思います。今回はたまたま通行人の方がいらしたので、救助にこぎつけたというのは幸運とさえ言えますでしょう。

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泉ヶ岳
泉ヶ岳
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