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先日、「山菜採り」「高齢者」「熊」という関連について連続して書きましたが、熊が関わらずとも、山菜採りをする人の遭難という事故も結構多くあるようです。 それはむろん、登山道を歩く登山と違い、山菜を探して地面だけを注視して歩き回るうちに自分の位置を見失うことや、夢中になって思いがけず遠くまで来て体力を失うこと、などが原因として考えられます。 少し前の4月29日の河北新報の記事です。 山岳遭難の4割山菜採り 迷い道最多 東北で2009年にあった山岳遭難約350件のうち、5〜6月に最盛期を迎える山菜採りでの遭難が約4割を占めていたことが、6県警の集計で分かった。 各県警がまとめた遭難件数や遭難者数は表の通り。山菜採りに伴う遭難は北東北3県で目立ち、死者は計20人に上った。遭難者の6割近くが60歳以上だったのも大きな特徴。 パターン別では、道に迷うのが最も多く、滑落・転落が続いた。大半が1人での遭難だった。 山あいは平地と比べて天候が変わりやすい上、似たような景色が広がるため、自分のいる場所が分からなくなりやすい。特に山菜採りは、周囲の地形や方角を確認しないまま山奥へと入ってしまう傾向があり、より注意が必要になる。 各県警や専門家は入山者に対し、(1)コンパスや防寒衣、携帯電話、ホイッスルなどの装備を整える(2)家族や周囲の人に行き先を告げておく(3)できるだけ複数で行動し、頻繁に声を掛け合って互いの位置を 確認する―などを求めている。 宮城県山岳遭難防止対策協議会副会長で、登山歴約65年の渡辺勝さん(78)=仙台市青葉区=は「慢心は遭難のもと。入念に準備し、入山することが大切だ」と強調。「もし遭難したら、風雨が当たらない場所で動かずに救助を待つこと。 混乱して歩き回るうちに体力や思考力がなくなり、より危険な事態に陥る」と警告している。 2010年04月29日木曜日高齢になるとどうしても判断力や注意力、もちろん体力が一般的に衰えてくるのは当然ですが、登山も山菜採りもその高齢者が多く占めるレジャーになっていることが、こういう結果になっているのではないかと思います。 以前、山菜採り…もはや山菜盗りですが、検挙されたケースを紹介しましたが、ここまで大量でなくとも、所有者に無断でその土地の山菜などを取ることは森林窃盗ですし、場所によっては森林法や自然公園法、都道府県条例の違反にもなります。 多くの山林所有者はその土地を自分だけの財産とは考えず、山や森が生み出す幸や水を多くの人におすそ分けをしてくれるという博愛の精神で持って山菜取りを黙認してくださっているというのが現状なわけで、その良き伝統というか習慣というか善意にあぐらをかいて、それで傍若無人にふるまったり、不注意から遭難や事故を起こしてしまうということは、あまりに山林所有者に対して失礼ではないかと思います。 少しはそういう善意に報いるようなマナーとか、礼儀とか、感謝とか、そういう心を持ったらどうだろうか?そういう山野や他人に対する善意や感謝、畏怖の心を持たない人間なんぞ、そもそも山野に入る資格は無いし、山菜をいただいても本当の喜びの味などわかるはずもない。 そんな資格の無い人間が目に余る行為を繰り返すため、各地でも長らく所有林で山の幸が生活の一部になっていた人々がこまっていらっしゃいます。 まずは5月14日のasahi.comから。 <山菜最盛期>山ウド・コゴミ・ワラビ… 例年以上に雪の多い冬と気温の低い4月が終わり、いよいよ山菜のシーズンがやってきた。新潟の豊かな自然の中で育つ山の恵みは地元の人にとっては春の楽しみの一つであり、大事な観光資源でもある。ただ、近年はマナーを守らない山菜採りに悩まされる地元の人も多い。道に迷って自宅に戻れなくなるケースも目立ち、注意が必要だ。(伊木緑) 【中略】 豊富な山の恵みは誰にとっても魅力的。だが、山菜採りに訪れた人が林を荒らしていく例が後を絶たない。 「県外ナンバーの車が夜も明けないうちに来て、コンビニのお弁当のゴミを散らかしていくんです」と憤るのは、津南町の阿部和子さん(55)。ワラビやゼンマイ、コゴミは翌年以降のために加減しながら採り、株を残しておかなければならないのに、根こそぎ採っていかれてしまう。 地元の人は仕事が休みの日に林に入ってみるものの、自分たちが採る分がすっかりなくなってしまっていることもある。畑で栽培しているアスパラガスなどの作物まで持っていかれてしまうことも。「ああいう人たちは看板を立てても気にならないみたいですね」と困惑している。 * 山菜採りでの遭難も毎年発生している。県警によると、昨年は38人が遭難し、9人が死亡した。今年は大型連休(4月29日〜5月9日)だけで11人が遭難し、1人が死亡。過去10年間では年約20〜40人が遭難し、多い年には11人が命を落としている。 【後略】交通事故と同じで、道路を通行するときにはまさか自分が事故の被害者または加害者になろうとは思わずに通行するわけですが、日常の世界とは言えない山菜取りにおいてはその「まさか」を、もう少し自分のこととして考えて行動すべきものです。 交通ルール・マナーや、交通法規を理解できない人は道を歩いてはいけないのと同様、山に入る際にも基本的な知識やマナーを持っていない人が入り込むと事故の元です。 5月15日の読売新聞の記事では、秋田県でも似たような悲鳴が上がっており、入山料を取るという試みを始めたと言うことです。 しかし、マナーの無い愚か者は、素直にお金を払うかも疑問ですし、お金を取ったら取ったで「こっちは客だ、金を払っているんだ」などと、さらに傍若無人ぶりを発揮しそうで、それが心配でもあります。 山菜根こそぎ・不法投棄…防止へ村外者から入山料 秋田県上小阿仁村は今年から、国と使用契約を結ぶ国有林に入る村外の人を対象に、「入山料」の徴収を始めた。 最近、山菜を根こそぎ持って帰ったり、山にゴミを捨てるなど、マナーを守らない人が続出。村では入山料徴収をきっかけに、注意喚起を図り、マナー向上につなげたいという狙いがある。 「以前は1〜2時間で大きめのリュックからあふれるほどの山菜が採れたが、今は1日中歩いても3分の1しか採れないんだ」。八木沢地区で農林業を営む佐藤良蔵さん(86)は、荒らされた山林の現状を嘆いた。 上小阿仁村産業課によると、ここ数年、林野一面に広がる山菜を鎌などで根こそぎ刈り取ってしまう人も多く、山菜の生産量が激減した。一方で、茂みや川の中に冷蔵庫やテレビなどの粗大ゴミや生ゴミの不法投棄が目立ち、たばこの吸い殻を草地に捨てたりする入山者も後を絶たないという。 そこで、マナー違反に歯止めをかけるため、村は入山料の徴収を決めた。徴収する際、入山者に対し、山菜の採取方法を始め、高山植物を採取しないことやゴミを投棄しないことなど具体的な禁止事項を説明し、協力を求める。 入山料徴収の対象となるのは不動羅、中茂、八木沢の3集落にある計約2600ヘクタールの国有林。4月21日〜6月18日の間、入山する村外の人たちは1人1000円を支払い、許可証の交付を受ける。 入山は午前7時〜午後3時で、申請書に氏名と住所、電話番号を記入するほか、車のナンバーも記録される。許可証は当日限り有効で、山菜採りをしている間は携帯が義務づけられる。 入山料徴収にあたって今年度から不動羅、中茂地区の監視員として村民5人を雇用。八木沢地区は地域おこし協力隊と住民が交代で業務にあたる。入山料は今後、監視員の人件費や国有林の管理費などに充てるという。 来年度以降は条例を整備して村有林でも入山料徴収をする方針で、将来的には全20集落に監視員を置くことも検討している。 村は採取可能な林産物を限定しておらず、村内の国有林では山菜以外にも、きのこ、たけのこ、木の実など豊富な山の幸が数時間の散策で手に入る。 佐藤さんは「山菜を守るため、『3本のうち2本は残す』『小さいのは採らない』など、我々の常識を村外の入山者に伝えたい。マナーを守り、良い気分で春の味覚を楽しんでほしい」と話す。 小林宏晨村長も「入山料をきっかけにマナーが向上し、恵み豊かな山の姿を取り戻すことができれば」と話す。(糸井裕哉) (2010年5月15日10時11分 読売新聞)上小阿仁村は緑豊かな美しい土地で、長年、山野の恵みとともにあった土地です。その、自然の恵みを感謝して共有してきた人たちに、こういう決断を至らせたことじたい、心無い人々の罪がいかに深いか、ということを痛感させられます。 自分たちの土地・財産として、生活とともにある土地の人たちは、大切にその土地を利用することが自分たちのためであると知って、共存しています。 ところが、その地域の人ではない人たちが入り込むと、普通、他人様の土地なのですから一層注意すべきところが、「自分たちのところではないから」と、切実な切迫感も無いことから、遠慮も慎重さも知識を得ようともせず、無責任な言動をする不届き者が混じります。 これはツキノワグマの補殺などでも言えますが、その土地の人では無い人は、熊が補殺されたことを聞くと一方的に「熊がかわいそう」などと言ったりしますが、それはその土地を知らない言動であり、このよそ者の山菜取りと同様、土地とともに生きている人に対してむやみにそんなことを言うべきではありません。 部外者が現場の実情を知らずあれこれ机上で言うことは、この山を荒らす山菜取りと同じような発想で、無責任にその土地を荒らすだけの言動でしかないのです。 山野の恵みをありがたく共有していく、古くからの日本人の心と自然の交流が、ここに来てどんどん離れて行っているような気配がするのは、とても寂しいことです。
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【おいおい、おかしいだろ】
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日常で、これはおかしいだろう?それって変じゃない?と思ったことを書いています。大部分は、新聞記事を読んでのことです。
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以前、ペット産業や悪質なペット葬儀屋について書いたことがありましたが、先日、トンデモない犯罪がありました。 容疑者は既に逮捕され、今後廃棄物の不法投棄や詐欺による罪状での起訴と裁判、民事上の賠償責任などが待っているでしょう。この容疑者の犯行が確定した際には強く非難されることは当然であり、既に他でも多くでなされていることでもありますので、私はそれ以外の部分で考えを書きたいと思います。 まずは事件の第一報のうち、4月6日付けの産経新聞の記事から。 業者が継続的に遺棄か 山中の犬約100匹死骸遺棄 飯能 4月6日10時57分配信 産経新聞 だれが、こんなことを−。埼玉県飯能市の正丸峠近くの山中で、犬約100匹の死骸(しがい)が遺棄されていることがわかった。現場は民家などはない山林。遺棄された犬はいずれも愛玩犬である可能性が高く、大量の犬を扱う業界関係者が継続的に現場に捨てていた可能性が高い。どんな都合があるにせよ、動物たちの死骸を山林内に捨てるという行為は許されるものではない。県警と飯能署では引き続き捜査を続けている。 現場は、飯能市から秩父市に向かう国道299号の旧道沿いの山林。近くには民家などもなく、ほとんどの車両は正丸トンネルを通るため、旧道では車の姿を見ることも少ない。 非常に狭い道路のわきはがけのようになっており、犬の死骸はその下の山林内で多数発見されている。 現場付近で事実を確認した東京都内のペットサロン関係者によると、現場にはポリ袋に入った犬の死骸が散乱。一部の袋は木に引っかかったり、カラスにつつかれるなどして破れていた。腐敗が進んでいる死骸もあり、現場には異臭が立ちこめていたという。 袋の中には折り鶴などが入れられていたことから、同店関係者は「亡くなった犬の処分を依頼された業者が廃棄したのではないか」と話している。 同店では2〜3月に飯能署と飯能市に相談。3月下旬には死骸が回収されたが、31日になって、再び新たな死骸が捨てられていた。 また、同店によると、捨てられた犬には、体内に埋め込まれているはずの血統など出生の記録をしたマイクロチップがなく、同店では「抜きとられた可能性もある」としている。 県警や市が収容した犬は、近日中に東京都内の動物霊園で火葬される予定。県警では、死んだ犬を不法に投棄したものとみて、廃棄物処理法違反などの疑いで捜査しているとみられる。 また、同店では、ホームページ上で一連の事実を指摘、こうした行為の悲惨さを訴えている。状況から考えて、ペット葬儀屋の犯行としか考えられませんものね。 以前に書いたとおり、ペット関連業界にも様々な問題点がありますが、記事中のペットサロンが事件発覚後から積極的に協力されているのが「ペット関係業界」における良心でありこの事件における唯一の救いです。 どんな犯罪でもそうですが、警察や行政へのこのような関係者や一市民の協力無しには防止や解決は困難です。しかし、4月7日の読売新聞にはこんな記事が出ていました。 ペット死体、業者が投棄…経営者の元町議逮捕へ 4月7日14時7分配信 読売新聞 【中略】 事件は3月上旬、「犬や猫の死体が多数投棄されている」との通報で発覚した。県警は3月26、31の両日、約100匹の死体や骨など約660キロ・グラムを回収。この中にあった居住地が記された布類から飼い主を割り出し、元町議に葬儀を依頼していたことを突き止めた。 市が現場近くに設置した監視カメラには、ごみ袋をがけ下に投げ込む元町議とよく似た人物が映っており、県警が映像の解析を進めている。 回収された死体の多くは、マルチーズやシベリアンハスキーなどの純血種やリボンや服を身に着けたペットだった。狩猟関係者が「5、6年前から犬や猫の死体が捨てられていた」「毎週のようにごみ袋を見つけた時期もある」と証言しており、県警は、長期間にわたって不法投棄が繰り返されていたとみて捜査を進める。 【後略】児童虐待などもそうですが、犯罪やその疑いを警察や行政に通報するのは私は義務だと思っているのですが、記事中の狩猟関係者は5〜6年前からこの犯罪を知っていながら通報するわけでは無かったようで、通報があり発覚したのはこの3月上旬ということです。 元町議が容疑者ですが、そう発覚したのは監視カメラの映像と、捨てられた死がいに残っていた衣服にある居住地記載という残された手がかりからであり、犯行の手口がずさんであったために発覚したわけで、逆に言えば誰かがもっと早く通報していればもっと被害が少ないうちに犯行を止められたということです。 4月7日の毎日新聞の記事でも、こういう事実を知りながらも長年見て見ぬふりをしていた住民の無関心ぶりを伝えています。 飯能のペット100匹遺棄:「また捨てに来た」 夜、斜面転がる振動 /埼玉 4月7日11時57分配信 毎日新聞 ◇十数年前から、付近の住民証言 【中略】 近くで農業を営む男性(67)は、十数年前から周囲で犬の死骸やペットとみられる鳥の死骸を目にするようになったという。「夜中にごろごろと斜面を転がる振動が伝わってくる。それで捨てに来たんだと分かる」。うんざりした表情を浮かべた。 県警は、3月26日に約80匹分の死骸を回収したが、5日後の31日にはほぼ同じ場所で死後10日以内とみられる約15匹分を見つけた。ペットには迷子になった場合に備えて連絡先を記録した直径2ミリ程のマイクロチップが埋められていることがある。県警は読み取り用のセンサーを使いマイクロチップを探したが、見つからなかったという。 厚生労働省によると、狂犬病予防法に基づく届け出がなされたペット犬は89年に約372万匹だったが、08年度には2倍近くの約680万匹に増えた。 ◇自治体により違う処理方法 死んだペットは、家庭ごみと同じ「一般廃棄物」として扱われるが、飯能市の場合、飼い主が持ち込めば、市のごみ処理場で1体500円で一般ごみと一緒に焼く方法を採っている。 ところが最近は、丁寧な葬儀や個別の火葬をする専門のペット葬儀業者に依頼する人が増えているという。全国ペット葬祭業協会(50社・横浜市)の神山孝会長によると、20年ほど前から業者が増え始め、現在は全国で約500社が営業。1体5000〜1万円で火葬と供養を引き受け、大手は平均して1日約30体を火葬するという。神山会長は「火葬施設が壊れた業者が捨てた可能性もある」と指摘する。 全国動物霊園協会の伊藤雄三理事は「ペットを亡くした飼い主の7割以上は火葬に立ち会う。捨てたのが誰であっても、飼い主の心情を踏みにじる許せない行為だ」と憤った。十数年前からこの事実を知っていて、通報しようとしなかったのでしょうか? あるいは、「既に誰かが通報しただろう」という「傍観者効果」によるものだったのでしょうか? それとも、それが通報するまでもない微罪だとでも思っていたのでしょうか? 厄介事に巻き込まれるのを恐れたからでしょうか? いずれにしても、当事者ではないから無関心・無行動なのでしょう。それは到底支持できませんが理解できなくもありません。 しかし、私はこの記事の最後に触れられている「ペットの飼い主の7割以上は火葬に立ち会う」という業界団体会長のコメントに違和感を感じます。残り3割はなぜ立ち会わないのか?ということです。 今回不法投棄されたのは、そういう立ち会わない3割の連中からのペットなわけでしょう。立ち会っていれば、不法投棄もしづらかったわけです。 「丁寧な葬儀を」と望むからペット葬儀屋に依頼しておきながら、しかし立ち会うことはしない。それはいろいろな都合もあるのでしょうが、私には「面倒なことは一切ご免だ。金を出せばいいのだろう」という心理と、同時に「自分はペットにこのような愛情をかけて見送った」という自己満足から、依頼すれども立ち会わないという人も相当いるのではないか?と疑っています。ペットにしてみれば生きているときはもちろん、死んだ瞬間まで、飼い主の自己都合だけを押しつけられて扱われた一生だったということではないでしょうか? よく「ペットは家族」などと言われているようですが、人間の家族が亡くなった場合、葬式や火葬、埋葬に立ち会わないで業者任せという人はそれほど多くはないと思います。この3割の人が本当に大事に思っていたのでしょうか?私には疑問です。単に中途半端な自己満足なのでは? 以前批判した、飼えなくなったペットを処分場に持ち込んで処分させる人のために死んだペットへの「慰霊碑」と、自然死か虐殺かという違いはもちろんありますが、自己都合・自己満足という点で似ているような気がします。 一方、先の警察の捜査などにも協力した東京のペットサロン経営者と同じ方なのでしょうか、自分のためには全くならないのに、身銭を切って被害者の会を作り、被害者の気持ちを尊重した死がいの扱いを考えようとする方もいらっしゃいます。 4月10日の読売新聞の記事です。 ペット死体の大量投棄「被害者の会」結成へ 埼玉県飯能市でペットの死体が大量に不法投棄された事件の波紋が広がり続けている。 「うちの犬ではないか」などの問い合わせが、県警だけで150件以上殺到。通報した東京都板橋区のペットサロン経営の女性(54)らは近く、「被害者の会」をつくり、骨の扱い方などについて話し合いの場を設けることを決めた。9日には、先月26日に回収された約80匹の死体が都内の斎場で焼かれた。 死体は当初、一般ごみとして処理されるはずだったが、女性は「飼い主はだまされているとも知らず、手を合わせているかもしれない」と考えるといたたまれず、引き取ることにしたという。数十万円の火葬費は全額、女性が負担した。費用については、廃棄物処理法違反容疑で逮捕された阿部忍容疑者(71)に請求することにしている。 女性は「被害に遭った飼い主たちが持っている骨は、別の飼い主のものかもしれない。弔い方などを決めてほしい」と被害者の会をつくることを決めた。初の会合が18日午後3〜5時、三芳町立藤久保公民館で開かれる予定。 (2010年4月10日10時28分 読売新聞)今ごろ「うちの犬ではないか」などと言われましてもねえ、と、心の狭い私なんかは意地悪く思ってしまうのですが、このペットサロンの経営者は全くの善意でそれらの元飼い主の気持ちを尊重しようとしているのでしょう。 何もしなかった目撃者や元飼い主に比べ、こういう、行動する人が命を扱うにふさわしい立派な心意気だとは思います。しかし、同時に、そういう甘やかしが本当にそれらの人や、これから飼われていくペットのためになるのかどうか、私にはわかりません。 未成熟な飼い主が引き起こすペットの悲劇は数多いですし、ブームに飛びつく人間がペット業界の不健全な面を後押ししている一因でもあります。それは全て、人間への被害以上に動物の命が被害となるのです。 私はペットに限らず生き物の命は非常に大切だと思っていますので、やはりあらゆるペットを飼うのは免許制にし、動物個体も登録制にでもしなければ、任せていられないのではないか?と思ったりしてしまいます。
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以前、ペット以外の動物へのエサやりについて批判し、その後日談などを紹介したことがありましたが、また軽はずみな人間の自己満足のために、1つの生命が失われました。 「殺した犯人」は、その罪を意識することなく、それどころか何かいいことをした気分になっているかもしれません。無知、あるいは善意であったとしても、それがその動物のためにならないどころか悪影響を与えることさえあるという、わかりやすい実例と言えるでしょう。 3月26日付けの苫小牧民報社の記事に無責任な人間にパンを与えられた結果、窒息死したハクチョウの話題が出ていました。 パンをのどに詰まらせ オオハクチョウ窒息死 (2010年 3/26) 環境省北海道地方環境事務所は25日、国の鳥獣保護区に指定されている苫小牧市のウトナイ湖畔で、のどにパンを詰まらせて死んだオオハクチョウが見つかったと発表した。観光客が与えたとみられ、事態を重くみた環境省は、野鳥に悪影響をもたらす給餌の中止に向けた取り組みを強化する方針だ。 環境省によると、死んだオオハクチョウが見つかったのは1月21日。酪農学園大学に調査を依頼していた。死因は窒息だった。のどにパンを詰まらせたらしい。 ウトナイ湖では、長年にわたり観光客などによる給餌が続き、過去にもパンをのどに詰まらせて死んだハクチョウが見つかったこともある。鳥インフルエンザ問題を契機に環境省や苫小牧市などは2008年から給餌自粛を呼び掛けているものの、湖畔に道の駅がオープンした昨年秋以降、餌やり行為が急増している。 オオハクチョウの死と給餌の関係が明らかになったため、環境省は湖畔での餌やりを改めて問題視し、野鳥の生態をゆがめたり、感染症リスクの問題も踏まえ、関係機関と連携して給餌中止を訴える啓発活動を進める考えだ。「かわいい」「かわいそう」という目先の感覚で、その自己満足を満たそうとすると、こういう結果になるわけです。 この結果だけ見れば、面白半分に野鳥にクロスボウの矢を射るのも、面白半分に野鳥にパンを与えるのも、全く同じ構図です。悪意か善意かの違いがあれど、死んだ白鳥にはそんな動機は関係無いのです。そんな独善的な善意なぞ、むしろ無い方が良いのです。 これはパンによる窒息死という原因と結果(悪影響)がすぐにつながるハッキリとした形だからこそ発覚し、こう報道されているわけですが、結果が目に現れにくい・因果関係がわかりづらい事象の場合は、その「善意」を批判し、またそれを止めるよう納得させるのは難しくなります。 例えば、ごく一部の団体が行っている「どんぐり運び」などもそうと言えるのではないかと、私は危惧します。 ですので、せめて自然に関わろうとする全ての人は、その行為をしようとする前によく考え、一時の気分感情だけで左右されることなく、慎重に、常に省みるという姿勢が必要でしょう。
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まずは3月16日の山形新聞の記事をご覧ください。 タラノメ、枝ごと盗難 戸沢・幹切断、50本超が被害 2010年03月16日 10:12 戸沢村古口、無職小林兼雄さん(68)が所有する近くの空き地で、自生しているタラノキ50本以上が切られ、芽が付いている枝が持ち去られたと15日、新庄署に相談があった。小林さんは「毎年、家族で食べているほか、親せきや知人に贈っていた」とし、「今年も楽しみにしていたのに…」と悔しさをにじませている。 小林さんによると、12日午後、高さ3〜4メートルに成長したタラノキの枝や幹が切られていることに気付いた。現場は国道47号脇にある空き地約5000平方メートルで、入り口にはロープが張られており、立ち入りができないようにタイヤを置いている。木は、なたのようなもので地上約1メートルの部分が切断されていた。現場には太い枝が捨てられており、何者かが芽が付いている細い部分だけを持ち去ったとみられる。 芽は膨らみ始めた状態だった。枝を温室などに置いて水に挿しておけば、約3週間で芽が開いて5センチほどになり、食べごろになるという。 周囲でも、私有地で栽培している山菜などが盗まれる被害があったといい、小林さんは数年前にも同様の被害を受けた。木が同じくらいまで成長するには4〜5年かかるという。「黙っていると被害が横行する。木を見てあぜんとした。やっと育ち、いい枝ぶりになったのに、切り方がひどく、悪質だ」と話している。 新庄署は今後、パトロールを強化するとしている。まったく、ひどい話です。 「果樹王国」と言われるほど果樹栽培の盛んな山形県では、以前からサクランボなどの大量盗難という事件が相次いでいます。 ところが、世間的なとらえ方は、どうもこのような窃盗はやや軽く見られるようなところがあるように感じます。 ですが、こういう被害もまた住宅に侵入しての窃盗となんら変わりが無いことです。金銭的な被害だけではなく、農作物への被害は大切に育ててきて収穫を楽しみにしていたものを失くされた精神的なダメージもまたはかり知れないものがあります。 また、この報道はひどいとは感じるような人でも、無断での「山菜取り」が別に悪いことだとは思わないという人も意外に多いように思います。 他人の管理する山野に無断で入って、「山菜」を取って来ることは窃盗(いわゆる森林窃盗。森林法197条や、場所によっては自然公園法第13条第3項と各都道府県条例違反)・犯罪です。 ところが、山野草や高山植物を盗掘することを批判する人はまだ多いのですが、山菜となると批判が少し鈍るのは不思議です。 むろん、山菜は上手に収穫すれば毎年変わらない量がその場所をうるおしてくれ、それに比べて弱い山野草と単純に比較はできない部分もあります。日本の歴史風土としての入会慣行や管理の弱さ、被害額の少なさからでしょう。 しかし一方、山野草と違い山菜はそこに生きる動物の貴重な食料にもなっており、表面的には見えづらい部分でのインパクトがあります。 春まだ早い時期に散策道を外れて山菜が無いかと歩き回る行為は、これから芽を出さんとする草花を踏みつけ傷めることにもなりますし、踏み固めることで雨水の通り道になってしまうなどという影響もあります。 住宅内に侵入しての窃盗も、果樹や畑作物の窃盗も、今回のような栽培していた山菜の窃盗も、所有者に無許可で山菜を取る行為も、全て変わらない人を傷つける卑劣な窃盗であるということを、「山菜取り」シーズンを前に、広く認識して欲しいものです。 山菜取りをするならば、その土地の管理者にお願いして許可をいただいた上で、法律やマナーを守って最低限の量を分けていただくという当たり前の心構えが必要です。 【追記 2010.4.24】
佐賀県でも、窃盗事件があったようです。 組織的・営利目的な犯罪なのか、一般人の無法なのか知りませんが、結果が重大なことに変わりはありません。 今日の佐賀新聞の記事です。 多久の管理農地でワラビ盗相次ぐ 収穫イベントが中止に 佐賀県多久市南多久町のまちおこしグループ「南渓いきいき協議会」が管理する農地でワラビの盗難が続いている。この1カ月で40キロ以上が盗まれ、計画していたワラビ狩りイベントは中止になった。関係者は警察に被害届を出し、パトロールを強化するなど対応しているが、被害は続き、対応に苦慮している。 農地は2月、田柄地区の山中にあったミカンの耕作放棄地を再生し、約500平方メートルの農地を2カ所設けた。収穫体験などのイベントのほか、農産物直売所などで販売した収益を活動費に充てる計画も立てていた。3月上旬には、20〜30センチに育ったワラビが収穫できるまでになったが、盗難も始まった。 この1カ月余りで分かっただけでも複数回、40キロ以上が盗まれた。10センチ程度のものまで根こそぎ盗まれることもあった。「立ち入り禁止」の看板を立てても被害は続き、育てば盗まれる状態という。 4月に佐賀市の家族を招いて行う予定だったワラビ狩りも中止せざるを得なかった。5月いっぱい収穫できるため、関係者は「せめて1回はワラビ狩りを開きたい。心ない行動はやめて」と訴える。 農地は、日常的には一般の人が通る場所ではなく、山菜採り目的で人が来ているとみられる。自生と間違えることもあり得ず、小城署も「立派な窃盗」と、パトロールなどを強化する方針。 協議会は2008年8月に設立。廃校となった旧南部小南渓分校の校舎跡などを活用し、イチゴ狩りやジャムづくりなどの農村体験活動を行っている。副会長の古閑勝己さん(64)は「メンバーのやる気まで萎(な)えさせる残念な行為。看板の呼びかけを無視してまで盗むとは」と憤っている。卑劣です。 例え、「これくらいよかろう」という、転売目的ではない自家消費用でも、関係ありません。 隠しカメラなどを設置し証拠をつかみ、犯人は厳しく罰せられるべきでしょう。 |
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豊かな自然の中にあると、その自然に対する畏敬と感謝の念がわく人と、そこでの恵みに溺れ、まるでそこが全て自分の支配下・自分の思い通りになるものだと勘違いする人がいます。 「山登りをする人に、悪い人はいない」なんてのは大ウソですし、自然に携わる仕事をしている人が皆人一倍自然を愛し見識豊かな人ばかりというわけではありません。街中となんら変わりません。良い人・優れている人はそうであり、そうで無い人はどこにでもいます。 さて、富士山7合目の山小屋で、経営者が故意に糞尿を富士山に垂れ流していたという、驚くべき行為をしていることが発覚しました。 3月12日の山梨日日新聞の記事です。 富士山に汚水垂れ流す 7合目山小屋 「環境トイレが故障」 富士山7合目の山小屋「鳥居荘」(天野喜良さん経営)で昨夏、環境配慮型トイレの処理システムが故障し、し尿などが混ざった汚水を富士山に排出していたことが、11日分かった。事実を確認した環境省富士五湖自然保護官事務所は同日までに、同山小屋に対して文書で注意、同山小屋から改善報告書の提出を受けた。富士山の山梨側にある全山小屋は2006年までに、し尿を山に排出しない環境配慮型トイレを導入、富士山の環境保全に努めてきた。同山小屋の天野さんは「富士山の環境を守る取り組みが進む中で申し訳ないことをした。メンテナンスを徹底し、二度と起こさないようにしたい」としている。 同山小屋によると、環境配慮型トイレはタンク(容量4トン)のし尿を、水を加えてポンプで焼却炉に送り、灰にして処理する「自己完結型」の仕組み。昨シーズン、焼却に使うバーナーなどが故障して処理が進まなくなり、昨年7月下旬にタンクから焼却炉に移した汚水数十リットルを1回、くみ取って富士山に流した。山小屋を閉める同8月末にも、タンクを洗った際の数リットルを1回、流した。 天野さんは「修理を依頼していたメーカーが多忙のため間に合わなかった。緊急的な措置として富士山に排出してしまった」と説明している。 排出作業を目撃した登山客から連絡を受けた同事務所が聞き取り調査、同山小屋が事実関係を認めた。し尿などを山に排出することを禁止する法律はなく、同事務所は適切な処理の徹底などを求めて文書で注意。山小屋はメーカーの定期的なメンテナンスを受けるなど、改善策を報告した。 富士山の登山客が増加傾向にある中、山梨側の全山小屋は環境への負荷を軽減するため、国や県などから助成を受けて06年11月までに環境配慮型トイレに移行。鳥居荘のような焼却式のほか、浄化循環式、くみ取り式などの方法でし尿を処理している。 富士山の環境保全をめぐっては、富士北ろくの自治体などが環境配慮型トイレの増設などの費用を捻出(ねんしゅつ)するため、入山者から協力金を徴収しようとする動きが出ている。 今回の問題を受け、山梨側の山小屋で構成する富士山吉田口旅館組合は、各山小屋の経営者にし尿処理の徹底を要請した。井上洋一組合長は「富士山にかかわる人が環境保全に取り組む中であってはならないこと。夏山シーズン前にもう一度、組合として意識の徹底を図りたい」と話している。「緊急的な処置」で2回だけ行ったわりに、それをたまたま登山者が目撃し、その人がしかるべき通報をする善意の登山者だったというのは、偶然にしてはでき過ぎていますね。本当に2回だけだったのでしょうか? 登山者の通報が無ければ、漫然と今も捨てていたのは間違いないことでしょう。バレたから止めたに過ぎない。 驚くのは、「し尿などを山に排出することを禁止する法律はなく」という部分です。 しかし、それは環境省管轄の規制に限ってのことでしょう。 山小屋経営から生じた糞尿は一般廃棄物と解されますが、これを適切に処理せずに不法投棄を行うというのは、「一般廃棄物の不法投棄」であり、5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金、又はこれを併科。法人の場合は罰金1億円に値します。 ぜひとも、5年の懲役と1000万円(もしくは1億円)の罰金のダブルで限度いっぱいの罰を与えて欲しいものです。 …と、そう思っていたところ、続報がありました。 翌3月13日の山梨日日新聞の記事です。 6年前から富士山山小屋汚水垂れ流し 9回にわたり200リットル以上 県が調査へ 富士山7合目の山小屋「鳥居荘」が環境配慮型トイレの処理システムの故障を理由に、し尿を含んだ汚水を富士山に排出していた問題で、山小屋を経営する天野喜良さん(50)は12日、記者会見で謝罪するとともに、垂れ流し行為を6年前から繰り返していたことを明らかにした。計9回にわたり、少なくとも200リットル以上の汚水が排出されたとみられる。県は富士山吉田口旅館組合に対し、トイレの汚水を適切に処理するよう注意するとともに、廃棄物処理法違反(不法投棄)の疑いがあるとして事実確認に乗り出す方針。 この日、天野さんと同組合の井上洋一組合長が富士吉田市内で会見、一連の問題を謝罪した。 天野さんによると、し尿を焼却処理する方式のトイレは2004年に導入、05年夏、結露が原因とみられるバーナーや焼却炉の不具合を確認、メーカーの指示を受けながら補修して対応した。しかし、その後も不具合が続き、処理能力が低下して06〜08年は毎年7月下旬、1回ずつポンプで汚水をくみ出して「50〜80リットル」(天野さん)をトイレわきの草の中に排出した。 また導入した年から昨年まで毎年、山小屋を閉める際、し尿をためる容量4トンのタンクを清掃、数十リットルを排水していた。 天野さんは「汚水をくみ取って下ろすという選択肢もあったが、夏山シーズン中で対応しなかった。当時は苦肉の策という判断だったが、深く考えて行動するべきだった。後悔している」と話している。同山小屋の利用者は年間3000人以上という。 今後の対応については、メーカーの定期的なメンテナンスを受ける契約を結んだことを報告。故障した場合はタンクがいっぱいになる前にくみ取って山から下ろすことを考えている。 鳥居荘は、富士山の山梨側の山小屋としては最も早い04年に焼却式トイレを導入。現在は全16の山小屋が導入している環境配慮型トイレ18カ所のうち、7カ所が焼却式を採用している。同組合によると、今回の問題を受けて各山小屋へ聞き取りをしたところ、処理システムの不具合は確認されていないという。 一方、県環境整備課によると、し尿の排出は一般廃棄物の不法投棄に当たる可能性があるといい、地元の富士吉田市と連携して事態の把握を進める。環境配慮型トイレの設置費用を補助した県観光資源課は12日、適切な処理を徹底するよう同組合に注意した。 井上組合長は「各山小屋にはメーカーと補修契約を結ぶように呼び掛け、山開き前にトイレの処理システムが正常に作動するか必ず確認させる」と話している。なんと、驚くことに、6年前から常習化していたということが発覚しました。 前日の記事では、昨年だけのように書いてあり、これだけを読めば「修理が間に合わない緊急でやむを得なかったのだろう」と思う読者もあったかもしれませんが、6年前から繰り返していたということは、「本当に修理が間に合わなかったのか?」と疑わしくなってきます。 一般廃棄物の不法投棄はもちろんですが、このトイレを設置するのには国からの補助金があったということですから、その助成制度がどのような決まりになっているかわかりませんが、その補助制度の主旨に反する裏切り行為でもあります。 補助金を与えた行政は、その返還を求めるべきではないかと思うのですが。 法律や制度以前に、このすばらしい山で商売させてもらっている分際で、この山を大切にするどころか糞尿を流してそれで良しと思っているこの経営者は、この山にいる資格はあるのでしょうか? まあ、施設故障で鳥居荘は糞尿の処理で困っているというのでしたら、
のかもしれません。 「富士山吉田口旅館組合」は、こういう不良組合員に今後どう接して指導して関わっていくのか、組合の姿勢も問われるでしょうね。
組合のHPには、「富士山憲章」や、「環境保全」という呼びかけが掲載されていますが、白々しい自虐ギャグとしか感じられなくなります。 |


