日々是雑感

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【日本熊森協会さんへの疑問】

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なんとなく、人や自然や動物に優しい「良い団体」というイメージのあるこの団体。確かに、ホームページに書かれている理念には、賛同できるすばらしく立派な部分もあります。

しかし、ホームページをよく見ると、私は「それはちょっとおかしいのでは?」と感じることが出て来ます。

おかしいだけで実害が無いのでしたら別に良いのですが、獣害の被害者や現場当事者を非難するような態度も見受けられたり、明らかに間違っている記載があったり。

その、私がおかしいと感じたことを、取りあげて行きたいと思います。

現会員さんや、これからこの団体に加入・寄付をしようと思っている方が、会を判断される上での1つの参考になったり、団体そのものもご自身を省みて、よりよいものになる機会になれば、と思います。

もしも誤りや誤解があれば、コメント欄などからご指摘ください。それがそうと判明すれば、いつでも謝罪と訂正などに応じます。
メールアドレスは、
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見習ってください

 先日、毎日新聞にまるで何も考えないで書いたかのような記事が掲載されていたことを批判しましたが、これは毎日新聞全体の質が低いというのではなく、単に姿勢の問題でしょう。掲載したのは地方版(群馬)なので、その地方支局の問題と言えます。

 例えば昨日、野生鳥獣を補殺した際に安易にかわいそうというのはどうか?と警鐘を鳴らす・ある意味覚悟のいるコラムを好意的に紹介しましたが、あれも同じ毎日新聞で、取り扱った地方が違う(長野)だけです。

 ちなみに、これは何も私の意に沿わない・反対する言動を掲載したから批判するという安易なものではなく、ある事象を深く考えることなく一方的に読者に対して報じるその姿勢を批判しているつもりです。
 TVほどではないにせよ、世の中にはまだまだ新聞などの活字となっているものが報じるものはそれが全て正しいことと思ってしまう人も少なくありません。小中学生も新聞を読むのですから。従って、ある事象について接した際、本来なら多面的な見方を紹介し、読者がその両論を比べて自分の考えを構築するという機会となるはずところが支局の仕事ぶり1つで阻害され、もしかしたらその読者が本来望まないはずであった考えをやむを得ず形成させられかねないのを懸念しています。

 なるほど、「交通事故があった」「火災死亡事故があった」という単なる事実報道も少しは意義はあるでしょう。
 しかし本当に読者の役に立つ記事であれば、「携帯電話をしながら運転をしていたために前方不注意で交通事故があった」「ストーブの上に洗濯物を干していてそれが落下して火災になった」というような、読者が自分は注意しようという注意喚起の役立つ書き方がある方が優れた記事と言えます。多くの事故例を紹介すれば、それを回避できうるのです。
 ですが同時に、これだけの報道では、「禁止されている携帯電話なんて使っているからだ。自業自得だ」「住宅用火災警報器をつけていれば早く気づいて無事逃げだせたのに」と、様々な感想や憶測を読者は持ってしまいがちです。
 ですから、さらに「携帯電話を使っていたのは、急病の母親の病院と連絡をしつつ駆けつけるところだった」「火災で亡くなった方は高齢の1人暮らし。寝たきりのために火災に気づいたものの、逃げ遅れたようだ」などというような理由の理由まであると、様々な考えの奥行きや多くの問題点へ思いを馳せ・発展させ、広く社会における事故防止につながることに貢献することだってできうるわけですし、それによって被害者や犠牲者やそのご家族・遺族が救われる・慰めとなる場合だってあります。

 その点、先だっての毎日新聞群馬版の記事は、まるでそれら読者利益なんてどうでも良いと言わんばかりの誠にひどい記事でした。読者利益どころか、紹介した団体の利益を考えているようにさえ見えてしまいかねない記事です。

 さて、今日も毎日新聞の記事で、地方版(岡山)の記事についてです。
 やはり日本熊森協会さんが行っている「ドングリまき」について取りあげているのは前回紹介の記事と同じですが、こちらの方はきちんと異論を掲載し、読者が考えて、賛成する・反対するという判断をするためのヒントになり、親切な内容です。このような報じ方が、読者利益にかなう記事と言えるわけで、群馬の毎日新聞支社は、この岡山県の支社に記事の書き方を教わったらいかがでしょうか?

 1月13日の毎日新聞岡山県版の記事です。
究・求・救・Q:餌不足によるクマ被害問題 ドングリまくより植樹 /岡山

 全国的にクマの出没が相次ぐ中、「餌不足のクマのために」とドングリを山にまいたり、山中に果物を持ち込む行為が問題となっている。クマの生態に詳しい専門家は「野性動物への餌付けであり、他の場所で採集したドングリを山に持ち込むことは生態系を壊すことにつながる」と警鐘を鳴らし、「生態系にあった植樹を」と提唱する。【石戸諭】

◇山の生態系壊さぬ対策を 善意の餌付けで人里出没も
 環境省によると、クマによる死者、負傷者は昨年11月末現在で145人。09年度の64人を大きく上回り、捕獲も3854頭に達した。県内でも昨年12月末現在で196件の出没情報が寄せられ、統計を取り始めた00年度以降で最高を記録。原因として考えられるのがクマの餌となるドングリ類の不足だ。ドングリがなるブナは豊作と凶作を繰り返し、昨年は06年以来の凶作年だった。このため人里にクマ出没が相次いだ。

 一部の自然保護団体は「餌不足のクマを救おう」と全国から集めたドングリをまく活動を始めた。群馬県では3・5トンのドングリを山中にまく計画がある。環境省鳥獣保護業務室は「市街地や他の生態系で採れるドングリを別の山にまくのは生態系保護の観点からみて大きな問題がある」と注意を促す。

 野生クマの保護に取り組むNPO「日本ツキノワグマ研究所」(本部・広島県廿日市市)の米田(まいた)一彦理事長は「動植物の研究者はドングリまきに反対している。善意のつもりの餌付け行為が、結果的に人間とクマの距離を近づけて、双方に被害が出る」と警告。クマが、人間のまく餌の味を覚えて人里に現れることの危険性を指摘し「中国地方で(クマの好物である)柿が山中にまかれたという情報もある」と語る。そして、米田理事長は「ドングリができやすい環境を作る植樹が望ましい」と提案する。

 県内では、久米南町在住の80代女性から「クマの餌代に使ってください」と13万円の寄付を受けた美作市が先月、市有林にコナラなど生態系にあわせた広葉樹200本を植えた。米田理事長は「『クマを守ろう』という善意はありがたい。自然にもクマにもプラスになるやり方で気持ちを生かすべきだ」と話した。
 先だって群馬の記事を批判した際に、「NPO法人日本ツキノワグマ研究所の米田理事長も反対されているのに」と書いたのですが、今回はさすがに理事長のお住まい・広島県の隣県の岡山県の記者さんだけに、きちんと取り上げられています。

 しかし公平に見れば、実施している団体を名指ししておらず「一部の自然保護団体」としています。これは普通に考えれば日本熊森協会さんのことを指していると思われますが、そのドングリをまいている団体側の意見も載せなければ、読者は反対意見にしか接することができません。実施している団体側の意見も掲載することで初めて比較することができるわけですから、この記事も良くない記事…と言うべきでしょうか?
 普通であれば、私もそう指摘するのがフェアな態度と言うものでしょう。

 しかし、以前から何度も紹介していますように、日本熊森協会さんはマスメディアから取材を受けるのに次のように条件を出していらっしゃいます。再々掲しましょう。
マスメディアのみなさんからの当協会取材受付条件

1、人間による森林破壊の最大の被害者である哀れなクマを、絶対に悪く報道しない。
(空腹に耐え切れず、しかたなく人前に出てきたクマたちを追い掛け回して面白おかしく報道するなど、問題外。臆病なクマをパニックに落としいれ、人身事故を多発させています)
2、現象だけでなく、なぜこんなことが起きているのか、正しい原因を報道する。
3、これからどうしていけばいいのか、解決法を報道する。
 どんな条件でも出すのは自由です。マスメディアの取材を受けるは義務でもなんでもありません。しかし、協会さんはこんな条件を公言していることで、自ら、このような批判的な記事に反論をし、主張を多くの人に発信する機会を手放しているわけです。

 例えば、この岡山の記者さんが実施している団体の当事者意見を聴こう・両論併記をしよう考えられたとしても、「絶対に悪く報道しない」といったことから始まるこれらの報道への挑戦とさえ言えそうな条件・注文を、良識ある記者さんや報道機関が受け入れるはずが無いため、最初から取材対象にしない…ということにもなりかねないからです。

 また、以前テレビ朝日の報道を批判した際にも書いたのですが、日本熊森協会さんを取り上げている報道があった場合には、協会さんがそういう条件をマスメディアに課していると知っている私のような者にとっては、その報道内容は全てこの協会さん側の条件を受け入れ・迎合した上での取材と報道=一方的に協会さん側だけの意見や主張だけを流している報道とは言えない広報・宣伝に過ぎないと誤解されかねません。

 つまり、仮に日本熊森協会さんが全面的に正しい主張(行動)をしていることだとしても、たった数行のこんな条件を付していることで、その主張(行動)に対し批判的な報道をされる際には再反論の意見を掲載されない(掲載される機会を失いかねない)となりかねず、一方、その主張(行動)が報道された際には、その条件をのみ込んだ程度の記者や報道機関の報道だろうとバイアスのかかったものと偏見を持たれてしまいかねないというわけです。
 しかし、そうなったとしても、それもこれも言ってみれば協会さんの自業自得としか言いようがありません。

 さて、岡山県の記事に付け加えるとすれば、「植樹するときも、その植樹予定場所直近の木のドングリから育てた苗木を用いるということ」ということまで踏み込んで欲しかったですね。
 もう1つは、この寄付を受けたという町は、木々の不作では無かった年は出没が少なかったという事実から、すなわち、行政の林業政策のマズさがその年の熊の出没を招いた=射殺に至っているというのはあまりに短絡的な発想でしょう。その地域の木々のドングリを用いて多少植樹したところで、一斉不作となればやはり植樹した木々も不作になる可能性もあります。それを予測して、あるいは単に何も考えずに他の土地のドングリをまけば、今度はそれは遺伝子撹乱と指摘されるべき問題になりえます。植樹と言ってもそんな単純なものではなく、私から見れば、申し訳ないのですが、女性の寄付+行政の対応と、全国からドングリを送っている人々は、それこそドングリの背比べとしか感じません。
 また、ドングリを置くことの弊害を生態系保護の観点から問題があると書かれていますが、一般の人には想像しづらいですね。例えば、「様々な土地で育ち性質を身に付けてきた遺伝子がまかれることで、そのまかれた土地の気候風土で生きていくのに適った性質を長年かけて獲得してきた木々の子孫に、別の土地の性質を持ったものが混じり、その土地の森林の生命力を弱らせかねない」とか、「豊作と不作を繰り返すのは、ネズミやリスなどを一度数を減らさせ、次の豊作とすることでドングリを食べつくされないようにして生き残り勢力を拡大させようとする木々の戦略。ネズミらが死なないことで、翌年以降のドングリも発芽する機会が奪われ、森が広がらないかもしれない」と言った面も紹介されるとより良かったのですが。

 まあ自ら弁明を放棄した対立意見が掲載されていないのは仕方が無いわけですから、今回の岡山県の記事はその枠の中で頑張った記事と言えるでしょう。
 支局の資質や姿勢でこうも紙面は変わるものなのですね。群馬の読者はかわいそうです。ネット読者としては、前回の群馬の記事の偏向ぶりを、岡山の記事でようやくバランス調整完了した、というところでしょうか。

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矛盾していませんか?

 先日、ご自身らの所有する「原生林が残る土地」に全国から集めた1トンもの様々なドングリをヘリコプターで空輸した日本熊森協会さんに、私は以前から1つ、おうかがいしてみたいことがあります。

 例えば協会さんのホームページのTOPには現在、こんなQ&Aが出ています。
なぜクマたちは今山から降りてきてるの?

 戦後の拡大造林で、国土の1000万ヘクタールが杉ヒノキの人工林になりました。しかも、そのほとんどが放置されているので、外見は一年中緑色で綺麗ですが、中は真っ暗で草も無くて、虫も鳥も動物も棲めない、食べ物もない、そんなところになってしまっています。そんな人工林は保水力も無く、水も生みません。
 そして今年は、国土の7%(=全森林の11%)残っているといわれている豊かな自然林に、夏から食べ物がなくて、動物たちは飢えて山から降りてきているのです。
 なるほど、「戦後(1945年以降)の住宅難解消のための針葉樹植樹と、その後の放置によって食べ物が少ない山に変わってしまったため」であり、それに加えて「今年は不作だから」ということをおっしゃっているんですね?

 しかし、以前から私は書いておりますが、戦後の植林政策が誤っていたために食べ物が少ないというのであれば、毎年出没するのではないでしょうか?それが毎年出没しない=木々の実りが不作の年にだけ出没するというのであれば、平年は熊の生息数と森林の食べ物のバランスが取れていると言えます。

 例えば、先日引用した北海道のエゾシカ被害の場合は、「推定生息数の増加」と、その「出没範囲の広がり」と、「農林業被害の増加」という全てに因果関係が見られるわけです。つまり、木々の実りに関係なく出没・農林業被害が激しくなる一方というわけです。
 しかし、熊の出没や農業被害が木々の実りに左右されるというのであれば、「何十年も前の森林政策うんぬんという話」と「熊の出没」は関係無い(全体の生息環境が悪化しているか否かとか、水資源についての影響とか、そういう点はまた別の議論です)わけです。

 実際、協会さんのホームページのコーナーである「くまもりNews」の10月16日の記事には、おそらくは私も疑問を呈している写真家の宮崎学氏のことだろうと思われる主張を批判されていますが、ちょっとその部分を抜粋させていただきます。
10/16 付け A新聞報道「(クマは)うんと増えている」には、驚きました

2010-10-22 (金)くまもりNEWS | クマ保護活動 | 熊森の見解 | 野生動物関連

 A新聞10月16日付け1面下の有名なコラムに、?-今年は里での悪さが目立つ。??として、最近のクマの人身事故例が2例挙げられていました。その後、「(クマは)うんと増えているというのが、定点観測の実感です」?-と言う有名な写真家Mの言葉を紹介して、絶滅寸前のクマを、クマがうんと増えていることにしていました。写真家Mの言葉をまにうけて信じている人がいたなんて、驚きました。

 わたしたちは奥山の元クマの生息地を歩き続けています。はっきり言いましょう。今や、本来のクマ生息地にはクマがいず、奥山は空っぽになっています。山に食料がまったくないという大変な事態が起きているからです。かつて、人前になど姿を現すことはなかったクマたちが人間の所に出てくるようになったのは、よほどのことがあったからで、冬篭り前の食い込み用食料を必死で求めてでのことです。その証拠に、山の実りが良かった2009年には、クマはほとんど山から出てきませんでした。こんなことは、子供でも知っています。

【中略】

 写真家Mが、自動撮影カメラで、クマがうんといることを撮影したと言っているから事実じゃないかと言われるかもしれません。しかし、わたしたちは、自分の目で、クマが山にいないこと、クマの痕跡がまったく奥山にないことを確かめています。目視ほど確実なものはありません。
 宮崎氏の飛躍されている主張に少し疑問を持つのは私も同じで、それは以前から何度かこのブログでも書いたところです。
 しかし、都市部の公園などで集めたドングリを山に置いて来ようという主張を真に受けて信じている人がいるということも、私にとっては衝撃的な驚きですが…。

 確かに、たかが知れた数と範囲の定点撮影程度では、おおよその推測はできようとも、氏の行う程度で全体を推論するには材料が少な過ぎ、結論を急ぎ過ぎている感は否めません。
 しかし、「目視ほど確実なものはありません」という協会さんの主張も、同じです。一定範囲を一定間隔で訓練を受けた数千人規模で目視調査を一斉に行ったと言うわけでもないのでしょう?普通に山に入った際には、普通、熊の方で人間を避けるものです。その結果目視できないからといって熊がいないということになりません。単に見かけなかっただけです。目撃情報の多さが即生息頭数の増加とは限らないのと同様、目撃情報の少なさが即生息頭数の減少とは限りません。そのそれぞれの情報の精度の問題になります。

 まあ、枝葉末節はよろしい。
 ここでのポイントは、日本熊森協会さんは、
その証拠に、山の実りが良かった2009年には、クマはほとんど山から出てきませんでした。
とおっしゃっている部分です。

 つまり、協会さんも山の実りが普通であれば、熊は山だけで生息していけるとおっしゃっているわけで、これはすなわち、現在の生息頭数と山の食糧がバランスが取れていると認めた記述なわけです。ここで「戦後の拡大造林」は両立しません。
 木々の戦略により不作になったときだけあぶれるというのは、それは元々木々があぶらせるために行っているわけですから、それで良い=正常な状態であると言えると思うのですが。

 木々の実りが良ければ出没しないと言っている一方で、人間のために森林が荒れたせいで出没していると言ってみたり、いったい何がおっしゃりたいのでしょう?矛盾している主張だと私は思うのですが。
 その辺をぜひ、きちんと丁寧に教えていただきたいものです。

そういえば。

 ちょっと引っ張り過ぎな感じもする、日本熊森協会さんのヘリコプターによるドングリ置きの件…の補足というか、正直、どうでもいいこぼれ話的な感想です。

 これまで、協会の会長さんが環境省や「役人」のことを批判した内容に疑問を呈したり、ヘリコプターが与える様々な環境への影響を想像したところですが、それらを書いていて、こんな話題を思い出しました。

 9月10日の朝日新聞の記事です。
ラ王CM、槍ケ岳で迷惑撮影 登山者遮り、ヘリ強行使用
2010年9月10日3時58分

 日清食品が、北アルプス・槍ケ岳で即席めんのテレビCMを撮影した時に、山頂に登るのを一時遮るなど登山者に迷惑をかけたとして、撮影済みのCMの放送を中止したことがわかった。撮影にヘリコプターを使わないよう環境省の現地事務所から求められていたのに、強行していた。 

【中略】 

 環境省の松本自然環境事務所は、登山者に迷惑をかけないよう指導していた。ヘリによる撮影も、騒音が登山者に不快を与え、国の特別天然記念物のライチョウなどに影響する懸念があるとして、自粛を要請していた。広告会社の電通によると、撮影を行ったCM製作会社葵プロモーションの担当者が、自粛要請を電通や日清食品に伝えていなかったという。 

【後略】
 取りあえず、この出来事への感想や意見などは置いておきます。
 むろん、公共の場所である槍ヶ岳での出来事と、日本熊森協会さんの所有地である「原生林」とを単に比較したいわけではありません。
 
 今回、私が言いたいのは、日本熊森協会の会長さんは、11月25日のJ−CASTニュースの中で「動いていないのは環境省」「役人は現場を知らないので、柿を落とせなどと、してはならないことを指導している」とおっしゃっていましたが(既にその点に疑問を書きましたが)、この記事中にある「環境省松本自然環境事務所」さんは、
ヘリによる撮影も、騒音が登山者に不快を与え、国の特別天然記念物のライチョウなどに影響する懸念があるとして、自粛を要請していた。
と、指導していたということです。

 要するに、「環境省のお役人」は「ヘリは人にも動物にも影響を与えるという懸念」を持っていて、現場ではそのような権限が及ぶ範囲で指導をしているということです。着陸をしない限りは国立公園内といえどもヘリコプターを飛ばすことを止める権限までは環境省には無いと思いますので、それが精いっぱいの指導でしょう。私はこのような指導をしていたことに好印象を持ちます。
 環境省といっても巨大な組織でたくさんの人がいらっしゃるわけですが、抽出調査的に言えば、おおよそどこの事務所さんや職員さんでも同じような指導をされるのではないかな?と感じます。

 そのような「環境省」や「役人」を、会長さんは上記のようにまるで環境省や役人が無能な人間だけかのような批判なさっていましたが、では、ご自身らが今回、ヘリコプターを用いたことについては、どのような見解なのでしょうか?ということを、思ったわけです。

 ヘリコプターが少しくらい飛行しただけでは、動植物など環境に影響は無いとお考えなのか?
 影響は出ると承知で、でもご自身らの活動はそのデメリットを補って余りあるメリットがあるとお考えなのか?
 そもそも、ヘリコプターが環境などに影響が与えるかもしれないという視点すら無いままだったのか?

 …どれでしょう?

 会長さんの主張では、「役人は現場を知らない」ということをおっしゃっています(私はこういう十把一絡げの主張・批判を職業蔑視・差別的発言だと思いますが、よろしいのでしょうか?)から、そのお考えどおりならば、槍ヶ岳へヘリコプター飛行を飛行することへの懸念は、「現場を知らない役人の指導=ヘリコプターの影響は無い」とおっしゃっていることになりそうですね。

 一方、ドングリ置きにおける遺伝子撹乱への懸念に会長さんは、11月25日のJ−CASTニュースの記事中で「日本の多くの森林では、人の手が入っていないところはほとんどありません。私たちは、原生林ではなく、こうした遺伝子がかく乱されたところにドングリをまいています。」というようなことをおっしゃっていたことを考えると、「仮に多少のリスクはあろうとも、既に環境への影響が進んでいる場所では、自分たちも影響を与えるようなことをやってもいいじゃないか」的なお考えなのだろうか?と思ってしまいます。

 もし、仮にそうお考えだったとしても、それはそれで団体さんや会員さんの考え・主義主張でしょうから、ご自由です。ですが、もしそうであれば、私はかなり違和感を持ちます。

 いろいろと書いてきましたが、この出来事の是非判断ができない・簡単に判断したいと思われている方に、私が1つの判断指針を申します。
 「批判的・懸念する意見に真摯に向き合い、様々な方の意見や研究成果を参考にしながら、論理的かつ根拠のある言動ができているか否か」という点で、一連のご主張をご覧になられてみて、それでできている・できていないとお感じになられた結果で判断なされるとよろしいのではないでしょうか。
 先に、日本熊森協会さんが富山県で行った「ヘリコプターによる、ドングリ置き」を報じたテレビ朝日の姿勢をまず批判しました。

 このドングリ置きについて伝えるJ-CASTニュースは読者が直接コメントができるので、Yahoo!での配信J-CASTニュースのホームページに、それぞれ閲覧者の方がコメントを書かれています。
 私が見た限りでは、圧倒的にドングリ置きや日本熊森協会さんの姿勢に対して批判的あるいは懐疑的な感想が書かれているようです。

 ただ、公平に言って、思い込みなどで間違った批判をしているコメントも複数見受けられます。ドングリ置きなどに対して批判的な私でも、そういう姿勢は批判します。なぜなら、形としては「良く確認もしないまま・検証もしないまま行う」という点で、両者同じだと考えるからです。

 もう1つ目立つのは、単なる特定個人や団体への人格などに触れる誹謗中傷。そう発したくなる気持ちもわからないではないですが、実際に発するのは論外です。
 ところが、そういうパターンのものも少なくないのです。

 何かを批判する際に、単に感情的で激しい文言を並べたり、あるいはわずかな確認さえしなかったり、論拠を示さずに行ってしまうと、その対象者やそこに近い人をかたくなにしてしまいます。何より、第三者の方がそんな批判に接したとき、ある程度論拠を明示した批判までもが同一視され最初から聞き入れられなくなってしまう恐れが出てしまうことや、「こんな稚拙な批判をするような人が悪く言う行為(組織・人)ならば、逆に良いものに違いない」などと先入観を持たせ、「あちら側」に追いやりかねないことです。
 つまり、批判的な立場にある私から見ても、正直、非常に迷惑と思う種類の批判です。まあ、私もそんな程度の低いレベルだろ、と思われる方もいらっしゃるでしょうが。

 それはさておき。

 前回、あまりにテレビ朝日が無様で、その後は日本熊森協会の会長さんのコメントに疑問を感じたものですから、今回の「ヘリコプターでのドングリ置き」そのものについて触れていませんでした。

 私は今回、まず「なぜ、ヘリ?」と思いました。
 もしも私がヘリコプターを使う計画を考えたとき、パッと思いつくメリットは、今回置いた場所は「原生林」ということ(おかしいな?)ですから、「人が分け入って、植物の芽や根。土壌を傷めたりしないようにしよう」という点と、「人手がかからず、金さえ出せば楽に・手っ取り早くできるし、マスコミ受けもするから」ということくらいしか考えつきませんが、協会さんはどんなお考えだったんでしょう?

 デメリットとして思いつくのはたくさんあります。

 まず、「お金」です。
 11月26日の読売新聞に掲載されていたこの「事件」の記事の写真を見ると、ヘリコプターに白字で「JA6502」と型番が書いてあるのが見えますので、物資輸送ではポピュラーな「アエロスパシアル AS350B エキュレイユ」という機種を使っているようです。
 この機種のチャーター料金目安は、アークEFI航空情報センターさんのHPにある参考飛行料金は、運行時間単位当たり415,380円(税込)ということです。1分当たり6,923円です。
 この費用、日本熊森協会さんの場合は、会員さんからの会費などといった「みんなのお金」からの支出になるんでしょうね。お金に託してくださった会員さんたちの思いを使うほど、きっとこのヘリは今回、重要・不可欠なものだったのでしょう。

 次に「環境負荷」です。
 本田航空(株)さんのHPの、この機種の紹介には、航続時間は3時間で、燃料搭載量が530ℓとあります。
 かなり乱暴な推測ですが、530ℓのジェット燃料(JET A−1)を3時間で消費するということは、1時間当たり176ℓを消費する計算になります。むろん、これは当日の気象条件や飛行形態で大きく変動するわけですので、本当に目安です。
 平成12年9月に環境庁温室効果ガス排出量算定方法検討会が作成した「温室効果ガス排出量算定方法に関する検討結果」の「燃料報告書」の66ページを見ると、ジェット燃料1ℓ当たり、二酸化炭素が2.4kgとされていますので、1つの目安になるでしょう。
 仮に1時間で全ての作業(飛行)を終え、ジェット燃料176ℓを消費したのならば、422kgの二酸化炭素を排出したという推定ができます。(むろん、排出されるのはこのほかにも、森を荒らす酸性雨の原因となる窒素酸化物や、一酸化炭素など、様々なガスが発生すると思いますが、ちょっとその排出量の資料は見つけられませんでした。)
 熊は犬と同等以上に嗅覚に優れていますから、ジェット燃料が燃焼した場所からかなりの広範囲は、さぞかし熊にとって臭かったことでしょう。

 林野庁のHPによれば、人間1人が呼吸で1年間に排出する二酸化炭素量が320kgで、その吸収に80年の杉の木23本が1年かかるとありますので、今回のヘリコプターで排出された二酸化炭素量の推定値422kgは30本が1年かけて吸収する量という計算になります。
 これらを多いと見るか少ないと見るかは価値観ですが、環境を人一倍声高に主張する方々ともあろうものが、こういうご自身が負荷をかけることについては気になさらないのでしょうか?見解はどうなのでしょうか?というのが私の感想です。

 次は「音=騒音」です。ヘリポート近くでは、ヘリコプターの騒音問題というのは身近な住環境問題として存在します。
 この音というのはどのくらいなものか少し探してみたところ、機種は違うかもしれませんが1つの参考となる記述を拝見できました。久留米大学病院さんのHPのドクターヘリに関する記述で、そこにはこうあります。
ドクターヘリの特徴  

【前略】

 また、ヘリの離着陸の際には騒音や強風が伴います。騒音では90デシベル以上の音が発生し、これは救急車のサイレンを近くで聞く程度の音量です。強風はヘリから半径20m以内では風速約20mの強風を伴います、そのためグランドのような場所では砂塵が発生します。

【後略】
(むろん、ドクターヘリの重要性はコンセンサスが得られていますので、ここでは音や風という点だけ参考になさってください。)

 今回のドングリ置きでは置く場所に着陸するわけではないにせよ、ヘリコプターから10〜20mくらい下につり下げたバケットを地面に下ろすわけですから、同程度の影響が置いた周辺にあったことでしょう。
 90デジベルという音は、「大声」とか「犬の鳴き声」という具体例が出されますが、別の見方をすれば、例えば農作物を有害鳥獣から防除するための空砲のような音を出す「爆音機」というものがありますが、香川県爆音機対策ガイドラインでは、
(4) 直近の住居等の敷地境界線において、65デシベルを超えないこと。
とあります。これは環境省の「騒音に係る環境基準」に近い数字であり、65デジベル程度までが人がある程度我慢できる範囲なのでしょう。
 農地の広さや爆音機の設置場所にもよりますが、農地の境付近では65デジベルで農作物を守りなさいと言っているとも言えるわけです。60デジベルですと普通の会話やチャイム、70デジベルで騒々しい街頭や掃除機の音ということですから、65デジベルくらいでも動物を追い払うのに一定の効果は期待できるのでしょう。
 
 なのに、90デジベル以上のヘリコプターの音。
 人間以上に音に特に鋭敏で、熊除け鈴などがあればすぐに気づくという熊にとって、体感的にもどれほどの騒音だったでしょう?

 これらのことは逆に、日本熊森協会さんが率先して主張されそうなトコロだと思いますね。もし環境省が熊の調査か何かでヘリコプターを使ったならば、「かわいそうに、どんなにかクマは驚いて震え上がったことでしょう」などとおっしゃりそうな印象…。

 そして、「風=強風」です。
 久留米大学病院さんの記述によればヘリコプターが起こす風は「風速約20m」とのことです。これは、ビューフォート風力階級では風力階級が8(17.2-20.7m/S)。地表物の状態(陸上)の説明には、「小枝が折れる。風に向かっては歩けない。」という分類になります。「風の強さと吹き方」の分類では、「15以上20m/S未満」の区分でも、「強い風」「高速道路の自動車」「風に向って歩けない。転倒する人もでる。」「小枝が折れる」…という説明がされています。

 協会さんが検証を重ねて熊が食べる場所だと選定した熊の絶好のポイントに、せっかく良かれと思って、会員の会費や寄付金が原資の活動費用を数十万円もかけてヘリコプターを使ってドングリを置いたのに、原生林の木々の小枝は折れるわ、ヘリコプターの騒音で熊はおびえて遠くへ逃げ去るわ、さらに置いたばかりのドングリがヘリコプターの風で飛び散っているわ…という惨状になってやいないかどうか、余計なお世話ですがとても心配です

【追記 2010.12.2】
 既に修正しましたが、元の本文の前半で、Yahoo!ニュースでのコメントを引用し、「そのコメント内容は日本熊森協会さんのHPを少し確認すれば書かない・間違ったものだ」とし、少しの確認もしないままの批判の危うさの例としました。

 しかし昨日、メールでT様より、「そのコメントが投稿された時点では、協会さんのHPにその事情の掲載は無かったと思う」という大変ご丁寧なご指摘をいただきました。
 T様も私もその詳細な時間の事実確認はしきれませんが、T様のお知らせ内容には高い信頼性を感じましたし、前半部の信頼性にもつながりかねないご指摘でしたので、該当部分を削除いたしました。ご了承ください。
 T様、どうもありがとうございました。

柿もぎ

 先日、11月25日のJ−CASTニュースに掲載されたドングリまき(置き)を行っている団体の責任者である日本熊森協会の会長さんのご主張に対して私なりの異論を書いたわけですが、ちょっと補足というか、正体不明の匿名さんからクレームのあったことへの回答からです。

 記事中、会長さんは
 これに対し、熊森協会の森山会長は、こう批判している。

 「動いていないのは環境省であって、うちはどんどんドングリの木などを植えています。中山間地域で、柿や栗などの木を植えていたのは、凶作のときに街中に出てくるのでクマ止め林として必要だったからです。役人は現場を知らないので、柿を落とせなどと、してはならないことを指導しているんですよ」
とおっしゃっていたので、それに対して私は前回
 そもそも環境省のクマ類出没対応マニュアルでは、集落や人家に影響の無いものは残しておくよう指導しています。環境省をひどく批判しているけれども、実はその環境省・役人の提言を読んでいないで言っているという疑義が生じます。
というようなことも指摘していました。

 そうしたところ今日のお昼ごろ、メールの方に「環境省のクマ類出没対応マニュアルには、そんなことはどこにも書いてない。いい加減なのはお前だ」という主旨のクレームをいただきました。クレームというか意味不明な罵倒ですね。

 はぁ…。すみませんねえ。
 Yahoo!のブログは文字数5千字以内という制限があるので、出典元へのリンクも内容の引用も省いたわけですがね、出典のマニュアル名を明記しているんですから、ちょっとGoogleで「クマ類出没対応マニュアル」と検索すればTOPに出るわけで、そしてそれを普通に読めば見つかるので良しとしたんですけれど。
 いちいちリンク先や掲載ページ数まで示して、該当文章の引用までしなければ理解できないんですかね。

 いいですか、環境省が平成19年3月ににまとめた「クマ類出没対応マニュアル」の23ページに、こう書いてありますよ。
カ)放置果実類の除去:クリ、カキなど放置果実類のもぎ取りあるいはトタン巻きなどを行い、クマが利用できないようにしてください。ただし、農地や集落への出没の危険が少ないと考えられる場合は実をそのままにしておくなど、計画的な除去を検討してください。
 きちんと書いてあるでしょう?
 この記載を、先に「そもそも環境省のクマ類出没対応マニュアルでは、集落や人家に影響の無いものは残しておくよう指導しています。」と内容を要約したことが、間違いですかね?これでも私は学生時代、長文要約は得意だったんですが。(のわりには、自分のブログは長文だな、というツッコミは無しです。)
 お願いですから、少しは自分で物事を調べ、客観的な視点で物事を判断し、そして間違いは間違いだと認めるとか、そういう態度ではないと、ずっと進歩が無いままだと思いますよ?余計なお世話ですが、質問や苦情を言うのも資格というものがあると思いますが。

 もし私の要約が落第点というのであれば、このマニュアルを「役人は現場を知らないので、柿を落とせなどと、してはならないことを指導しているんですよ」と要約した日本熊森協会の会長さんが及第点なんですかねえ?
 会長さんは、まさかとは思いますがこのマニュアルの存在やその記載内容を知らなかったか、あるいは知っていてなお無視したのか、それとももっと別のものを指しているのかわかりませんが、少なくとも、記事中では正確とは言えない発言をしているというのはこれでハッキリしたのではないかと私は思いますが。

 コメント1つにこう正確ではないのではないかと思われる発言がある(あるいは、記事としてそういうものが出回っている)わけですから、その他の伝えられる発言については、果たしてどうなんでしょう?と疑問に思うわけです。
 皆さんはいかがお考えでしょうか。

 さて、11月28日の読売新聞にこんな記事が掲載されました。
腹ぺこクマ来ないで!放置の柿「青年団」が収穫

 餌に困ったクマが、柿を目当てに人里に来るのを防ごうと、東京都奥多摩町小河内地域のボランティア団体「森の青年団」(岡部茂幸団長、25人)は27日、同町の峰谷下り地区で、収穫されずに放置されている柿の実を収穫した。

 団員らは、高さ約20メートルの柿の木に登り、先割れの竹ざおを使うなどして、実をもぎ取った。

 同地区には多くの柿の木があるが、過疎や高齢化で放置され、柿の実目当てのクマやサルが出没。今月には、民家近くの柿の木周辺やワサビ田などで、クマの出没が7件確認された。

【後略】
 私はこういう記事を見た第一印象は、熊の出没による、人と熊双方の悲劇を防止するために、よく頑張っていらっしゃるなあ、と敬意を持つのですが、日本熊森協会の会長さんにかかれば、「現場を知らない役人の、してはならない誤った指導」のせいで行っている誤った行為だとなるのでしょうかねえ?

 記事でわかるのは、この地区には多くの柿の木があって、それが放置され、民家近くの柿の木にも熊出没がしているという事実です。
 こういう柿を全て収穫しないということは、民家近くまで熊を誘引してしまい、人への加害と、そして熊も駆除されるという悲劇的な結果を生む原因になります。
 それなのに、「環境省のクマ類出没対応マニュアル」に記載していることさえも否定する=柿もぎはするな、というのは、どういうつもりなのでしょうか?

 とは言っても、そもそも私は環境省のこのマニュアルの、「農地や集落への出没の危険が少ないと考えられる場合は実をそのままにしておく」というのは無条件に賛成できません。
 熊はその性質上、木に登って枝を折り、そして実を食べます。その結果、立木の枝が相当折られてしまい、このことで翌年は実をつける量は前年より減ります。葉が茂らずに栄養がまわらないことや、実をつける枝が無くなるからです。

 そんな事実を、11月19日の富山新聞が紹介しています。
特産カキの木、クマ荒らす 砺波で被害3割に 来年の収穫心配 

 砺波市栴檀山地区で、特産の「ふく福柿」のカキ園がクマに荒らされ、3割近くの木が折られるなどの被害に遭っていることが、18日までに分かった。同市では今年、クマの目撃・痕跡情報が、大量出没年の2006年に比べて7割近くも増えており、今後も被害の拡大が予想されることから、ふく福柿出荷組合は来年の大幅な収量減を懸念している。 

【中略】

 宮木文夫組合長によると、今年はクマの大量出没が予想されたことから、各農家に呼び掛けて早期の収穫に取り組んだ。このため、カキの実の被害はほとんどなかったが、同市井栗谷などで、クマが一部残ったカキの実を食べにきて枝を折る被害が多発した。宮木組合長らが剪定(せんてい)の準備などのためカキ園を回っているが、3割近くの木が被害に遭ったとみられる。

【中略】

 ふく福柿出荷組合によると、これまでもクマによるカキの木の被害はあったが、3割近くが被害に遭うのは初めてで、宮木組合長は「このままでは来年の収穫に大きな影響が出る」と表情を曇らせている。
 人家近くではない柿の実を残した場合、そこで食べ、その結果、翌年は実りが少なくなることが懸念されます。
 しかし、自然界には少ない栄養価の高く味の良い柿の木の味や匂いを学習した熊は、徐々に民家近くの柿まで進出してくると考えられます。

 ですので、人が食べるもの、人の近くにある食べ物を、熊に知られるのは良くないことだと私は思っています。つまり、できる限り、放置された柿は失くすことはやむを得ないと思っています。
 その点では、毎年手間のかかる柿もぎよりは、柿の木そのものを切り倒すという方が手っ取り早いとも思うのですが、11月10日の産経ニュースにはこんな事故も掲載されていましたので、なかなか難しいものがあります。
クマ対策で柿の木伐採中、クマに襲われ男性軽傷
2010.11.10 23:41
  富山県南砺市で10日、柿の実を狙うクマへの対策のため、柿の木を伐採していた会社社長の男性(54)がクマに襲われ、軽傷を負った。

 南砺署員は「周辺にクマのふんがあった。実を狙ってちょうど潜んでいたのではないか」と話している。木には小ぶりの実が多数なっていた。

 同署と市によると、午後3時35分ごろ、同市大島の建設会社敷地内の斜面で、この会社の社長がチェーンソーで柿の木1本を切っていたところ、突然クマが出てきて、右脚にかみついた。社長がチェーンソーを振り回すと、逃げたという。

 南砺市は、クマが好む柿の実を取り払うよう、住民に呼び掛けていた。
 チェーンソーの音はあのとおり、エンジン音や木を切断する音は高いものですが、それでもひるまずに出没しているところに、「音を立てて人の存在を知らせれば、臆病な熊は逃げる」というような、一般的にも言われていたことが、いつも当てはまるわけではないことがわかります。
 言われているように、熊の、自分の獲得した餌場への執着心は極めて高く、そこへの侵入者は実力で排除するということが垣間見えたとも言えます。

 味や匂いを覚えた熊は、民家にまで平気で侵入したりもします。
 11月18日の毎日新聞の記事です。
クマ:就寝中に住居侵入!?和室と台所荒らす 家族3人は無事−−飯豊 /山形

 17日午前6時ごろ、飯豊町上屋地の農業、渡部忠市さん(67)方で、住宅南側和室のガラス窓が割られ、和室の衣服が散乱し、台所の漬物樽がひっくり返され、ナスやキュウリの漬物が食べ散らかされているのを渡部さんが発見した。勝手口の木のドアにツメでひっかいたような跡があり、近くの畑にクマの足跡が残っていたことなどから長井署はクマが室内を荒らしたとみている。渡部さんは、妻と母の3人暮らしだが、別の部屋で寝ていて全員無事だった。

 同署によると、和室の外側には、2階から干し柿がつるされており、クマは柿につられて住宅に入った可能性が高いという。

 渡部さんは「クマが人の家に入るなんて聞いたことがない。家の中にクマがいたと思うと怖い」と話した。

【後略】
 この点、民家近くの柿だけではなく、早めに地域全体での計画的な対処をしていかなければ、思いがけない事故にもつながるということも容易に想像ができるというものでしょう。
 これらの出来事を、「柿もぎは誤ったしてはならない指導」という見解をされる方は、どうお考えで、対処すべきだとおっしゃるのでしょうか?おうかがいしたいものです。

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