|
今日も引き続きマングースのお話しです。 昨日・7月11日の読売新聞に、日本哺乳類学会が鹿児島県に対して要望書を出したという記事が掲載されました。 マングース捕獲3匹目 日本哺乳類学会県に根絶対策要望 県は10日、鹿児島市喜入地区で新たにマングース1匹がわなにかかったと発表した。生け捕りは3匹目。これまで国内では沖縄本島と奄美大島にしか生息していないとされてきたマングースの相次ぐ県本土での捕獲を受け、日本哺乳(ほにゅう)類学会は同日、生態系を守るため、県に根絶対策を要望した。 同学会が提出した要望書では、数年前から同地区で目撃情報が数件寄せられていることを挙げ、「(人為的に)放されたマングースが、繁殖しながら喜入を中心とした南北10キロほどの間に広がってきている可能性がある」と指摘。その上で県に〈1〉根絶を目標に、十分な予算をつけて、早期に捕獲作業を本格化させる〈2〉侵入経路を解明する――などを求めた。奄美哺乳類研究会と鹿児島市の市民団体なども、同様の要望書を県に提出した。 要望に対し、県は実態を把握し、効果的に捕獲するため、近く喜入地区の住民に対する聞き取り調査を始めることを伝えた。 この日、県庁で記者会見した同学会員の山田文雄さんは「目に見える被害が出たときはもう手遅れの段階。九州各地への広がりを防ぐためにも早く手を打った方がいい」と訴えた。 一緒に要望書を提出した舩越公威(きみたけ)・鹿児島国際大教授(哺乳類学)らは、同地区で19〜25年前に捕まえたマングースの剥製(はくせい)を確認しており、「継続的に繁殖しているのは間違いない」との見方を示した。 (2009年7月11日 読売新聞)報道記事ですから内容が抜粋であろうとはいえ、この中では別段、真新しい内容は皆無ですね。既に報道されている事実と、私のようなシロウトでも推測できたものと、一般的な要請だけ。 そんなことよりも、この学会の目的は「日本哺乳類学会」は,哺乳類に関する知識の進歩と普及を図り,会員相互の交流を促すことを目的として活動(会誌の発行,研究発表会や講演会の開催,関連諸学会・諸研究機関との連絡など)しています。」とあります。 私はこういう「親睦会」には興味が無いので、普段どんなことをしている人たちが集まっているのか知らないのですが、感覚として、「鹿児島の一部地域の話とはいえ、長年そう棲息してきたということは間違いないのに、その存在を明確に(偶然とはいえ)撮影したのは『日本野鳥の会の方』というのは、県はもちろんですが、哺乳類に関する学会としてどうなんだろうか?」ということ。 例えて言うなら昔見た時代劇みたいなもので、遠山の金さんが悪代官の屋敷で全員やっつけてから捕り手たちが遠くから「御用だ御用だ」と声をあげながら駆けつけてくるシーンがありましたが、あんな感じ。 こう事態が動いてから後手後手に動いたというだけに過ぎず、その後も「会が何かをする」というのがこの報道記事からは見えないのですが、棲息調査に慣れているであろう経験やネットワークを活かして県にこういうことを協力します、というような申し出は一緒にあったのでしょうか? 実際は違うのだと思う(思いたい)のですが、「単に後からしゃしゃり出てきて言いたいことだけ言っている会」というような先入観を持ってしまいます。 要望にもある「侵入経路の解明」や、これから起きるであろう具体的な諸問題の有無など、そういったことは何も県でなければできないわけではなく、そういう経験や知識をアドバイスしたり、フィールド調査の協力をすればいいじゃないか。要望っていうのは「私はしないけど、ヨロシクね」というものですから、なんとなくお高くとまっていて他人事のような印象なんですよねえ。 だいたい、既に30年前には放たれたことはもはや間違いのない段階。そして20年前、数年前、先日と、捕獲や目撃が相次いでいる。目撃されたり、ワナを仕掛けたらすぐに捕まるほどというのは、ある程度頭数もあるのでしょう。 このことから、常識的に言えば、「定着している」と見ても間違いないわけで、しかし逆に言えば、そうにも関わらず「目に見える被害」が出ていないということを考えれば、私はある意味、その地域に溶け込んで、共存をし始めているという可能性も考えますけれど。 初期に放たれた頭数はおそらくは違えど、奄美大島に放たれた時期と同じ時期を経ているのに、鹿児島のこの地域では今のところ、これといった問題を起こしていないで30年も来たわけです。果たして「根絶」が必要なのでしょうか?いわゆる「特定外来生物被害防止法」に関係なくね。 聴くところによると、奄美大島では1979年に30頭が放たれて、約20年後の2000年には1万頭以上に増えたと言いますけれどね。それほどの繁殖力ならば、初期の頭数が違えど、鹿児島でも相当な数になっていると思うのですが。 記事にあるとおり「目に見えた被害が出てからでは遅い」とありますが、そういう影響の有無を見極めないうちから、「何か出てからでは遅いから、取りあえず皆殺しをしてください」と言わんばかりの要望というのは、私は間違っていると思います。 私は外来種・移入種だから、何が何でも生存を許さないというスタンスではなく、他の生命や人間の安全・経済活動に重大な影響が起こりえるときにだけ、それが許されるものだと思うのです。 だいたい、それらがその地域にある理由というのは、まずほとんどが人間のせいで持ち込まれたものであって、その外来種・移入種と呼ばれる生命は自ら選択して侵入してきたわけではない。人間とその種とで分ければ人間に全面的な責任があるのに、対処方法がその生物の生命でもって清算するというのは、ちょっと違うんではないの?と思いますね。 で、あるから、「根絶」という以上は、その必要性を慎重に見極める必要があると思います。「ブラックバス」が影響の多い魚とは言え、その他の生きものがもともといなく他に流れていかないようなため池にいる分には、私は無理に駆除をする必要は無いと思っています。このマングースも、30年で既に共存していれば、そう無理に駆除する必要は無いのでは。 先日も書いたように、私はこういう動物を何が何でも保護すべきという考えではないのですが、同時に、何が何でも根絶すべきとも思っていません。 日本哺乳類学会という任意団体が、外来種・移入種に対してどういうスタンスなのかわかりませんが、生命よりも独自の生態系だけを重んじるのでなければ、要望するくらいならば、まずその前に、一緒に現状調査をしましょうと県に申し入れ、その結果として、マングースの存在が生態系やその他の生命、人間の社会活動に与える影響の現状と将来を分析してから、「根絶」について考えるべきだと思うのですが。 「もともとそこにいなかったはずの外来種は、在来種に悪影響を与えるに決まっているから、影響があるかどうか断定できないけれど、それが出てからじゃ遅いから、30年は棲息していたんだろうけれど、取りあえず皆殺ししてください。」
・・・という「要望」をしているわけでしょ? 会の目的には哺乳類を保護し愛するとは書かれていませんので、そのことには矛盾していませんが、「哺乳類に関する知識の進歩と普及を図り」という目的には矛盾しているようですが。とても知識ある人間の態度とは思えませんがねえ。 |
【有害鳥獣駆除・ハンター】
[ リスト | 詳細 ]
私は動物や命というものを大切に思っていますが、同時に、人間の気持ちや生活というのも大切に思っています。
人間と動物というのは時に対立・摩擦が生じるものです。
ここでは、安易に動物を保護しハンターや行政を批判したりはしません。
農作物と動物が、どうすればうまく折り合っていけるかということを、考えることができればと思います。
農作物と動物が、どうすればうまく折り合っていけるかということを、考えることができればと思います。
|
7月10日の南日本新聞の記事です。 「30年前にマングース捕獲」 喜入住民はく製保管 (2009 07/10 06:30) 鹿児島市喜入地区でマングースの生息が確認された問題で、約30年前に地区内で捕獲されたとされるマングースのはく製を地元住民が保管していることが9日分かった。捕獲は奄美大島にハブ対策で移入されたのとほぼ同じ時期。奄美では個体数が急増しており、専門家は「相当数が喜入だけでなく、広範囲に定着している可能性が高い」と指摘している。 捕獲した喜入瀬々串町の商業、浜崎清人さん(62)によると、マングースは1979年冬、当時の鹿児島市と喜入町の境に近い、自宅周辺の畑に仕掛けたタヌキ駆除用のわなにかかっていた。同年にわなを仕掛けるのに必要な免許を取ったという。はく製にして保管し、83年以降は譲り渡した地区内の知人が保管している。 はく製にしたマングースは体長約40センチ。舩越公威鹿児島国際大学教授(ほ乳類学)が8日に現物を確認し、耳の形状や先細りの尾などの特徴からマングースと断定した。 奄美大島では79年、ハブ対策でマングース約30匹が放たれ、2000年には1万匹を超えたとされる。国の特別天然記念物のアマミノクロウサギなど固有種が捕食に遭う被害が相次いでいる。実際に捕獲された方はまだお若く、また剥製にしていた以上はそのときの状況をよく覚えていらっしゃると思われ、さらにこの方がウソをついてもそれほど得することは無いことから、これは間違いない事実と推定できます。 30年前からつい先日捕獲されるまで、脈々とその棲息が続いていたのであれば、もうこれは、発見が遅れただけで、鹿児島のこの地域にもマングースは棲息すると断定せざるを得ません。 しかし、「30年前」と「つい先日」、たまたまそれぞれの時期に別々に放たれたのであれば、これはまだ少数しかいないかもしれないという一縷の望みがあるかと思っていたところ…地元・鹿児島テレビ放送の7月9日付の報道によれば、この南日本新聞の記事のものとは別に、「20年前」に捕獲された剥製もあることがわかりました。 捕獲した年代も、年齢も、剥製の様子もまるで違うので、別物です。 約20年前のマングース、県も調査へ 8日スーパーニュースでお伝えしましたおよそ20年前に当時の喜入町で捕獲されたマングースの剥製ですが、県も調査に乗り出すことになりました。 これは1990年ごろ現在の鹿児島市喜入中名町で捕獲された動物のはく製で、平川動物公園への取材でマングースだと確認されています。 このマングースのはく製について県では、まずは、捕獲した65歳の男性から聞き取り調査を行うなど情報収集にあたり、マングース生息の実態解明につなげていくということです。 一方、マングースが本土で発見されたことで、九州全体に拡大するおそれがあるとして、日本哺(ほ)乳類学会では知事や国の関係機関に対し、早期根絶の要望書を提出することにしているということです。 これは、大変なことです。30年前、20年前、数年前、今回と、ずっといるということがほぼ間違いないのですから…。 マングースの遺伝子調査や剥製からそういう情報が得られるかわからないのですが、剥製のものと、先日捕獲された2頭それぞれが親子などの関係があるか否かなどまで確認をしていただきたいところです。 先日の記事では、この立て続けに捕獲されたマングースの由来をいろいろ考えてみましたが、もし30年前からずっと定着してきたものだとすれば、やはり奄美大島などに導入されたとき、何らかの形でこの鹿児島の地域などにも放たれたと考えるのが自然でしょう。 まだまだマングースがめずらしく、どんな性質か?影響があるか?などわからない時期だったことでしょうから、関係者や、そのマングース導入話を聞いた人が、興味本位か増殖させてひと儲けしようとして、雌雄つがいを入手してそれが逃げたか逃がしたか、そんなところかもしれません。 さて一方で。 「おたまじゃくしの大量落下事件」というのが最近、紙面をにぎわしました。1か所にオタマジャクシや小魚などが大量に落ちているという事件です。1つの説として、「サギなどが食べたものの飛行中にはきだしたのではないか?」とされますが、初夏ごろに第一報があってからは全国から報告が寄せられるということが続きました。 事件そのものではなく、このような報道後の反応の理由はいつもそうですが、「大きく報道されたことで、普段何気なく思っていたものに記者らも人々も反応するようになる」ことがあります。別に理由はわからないまでも気にも留めなかったことに目を向けるようになったり、それを報道機関などに通報するようになったり。そして、そういう理由でさらに報道が増えると、今度は自作自演のねつ造で目立とうという輩も出たりします。 このマングースの問題においても、先日の報道では30年前から剥製にされていて、数年前から目撃情報があったようですが、今回、現地でご活躍中の方のブログに写真が掲載されたことで、初めて行政もこのように動き出したわけですし、報道もされるようになったわけです。 このことから反省すべき・注意すべきは、そういう目撃情報を得られやすい環境を行政は整え、何かあれば通報をお願いしてそれがあればすぐに確認に動くという態勢づくりですね。 少数の行政や生物関係の研究機関の人々の調査では情報収集に限度があるので、趣味で山野草を見ている人や、野鳥を観察している方、私のように動物なども追っているような人間などを登録ボランティアにして、何か興味深いことがあればなんでも知らせて欲しいというような形だと、費用もかからずに情報を得られるでしょう。 こういったことは、経験上、意外にも日常で観察している人、生活している人にとっては報告すべき価値のものかわからない何気ないものが重大なことということがしばしばあります。また一方で、中途半端な知識や見識を持ち自信がある人にとっては最初から重大な発見を見ようとしないということも経験上知っていますので、そういったことに注意する必要があります。 それと、そういう反応が広がったときのねつ造というのもありえるという想定をも持ち、情報を整理整頓することですね。 このマングース問題は、よくよく調査研究と対策をしていただくとしても、全国の自治体などでそういう移入種があった場合の早期の把握と対応ができる態勢づくりをお願いしたいものですし、私たちのような自然を観察するものも、何かあれば積極的にお知らせするということが重要と、今回の発端が「ブログ」ということもあり、つくづく感じました。
|
|
以前、本来棲息していない鹿児島でマングースが撮影され、その後捕獲のためにワナを仕掛けたという新聞記事を紹介いたしました。 その結果、驚くべき、そして大変なことになりました。 7月7日の読売新聞の記事です。 マングース、鹿児島本土に上陸…持ち込みか 7月7日10時31分配信 読売新聞 鹿児島県は6日、国内では沖縄本島と奄美大島にしか生息していないとされてきたマングース2匹が鹿児島市南部の喜入地区でわなにかかったと発表した。 本土で生け捕りにされたのは初めて。県は生態系に影響を及ぼしていないかなどを調べるため、安楽死させ、解剖する。 同地区では数年前から目撃情報が相次いでおり、県は環境省などの意見を踏まえ、6月22日に「県本土で生息しているとの結論に至った」と発表していた。 1匹目は5日、同地区の農家がカラスよけのために畑に仕掛けたわなにかかっているのが見つかった。2匹目は6日、この現場から約2キロ離れた場所で県が仕掛けたわなにかかっていた。いずれも体長25〜30センチで種類は特定されていない。 県自然保護課は人為的に持ち込まれた可能性が高いとみており、「小型肉食獣のマングースは繁殖力が強く、イタチやテンなど在来の肉食動物への影響が心配」と話している。 奄美大島などに生息しているマングースは、特定外来生物「ジャワマングース」。原産地は西アジア、インドで、ハブの駆除のため、1910年代に沖縄に、70年代に奄美に人為的に持ち込まれた。 奄美では特別天然記念物「アマミノクロウサギ」を捕食するなどの報告があり、国は外来生物法に基づき、飼育、販売、譲渡などを禁止している。この記事のポイントは、「同地区では数年前から目撃情報が相次いでおり」というところと、「1匹目は5日、同地区の農家がカラスよけのために畑に仕掛けたわなにかかっているのが見つかった。2匹目は6日、この現場から約2キロ離れた場所で県が仕掛けたわなにかかっていた。」というところです。 先の記事では、数年前から目撃情報があったとは書いていなかったですね。 ここで問題なのは、「単に今回、撮影されたので、『そういえば、前に俺も見た』などと、真偽不明な証言が後から出てきた」のか、「数年前からそういう目撃情報を行政に寄せており把握していたのに、今回撮影されたものが公表されるまで、なんら行政は対応してこなかった」のかというところですね。 前者ならまだしも、もし後者であれば、これは行政の怠慢はもとより、少なくとも数年もあれば雌雄のペアであれば何頭もの子供を生んで「繁殖している」可能性が高いということです。 その土地にあって雌雄が存在し、順調に繁殖して生きているということは、「棲息している」と言えることです。 もう1つ。 県がマングースを捕獲しようと設置したワナにかかったのはある意味当然としても、カラスを捕獲しようとしてマングースがかかったという農家の方のワナが気になります。 これまで、この地域ではそういうカラス用などのワナを仕掛けたことがあったのか?無かったのか?ということでも違いますが、別にマングースを捕獲しようと思わなくとも捕獲された。しかもそれぞれが2kmも離れているという事実から、これは単純な推測でもこの2頭だけが全てとは到底考えられないわけです。 記事ではそれぞれの性別には触れられていませんが、複数頭が捕獲されたということは、仮に同性の2頭であったとしても、それがこの数年来目撃されているという全てとも思えず他にもいそうであることを考慮すれば当然、雌雄がそろって繁殖していると考えた方が自然です。 しかし、このマングースは、どういった経緯で鹿児島の地に根づいてしまったのでしょう? 私は、故意の人為的なものではないか?と思います。それは、「たまたま船に乗り込んで…」「海を泳いで渡って…」と考えるには、同一地域で繁殖できる雌雄が揃って運ばれてきた…というのは出来過ぎています。まず、沖縄や奄美大島などから鹿児島まで自力でたどり着くというのは考えられません。 すると、どういう人間が持ち込んだか? 「飼っていたペットを捨てた」というのはしばしば聴くことであり、いかにもありそうですが、マングースをペットで飼うというのは?考えづらい印象です。少なくとも、マングースという生きものには縁遠い私のような東北の人間には、それを飼うという発想すらなかなか浮かびません。 しかし、逆に、人為的な場合は、「なぜ鹿児島なのか?」ということを考えれば、やはりマングースに少しは身近な地域ではある、ということはあるのかもしれません。 今もう繁殖しているとすれば、雌雄のつがいが逃がされたということで、複数人が同じ場所に捨てるということもこれまた考えづらいので、同一人物が雌雄を逃がしたと考えるのが自然です。しかし、やはりペットで雌雄を揃えて飼うというのは、私の感覚ではやはり考えにくいんですよね。根拠は無いのですが、シロウトでも「増えてしまう=増えたら困る」と思いそうなところですので。まして、単純に1組のマングースを野に放った場合、どのくらいの繁殖力かわかりませんが、1組でそれほど多く繁殖できるものなのかどうか。少なくとも数組を一度に放さない限りは、あまり順調な繁殖とは行かないと思うのですね。 もし、そうであれば、ペットショップとかブリーダー、もしペットとして飼っていたならば相当なマニアのような、一定数を商売やマニアックな趣味で飼っていたところが経営難とか生活苦で無責任に逃がした…と考えるのが、最もありそうな気がします。おそらくは無許可なので表に出せないものだったのでは。沖縄などで駆除したものを預かる施設から逃げた…とか? …などといろいろと根拠のない推測をしてしまいますが、人為的なのかなんなのか、少なくともこの2頭のマングースが殺されて解剖されるというのは間違いない事実です。 もし、何かしらの影響が懸念されることになれば、本格的な「駆除」が始まることでしょう。またしても「命」が、失われてしまうことになります。 今回のマングースが、果たして人為的に放たれたものなのか?泳いで渡るなど何らかの方法で来たのか?わかりません。
しかし、故意に人為的に運ばれたものでなかったとしても、沖縄や奄美大島に持ち込まれたものは明らかな故意・人為的なものですから、いずれにしても「人間が原因」ということには何ら変わりありません。 浅はかな思いつきで、何かしらの生きものを野に放つという行為は、その他の生物の命を脅かすとともに、その種類の生物の命まで大量に失わせることになりかねないのです。だからこそ、ブラックバスの密放流にしても、ペットを捨てることにしても、マングースのように何らかの目的があったのだとしても、たくさんの命を軽視しているという点で、強く非難されるべき愚行なのです。 |
|
以前、マングースの話題を少し書きましたが、奄美大島や沖縄のハブ退治という浅はかな考えて人為的に持ち込まれて繁殖し、今や在来生物や農業被害をもたらす存在として問題視されているという、愚かな人間の引き起こした馬鹿な行動の象徴的な話なのですが、これが今まで確認されていなかった鹿児島でも目撃・撮影されるという記事がありました。 6月23日付の南日本新聞の記事です。 マングース喜入で生息 鹿児島県確認、対応協議へ (2009 06/23 06:30) 鹿児島県は22日、鹿児島市喜入地区でマングースの生息を確認した、と発表した。外来生物法で飼育や運搬を禁じる特定外来生物で、国内では奄美大島と沖縄本島にのみ定着しており、2地域以外での生息確認は初。県は生態系への影響を懸念、週内にも環境省や鹿児島市、有識者と協議し、実態把握に乗り出す。 県自然保護課は侵入経路について、違法飼育のペットが逃げたか、貨物などに紛れ込んできたかのいずれかと推測している。生息数は不明。これまでに同地区で、家畜や農作物への被害は確認されていない。 同課によると、同市喜入前之浜町付近の畑で4月10日、同市喜入町の日本野鳥の会メンバー中島俊郎さん(60)が撮影した。同日前後にも周辺で2回目撃している。ブログ(日記風サイト)で写真を「イタチ」と紹介しているのを見た専門家から県が連絡を受け、マングースと断定した。これは、実に驚くべき、そして早急に対処をしなければならない問題です。 日本野鳥の会の方が、虚言などでこの写真を公表する必要は無く、まして当初はそうと気づかずにひっそりとブログで公表なされていたことから、これは写真の真贋は議論しなくとも良いと思います。 まだどういう経路・原因で、どのくらいの数が生息しているのかは不明なのですが、もし、これが雌雄のつがいがあった場合は、今後増殖する可能性があります。 家畜などへの被害が確認されていないとありますが、被害を受けた方がイタチや野犬によるものと勘違いしてそれほど重要視していないだけかもしれませんし、全く逆にこの1頭しかいないために被害が発生しないほど影響が少ないという楽観的な推測も成り立ちます。 目撃情報がこれ以外無いというのも、数が少ない・この1頭だけだからとも思えますが、逆に多くあってもそれがまさかマングースとは思わないから誰も問題視していないから、とも言えます。 ここは、正確な生息数をまずは本格的に調査して、その実態を解明するのは急務でしょう。さしあたり、「なぜ、その場所にいたのか?」が手始めでしょうか。 それにしても、ブログというのもすばらしいものです。
イタチだろうと思いつつも記事をアップされたご本人。それを見て、それがマングースではないかと気づく知識があると同時にそれがいかに重大なことかをご存じで、適切な連絡をされた専門家の方。その連携でこの気づかれなかったかもしれない問題を掘り起こしたという点が、この驚くべき・恐るべき問題の中に見出せる希望というような気がしてなりません。 |
|
私が観察フィールドにしている仙台市の山・泉ヶ岳には幸い、現時点ではアライグマは生息していないようです。フィールドサインを探しても、自動撮影カメラを広範囲に設置しても記録されたことがありません。アライグマが生き抜くには得られやすい食糧が少ないある意味過酷な環境だからではないかと期待しています。 (私が何年にもわたってこの山に通い、自動撮影や動物観察などをしている理由は、定期的に通うことで、それまであった植物や動物がいなくなってはしまいか?逆に今までいなかった植物や動物が見られるようになっていないか?ということを追うためでもあります。) アライグマといえば、私よりも上の世代の方が思い出すのは、昔(1977年)フジテレビ系列で放送していた「あらいぐま ラスカル」ではないでしょうか?物語の詳細を覚えている人は少ないと思いますが、ラスカルと主人公の絆と、ラスカルの愛らしさだけは覚えていらっしゃるという方は多いのでは? 実際、あのアニメを見て、物語のメッセージ性も何も考えない人が多かったようで、放映時期を境にアライグマの輸入が急増して、ペットとして飼う人が増えたようです。 しかし、幼獣のときにはまだおとなしいアライグマですが、成長するとともに前足の爪や口の牙も鋭く長くなり、気性も荒々しさ増してきます。幼獣のときから育てていても、人間に懐くような性質ではないのです。 そもそも、この「ラスカル(rascal)」というこの名前も「悪党」「いたずらっ子」という意味です。 何も考えずにアニメの中の「いたずらっ子」の可愛らしさの印象だけで安易に飼いたいと思う馬鹿がここでも多くいたことで、本来日本にいないこの生物が大量に国内に持ち込まれ、そして当然、持て余す結果になり、安易に飼いたいと思い飼う馬鹿はやはり安易に処分するもので、野山に捨てたりするということが急増していったのです。 いつの時代でも、考えの浅はかな馬鹿というものはいるものです。 そして起きた問題は、近年言葉として耳にするようになった「外来種問題」。 この外来種は繁殖力があり食欲も旺盛で、アライグマを好んで襲うような肉食獣(天敵)がいない日本においては急激にその数を増やしていったのです。 それが人間や在来種と共存できるのでしたら問題は少ないのですが、先に書いたとおりに気性が極めて荒く、雑食性で食欲も旺盛なため、農作物被害はもちろん、在来種生物の生息をも脅かす存在になったのです。 6月20日の読売新聞の記事は、アライグマの旺盛な食欲と深刻な農業被害の一端を感じさせられます。 特産スイカ、アライグマが食害…2週間で160個の農家も 6月20日14時54分配信 読売新聞 北海道共和町で、出荷シーズンを迎えた地元特産の「らいでんスイカ」が、アライグマに狙われている。 6月上旬からおよそ2週間で、160個以上が被害にあった農家もある。アライグマによる食害は、これまでもあったが、これほどの規模は今年が初めてで、地元のJAでは被害把握と、町などとの対策協議を始めた。「スイカの味を知り、集中的に狙われているのでは」と農家は話している。 らいでんスイカは、サクサクとした食感が特徴で、北海道の人気ブランド。同町では75軒の農家が生産し、地元の特産品になっている。 160個以上が被害を受けた、らいでんスイカ生産組合の神坂純一組合長(61)のハウスでは、スイカに丸い穴を開けて、中身をかきだして食べるアライグマ特有の“手口”による残骸(ざんがい)がゴロゴロ。被害額は30万円以上に上る。ほかにも、数軒で被害が確認されている。こういった被害は全国で起きており、農作物被害など野生動物の被害にあってはアライグマはほとんどの自治体において上位にあげられるものです。特に北海道においては近年急速にその勢力の拡大と被害が広まっており、伝染病を媒介したり、北海道の豊かな自然で暮らしてきた多くの在来の野生動物が被害に遭い生息域を減らしているなど、問題は深刻です。 外来種問題のうち、ブラックバス問題やこのアライグマ問題などは特に人間の身勝手で考えのない行動によって起こされた人災であり、ブラックバスの密放流やアライグマを野山に逃がした人間は、途方もない大きな罪を犯したということを肝に銘じるべきであり、もしも身の回りでそんな連中がいたならば、ぜひとも糾弾してもらいたいところです。少なくとも私は、ブラックバスを釣って遊んでいる人間の多くを軽蔑しています。 この「あらいぐま ラスカル」の話は実にいいお話しです。 しばしばこのアライグマ問題を語る上で、このアニメが問題にされます。確かに、過剰に野生動物を擬人化し、必要以上に愛らしく描いているという点で、誤った印象を視聴者、特に子どもたちに与えたという点では問題かもしれません。しかし、しょせんは娯楽アニメ・テレビの話です。また、最後には「森に返す」として、主人公がラスカを森に連れて行き逃がすという行動を問題視する人もいます。 しかし、安易に飼いたいと思った人も、安易にこのアニメを批判する人も、この物語で、「ラスカル」が成長とともに周囲とトラブルを起こしていくという場面をしっかりと見て覚えていれば、はたしてこのアニメがそれほどまでに糾弾されるべきものかどうか、むしろ糾弾されるべきは、そうアニメの中でも描かれていたこの問題を考えなかった人間の方であるということがわかります。普通の知性と感性を持っていれば、「野生動物を素人が飼うには、愛情だけでは補えない問題が多くある」ことを理解するものでしょう。 また、もともとそこにいた生物をまた森に返すのと、もともといなかった生物を野に放つのとでは、まるで行動の結果が違うことであり、それを混同しています。 要するに、安易にアライグマを飼って、そして野に逃がした人物だけが問題であって、アニメはそのキッカケに過ぎません。もしも、アニメの前後にアライグマに関する注意表示を出したとしても、そういう馬鹿は全く気にしないところでしょう。 大部分の視聴者は、あの物語を正しく理解したり、また、印象だけで安易に飼おうとは思わないものですが、一部のそういう愚かな人物がいたために、何か問題が起きたときにはそのアニメが問題視されてしまうと、製作者側が委縮してしまい、今後そういう良質なアニメなどが楽しめなくなるのも、また外来種問題(「安易な行動」という意味で)の枝葉末節の1つの被害ともいえるかもしれません。 ブラックバスやアライグマの駆除について話題になりますが、もう1つは、そういうどうしようもない愚か者を駆除…とは言えませんが、教育や規制・罰則などをしていくことを並行してやっていかなければ、今後どんな問題を引き起こすかわかりません。 特に、環境の変化なのか気温が高めになってきている昨今、以前は繁殖・生息できなかった熱帯の生物が日本に定着しやすくなっているのですから。 今、問題にされているのは、子供たちの間で人気の、外国産のカブトムシやクワガタが心配されています。実際に、在来種と交配しているのも確認されています。これが今後、在来種の壊滅のほかにもどういう影響が生じていくのか全く予想もできません。 この点に関しても、アライグマと同様、安易に輸入してくる金儲け本位で考えのないペット業者も問題ですし、規制をしていない後手後手の行政・立法も問題です。 そして、以前にも書いたように、安易に海外の昆虫を持ち込んで戦わせるという愚かしいDVDや、昆虫同士を戦わせるようなアニメーションなども多かれ少なかれブームを後押ししている影響があると思いますが、これらは全く何も考えないエンターテイメント性だけを求めているだけのものであり、「あらいぐまラスカル」とは違うわけで、批判されてもやむを得ないところでしょう。 いずれにしても、
です。 |




