日々是雑感

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【佐渡トキ保護センターの大失態】

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2010年の3月に、職務怠慢なのか資質不足なのかその両方なのか、信じられない原因でトキを大量に死に至らせた、その保護の名を外すべき「佐渡トキ保護センター」の大失態を批判しています。
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第3回検証委員会会合

 4月20日の毎日新聞の、トキを死に追いやった事件の第3回検証委員会の会合について、報じられていました。
トキ:9羽襲撃死 天敵対策指示せず ケージ建設時、環境省と県 /新潟
 ◇検証委が報告素案
 佐渡市の佐渡トキ保護センター野生復帰ステーションの順化ケージでトキ9羽がテンに襲われ死んだ事故で、環境省の検証委員会(委員長・斉木悦男弁護士)の第3回会合が新潟市であった。この日は、事故原因などをまとめた報告書素案が示され、その中で、順化ケージを建設する際、環境省と県が業者にテンなどの天敵侵入防止対策について具体的な指示をしていなかったことが明らかになった。【畠山哲郎】

 この日提示された報告書素案には、これまでの検証結果をもとに、ケージの建設段階と、管理や飼育上の問題点が列挙された。

 このうち建設段階の問題点について「必要だった対応」として、環境省と県が、ケージの設計業者に天敵侵入防止策を検討するよう指示することや、施工業者にすき間をふさぐ措置を行うよう指示することなどが記された。業者側も専門家に具体的に意見を聞くべきだったとした。

 管理・飼育上の問題点については、ケージの定期検査や、夜間に異常があった場合でも対応できる体制が必要だったと指摘。テンやイタチの侵入が発覚した際の全ケージの点検実施や、環境省と県とで指揮命令系統などをより明確にすべきだったことも記した。

 また、この日は、センターの戸貝純夫所長が、トキが襲われた当時、近くにあったテンのふんを分析するため、新潟大に依頼したことを報告した。付着した腸粘膜を調べれば、14日に順化ケージ内で捕獲されたテンと一致するか判別できる可能性があるという。

==============
 ◆報告書素案で示された主な問題点

 <ケージの整備について>
・設計業者は構造設計書の作成にあたり、天敵対策について専門家から意見を聞かなかった
・施工業者などと県との間で、ふさぐべきすき間の大きさや確認方法について具体的に決めていなかった
・竣工時に天敵防止の観点からの専門家の確認が行われなかった

 <ケージの管理・飼育について>
・ケージの変形やすき間などに関する定期的な検査が行われていなかった
・野生復帰ステーションは夜間は無人となり、緊急時に迅速な対応ができない体制だった
・過去のイタチやテンの侵入発覚の際、全ケージの再点検などの安全対策が徹底されなかった
・環境省と県の組織の指揮命令系統、役割、責任の所在が不明確だった
 人間、失敗はするものです。そして、失敗を反省し検証し、深く学ぶことで、次にその失敗をしないようにするのが大切です。
 しかし、こう列挙された「主な問題点」を見ると、それにも限度があるだろうというほど、呆れる問題点ばかりです。
 自動車事故を起こした原因で、「ブレーキ操作を誤った」「標識を見落とした」「居眠りをした」…という、様々なものがあります。それらはそれらで許されないことであっても、理解できなくはないものもあります。
 ところが今回のこの事故の場合は、自動車事故で言えば「携帯電話でメールをしながら運転した」とか、「そもそもが免許を持っていなかった」「車の車検・整備をしたことが無かったための故障」というくらい理解できない原因で、今さら、そこから言うの?というほど、くだらない原因です。

 つまり、命を扱うという資格の全く無い人々が、どういう目的でなのか知りませんが中国産トキを佐渡島で繁殖させ放鳥させようとした結果起きた事故(命が失われた)というわけです。

 もう1つ。
 人間は、何か発生したときの「原因」は考えるものですが、「原因の原因」とか、そのまたさらに原因を考えると言うことはしないという場合があります。
 自動車事故の例で言えば、衝突した原因が「ブレーキ操作を誤った」結果だとしても、「では、なぜ誤ったのか?」ということも考えることで、より事故が防げるわけです。
 例えば、「朝、家族と口げんかをして心理的にイライラしていた」とか、「買ったばかりの靴で、運転に慣れていなかった」などが「原因の原因」ですね。これを知ることで、「靴を買ったばかりのときは、注意しよう」というような、より高い(ましな)防止策になっていくわけです。
 ところが、この検証委員会の報告書素案を見る限り、どうも呆れる「原因」には触れられていても、「原因の原因」はどこまで触れられているのか、少なくとも記事からでは皆無なように思います。「なぜ専門家に意見を聞かなかったのか?」とか、「役割分担が不明確だった理由は?」ということまで考えなければならないでしょう。
 しかしあいにく、この場合は単に「関係者に、その任に耐えられる・応えられる資質が無かった」というひと言で終わってしまいそうなんですよね。あまりにもしょうもないミスなのですから、それしか言いようが無い。従って、原因の原因の、さらに原因は、「なぜ、そんな連中を任命して配置したのか?」が行きつくところでしょう。

 こういう重大なミスで、名も無い一個人を責めるというのはしたくはないのですが、そこにも踏み込まない限りは、次なる事故をより防ぐというための検証にはならないでしょう。
 ひと言、ハッキリと、「命を扱うには稚拙過ぎる関係者がトキ放鳥に関わっていた。それはなぜか?」ということも加えて欲しいものです。そうでなければ、またどこかで同じような失敗を繰り返すことでしょう。

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 一昨日、7日にケージ内に侵入したテンの映像が公開され、今日はテンが捕獲されたということです。

 4月13日の毎日新聞の記事です。
<トキ襲撃>犯人?…順化ケージ侵入のテン、映像公開 佐渡

【中略】
環境省は13日、事故後ケージに侵入したテンの映像を公開した。このテンがトキを襲った可能性があるという。

 映像は、環境省が新潟市で開いた事故の検証委員会で公開された。同省によると、撮影されたのは7日午後6時ごろの14分間。テンが順化ケージの高さ約5メートルの位置にある網目と鉄骨のすき間(高さ約4センチ、幅約20センチ)から侵入し、天井のはりをつたって地面に下りた後、別のすき間(高さ約4.5センチ、幅約23センチ)から外へ出る様子が映っている。

 委員の小宮輝之・上野動物園園長は「(テンはすき間のある)位置を知っていて入ったように見え、既に(順化ケージを)縄張りとしていると思う。あのテンを捕まえ、他のテンが現れなければ、あのテンが(トキを襲った)犯人だろう」と話した。【畠山哲郎】
 ここまで理解不能ですと、もしかしたら私の方が間違っているのではないか?と本当に不安になってきます。何しろあちらは第一線の学者集団。私はたかが無知な趣味人ですから。

 まず私が理解できませんのは、今回トキを大量に死なせてしまった現場となった「隙間だらけの順化ケージ」で、隙間はテンが通り抜けるのには十分な大きさと計測され、さらにトラップによって既にテンの体毛が回収されていることから、施工・維持管理の怠慢でもって生じたそれらの隙間からテンが侵入していることは分かり切ったことなのに、それらの隙間を未だそのまま放ったらかしにして撮影して、それが何になるのか?ということです。
 事故が起きたのは今からもう1ヶ月以上も前。その1ヵ月で進んだ成果というのは、既に分かり切ったことを映像に収めたという、たったこれだけなんですか?私にはその重要さが理解できないのですが。
 それでいて、先月の環境省側のコメントによれば、予定どおり秋に放鳥を目指すとありました。既に1ヶ月も訓練する順化ケージが隙間だらけのままにしていて、秋に放鳥するための訓練は進んでいるんでしょうか?秋まで間に合うのですかね?

 それと、上野動物園の園長たる人が、私にはどんな意味があるのか理解できないコメントをされています。

 まず、いつ捕えられるかわからないテンを捕え、そしてさらにそれから別のテンが捕れるか否かを確かめるというのですから、いつまで順化ケージを放ったらかしにするというのでしょう?

 次に、確かにテンもホームレンジ(なわばり)はもちますが、食料の豊富な場所にはしばしば他の個体が侵入することはあります(そしてその場所をホームレンジにしている個体に追い払われる)し、雌雄の場合は求愛や交尾のためにホームレンジが重なります。順化ケージの位置が2頭のホームレンジの境目に位置しているかもしれません。なぜ、1匹捕えた(もう1匹は捕まえられなかった)からと言って、その個体がトキが死んだときに侵入していたテンと言えるのでしょうか?

 もう1つは、テンを捕え、それが先月順化ケージに入った個体か否かを特定したところで、それに何の意味があるというのでしょうか?捕えたところで、それ幸いと、新たなテンがそのホームレンジを我がものにするだけの話です。
 だいたい、なぜ4月7日に撮影されていた映像を、13日まで公開しなかったのでしょうか?

 4月14日付けの毎日新聞の記事に、第2回の検証委員会が開催された記事が掲載されていました。
トキ:9羽襲撃死 「国と県、連携不十分」 第2回検証委、環境省認める /新潟

 ◇抜本対策取らず
【中略】
環境省の検証委員会の第2回会合が新潟市であった。同省は原因の究明と再発防止策をまとめる報告書の骨子案を提示し、過去に小動物が侵入した際、抜本的な対策を取らなかったことを認め、「改善策の立案とその実施にあたり、国と県の連携が不十分だった」とした。

 骨子案は(1)現状の把握(2)検証結果(3)改善策−−の3項目で構成。これまでに調査した結果や会合で交わされた意見などをもとに、現時点での問題点などを列挙した。検討を重ね、4回目の最終会合で正式にまとめる。

 検証結果のうち、ケージの整備に関する項目では、環境省などが、ケージをつくる際、テンがどれくらいの大きさのすき間があれば侵入するかを明確に把握せず、専門家から意見も聞かなかったことが記された。順化ケージの完成時にも動物の専門家の立ち会いを求めなかったとした。

 同ステーションでは08年1月には順化ケージ内にイタチが、09年2月には繁殖ケージにテンが侵入していたことが判明している。骨子案ではこの点についても「トキに被害がなく、重大事案との認識が低かった」とし、国と県の連携が不十分だったことを認めた。

 この日の会合では、委員の山岸哲・山階鳥類研究所名誉所長が、野生復帰を検討する専門家会合の意見が反映されないケースがあると指摘。トキを巡る方策について意思決定や責任の主体を明確にすべきだとの議論が交わされた。次回は19日に行われる。【畠山哲郎】
 第1回目の検証委員会は4月5日。今回公開されたテンの映像が撮影されたのは7日の夕方。この第2回目の検証委員会が行われたのが13日なんですよね。

 察するに、検証委員会の委員に見せる前にマスコミに公開するのをはばかったという、役人根性が見え隠れします。むろん、映像を委員に見せ、それで見解を決定してからの公表という手順も慎重な方法と評価する見方もできますが、公開された映像を見れば検証委員の意見など聞かずとも、テンがケージ内に侵入しているのは確認できる事実です。
 この期に及んで、自分らの理屈での手順にこだわって時間を浪費するのも厭わないこの人々は、何を考えているのでしょう?

 「国と県の連携が不十分」以前に、現場でイタチなどが侵入した事故に至らなかった事実にきちんと対処していれば、何の問題も無かったわけです。関係者の能力・資質不足か職務怠慢だという事実以外、この事故の原因はありません。
 「建設時に専門家の意見を聞かなかった」というハード的な設計段階のミス以前に、ソフト面でそういう連中に任せたということが「ミスのミス」が原因なのです。
 そして、以前から疑問を呈している「専門家会合」のメンバーでもある山岸委員は、何を言い訳がましいことをおっしゃっているのでしょう?そういうことをも含めて検討していくのが専門家会合であり、それが反映されない・させることができないならば、おそらくは対価もそれなりに出ていたであろう専門家会合のメンバーなどでいる資格は無いと思いますが。まずはどこかを批判する前に、ご自身の能力不足を猛省すべきではないかと思うのですが。

 同じ日の時事通信の記事では、
ケージ侵入の映像公開=トキ襲撃のテンか−環境省

【中略】

委員の専門家は「テンは木登りが得意。余裕を持っている様子があり、映像のテンはケージを縄張りにしているのではないか」と指摘、3月にトキを襲ったテンの可能性があるとの見方を示した。 
 「テンは木登りができる」「ケージは縄張りではないか」などというコメントは、専門家の意見とは思えない無意味な内容ですね。そんなものは、私だって言えます。

 4月15日の朝日新聞の記事です。
トキ襲った張本人? ケージ内のわなにテンかかる

 新潟県佐渡市の佐渡トキ保護センターで野生復帰に向けて訓練中のトキ9羽がテンに襲われて死んだ問題で、環境省は15日、訓練施設「順化ケージ」の中でテン1匹を捕獲したと発表した。同省は、このテンがトキを襲った可能性もあるとみている。 

 同省は、先月10日にトキが襲われたことがわかった後、ケージ内に「とらばさみ」のわなを設置。4月14日午後8時半ごろ、監視モニターでケージ内の様子をみていた職員が動物の激しい鳴き声に気づいて確認したところ、体長約60センチの雄のテン1匹がとらばさみに挟まれた状態で、動き回っていたという。 

 テンにけがはなく、かごに入れられて同センター内で保護されている。動物園などの引き取り先を探すという。 

【中略】

 捕獲されたテンがトキを襲ったかどうかを確定することは難しいが、同省はすき間に張った両面テープに付着していたテンの毛と、捕獲されたテンの毛のDNA型を照合するなどして事故の検証を続ける。 
 結局、7日に映像で侵入を確認できた後になっても、14日までさらにケージの隙間を放っておいて、無意味な捕獲をしようとダラダラしていたのですね。テン1匹捕えるのに1ヶ月以上もかかるとは、どれほど仕事ができないのでしょうか?

 そしてDNA鑑定ですか。予算と労力をかけてまで、なぜその個体が侵入した個体か否かを確かめたいのか、その理由がわかりません。
 もっとも意味がわからないのは、そうして捕えた個体を「動物園などの引き取り先を探す」という方針です。なぜ、ケージの隙間を完全にふさいだ後に元通りに放すという選択肢が無いのでしょう?ケージをふさぐ工事をまず行い、そののち侵入されるような見落としがさらにないか監視やワナを仕掛けるという順番だったならば、わかりますが。

 私はキリスト教信者ではありませんので不適切な暴言かもしれませんが、聖書にある「禁断の知恵の実を食べた罪」でアダムとイブは楽園を追われたと言います。
 しかし、私から言わせれば、「自らが造った人間を愛するという全能なはずの神が、知恵の無いように自らが造った人間が誤って木に近づけないよう万全の柵で囲っておくという配慮をしておけば良かっただけでもある」と思います。
 神はアダムらを非難し罰しましたが、ではご自分のその落ち度はどう責任を取られたかは聖書に書いていなかったような気がします。
 もっとも、神は事前にアダムたちに食べないように注意していたらしいですから食べたことそのものよりもその裏切りが罪なのかもしれませんが、佐渡トキ保護センターの職員はテンにトキを襲わないようにしっかり言い聞かせていたのでしょうか?
 自らが(ウサギ駆除のため)佐渡島に連れてきたテンを今度は隙間だらけというケージという自らの落ち度を反省することなく佐渡島という楽園から追放しようという。全能という神ならばその判断と結論はいかに人間には不可解に思えても全て正しいことなのでしょう。しかし、たかが人間の分際で神にでもなったつもりでしょうか?

 疑問ばかりですが、私なんかよりもはるかに知識も実績もある人々なのでしょうから、単に私が理解できないだけで、すばらしい意味があるのでしょうね、きっと。

【追記2010.4.17】
 今日の読売新聞の記事の「専門家」の見解は、私にはやはり理解できません。
捕獲のテン、DNA鑑定へ…専門家「実態調査を」
【中略】
佐渡島内に生息するテンは推定で1900匹。専門家からは、トキの野生復帰計画を進める中で「テンの実態調査や捕獲を考えるべきだ」との意見が出ている。
【中略】
小佐渡東部鳥獣保護区の管理員を務める近藤敬一さんは「テンは金網に足をかけて駆け登ることができる。テンが入れないような、まったくすき間のないケージを造るのは、非常に難しいだろう」とみる。

 4月から始まった事故の検証委員会でも、対策の難しさを指摘する声が上がっている。委員の1人で、テンの生態に詳しい東京女子大の石井信夫教授は「ケージに近づいてくるテンを捕獲するなどの対策を検討してほしい。佐渡全体の中でもテンをどう扱うか考えるべきだ」と話している。

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「専門家」会議 開催

 先日、信じられない大失態が発覚した佐渡トキ保護センターですが、今さら何の意味があるのか私にはよくわからない、手遅れの感のある検証委員会の第1回目の会合が開催されたということです。

 まずは、4月5日の共同通信の記事から。
佐渡でトキ襲撃検証委員会 「天敵対策が甘すぎる」

 佐渡トキ保護センター(新潟県佐渡市)の順化ケージで放鳥に向けて訓練中のトキ9羽がテンに襲われて死んだ問題で、環境省は5日、原因を調べ再発防止策を考える検証委員会の第1回会合を同市で開いた。委員からは「天敵対策が甘すぎる」などと厳しい声が上がった。

 会合で山階鳥類研究所名誉所長の山岸哲委員は、2008年1月にも順化ケージにイタチが侵入したことを挙げ「管理態勢を工夫すれば1、2羽の被害に抑えられたのではないか。ケージの建設段階でテンの専門家にきちんと意見を聞くべきだった」と指摘した。

 会合に先立ち、委員らは順化ケージを視察。テンの侵入経路やケージのすき間について、職員から説明を受けた。

 検証委員会は今月中に会合をさらに3回開き、27日の第4回会合で報告書をとりまとめる予定。

2010/04/05 19:18   【共同通信】 
 山階鳥類研究所名誉所長の山岸哲委員の指摘ですが、管理態勢を徹底していればテンやイタチの侵入はありえないですし、少なくとも同じ構造のケージへのイタチ侵入が確認された段階で対策をしていれば、野生動物が原因による被害は無かったでしょう。

 しかし、以前も追記で書いたのですが、イタチの侵入は2008年にあり、その事実は直後の「専門家会合」で報告されたが特に問題視されなかったということでした(3月17日の読売新聞の記事より)よね?
 そして、2008年12月に開かれた「第7回トキ野生復帰専門家会合」の議事録を見ると、山岸委員はこの会議に座長として出席していることが確認できたわけですが、山岸委員はイタチが侵入していたということが報告された「専門家会合」に出席していて、その事実を聞いていたのではないのですか?それでも特に問題視していなかった委員の1人だったのではないのですか?
 もしそうだとすれば、今回は今度は同じ人物が「検証委員会メンバー」に急に立場・肩書きを変えて、急にそんなコメントを出せる立場に無いと思うのですが?自己批判・反省のコメントなのでしょうか?

 続いて、4月5日の読売新聞の記事です。
トキ順化ケージのすき間、完成時検査で見過ごす

【中略】

 新潟県がケージの施工経過を報告。ケージ側面のすき間は完成当初からあったが、完成時の検査で見過ごされ、放置されたままになっていた、と説明した。

 県によると、2006年4月に施工業者が提出した計画書には「鉄骨などのすき間は金網などでふさぐ」と明記。だが、業者はケージの天井の網目(4センチ四方)を目安とし、それより大きいすき間を確認したらふさぐという認識で、工事を進めたため、側面の網目(2・5センチ四方)より大きいすき間が多数できたという。

 検証委員長の斉木悦男弁護士は「昨年2月に繁殖ケージにテンが侵入した際に、専門家や地元の意見を聞いても良かった」と指摘した。

 検証委は今月中にあと3回の会合を開き、改善策をまとめる予定。

(2010年4月5日23時04分  読売新聞)
 そんな検査は、「完成時検査」などとは言いません。だいたい、「完成」していないではないですか。それとも、穴だらけの施設が当初の計画どおり・それで完成だったというのですか?
 仕様書はもちろん、鉄骨との接合部分の施工などは、このような工事での検査では当たり前過ぎる基本以前の話。それができていなかったというのは、職務怠慢能力不足のいずれかか、その両方。

 検証委員長のコメントですが、昨年2月の繁殖ケージへのテン侵入以前に、2008年に順化ケージにイタチが侵入していた事実を専門家会合で報告していたという事実の方が重大だと私は思うのですが?
 それで何の問題視もされなかったというのですから、従来開催していた「専門家会合」とやらが、施設運営や天敵からの保護という点では何の役にも立たない会合であったということは断定しても良いことです。
 と、いうよりも、そんなことは「専門家」や「地元」に聴かずとも、普通の感覚を持った人であれば、トキにイタチやテンが襲いかかるリスクは当然すぐに連想して、そのための対策を取ります。それを怠ったのか、そんなことも考えつかなかったという資質が問題というだけの話で、そんな検証委員会などを開くまでのことも無いですよ、本来。
 弁護士さんであれば、誰がどのような責任と、その取り方がふさわしいのかを検証した方が良いのではないでしょうか?私は、資質の無い関係者全員の総入れ替えを提案したいところですが。

 最後に4月5日の毎日新聞の記事です。
トキ 襲撃事故で検証委発足 「天敵対策甘すぎ」初会合で
4月5日21時29分配信 毎日新聞

【中略】

 この日の会合では、同省や新潟県の担当者から、07年に順化ケージが完成した際、テンなど小動物の侵入が可能かどうかを検証する動物の専門家の立ち会いがなかったことなどが報告された。委員からは、今後の対策として「すき間をふさぎ、その後も定期的に検査すべきだ」「モニターを通してではなく、目視でトキの様子を確認できるようにしてはどうか」などの意見が出た。【畠山哲郎】
 「動物の専門家の立ち会い」だのと、この問題になってから、やたらと「専門家」ばかり口にされていますよねえ。
 しかし、これまでの繰り返しになりますが、そんなことは「専門家」で無くとも、ちょっと目端の利く危機管理意識のある施設管理者や、私程度の自然観察を趣味にしている者でも、十分に侵入の恐れを考えつきますが。
 百歩譲って2007年に順化ケージが完成した際に立ち合いが無かったとしても、その直後の2008年の1月にイタチが入って、その後もミミズクやらテンやらが侵入することが確認されていたわけで、その時点でもボケーッとしていたというのは、もはや弁解の余地は無いわけです。
 「専門家」を、何か免罪符のように使うのは止めてもらいたいです。どの分野の専門家が、どのようなことを検証すべきかを明確にし、責任を持たせるべきでしょう。なんでもかんでも「専門家」などというあいまいな表現で、どこにどのような責任を持たせるのかというのをあいまいなままにして、そしてこの検証委員会でも責任の所在があいまいなまま…ということにならなければいいのですがね。

【追記 2010.4.7】
 4月6日の読売新聞にも、同じくこの検証委員会の記事が出ていました。
無防備ケージに批判  トキ襲撃死検証委
【中略】
 5日の会合では、県が工事関係者から聞き取り調査をした結果を報告。業者からは「トキが外に出ないこと、けがをしないことが中心に考えられていた」「天敵対策について専門家の考え方は聞いたが、具体的な対策は聞いていない」などの説明があったという。

 検証委のメンバーで、テンの生態に詳しい東京女子大の石井信夫教授は「動物飼育の専門家が改善点をチェックしてほしい」と提案。建築が専門の長岡造形大の新海俊一准教授は「(斜面で)難しい場所に、大きな施設を造った。積雪などで変形することもあり、全くすき間をなくすことはできない」と指摘した。
【中略】
 国の委託を受けて、県が実務を担ってきたトキの保護増殖事業について、山階鳥類研究所の山岸哲所長は、国と県を夫婦に例え、「お父さん(国)はお金だけ出してほったらかしてきた。放鳥の前年に保護官事務所を作って仕切り出しても、夫婦仲がよくなるはずがない」と批判した。

 また県猟友会の笠井照夫佐渡支部長は「島民は怒っている。これからは専門家会合に多くの島民を入れてほしい」と要望した。
【後略】
 設計思想が「トキがケガをしないこと」というわりには、ちょっとここで、3月16日の朝日新聞の記事の一部を振り返ってみましょう。
同省は設計・建設段階で専門家の助言を受けたというが、ケージではこれまでにトキが天井に頭を打って死ぬ事故なども起きている。
とあります。
 以前は係員に驚いて、そして今回は侵入したテンに驚いて、ケージに激突して死んだらしいと言われていますが、どこにトキがケガをしないような工夫がされていたのか、説明を聞いてみたいものです。
 その場限りの取り繕ったデタラメでしのごうとしているのか、考えたつもりで全くの無意味な工夫だったのか、どちらでしょうか?

 また、山岸委員は「お金だけ出してほったらかし」などと言っていますが、環境省から専門家会合の委員に選ばれて参加していたあなたが言えることなのですか?事故が起こってから「当事者」がそんなことを言っても、責任転嫁にしか感じませんが?
 この検証委員会以前に、トキの繁殖・放鳥に向けた専門家会合のメンバー・座長で、今回の事故が起きる前からそう思っていたというのならば、座長の職責でその問題点にも苦言を呈して国に改善を求めるよう働きかけるのが仕事・役目ではないですか。そういう責任は果たしていたのでしょうか?

 猟友会の方がなぜ意見を言う立場にあるのかわかりませんが、全くそのとおりで、「専門家」の皆さんはシロウトの皆さんに教えてもらうことばかりです。

 それにしても、建築が専門の新海順教授の「斜面で、積雪のある難しい場所・佐渡島に大きな施設を作ったからすき間は失くせない」というコメントは決定的ですね。なぜ、そんな佐渡島にこの施設を建設したのか、そこからが間違っていたのではないか?ということでもあります。

 本来佐渡島にはいなかったテンをウサギ駆除のために佐渡島持ちこんだ。
 絶滅したトキを繁殖させようと、施設を作るのにふさわしくない場所に無理やり作った。
 専門家会合はザル状態の役立たず。
 その結果もあって、テンにトキが襲われた。
 そしたら一部の「専門家」は、テンの駆除を提案した。

 ホント、「専門家」ばかりですね。「専門」と「家」の間に、「バ」が入りそうです。

「専門家」会議

 3月17日付けの読売新聞の記事です。
トキ襲撃 再発防止に電気柵導入

 佐渡トキ保護センター野生復帰ステーションの順化ケージで訓練中のトキがテンに襲われて死んだ問題で、環境省は16日、専門家らによる会合を開き、ケージ周囲への電気柵設置や、金網へのトタン板取り付けなどの再発防止策を決めた。同省は施設の改修を早急に行い、もともと21羽で計画していた今秋の放鳥については、今回死んだ分の補充はせず、残りの10羽程度で行いたい考えだ。

 この日の会合では、専門家の意見を踏まえ、〈1〉265か所見つかった金網のすきまの穴埋め〈2〉電気柵を順化ケージの周囲に設置〈3〉テンが登れないよう金網へのトタン板取り付け〈4〉小動物を発見しやすくするために、ケージ周辺の草木の除去――などの措置を決定。飼育繁殖専門家会合座長の小宮輝之・上野動物園長は、「応急処置をすることで、(訓練施設として再び)使えると思う」としており、根本的な全面改修は必要ないとの見方を示した。

 会合では、順化ケージの施工設計や、現場の管理体制について、「こんな事故はあり得ないとの大前提で仕事していたのでは」「過去に起きた小動物の侵入を報告していたら、その時点で対応出来た」などとの批判も相次いだ。施設を管理する佐渡トキ保護センター戸貝純夫所長は、「認識が甘かったと申し上げるしかない」と謝罪した。

 一方、2008年に順化ケージへイタチが侵入した事例については、直後の専門家による会合で報告されていたことも判明。環境省は、具体的な報告内容について不明としているが、当時は、問題視されなかった可能性が高く、委員の1人は、「環境省、県、そして専門家にも問題意識が欠けていた」と打ち明けた。

(2010年3月17日  読売新聞)
 私はトキの専門家でも何でもないので単なる疑問なのですが、元々21羽で計画していたのが10羽という半数以下で放鳥しても、当初目的、おそらくは自然の中での繁殖などでしょうが、これは果たせるものなのでしょうか?
 「何が何でも当初のスケジュールどおり放鳥せねば」という結論ありきでの話にも見えてしまいますが…大丈夫なんでしょうね!?

 会合の内容を聞くと、そんなことは建設計画のときにしておくべき話で、今さらそんなことを言っているのが呆れてしまいます。
 短い報道がされた限りのことではありますが、こんな程度の話は「専門家による会合」でなくとも、ちょっと自然観察をしている人であれば容易にわかるものです。まず確実に言えますが、この施設に私が勤めているか関わっていたら、少なくともこんな大失態は絶対に無かったと断言できます。

 それにしても「専門家」という言葉はあいまいですね。何だかその道に誰よりも精通した実績ある研究者のようなイメージに見えますが。
 今回の「専門家の会合」のメンバーと重複するのかわかりませんが、記事末尾にあるとおり、以前イタチが侵入したことは当時の「専門家による会合」で報告されていたのにも関わらず放置されていたというのですから、当時の「専門家」というのは肝心なことでは何の役にも立っていなかったということでしょう。
 どれだけトキやテンに詳しくとも、それらの関連や想像力豊かな危機管理や、会議の席で有効な発言をするとかに欠けていれば、このとおり、何の意味も無い結果になりかねないということです。
 この施設管理に関わる全ての人は、総入れ替えした方がよろしいでしょう。資質が大いに疑問です。

 同じく今日の毎日新聞の記事には、この会合で出された「検証委員会」の設置について書かれています。
トキ:9羽襲撃死 ケージのすき間埋める 電気柵、テン返しも /新潟
3月17日12時9分配信 毎日新聞

◇専門家会合、環境省方針

 佐渡市の佐渡トキ保護センターでトキ9羽が死んだ事故を受け、環境省のトキ飼育繁殖専門家会合(座長・小宮輝之上野動物園長)は16日、同市で会合を開き、テン対策について意見を交わした。同省は順化ケージのすき間を埋めるなどの対策を進めるほか、同ケージの設計・施工の過程などを検証する委員会をつくり調査に乗り出すことにした。
【中略】
 テンをめぐっては、同日朝に順化ケージのすき間に張った両面テープから毛が採取されたが、捕獲には至っていない。同センターの金子良則獣医師は「テンに襲われたときにはテンのフンがあったが、今までにケージで発見されたことはなく、これまでも日常的に出入りしていたとは考えにくい」との見方を示した。
【後略】
 はぁ、また検討委員会なんてものを設置するんですか。どの程度の検証能力がある人たちで構成されるのでしょうか。
 「設計・施工の過程などを検証する」とありますが、設計や施工だけではなく、その完了検査や運用後の点検とか、侵入事件があった後の怠慢と言える対応の問題などもしっかり検討してもらいたいものです。

 それにしても随分日が経つのに「捕獲に至っていない」とありますが、テンの捕獲はそんなに難しくないと思うのですけれど。
 現に以前書いたように、私はひと晩で捕まえかけたのですが。しかも、この猟法は「越後地方」に古くから伝わるものです

 と、いうか、この期に及んでテンを捕まえる必要があるんですかね?
 カメラの映像や足跡で、トキを襲ったのはテンというのはほぼ間違いない。
 侵入路として隙間から出入りが可能であることはこのテープの毛の付着でほぼ断定しても良い。
 そんな中で、隙間を埋める改修をしないうちに、ケージの中でテンを捕まえて、それが何だというのか、私は目的・意味がわかりません。捕まえても、もう時間が経ったので胃の中にトキの羽や肉片も残っていないでしょう。単に、「犯人を捕まえた」とでも言いたいのでしょうか?襲った個体かどうかなんて、どう確認するのでしょう?

 そんなことをするよりも、さっさと穴をふさいで、「これで良し」という納得行く施設に改修し終わったら、まずはかわいそうですがケージの中にニワトリでも入れて、本当にその金網などの改修だけで十分か、万一にも見逃している個所は無いかをテン自身に検証してもらい、安全性を確認してからトキの訓練に移れば良い。
 もし、「秋の放鳥に間に合わせるべく訓練開始を急がないと」などと慌てたりすることがあるならば、またろくな結果になりかねない。

 既に襲われてから1週間ほど経過しているわけですが、そもそも今回死んだトキを今の時期訓練ケージに入れていたのは、当然「秋の最適な時期に放鳥するのを間に合わせるための訓練期間は、この時期から始めなければならない」と検討した上でのことだったと思われます。ところが、新たに放鳥しようというトキの訓練をこれから当初の訓練開始時期から大幅に遅れて訓練を開始させて、それで期間が足りるのでしょうか?
 もし開始時期が遅れた分、放鳥時期も遅らせるならば、放鳥後の食糧探しなどの生き残りに影響しないのでしょうか?
 だから、秋に放鳥することは少し心配と思うわけです。
 まあ、一連のずさんな運営を聞いたので、もともとの放鳥時期もそこまで考えた時期や訓練期間とはとても思えないので、遅れても影響しないのかな?

 さて、記事中の獣医師のおっしゃる論拠も疑問です。
 265か所もの隙間の重要性にも気づかず、イタチやテンの侵入を確認しても問題視してこなかったような程度のスタッフが、テンの小さなフンがあったならばそれを見逃さなかった・きちんと報告したとでも言うのでしょうか?自意識過剰ではないでしょうか?
 それに、「日常的に出入りしていたか否か」なんてことは、議論する必要はないでしょう。順化ケージは、放鳥する前の訓練段階で入れられる一過性の滞在場所なわけでしょうから、中に「食料」が無ければ、入り込みにくいこのケージにわざわざ入る必要性が無いから入ることは少ないに決まっているでしょう。肝心の訓練のためにトキを入れたときからテンが入り込みたくなるわけで、日常的かどうかなんて意味が無い。
 どうもピントがずれたコメントです。

 ここからわかるのは、以前も「熊剥ぎを防ぐには枝打ちしなければ良い」とか「立ち枯れた木での事故は無い」という林業専門家の主張や、「熊に襲われたら死んだふりやガススプレイというのは間違いで、ナタで対抗するしかない」という研究者の話、スズメバチ駆除で莫大な利益をあげている私立高校教師が住宅地の自宅でスズメバチを飼って批判されている話などを紹介したことがありますが、ひとくちに「専門家」と言っても特定分野だけ他の人より詳しいというだけで、関連する事項を横断して考えて実行する能力が伴うとは必ずしも言えないということですね。
 行政らはいつも「専門家」という言葉でその発言に重みを持たせ、「その発言は専門家が言っているから間違いは無いので、この計画は大丈夫です」という根拠の補強にしたがる傾向にあるように思います。しかし、そこが重大なウィークポイントになりやすいということです。

 昨日も書きましたが、もうちょっと抜本的なところに立ちかえって、人間が思いつきで行うことが許される事業かどうか、手に余すのではないかどうかまでも検討すべきなのではないでしょうか?

【追記 2010.3.19】
 検証委員会の構成員が決まりつつあることが、3月19日の産経新聞に出ていました。
トキ襲撃の検証委員が決まる 7人中5人
2010.3.19 22:43
 新潟県の佐渡トキ保護センターでトキ9羽がテンに襲われ死んだ事故で、環境省と新潟県は19日、事故検証委員会の7委員のうち「トキ」「飼育施設管理」「建築」「ヒューマンエラー」「法律」の各分野で、山岸哲・山階鳥類研究所長ら5人の委員が決まったことを明らかにした。このほか外敵動物の専門家と、佐渡市のトキ保護活動関係者を人選中。第1回会合の日程は未定だが、環境省は「なるべく早く開催したい」としている。
 これを開いたからって何がどう成果があるのかわかりません。
 今ごろこんな会を開催するとは、驚きと呆れという思いしかありませんね。

【追記 2010.4.1】
 この「検証委員」のメンバーが決まったと3月30日の毎日新聞は伝えています。
トキ:9羽襲撃死 環境省が検証委−−佐渡で来月5日 /新潟
【中略】
 同省によると、委員は石井信夫東京女子大教授▽笠井照夫県猟友会佐渡支部長▽小宮輝之上野動物園長▽斉木悦男弁護士▽新海俊一長岡造形大准教授▽山岸哲山階鳥類研究所長▽吉川栄和京大名誉教授の7人で、建築や法律、動物などの専門家で構成。

 委員会では、多数のすき間が見つかった順化ケージの設計・施工や、管理体制について問題点を検証する。4月下旬にも結果をまとめ、公表する予定という。【畠山哲郎】
 ネットで検索して見られた「第7回トキ野生復帰専門家会合」(2008年12月8日開催)の資料にあるこの委員メンバーを見ると、「山岸哲 山階鳥類研究所長(座長)」とあります。
 先の報道では、2008年に同じ構造のケージにイタチが侵入したことが、この専門家会合で報告されたものの問題視されなかったということがありました。そのときの危機感ゼロの「専門家」のお1人に、この座長さんも含まれているのではないかと思われるのですが、もしそうなら、そんな人を検証委員にも据えて、いったい何が検証できるというのでしょう?反省文でも書かせるのですかね?

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トキ問題

 まずは、今日の時事通信の記事から。
トキ襲撃の記述を=生物多様性国家戦略に−鳩山首相
3月16日10時26分配信 時事通信

 鳩山由紀夫首相は16日に閣議決定した「生物多様性国家戦略2010」に、新潟県の佐渡トキ保護センターでトキがテンに襲われた問題を追記するよう小沢鋭仁環境相に指示した。小沢環境相が閣議後記者会見で明らかにした。

 小沢氏は「鳩山首相は安全性や管理態勢について気にしていると思う。一連の事件を踏まえた記載が必要との指摘を受けた」と述べ、トキの安全を確保する方策を記す考えを示した。

 国家戦略には、動植物や生態系の保全策などを盛り込んでいる。開発や外来種の持ち込みなどによって生物多様性が損なわれているとして、「2050年までに生物多様性の状態を現状以上に豊かにする」との中長期目標を示した。 
 漫然と管理していたという驚くべき想像力や責任感の欠如といった能力不足は、大いに問題にすべきことでしょう。
 産経新聞のサイトでは、問題のケージ内部の360°写真が見られますが、この程度の範囲の中で、未だテンが内部にいるかいないかもハッキリしないとは、そんなに確認が難しいことなのでしょうか?

 それにしても、元々この放鳥のトキは中国産と聴いています。
 元々国産も中国産もほぼ同じなのでしょうし、国産が既に絶滅したので遺伝子上の交雑というのは無いにしても、これも「外来種」と言えなくも無いでしょう。少なくとも、人間のエゴでもって他の土地から連れて来て放すという構図は同じです。

 野山から消えて久しい生き物を放鳥するということはそれなりに安定している今の生態系を乱す元でしょうし、以前も書いたようにトキが生きて行くのに十分とは思えない環境になっている中で放鳥することが適しているかどうかも私は大いに疑問です。

 そんな中、話は意外な方向に展開中。
 先日も触れたとおり、佐渡島のテンというのは野ウサギ駆除のために人為的に放たれたということですが、それを駆除するか否かという話が出てきているというのです。
 今日の毎日新聞の記事です。
<トキ襲撃>テン駆除に専門家が論争 生態系壊れる?
3月16日2時40分配信 毎日新聞

 新潟県の佐渡トキ保護センターで国の特別天然記念物トキがテンに襲われた事故で、小沢鋭仁環境相は15日、トキを外敵から守る検討会を設置する方針を固めた。だが、テンは半世紀前に持ち込まれ、生態系の一部となった。専門家の間でもテンを駆除するかどうかの答えはみえない。

 環境省によると、テンは14〜15日にトキが襲われた訓練施設「順化ケージ」内外で計10回、確認された。ケージの金網の網目より大きなすき間が263カ所あり、テンが出入りできる状態だった。

 テンは杉の苗を食べるノウサギ駆除を目的に、1959〜63年、24匹が本州から持ち込まれた。03年には推定2000匹にまで急増した。テンの生態に詳しい佐渡市の矢田政治・元両津郷土博物館館長は6年前、自宅でヒヨコ18羽がテンに襲われた。「3センチのすき間で侵入する。放鳥したトキを守るため、ワナをかけて駆除すべきだ」と主張する。

 これに対し、新潟大の箕口秀夫教授(森林生態学)は「佐渡に定着して50年。生態系の中に組み込まれた。駆除すると、地域の食物連鎖が壊れる」と否定的だ。

 人が生態系に手を加え、悪化した例は多い。沖縄本島にしか生息しない鳥ヤンバルクイナは、ハブ対策のマングースのために激減。米イエローストン国立公園ではシカ駆除のために、オオカミを持ち込んだが、その功罪で論争が続く。

 16日に開かれる環境省専門家会合の小宮輝之座長は「問題はトキにとどまらない。外来種対策を真剣に考えたい」と話す。【足立旬子、畠山哲郎】
 「テンの生態に詳しい」という、元両津郷土博物館長の駆除論は、私は全く同意できません。
 人為的に持ちこまれた弊害が様々出ているというので駆除、というのならばまだしも、「放鳥したトキを守るため」というのは、どういう理屈でしょうか。
 既に放鳥されたトキは各地に飛来しているらしいですが、それら各地のテンも全て駆除するべきと言うように見えますが。悪意ある人間が密猟するかもしれませんから、人間もワナを仕掛けて駆除しなければならない…とも言うのでしょうかね?
 そんなに大事ならば、金庫にでもしまっておいた方が良いでしょう。
 そもそも、この両津郷土博物館のHPを見ると、その名のとおり郷土の歴史や産業を紹介するのがメインのようで、自然科学系ではなさそうですが、どのくらい「詳しい」のでしょう。

 以前、鹿児島にマングースが上陸したという話題で、どうも30年前には既に棲息していて今回初めて分かったというのにも関わらず、その影響などをろくに調査もせずに根絶計画が始まっていることに疑問を投げかけたことがありますが、非常に似た構図ですね。
 マングースとは厳密に違いますが、私は新潟大教授の慎重論に賛同します。

 いずれにしても、これらのドタバタぶりというのは全て人間が浅知恵でもって自ら招いただけの話ですね。
 にも関わらず、今度はトキを放鳥。
 これらの一連の混乱から、関係者は多くのことを学ぶべきでしょう。

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