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入院中、整形外科の医師からX線撮影された写真を見せられました。
右の股関節に少し歪みがある、というのです。飲酒量の多さが原因だ、とのことでした。
「お酒をやめたら、治りますか」と尋ねると、答えはノー。治りましぇーん。がーん。
でも、今の程度であれば運動機能に支障はなく、飲酒量を減らせばこれ以上は悪化しないとのこと。
私はこのとき、晩酌も食前酒もやめる決意を固めたのでありました。
思えば、惰性で毎日飲んでいただけでした。実際、入院中は飲みたいとは思いませんでしたから。
自分の身体に謝りたい気分にかられました。今まで粗末に扱ってばかりで、ごめんなさい。
腰の痛みと頭痛に耐えながら、ベッドの上で思いました。 私は、いざというときには、弱い人たちを助ける側の人間だと思っていました。
一応、ウエイトトレーニングで身体を鍛えてましたからね。なの現実には、このざま。
もし震災などの災害と重なっていたらと思うと、自分のおごりを反省することしきりです。
でも、このたびの入院は、不運なことではなく、「いい体験」だったと思います。 自分のこれからのライフスタイルを変換するきっかけになりましたから。
一度は手ひどい目に遭わないと、人間というのは、簡単に反省しないものであります。
さて、入院生活も、後半の一週間はだいぶ楽になりました。 点滴が終了して飲み薬に変わったときは、やっと自由の身になれたと感じました。
身体を動かしてもいい、とのことだったので、リハビリのつもりで軽い運動を始めました。
ベッドで腕立て伏せとか、階段歩きとか。階段歩きのときは、引力というものを初めて実感しました。
六階から一階までを往復しただけで、息が切れ、腰がだるくなり、めまいがします。
でも、身体を動かす喜びの方がはるかに大きくて、いい気分。
ちょっと大袈裟ですが、自分は生まれ変わったんだ、という感覚です。
最後の数日間は、主に読書で時間を潰しました。 ボランティアの方々が、本を積んだカートを押してやって来て、貸してくれるんです。
食堂かたつむり 小川糸 ポプラ社
ブルーベリー 重松清 光文社
手紙 東野圭吾 文春文庫
八日目の蝉 角田光代 中公文庫
制服捜査 佐々木譲 新潮文庫
などなど。ちなみにそのカートの中には、拙著もありました。
そうか。自分が書いた小説も、入院中の人たちに束の間の楽しみを提供してるんだ。
小説を書き続けるモチベーションが、一つ増えた感じです。
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2011年04月16日
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