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ブログ仲間の hig**ig さんから、こんな質問をいただきました。
マイクさんの「1セットだけ」とはレップ数でいうとどのあたりのレベルなのか…と疑問が湧いてきました。 自分は8レップ(負荷80%)あたりでベンチプレス3セットやる習慣がありますが、このハイ・インテンシティ
理論では2−3レップを「ウガーッ」とある程度の回数を1セットとしてこなすということでしょうか。
今回は、それにお答えしたいと思います。
さて、まずは、ハイインテンシティ理論について簡単におさらいしておきましょう。
・強度の高い一セットで充分。それ以上は回復を遅らせるだけでむしろマイナス。
・延長セット法、コンパウンドセット法、予備疲労法などを取り入れて強度を高める。
・トータルの仕事量が少ないので大量のタンパク質補給は必要ない。
・短時間で済むため他のスポーツの補助トレーニングに適している。
特徴としては、こんなところです。では、1セットで何回ぐらいのエクササイズがいいのか。
それを知るためには、まず以下のことを、頭に入れておいてください。
その1 筋繊維の種類
・白筋(速筋)繊維 瞬発力を担当。肥大しやすい。
・赤筋(遅筋)繊維 持久力を担当。白筋ほどは肥大しない。
※ 白筋と赤筋の割合は生まれつき決まっていると言われている。 その2 負荷と回数の関係
・超低回数 3〜5回 神経が疲労、仕事量は少ない、怪我をしやすい。
・低回数 6〜12回 白筋を刺激。 ・高回数 12〜 20回 白筋と赤筋を刺激。
・超高回数 20〜 25回 赤筋を刺激。これ以上の回数は有酸素運動に移行。
※ 適正回数は個人差が大きい。日本人は高回数の方が筋肥大しやすい傾向にある。
※ 回数だけでなく、反復スピードや動作の丁寧さも負荷の強度に大きくかかわる。
その3 体格の種類
内胚葉型 消化吸収力が強い、太りやすい、関節が太い、手足が短い、瞬発力系。
中胚葉型 消化吸収力が強い、筋肉質、瞬発力も持久力も保有、スポーツ万能系。
外胚葉型 消化吸収力が強くない、関節が細い、手足が長い、持久力系。
※ 体格の種類に合ったエクササイズをすれば効率よく発達させることができる。
結論としては、個々人の生まれついての体格や体質を考慮して回数を決定すべし、ということです。
1〜5回しかできないような高強度のトレーニングは、神経ばかりが疲れて回復が遅れます。
しかも、回数が少ない分、トータルの仕事量も少ないことになり、結果として筋肉への刺激も不足します。
また、靱帯や腱の断裂や損傷も招き、オーバーワークとなってさまざまな怪我を誘発します。
なのでパワーリフティングの選手も、普段は6回以上できる重量でトレーニングしています。
もともとがっちりした骨格を持っている人は、6〜12回ぐらいをベースにやればいいと思います。
骨格が細くて持久力系の人は、12〜20回ぐらいをベースにした方がいいでしょう。
hig**ig さんの体格についてはよく判りませんが、胸のエクササイズであれば、こんな感じでどうでしょう。
ベンチプレス8〜12回を全力で限界まで1セット+α(次回は48〜72時間後に)
+αというのは、直後にディップスやダンベルベンチプレスなど、10回以上できそうな種目を追加する、
という意味です。この駄目押しによって、筋肉は限界まで刺激を受け、パンプアップされるのです。
最初のベンチプレスも、追加種目も、限界までやることが重要です。両方をやって1セットと数えます。
ちなみに私は、20回ぐらいできる負荷+αでやることを基本にしています。次回は48時間後。
若い頃は8回前後の負荷で何セットもやっていたのですが、伸びが止まってしまい、試行錯誤するうちに
高回数に変更してやっと発達し始めた体験によります。特に肩や腕のような小さな筋群は、回数多目の方が
効きやすいんです。私の今の三頭筋は、負荷を下げて20回にしたことで得られたものです。
8回前後の高負荷でやっていたときはなかなかサイズが増えず、逆にひじを痛めてばかりでした。
もちろん個人差があるので、一概には言えませんが。いろいろ試すべきですね。
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トレーニング
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上半身のうち、引く運動を担当する筋肉をいっぺんに鍛える最良のエクササイズがプルアップ(懸垂)です。
グリップは主に、広く幅を取る順手、狭く握る逆手、パラレルグリップ(平行なバーの場合)がありますが、
私がお勧めしたいのは、狭く握る逆手です。基本的にプルアップは広背筋のエクササイズですが、
狭く握る逆手だと、上腕二頭筋(力こぶ)も動作に関与する割合が増えるのです。
つまり、狭く握る逆手が最も高重量を扱うことができる、1セットの強度が最も高いということです。
また、狭いグリップの方が背中に厚みをつける効果がある、とも言われています。
ディップスと同様、プルアップも公園の遊具など、ぷら下がれる器具さえあれば手軽にできます。
しかも、背中のエクササイズの中でも、一、二を争う高強度のエクササイズ。
私はジムでトレーニングをするときも、背中用のマシンには目もくれす、たいがいプルアップをします。
人間は、かつて木の上で生活していた先祖の遺伝子を引き継いでおり、ぶら下がった状態から落ちる、
ということを嫌います。落ちれば天敵から襲われるからです。だから、似たような動作であっても、
ラットマシンプルダウンとは、緊張感が違います。緊張感が高まると、筋繊維の動員率が高まります。
要するに、1セットの強度が、プルダウンマシンよりもプルアップの方が確実に高い、ということです。
さて、プルアップが7回以下しかできない人は、まずはインクラインプルアップ(斜め懸垂)をしましょう。 子供用の低い鉄棒はもちろん、テーブルの下にもぐり込んで両隅をつかんで行うこともできます。
ポイントは、バーを胸の下部に引くことです。胸の上部に引くのは駄目。効果が減退します。
「いち」で引いて、「に、さん、し」と時間をかけてゆっくりと腕を伸ばす方法が効果的です。
力を抜いて腕を伸ばすのではなくて、重力に抵抗しながらゆっくり腕を伸ばしてゆくわけです。
その他、イメージとしては、背中の両側の筋肉をぎゅっと中心に集めて、はがきをはさむつもりで。
このインクラインプルアップを丁寧な動作で20回以上できるようになれば、プルアップに挑戦。
プルアップも、ディップス同様、15回〜20回ぐらいが適正なターゲットです。
全力で1セットやった直後に、続いてインクラインプルアップで追い込めば完璧。
何セットもやってはいけません。全力で1セット、プラスアルファで必要かつ充分なのです。
なお、回数が20回以上になってしまう人は、ウエイトをプラスして回数を調節します。 でもその前に、丁寧な動作によって回数を減らすべし。回数増加への執着は間違いのもと。
目的は、筋肉に強い刺激を与えること。回数を増やすためにフォームが悪くなったら本末転倒です。
ちなみに私は、ウエイトなしで20回。21回目ができるのにやめるのではなくて、
フォームやスピードを調節して、ちょうど20回目が限界、という形に持っていくのです。
月水金にディップス、火木土にプルアップ。これだけでも上半身がかなり発達すること間違いなし。
特にアスリートの方、自分の体重をコントロールするエクササイズはいろんな意味で有用ですぞ。
プルアップのお手本動画はこちら。
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ブログ友達の hig**ig さんから、ディップスとブルアップの方法について質問をいただきました。
そこで今回と次回にかけて、効果的な方法を紹介させていただきます。今回はまず、ディップス編。
ディップスは、平行棒などを両手でつかんで足を浮かせ、ひじを屈伸させる運動です。
アッパーボディスクワット(上半身のスクワット)という異名を持つ、すぐれたエクササイズです。
やりようによっては、上半身の筋肉の半分、押す運動を担当する筋肉をいっぺんに鍛えることができます。
ただし、そこはやり方次第。筋力が乏しい人がいきなりやると、強度が高すぎてオーバーワークになるし、
逆に、既に身体が作られている人にとってはやや強度が足りず、持久力系の運動になってしまいます。
目安としては、15〜20回ぐらいできるぐらいが、ちょうどいい強度です。
ディップスが7回以下しかできない方は、まずはインクライン・プッシュアップをしましょう。 椅子などの台の上に両足を載せて行う、強度の高いプッシュアップ(腕立て伏せ)です。
ただし、フォームが普通の腕立て伏せとは異なります。普通は、肩幅よりも広く手幅を取って、
わきを開くフォームですが、私のお勧めは、肩幅ぐらいに手をついて、わきを締めるフォームです。
両肘が、わき腹をこするような感じをイメージしていただければ、判りやすいと思います。
このフォームによって、胸だけでなく、肩や上腕三頭筋(力こぶの裏側の筋肉)が同時に鍛えられます。
このフォームでのプッシュアップを、私は「インクライン・マルチプッシュアップ」と呼んでいます。
万能のプッシュアップです。これが15〜20回できるようになったら、ディップスにチャレンジです。
さて、ディップスの回数が7〜12回ぐらいになる方は、1セットあたりの仕事量がやや少ないので、 ディップスが限界になったら、ただちにインクライン・マルチプッシュアップに移行します。
この二つの種目を立て続けに行って、1セットと数えます。いわゆる、コンパウンドセット法です。
上半身の押す運動は、これで終了。何セットもやるのは間違い。全力で1セットやったら終わり。
セット数を増やすと、疲労からの回復が遅れるだけ。やったーという自己満足は得られますがね。
しっかりと1セットやったら、48時間後にまた全力で1セットをやればいいのです。
最低限の労力で最大限の効果を得ることができる、ハイインテンシティ理論に基づく考え方です。
これを月水金(または火木土)にやるだけで、上半身のプッシュ系筋肉群がどんどん発達します。
いや、ほんと。嘘ではありませんから。騙されたと思って、続けてみてください。
なお、ディップスが20回以上できてしまう上級者は、ウエイテッド・ディップスで回数を調整します。
ベルトなどを使って腰からおもりをぷら下げて、強度を上げて、回数を20回以内に抑えるわけです。
回数が少なすぎると仕事量も少なくて刺激が弱い。回数が多すぎても強度が下がって刺激が弱い。
経験的に導き出された回数が15〜20回というわけです。
ちなみに私は、15kgのウエイトをぷら下げて20回+インクライン・マルチプッシュアップです。
ディップスのお手本動画はこちら。やるき倍増、間違いなし。
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ニンジャスクワット。多分、聞いたことのない名称だと思います。私の命名だから当たり前なんですがね。
ジャンピングスクワットの一種です。スクワットで立ち上がるときに、少しだけジャンプするんです。
着地したときの足幅は肩幅より広め。足の裏全体で着地します。かかとも地面にちゃんとつけます。
忍者は音もなく飛び下りて着地します。このエクササイズの肝は、忍者のように振動や音を出さないこと。
実は、これはものすごく強度の高いエクササイズなんです。
音を殺す、ということは、着地の衝撃を筋肉で受け止めている、ということなのです。
アメリカで、ある実験が行われました。階段を上がるグループと、下りるグループの実験です。 グループAは、四十階以上ある高層ビルの一階から最上階まで上り、エレベーターで下ります。
グループBは、同じビルを、まずエレベーターで最上階まで上がり、そこから一階まで下ります。
さて、どちらが大変か。グループAだと答えたあなた、ある意味正解。でも不正解。
グループAは、最上階まで上った直後、みんなへとへとでした。足がぱんぱんで、悲鳴のような声。
一方、グループBは、一階まで下りたとき、みんな笑顔でした。誰も辛そうではありません。
そりゃそうです。グループBは下りただけですから。グループAとは仕事の度合いが違います。
ところが、翌日になると、正反対の結果が待っているのです。
グループAのほとんどは脚が筋肉痛になりましたが、グループBはもっともっとひどい筋肉痛なのです。 やり終えたときはみんな笑顔だったのに。なぜか。実は、着地という行為に重大な秘密があるのです。
着地するときには、全体重を筋肉がクッションとして受け止めなければなりません。
これが、筋肉にものすごい刺激を与えているのです。ジャンプするより、着地の方が強度が高いのです。
トレーニングの世界では、これをネガティブトレーニングを呼びます。
例えば、ベンチプレス。挙上するときに力を入れて、下ろすときに力を抜く人が多いのですが、
これは間違い。下ろすときにこそ、ウエイトの重さを感じながら、ゆっくりと下げなければいけないのです。
バーベルカールも同じ。下げるときこそゆっくり。重力に抵抗することで、筋肉が強い刺激を受けるのです。
このことを知っているかどうかで、同じトレーニングメニューなのに、天と地ほどの差が出ます。
半年もすると、明かな発達の度合いの違いとなって、目に見えて判るのです。
ニンジャスクワットは、このネガティブトレーニングを重視したエクササイズです。
できるだけ物音を立てずに着地して、深くしゃがむ。そしてまたジャンプ。
ジャンプはちょっとだけで充分。大切なことは、ジャンプする高さではなくて、着地の衝撃を殺すことなのです。
三十回連続でできたらアスリートレベル。二十回で一般人以上レベルです。
騙されたと思ってお試しを。このネガティブ重視の考え方は、あらゆるトレーニングに応用すべき原理です。
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先日、某イケメンタレントさんがテレビ番組の中で、自慢げに言っておられました。
「僕はベンチプレス100キロ挙げられるようになりました」
えっ、その細身の体型で? うそだー。
で、その映像が流れて、私はご飯を噴き出したのでありました。
バーベルを半分も下ろさないで、ちょっと下ろしただけで、そこから持ち上げてる。ひどっ。
ベンチプレスというのは、バーを静かに胸に着地させて、バウンドさせないで筋力によって挙上します。
あれでは「ベンチプレスもどき」とさえ呼べない、ただの自己満足。番組内では「すごい」と言われてましたけど。
別にいいんですけどね、他人がやることだから。でもよくテレビであんなことやって、恥ずかしくないのか。
そのタレントさんの体型からして、ちゃんとしたベンチプレスは70キロでも怪しいなと思ったのでありました。
さて、指導者がいないジムでトレーニングをしていると、そういう方々をよく見かけます。 ベンチプレスで、胸まで下ろさない。下ろしたとしても、胸の上でバウンドさせて反動を使ってる。
その他、フォームが間違っている、体型に合ってない高重量を挙げようとする、セット数やり過ぎ。
時間をやりくりしてせっかくジムに来てるのに、何でわざわざ効果の乏しい方法を選ぶのか。
そんな方法では何年経っても筋力なんかつかないだろうに。実際、みんな素人体型。誠に残念。
若い頃の私は、そういう人を見かけると、親切心から声をかけたものでありました。 それでは筋肉が刺激されず、あまり効果が得られませんよ。こうした方がいいですよ。
でも、余計なお世話だ、みたいな態度の人が結構多いので、いつの間にか声かけはしなくなりました。
人は人、自分は自分。それでいいのでありましょう。
ただし、聞かれたときは、親切丁寧に教えて差し上げております。
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