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さて夏といえば、昔から何故か怪談。
去年のことだけど、ちょっと書いておこうかな。
その前にまず、うちの職場にいる「きち」のことを説明させてもらいたい。
このきち、年齢はもう来年だか再来年だかに定年を迎えるという大人の中の大人、年齢的には。
きちは仕事でかなりのハイペースでヘマを量産する。しかも、そのヘマを小学生もビックリするような下手な嘘で誤魔化そうとする。それを追求すると、逆ギレ、むくれてどこかへ逃亡、翌日謝る。このパターンを何度も見た。
ときちはこういう人だ。社内での評価も「嘘つき」に定まっている。
ここから怪談、ある日の夜勤、用を足しに職場の敷地内でも隅っこの方にあって、そこはその持ち場を担当した者しかほとんど使わないトイレへ行った。時刻は草木も眠る丑三つ時、マジで。
誰も使わないトイレだから、当然照明は消されていて、真っ暗。
照明を付け、小便器に向かって用を足しているとき、何気なくふと後ろを見た。
すると、二つある個室の奥の方の鍵が閉まっている。スライドさせるタイプのあれで、外から見ると鍵のところが使用中は赤になるあのやつ。
なんで?ここはあまり人が使わないし、誰か使用しにきたとして、明かりもつけずに個室に入るかね・・。
使用中を報せる赤を見つめながら、そんなことを考えていると、急に怖くなってくる。以前から噂はあったのだ、あそこのトイレには、何かいる。と。
気が気じゃない、ずっと扉を睨みながら、こんな時に限って止まらないよ、もう2リッターくらい出てんじゃないかってくらい止まらない。こうしている間に、あの扉が空いたらどうすんだよ、何か出てきたらどうすんだよ、うわわ。
無駄に咳払いなどしながら、相手を牽制しつつ、何とか用を足し、過剰に水を出して手を洗い、照明は消さずに外に飛び出した。
この話を帰りに職場の人間が集まるところで話すと、皆ちょっと疑ったような感じで、「へぇ」とか「マジ?」とかどうでもいいような、ハイハイ、みたいな相槌。
いや、マジなんだってと強弁しつつ、あ〜写メ撮ればよかった、ってか上から覗いたったらよかった、でも、マジでオッサンが気張っていたりしたら、それは幽霊とか見るよりよっぽどトラウマだよな。そんなの見たら。とか思っていると、「それ、ホントですよ、僕も見ましたもん。」
おお、なっ!ホンマやねんて、マジやねんて、と言いつつ突如現れた助け舟のほうを振り返ると、
声の主は前述のきち。
ああ、きちか・・・。周りも、ふーん。みたいな感じを強くする。
きちに見たと言われると、何だか自分は見てないんじゃないかと自分を疑いだす。
今もきちの援護射撃が相手に当たらず僕の背中に当たって、自分を疑っている。あれはホントにあったことだろうか・・と。
あれ?怪談のつもりが、きちが如何に嘘つきかみたいな話になった。
でもまぁ、60を目前にして、これだけ人から信用がないというのも、ある意味怪談だ。
「残穢 住んではいけない部屋」 2016年 日本 監督 中村義洋
これはホラーと思って観たけど、ミステリーに近い感覚の作品に感じた。
あるマンションの一室で起こる怪現象を追究していく、その過程で明らかになっていく因縁。
既存の物に多い、意味の分からないお化けとかが急に襲ってきて、ぎゃーとかうわーとかの話じゃなく、
しっかりとしたストーリーがあったことが印象的。
あまり、ホラー系は好かないのだけど、夏だしね。
たまには。
そう思いました。
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