|
僕は、一度読んだ本や一度観た映画をもう一度ってことは、ほぼやらないのだけど、
今年から、一新一旧くらいのペースで、振り返っちゃおうかなと思ってたりします。
若者にしか聞こえないモスキート音も聞こえない、涙もろくなってきた、走れなくなった、髪の毛にコシがなくなってきた、太った。
そんな感じで絶賛山下り中のオッサン。若い頃に影響を受けたであろう作品群は、受信能力の衰えた今の僕のアンテナに何を伝えるだろうかな。感受性の衰え、経験と呼ばれる時間の堆積、物分りの良さと混同されがちな諦観、心の大きさと勘違いされがちないろんなことに対する興味の喪失。
それほど変化がないつもりでも、少し考えれば大きく変化してる、過去と現在。
あの頃の僕は何を考え、どう生きたいと思ってたんだろうな。
何を正しいと考え、何に興味を持っていたんだろうな。
僕は頭が良くないので、自分のことも思い出せないのだけど、
昔見たものに、過去の自分の残滓がないものかと。
それ以前に良いものを再確認してみたい。ってだけの話だけど。
「イントゥ・ザ・ワイルド」(再) 2007年 アメリカ 監督 ショーン・ペン
これ、もう一度見よう見ようと永らく思っていたのだけど、果たせずにいたんです。
一新一旧キャンペーンの初めにふさわしい名作。
物質文明、資本主義社会を離れ、いろんなものを一つ一つ脱ぎ捨て、命一つに近づく、それこそが生きるということ。
そんな主人公の生き様に、激しく共感、実際に行動してしまうその行動力に驚嘆。
車がなければ、家がなければ、イイものを着たい、食べたい、・・・・といろんなものをたくさん手に入れて、それが完全を目指す方法、幸せに至る道だと考える現代人。どれだけ手に入れても心の空白が埋まっていないところを見れば方法が違うのかも。
現代人と全く逆のベクトルで幸福を追求する主人公、手放すことで、より自分自身に近づく、より深く己の内奥に行き着く。
そして、たどり着いた結論は皮肉なもので、彼の目指してきたものとは違ったものだったかもしれないけど、この答えを出すまでの彼の行動を、誰が馬鹿だと嘲笑えるだろう。
これ、観た当時、実話だと知って直ぐに原作を買いに走った記憶があります。
こんなふうに生きられたらな。とあの時確かに思ったな。
ありましたよ、記憶の残滓。
で、今の僕はどうなのよ?って。
ご存知のとおり、俗物丸出しですよ。
新年早々、携帯が壊れたくらいでオタオタの俗物です。
あれがないとダメ、これがないとやってけない、他人より余分に持ってないと不安、不満。
クソだな。クソメンタルだ。
命一個で満足。
あとは余計だ、おまけだ。むしろ荷物だ。お荷物だ。
とこの映画観たあとは思うのだけど、
実際には、
・・・ねぇ。・・・くっ。
無事に直った携帯を握って・・。
そう思いました。
|

- >
- エンターテインメント
- >
- 映画
- >
- その他映画



